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柔らかな頬
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柔らかな頬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全153件 41~60 3/8ページ
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このかわいそうな主人公に魅入られました。主人公の女性のファンになりました。 | ||||
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桐野夏生が自分で一番好きな作品と言う意味がよくわかった。決して読者にも誰にも妥協をしない作品。ミステリーのような 展開を見せる作品だが、もっと重くて人間の内面にまで踏み込んだ作品。不倫をしているカスミの娘が行方不明になる。 まるで作者を反映させるかのような強くて弱い女、カスミ。彼女は不倫相手のために一度は子供を捨てても良いと思う。 そして子供は測ったようにいなくなる。これを期に不倫相手の石山も彼女を去り、替わって出てくる元刑事の内海。彼は 末期がんに侵され余命いくばくもない。彼が一緒に娘を探してくれる。最後の100ページほどは作者はあえて読者をまどわ すかのようにカスミ、内海の夢と言う形をとって犯人を示唆する。別荘の持ち主、和泉。カスミの年老いた両親、そして村の 駐在警官、緒方。最後に娘が自ら死を選ぶような示唆でこの作品は終わる。この作品で娘の失踪は単に筋の枝葉に 過ぎない。大きなテーマはカスミや内海、そして石山の救いのない叫びだ。堕ちて行く人間達の救いは何か。容赦のない 作者は決して読者に迎合するようなエンディングを用意してくれない。親を捨て、娘も捨てたカスミの行く末は。巻末の解説を 福田和也が書いている。彼は桐野をロシアの小説家と比較し、その容赦の無さに注目する。桐野の骨太さは一体次に どのような作品を作り出すのか。高村薫とは一味違う骨太さ。こういった女流作家が時代の流れを作り、時代の本質を 見抜いていく。 | ||||
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面白くて止まらなかった。 一気に上下読みました。 家出、不倫、誘拐、娘を捜す日々。 死に向かう男と失った過去今現在へ。 出てくる人物も全部味があって面白かったし、 生も性も切り売りしない展開が良かった。 | ||||
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全体を通して作者は何が言いたかったのか?タイトルも抽象的で何のことを指しているのか分からない。 作者の経験に裏打ちされたことは細部には書かれていても核の部分は全てフィクションなのでリアリティがない。 さりげなく学会の仲間のキリスト教の宣伝もしてあって不快。キリスト教って実際はこんな良い人じゃないだろ。知性の欠片もない嫌がらせ付きまとい人殺し集団だよ。 これもイメージの刷り込みによる学会員の工作活動。 こんな嘘の作品よりも、作者がどんな汚い手を使ってここまでのし上がってきたのか、事実を描いた作品のほうが全然面白いし興味がわく。 こういうキリスト教とか学会員がやってきた集団嫌がらせを隠すための嘘の話は飽きた。自分のことは何ひとつ語れない人たちが、文壇でちやほやされるべきではない。 間違った見本をみんなが真似していて、フィクションであっても現実の言葉や情景から絡める書き方が誰もできていない。2流以下である。 | ||||
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桐野夏生作品にはまり、最近続けてさまざまな作品を読んでいる。 東京島 緑の毒 IN OUT 残虐記 村野ミロシリーズ、、、、 この作品も最初から 男と女のドロドロ、そして、 女の暗い過去、娘の失踪、死にかけている元刑事 話のテンポが良く、あっという間に読み終えた、 早く下巻が読みたい。 | ||||
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上巻から一気読み。 死にゆく元刑事と娘を探して、故郷へ。 やがて 男の死で結末をむかえるが、最後まで犯人は解らずじまい。 自分で考えろということか。 どうも 最後に内海が見た夢が犯人のようだ。 | ||||
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よく皆さんが比較に挙げる『OUT』『グロテスク』の中では本作が一番良かった。 初めて桐野さんの作品を素晴らしいと思えた作品。直木賞受賞も納得です。 先述した二つも作品それぞれに疑問符があったし、ミロシリーズもイマイチだった。 でも本作は初めて「桐野さんはすごい」と思いました。 内容、テーマ、進行、テンポ、ラスト、全て文句なしの満点です。 ラストに関して賛否両論がありますが、私はこの形で良かったです。 良い意味でも悪い意味でも話題になったので、見事に出版社の担当者のもくろみ通りかと。 桐野さんの作品は細かい描写が繊細ですが、それによって読み手の想像が制限されてしまうという欠点があると思います。 それを今回は回避できたので、いろいろ想像・妄想したい読み手には満足な形でした。 個人的に真犯人は○○だと思っています。(ネタバレになるのであえて書きません。) 理由は全体の文章はもちろんのこと、決定的だったのは下巻のp.31の3行目、およびp.129に記載されているとある1文から推測しました。 もしかしたら2人いるかもしれません。 他の回想は全てただの夢だという見解です。 | ||||
