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柔らかな頬
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柔らかな頬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全153件 81~100 5/8ページ
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「OUT」以降桐野夏生氏は、主に人間の暗部に焦点をあて、それがどんな愚直で安直で平板に見える人間にも存在し、そしてそれは簡単な、ちょっとした、なんでもない事で突如はじけ、暴走する、という内容の小説を書いてこられた。 今回。 「柔らかな頬」では、「愛」「家族」「親子」「自分」…それら暗部に焦点が当たる。 本当ではない愛。見せかけのある家族。通じ合わない親子。理解できない自分。 不調和に錯綜したそれら暗部が、多様な結末、真相を万華鏡の如く幻視させ、観察する者を(あるいは、読者を)翻弄する。 無い物は無い。不必要なものはいらない。人間なんて無様だ。 そのような企みの元に、精緻な心理描写で人間を怠惰に、醜悪に描いた場合、読み手はそれを「嫌悪」で受け取る。 読書における大いなる誤解として、嫌悪される文章ゆえに、あるいは嫌悪される度合いに応じて、評価を下げる、見下す、というものがあると思う。 不愉快な内容であるから、駄作であるとは大いなる誤解だ。 本当の駄作とは、どんな醜怪な描写を目指そうと、読者になんの感慨も呼び起こさないもののことである。 有り体な不倫、悲劇、死。 それら一つ一つに眉をひそめる程の「醜さ」を感じ思わず眉を顰めてしまう本作は、間違いなく、傑作であろう。 ただ。 自分はは人間の暗部を見せつけられるのが、ことのほか苦手だ。 もう一度読め、と言われたら、逃げ腰になるだろう。 | ||||
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以前から気になっていた本なので読んでみました。 読み進めていくうちに、なんだか話の軸がどんどんずれていく気がして、 あれ?あれ?って感じでした。登場人物の心理描写がメインで、後半になってもその路線が 変わらないために、この小説はミステリーというより、 事件に関係した人々の心の揺らぎを描いたものだと思いました。 しかし最後の章で愕然!ここまで描いてきたものは何だったのでしょうか? 最後の章がなければ、いろいろ考えさせられるものになったのではないかと思います。 最後の文には怒りすら覚えました。 | ||||
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これがなぜ直木賞を受賞するのだろうか? 理解に苦しむ。 特にラストはまったく納得できない。こんな終わり方ではミステリーとは呼べない。 途中の人物の描き方、ストーリーテリングも凡庸そのものだ。 このような本を書いて著者は納得しているのだろうか??? | ||||
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北海道の別荘地での不倫から始まり、思考が流れるように情景が進んでいく。 消えた娘を探し続け、ヒロインはつかれきっていく。その中で末期癌をかかえる刑事と心が結ばれていく。。。 ほかの著作では見せない実験的な文体が印象的。 ストーリー自体はとくに変わったものではないが、この文体が作品に厚みをもたらしている。 ミステリーファンだけではなく純文学を読んでいる人たちも楽しめると思う。 | ||||
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大人の欲望とか人生とか人間のダークな部分が とてもよく書かれていると思います。 欲望に忠実になることで引き起こされる出来事。 すべての生きるということが何かしらの犠牲の元に なりたっているんだなぁ・・・と思います。 言葉があっているのかどうかは分かりませんが 人間のエグさが凄く描かれてる話だと思います。 | ||||
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結論から言うと これだけの長さのものを読者に読ませておいて このラストはないんじゃないの・・という感じ。 直木賞受賞作ということで期待して読みはじめたのですが 裏切られた感じです。 視点がくるくる変わって非常に読みにくい。 神様よろしく この作者は すべての登場人物の中に入り込んでしまうんですよねえ 本当に便利ですねえ でもそこが作品の疵にもなっている気もします。 もちろん他の作品を読んでみると ものすごく力のある作家さんだとは思いますが・・ 「グロテスク」とかすごく面白かったし・・ 読後もアンフェアな感じはしなかったし・・ でも「柔らかな頬」は 最初から最後までカスミという人物に共感できなかったし 死にそうな元刑事の存在も鬱陶しいだけだったし その他 脇の人物たちもあんまり意味なかったし ラストもアンフェアだったし 読んでよかったとは思えませんでした。 | ||||
