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柔らかな頬
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柔らかな頬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全153件 141~153 8/8ページ
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文庫版の帯にはユニークな作りがある。表紙も、だが。普通は一冊タイトルも何も表示されるが本作は違う。まあ、単純に分かる仕組みなのだが、帯だけじゃないということに。 タイトルは「柔らかな頬」なのだがこれに込められた意味とはいったい何なんだろう、それを巡る旅じゃないのかと思う。 これは小説なのかと読み終えたとき思ったんだが。正直でポジティヴな意味で。内容は「OUT」のように凄惨でもなんでもないし、人間関係と言う面では「光源」に近い感じもするが、本作に至っては起承転結の幅が殆どない。途切れ途切れのストーリー。 前半は手が止まらないだろう。石山との関係。自分勝手なのは昔から。どうなってもいいと思った過去。全てを捨て去って繋がってきた現在。カスミにとって何を意味したんだろうか。そして別れは、最大の悲しみである娘を失ったことに関しては。 加害者という加害者でなく全てと言っていいくらい被害者だらけである。全ては失踪事件から繋がってくるわけだが、カスミが最大の被害者であることに変わりなく、カスミのせいでそれは広がる。隠せなかった不倫。寧ろ、それはカスミの意思だった。しかし、被害は自分だけじゃなかった。 本作に魅力的なキャラは誰もいないと思う。誰にも感情移入なんて出来るはずがない。元々そういうのが桐野夏生小説なんだろう。何にしても、マイナスな人間を書きつづって話を作るのが彼女の主体であるから、わざわざ意識しないのだ。キャラ作りは、重要。ストーリー立ても重要。彼女のオリジナリティの生きる世界で存分に浸かれる。下巻も是非買って欲しい。いいストーリーじゃないが、刻み込まれるストーリー。 | ||||
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空気というか風土を感じることができます。苫小牧に一度旅行に行ったことがあるせいかもしれませんが・・・。行き場のない思いをこのまま私も背負っていくのかと思いきや最後に選択肢を与えて頂いたので少し安心・・・いや なんだろう | ||||
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ウーンおもしろかったけど、個人的には『グロテスク』の方がよかった!もし自分が母親だったら、主人公の気持がよりわかりやすいのかな?最後の部分(どういう所かはネタバレになるので書かない)はいらなかったと思う・・・ずっとミステリアスなままで終わった方がヨカッタと。だってこのお話は、主に主人公と愛人と元刑事の感情を語ることがメインでしょ?だったら無理に「答え」を書く必要はなかったのでは(アレが本当に「答え」になってるかどうかは疑問だけど)。「答え」を書いたことで、作品のクオリティーが下がった気がするのは私だけでしょうか??抽象的なことばかり書いて、わかりにくくてすみません。でも読んだ方なら私が何を言いたいのかわかってくださるのでは?と思います。 | ||||
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彷徨する魂の叫びが聞こえてきます。物語の舞台である北の暗い海辺の町に響く潮騒みたい。どこかに行こうともがいて、逃げて、果ての地で体を交わす。「あんたが死ぬならそれでもいいから、死ぬまでに寝たい」 | ||||
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不倫相手の男と会った翌朝、5歳の娘が行方不明となり、その娘を探しつづける主人公の物語。自分の娘が行方不明となり、しかも、それが自分が不倫相手である男と会って、そこで一瞬とはいえ子供を捨ててもいいと考えた翌朝という、精神的におかしくなっても仕方がない状況から、いかにして正常な精神を回復するのか。家出同然に家を飛び出しその後親とは音信不通となっている自分、ガンで死期が近づいている元刑事、昔の面影が全くなくなった不倫相手の男、そして、何年ぶりかに会ったにもかかわらず、娘である自分を心から受け入れない母親など、様々な人、それも苦しみながら生きている人たちとの出会いによって、自らの苦しい立場を乗り越えていく様が描かれている。結論の出ない問題を、自分自身でどの様に決着するか、これは、自らも苦しみ、また、身近で苦しんでいる人とのかかわりによってしか見出せない。しかし、その反面、結論が出ないと思われることも、自らがもがき苦しむことによって、自分なりの結論が出せることを学びました。 | ||||
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これは単なる幼女誘拐モノではない。孤独と戦いながらさまよい続ける魂の物語だ。ラストは賛否両論別れるところだろう。しかし、この衝撃の結末があってこそ、永遠に余韻の残る傑作となり得たのではないだろうか。優しい夫、両親、かわいい子供、愛人・・・それでも癒されない、絶望的な孤独。そうなのだ、所詮人間は一人で生まれ一人で死ぬ。そんな深淵をかいまみたオンナの姿に、泣けた。そして共感した。 | ||||
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主人公や脇役に対して、自分勝手だと腹が立ったり、気持ち分かるかも~と共感したりと、色々な気持ちにさせられる本だなぁと思いました。最後の後味が良くないのはちょっと嫌だなと感じましたが、もう一度おさらいするため読んでみる機会ができて良かったかな・・と今では思います。 | ||||
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読んでいくうちにどんどん引き込まれるので、読書のプロセスとしては十分たのしめる。しかし、結末にはやはり少々たじろぎ、後味の悪さを残す。また、主人公の人物像がつかめない。詳しく描写しているものの、同性の友人に苦境に普通たよらないものだろうか? | ||||
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場面、場面が詳細に書かれているがその表現法がはっきり言って「しつこい」。長編だが、読後感は「?」というものでいま一つすっきりしない。オチも「?」だ。好き、嫌いが大きくわかれる作家だろうと思う。 | ||||
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ある日突然身近なひとが原因不明で姿を消したら。それも自分の子供が・・・。 私はまだ子供持ったことがありませんが、そうなったときの気持ちを一生懸命かんがえてみました。母親としての気持ち、子供の側の気持ち。読んでいくうちにすっかり入り込んでしまい、最後は主人公と同じように現実を受け入れられなくなっていました。読み終わったしばらくは放心状態でした。 | ||||
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桐野夏生の作品は犯罪小説とかミステリーとかいう単純な枠組みで括りきれない幅を持つ。 人間のこころのひだを、多くも少なくもなくきちんと描き切る力量には毎度のことながら感服するばかり。私自身は主人公とは何の共通点もないのに、知らぬまに深く感情移入している。ラストを「受け入れられない」読者も少なからずいるだろうが、敢えてこのラストにしてあるところにこの作品の奥深さがあるように思う。 | ||||
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正直言って良く分からなかった作品。ミステリー作家が書いたミステリーでない小説であることは分かったが、で?、、、という感じであった。OUTと同じく文章力の凄さには感服するが、それ以上に何があったのか?全く分からない。いくら素晴らしい小説でも、それに呼応するものがないと読み手が感動しない。昔、漱石に感動したが、今、読む気すら起こらない。ぎりぎりドフトエフスキーは読めるかもしれない。それと同じで人間の内面を探る小説には、受け手の感性も必要になる。これは小説に限らず、あらゆる芸術に通じることなのではないだろうか?OUTはまだミステリー的な要素があり、面白がった面がある。しかし、柔らかな頬の重いテーマに、残念ながら呼応する心理を自分は持ち合わせていなかった。 | ||||
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私は母親である。母親にとってこんなに怖い小説はない。自分の娘が失踪する。原因は自分かもしれない。自分が悪いのだ。・・・日常に潜む恐ろしい闇を見事に描ききっている。この本を読み始めたのが午前1時。読み終わったのは朝5時。一気に読んでしまった。そして読み終わった後、まだ寝息を立てているわが娘の幼い顔をじっと見続けた。全ての母親に読んで欲しい本である。 | ||||
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