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失踪した娘を追う母親と,事件によって生じた関係者のその後の人生を描いた作品. 母親を初めとして,関係者たちのどこかゆがんだ精神性を生々しく描いている. 前半は,事件後に宗教やTV出演などといった形で母親が狂騒する経過が描かれるが, この辺はどちらかといえばありきたりである. 後半は,事件現場に舞い戻り,捨てたはずの母親の故郷を訪れるという展開である. 母親だけでなく,元不倫相手や,末期癌で退職した元刑事など, 周辺人物のたちの壊れ方もリアルで,なんだか背筋に冷たいものを感じる. この種の人物像を描かせたら,桐野氏の右に出る者はいない. 真相が明かされない結末には批判もあると思われるが, 個人的にはこの結末は有りだと思う. この作品は真相が設定されていないわけではなく, そこにたどり着けるヒントが提示されていないだけで, 真相はちゃんとあるように感じられる. キャラクターたちの言動,状況設定は真相に沿って一貫性をもって動いているように思わせるだけの 雰囲気,説得力,あるいは筆力の高さがある. 未解決事件のもどかしさを読者にも共有させてくれる終わり方とも言える. ハードボイルドなミロシリーズは好みじゃない. OUTは猟奇的すぎるし,事件をモチーフにした最近の作品は理解不能, という桐野氏ファンにオススメの一作. | ||||
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初、桐野夏生でした。えぐいえぐいと聞いてはいましたが、噂通りの重たさ…。 筋立てとしては犯人探しのミステリーなのですが、本筋は娘の失踪によって変容していく各人の心の有り様。事件がそれぞれの心に落とした影が丁寧にかつ冷徹に描かれていきます。途中から捜査に加わる、末期ガンに冒された元刑事の内海が、関係者に事件の「手がかり」ではなく「感想」を聞いてまわるところが面白いです。 本書の陰の主役は、この内海だと言ってもいいんじゃないでしょうか。今まであくなき上昇思考から、犯罪を出世の道具としか考えずに生きてきた内海が、余命幾許もない状況の中でカスミの捜索を手伝いながら、初めて犯罪の心の部分に足を踏み入れようとする。しかし、残酷なのは、その自己の過ちを振り返る旅が何の免罪符にもならないことです。筆者は決して内海に安らかな死を与えません。むしろその最期は、これ以上惨い死があろうかというほど残酷。 残酷なのはまた、カスミにおいても同じ。衝撃のラストシーンは、カスミの苦しみ抜いた漂流の旅を全く顧みず、石山との逢瀬という原罪を拭えぬものとして断罪します。こんなに苦しんだんだからラストくらいは、なんて甘えは全くありません。本当にえぐい。 覚悟して読みましょう。傑作です。 | ||||
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最後まで読んだら主人公に共感できる部分も出てくるのかなと 思いながら読みました 最後まで自己中で身勝手な自分悲劇のヒロインな女 なんでこんな女が主人公? 途中出てくる、もうすぐ死ぬ刑事の部分もいるか?ってかんじで 全体的にいらしらしながら読んでしまいました | ||||
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話としてはまあ普通かな、という印象。ただあのラストの 後味の悪さは最高でした。きれいに終わらないのが人間の 最後と重なってぞっとしました。 ただこの小説の価値はむしろふとした文章の中に潜む「毒」にあると思います。 人間が持つ嫉妬や憎悪の部分をこれほどまでに表現できる作家は いるだろうか、ぐらいに感動できます。いろいろな負の感情を いろいろな登場人物が孕み続けながら怒涛のラストまで引っ張らせる 桐野先生の得意技に今回も脱帽。主人公のカスミもハードボイルド な感じがして、魅力的で格好よかったです。 | ||||
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ミステリーでありながら、誰が犯人かがわからない。 それは読者が自分で決めることもできるし どれでもあり得るのが人生だと意味付けることもできる。 犯人逮捕! その動機は? なるほど……人間は悲しいよね…… 共感! という志向の方にはお勧めできない。 が、あらゆることがおこる可能性が 生きることの中に含まれていると 捉える事の出来る人には 限りなき示唆に豊む作品と評価する。 | ||||