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率直に言うと、「やられた!」という感じ。作者に振り回されました。読み終わったあとには疲労感だけが残りました。真犯人が知りたくて一気に読みました。一気に読ませる文章力は素晴らしいと思います。今でも真犯人が知りたいですが、このまま謎にして置いた方が、いつまでも想像が膨らみ、忘れられない作品になるのかもしれません。が、個人的にはスッキリしたかったです。主人公は色情丸出しの幼稚な思考の母親で、全然好感が持てませんでした。 | ||||
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桐野作品&直木賞作品ということで読みました。 「OUT」、「グロテスク」とても好きで とっても期待していたのですが。。。 読み終えて「なんなのこれーーーっ!!!」が 率直な感想です。 あの長さでこの結末。。。 私の中では何一つ解決できずに ストレスだけがたまりました。 主人公の考え方、行動にも賛同できないから 余計そう感じたのかもしれません。 | ||||
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以前から気になっていた作者でしたので、補習校の古本市で見かけ、上下巻各々$0.25で初めて購入しました。 人間はいい加減な存在でその行動は一貫しないばかりか、陰で悪な部分も持っているという前提に立ち、そこから目を逸らさずに描き切ることを狙いとしているように感じました。 いい加減で一貫しないことが余りに一貫している為に、作者が伝えたいのはストーリー展開ではなくそのこと自体なのか、或いはそれ以外なのか却ってよく分りませんでした。娘の失踪を3つのシナリオで提示するやり方は面白かったですが、「で、どうなのよ?!」と叫びたい私はこの作品を結局理解出来ていないのだと思います。 作風はヒューマンな(?)宮部みゆきの対極にあるとでも言いましょうか。100%の善人などそもそもいる筈がないという姿勢は潔く考えてみれば当然なのですが、それを殊更に読まされると軟弱な読者としては感動よりも辛さが勝り、偽悪趣味と紙一重なのではとすら感じました。 | ||||
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人は色々な束縛やしがらみの中で生きています。ある場に居ることが本来の自分を損なうからと逃避したとしても、別な場は再び時間とともに自分を拘束し始める。この束縛と解放の、再生と崩壊の無限運動。「解放」に向う個は、自分が自分であることに強すぎるため自己中心的であり他者への思いやりは極めて希薄です。 死ぬまで自分が何者なのか確認し続けることの虚しさと哀しさ。その確認する作業そのものが生きる証でもあるかのように、他者を傷つけ、ひたすらに走り続ける主人公たち。自分と他人の絶対的な差異の自覚、いや過去の自分と現在の自分さえ、そこには異質なものが横たわる。他人とは分かち合えないことを自覚したときの、他者が絶対に介在できないギリギリの孤独。極めて個人的な存在である「肉体」というもの、肉体を貫く「性」の意味。しかしそれでも人は求めてしまう、その果てしない虚無を埋めるために。 第十章 砂岩は唯一作者が読者におもねた蛇足と感じたものです。作者のコメントを読むと、そういう意図ではなかったようです。 | ||||
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“OUT”が傑作だったので期待したが、この作品には感情移入できなかった。登場人物にあまり魅力がないことが問題かと思う。とりわけ主人公のカスミは見た目がよく、体がよく、セックスがいいという以外なんのとりえもないただの女。性格も悪く、頭も悪く、あきらめも悪い。客観的にみてさして不幸でもないのに、人生の良い面を見ることができないという、30過ぎているというのに悪い意味で幼い女。読み進めるにしたがって、なんでこんな馬鹿なオバサンに数時間でも付き合わなければならないのかと思えてくる。上の半分と下の終わりの2章だけ読めば十分。 | ||||
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観念論的な現実認識を書こうとしているのでしょうかね。 映画で言うと、『羅生門』や『戦火の勇気』みたいな感じです。 文章自体は、脚色が少なく非常に淡々としています。 それが良いか悪いかは読者の捉え方次第でしょう。 ストーリーは結構面白いのですが、結局のところどうなっているのかがよく分からず、その点が腑に落ちません。 | ||||
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秋田の連続児童不審死事件⇒殺人事件が世間を騒がせているが、ちょうど最近、桐野夏夫のこの本を読み終わったところで、不思議な気がする。 『柔らかな頬』は、不倫している主人公・カスミの娘・有香が、北海道で急に失踪する話である。カスミは、一心不乱に娘を探そうとする。ということで、内容は実際の事件とは若干違うのだけれど、実際のところ、救いのなさが似ている気がする。疎ましく思われた娘が、いなくなる。 実際のところ、女の子というのは人類のためには男の子より大事な存在であって(男の子100人対女の子が1人生き残る状況より、逆の方が人類にとっては好ましい状況である)ちょっと飛躍するかもしれないが、大雑把に言って未来を象徴する存在であると言っても良い。いろいろな小説・物語で、小さな女の子が救いとして描かれているのには理由がある。 そんなわけで、女の子が訳もわからず殺されたり、いなくなったりするという事件には救いのなさが濃密に漂うわけである。 というわけで、えてしてこういう小説を読んでいると気分はげんなりしてきそうなものだし、末期がんの刑事が出てきたり、60過ぎの妖艶な老女が出てきたり、広告マンあがりのやくざが出てきたりするとますますそうなのだけど、この小説の場合はあんまりそういうような感じはしなくて、奇妙な高揚感のうちに読み終えてしまう。確かに救いはないし、わくわくどきどきするような話ではないのだけど、妙に生々しいのね。こういう生々しさというのはなかなか味わえない。突拍子もないような小説なのだけど、意外と時代の空気をよく汲んでいるのだと思う。 | ||||
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これを読んだのは結構前なんですけど、子供を生んでから特にこの本を思い出します。自分の子供の象徴ってやっぱり柔らかいほっぺたなんですよね・・もし、この柔らかなほっぺが自分の前からなくなってしまったらすごくぞっとします。この本はそのぞっとする先を書いた本だと思います。もういちどほっぺにさわれることを期待して落胆して祈ってあきらめてまた期待して。。。そういうどうしようもなさがつたわります。だから逆に最後すっきりとしないほうがいいのかも。 | ||||
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天海祐希主演でドラマ化されたものを見た後にこれを読んだが、ドラマ、本ともにすばらしかった!ドラマを先に見てる人でも十二分にたのしめると思う。桐野夏生は自分にとって、あまり立て続けに読みたい作家ではないが、気力、体力ともに下降してグタグタ腐ってる最中に読むと、主人公の女性のサバイバル精神に触発され、身の内にふつふつと力が湧いてくるので好きだ。 | ||||
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ハッキリ言います。最後まで読んでスッキリできるような小説ではありません。読めば分かると思いますが、結局読者個人個人に判断してくださいって事なのか? とりあえず、本当にスッキリできませんでした。なのになぜこんなに星4なのかと言うと、それだけ文章が上手く、読めるからです。 個人的に好きってのもあるかもしれませんがね。 | ||||
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人間臭さの表現が上手いと思った。 人は誰しも何かを背負い、嘘をつき、自分をごまかして生きている。 主人公の生い立ちから現在に至るまでの人生が細かく描写され その中で主人公は素直に気持ちのまま生きようとしていた。 そして、情事のときに娘がいなくなり、後ろめたさの中で娘を探しながら自分の生きたかった人生を感じてゆく。 中盤まではスピード感があった。 後半部分がやや失速した感じに思えたのが残念だ。 エンディング部分は納得のような一味足りないような感じに思えた。 | ||||
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不倫旅行中に幼い娘がいなくなってしまい、主人公(女)は自己嫌悪に陥る。 疑わしい人物は、あの人もあの人もあの人も・・ という具合に、登場人物のほぼ全員に娘を誘拐する動機があるような書き方をしており とにかく次の展開が気になって仕方なかった。 ラストについては賛否両論があるようだが、 結末でドギモを抜かれたい人にはおすすめできない。 読み物としての広さ深さを求めたい人はどうぞ。 ちなみに私の場合、前者の感覚で読んでいったので 読み終わったときには正直がっかりした。 ただ、今これを書きながら再度読んでみようかと思っている。 隠された真実を読み落としているような、そんな気がしてきた。 | ||||
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登場人物の心理や場面の情景には、臨場感があふれていてドキドキするものがありました。 ミステリーとしてはどうなのでしょうか?賛否両論あるみたいですが、ちょっと物足りない気がします。 しかし、主人公と同じ北海道出身者として自分に重なるようなものがあって全体的には自信を持ってお薦めできる一作です。 桐野氏の他の作品も読みたくなりました。 | ||||
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主人公がどうしても好きになれない、 桐野作品のヒロインはたいてい心惹かれるのに。 救われようと思うなよって言いたい。 桐野作「グロテスク」の人物以上に グロテスクに思える。 最後があのようにすっきりせず終わったのは、 これからも続く彼女への天罰だと思いたい。 とまで思ってしまうのは、私が母親という立場でのみ 読んでいるからなのだろうか?わからん・・ 男性諸君は、この女に惹かれるのだろうか? 今まで読んだ桐野作品の中で唯一嫌いな一冊なのに・・・ 主人公の女も男も気に入らんのに・・なぜだか あとをひかれる読後感でもう1度読み返している自分がいる。 | ||||
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