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暗く、哀しい・・・ しかし読み始めたら止まらない。 | ||||
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終わり方に賛否両論が、あるようですね、私は 余韻があってよかったと思います。 夫々が「幻視・夢」の世界で、このような犯人だとこうなりますというのが描かれていて面白い展開でした。 登場人物の一人一人が個性があり、事件をきっかけに人生が色々と動いていきます。 人間の執着心や悔悟の気持ちを、凝縮してよくえがいています。 不倫しなければ こんな事件は起きないのに・・と言ってしまうのは簡単ですが、主人公の心の中にある 満たされない思いや、生い立ちからくる何かがこのような人間性を生んだのでしょう。 登場人物の中では、「石山」の人間性がよく判りません。典子と長い付き合いであればもう少し違った形で「不倫」を すると思います。ばれるのを待っているような計画です・・ この作品の設定で無理があるのは、この辺りではないかと思います。 女性の心理は、描ききる作者ですが 男性の行動・心理は理解しきれないのでしょうか?? | ||||
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芥川龍之介の藪の中が好きです。だから、この小説の終わり方に限ってはとくに文句を言うつもりはありません。 ただし『終わり方に限っては』です。 登場人物に誰ひとり共感できませんでした。幼女誘拐にもとくに興味がもてません。それゆえ、読むのが苦痛でした。だけど、ラストまで読めば、なにかズシンとくるものがあるのだろうと期待して読み続けました。何もありませんでした。 誰かひとりでも感情移入できる登場人物がいれば、また違ったのだろうと思います。 | ||||
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自分の家族と不倫相手の家族と休暇を別荘で過ごしていた時、 双方の家族に内緒で逢引をし、その間に娘が行方不明になります。 非常に興味をそそられる設定で、話の構成もうまい為、 ぐいぐい惹きつけられます。 怪しい人物が何名か出てきて、誰が犯人なのか、 気になって気になって、一気読みしてしまいます。 | ||||
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終わり方にびっくり。「そ、そんな、、」という終わり方。衝撃的。 | ||||
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自分が意識しなくても性的な官能をかもし出している女性‥ それが主人公のカスミなんだと思います。 要所要所で男性に救われ、孤独に陥っては男性の肌を求め乳房を与えていく。 文中の言葉を借りれば「肝が座った異様な生気」を感じます。 自分の娘が行方不明(あるいは殺害?)になった原因は 確実にカスミのしてきた背徳にある。 夫や娘の寝ている階下の部屋で情事を重ねていく行為は 共感はできませんが、こういう女性は確かにいて、 私も少なからず見聞きしてきた経験はあります。 そしてこういう母親をもってしまった子どもが心理的な傷を抱えていくことも‥。 作者の桐野夏生さんは、作家としての力量からして 今後残っていく作家だと思いますし、直木賞も納得しますが、 本作の主人公のカスミには感情移入できませんでした。 | ||||
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母親 カスミの「刹那」 その不倫相手 石山の「再生」 父親 道弘の「諦観」 刑事 内海の「修羅」 そんなもの、すべて薄っぺらいとすら思える。 5歳の娘 有香の「絶望」に較べれば。 ラスト2行は彼女にとっての救い、福音だったのか? 小説としては上質と思いますが、ラストがあまりにつらい。 | ||||
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桐野さんは心理描写のうまさがやっぱり際立っています。 陰鬱な雰囲気の作品なので、雨の日の薄暗い部屋で読みたいですね。 ただあらすじにもあるように「娘が謎の失踪を遂げる」なんて 書いてあるものですから、「いかに鮮やかにその謎を解くのか?」 ということは誰しも期待するところなのではないでしょうか。 しかし本作ではその謎に対する明確な解答はありません。つまり、 謎の提示があり最後にタネ明かしがある、というミステリー作品だと 期待して読むと最後に肩透かしをくらったような気分になってしまいます。 (その「肩透かし感」が著者の狙いなのかもしれませんが・・・) いち読者としては冒頭になんらかの形で、「この作品はミステリーでは ありません」とはっきり伝えてほしかったところです。 しかしこの不満を鑑みても、桐野さんの後の傑作「グロテスク」に通じる、 人間の心を深くエグる名作であることに変わりはありません。 ちょっとネガティブな気分に浸りたい方におすすめしたい一冊です。 | ||||
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