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柔らかな頬
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柔らかな頬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全153件 61~80 4/8ページ
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ミロシリーズやOUTなど、作者の本はけっこう読んでいます。重い、暗い、固いという指摘もありますが、文章力があって人間の暗い一面をうまく表現するところが好きです。この本も、続きが気になってすぐ読み終えてしまいました。ですが、個人的には、主人公カスミに感情移入できなかったし、同性としてはまったく魅力を感じませんでした。ラストは賛否両論あるようですが、どうともとれるあいまいなラストはフランス映画みたいで余韻があってよいのではないかと思いました。 | ||||
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まず 長い。そして暗い。 読み終わった後の後味の悪さがまだ残っている。 しかも、この本のラスト。 桐野さんは、いつもこのような終わり方・・・かな?(グロテスクもこんな感じだった) きっちりとした終わりが好きな私にとってはなんて苦痛な終わり方なんだ(笑) 犯人は誰? 意外と石山だったりして。 | ||||
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桐野夏生さんの作品が好きです。何作か読みましたがこの作品は上下あり、 上を読んでから数日間空けて下を読んだのですが、下を読み終わったあとにかなりがっかりしました。 最後すっきりしません。 でも、結局この話がいいたいことは、不倫をしている親の子供が失踪し行方不明で、仮に殺されているだろうとしても、誰が殺したのかを突き止める話ではないのではないということ。 悪いのは、子供のことをないがしろにして不倫をしていた親、ロリコン趣味の大人、 高齢の妻が不倫をしているのを不快に思っていてイライラしている大人、 ド田舎に駐在させられてイライラし自分で事件を作り出そうかともくろんでいる大人、 そして自分のバイクに嫌がらせを受けた仕返しをこっそりやるという卑怯な手を使った大人。。。なんだと思います。 要するに大人の身勝手が重なって事件が起きたのだ、そう思います。 人の道を外れる行為をすると因果応報があるのだなと思える哲学的な本でした。 ミステリー系かと思うと期待はずれですが 因果応報系だと思うとこの結末には若干納得できます。 | ||||
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これはすごい。 圧倒的な構成力。読ませる読ませる。 浮気がもとに始まった大事件。濃密な恋愛関係もさることながら、 登場人物が織り成す幾通りもの推理、人間描写。 本当にいい本に出会うと、読む手が止まらなくなり、読み終わる とそこにジッとしていられなくて、ウロチョロしてしまう。 まさにそうなった。すごい・・。取るべくして取った直木賞。 でも、逆に直木賞で良かったの?とすら思わせられる。 | ||||
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あまりにも他の人のレビューが低いのに驚愕しました。私は桐野作品で一番大好きな作品です。四年前これを読んでフアンになり今は桐野さんの全作品をすべて購入しました。柔らかな頬はミステリーでもあるが、登場人物のカスミ、石山が絶望の中孤独を早迷い、その中で始めて自由を手に入れる…そんな人間の悲しさを見事に書き上げた物語である。 それぞれの心の動き、心理描写の素晴らしさに感銘いたしました。 たぶんこれを読んで共感できる人は孤独の中を生き抜いていきたいと願う人だと思います。(私も含め) 人生の中の孤独を、自由を考えさせられる、非常に深い一冊です。 | ||||
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子供の失踪によって翻弄される大人たちの人間模様が読み応えあります。 人間の弱さと力強さが交差しながらも人間社会の脆さまでも浮き上がっていてドラマ性があって面白い。 | ||||
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推理小説として読んでいたので最後イライラが残りました。 人間ドラマとして読んでいればおもしろかったとは思うのですが。 犯人が知りたくて睡眠時間を削って読んでしまったので知っていればゆっくり読んだのにと思って書きました。 | ||||
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期待した分だけ、最後で「これで終わり?」的な感想しかもてない。 最終章は別に斬新でも、目から鱗でもなく、ただの事実描写としか感じなかった。 面白くて、面白くて、上下巻続けて読んで、 途中で止められなくなって、何度か騙されて、真実を期待させられて、 ラストが楽しみになって…「これで終わり?え?」 がっかり | ||||
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第121回直木賞受賞作。 本作にあるものは「語り手の移ろい」「過去と現在の錯綜」「ゆめとうつつの混濁」 本作にないものは「まとな人間性の持ち主」「カタルシス」 そんな本を読まされた側、つまり我々は、 自我が移ろい、昔を回顧し現在を嘆き、居場所のなさを思い知り。 自分の人間性を疑い、精神的浄化とは真逆の何処かへおいてきぼりにされる。 最後に論理的解決があるようなミステリー好きの方にはお勧めできませんが、 人間の心の闇(あるいは淵)を覗いてみる、そんな心理モノが好きな方はぜひ。 | ||||
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直木賞受賞作だが、大衆小説と言うよりは、純文学寄りか? 密室殺人事件もののミステリと思わせて、 解決編は無いw ホラーみたいな幻視で真相を突きとめたと思わせるが、 謎の憑依(殺された少女の霊?等)現象は複数あり、 どれが真相かは明示されない。 少女失踪事件で人生が狂った人々の悲劇の記録である。 落ちや救いの無い結末だが、 文章は巧くてページダウナーなので、 あんまり腹は立ちません。 全てがジャンル破壊の異色作みたいなので、 桐野夏生はもう少し読んでみます。 | ||||
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煩悩に翻弄される、人間の本質を捉えた小説です。 「それから」以降の、夏目漱石を思わせる作風だと思います。 透徹した文章で、現実の虚飾を容赦無く剥ぎ取り、登場人物の行動の裏の心理を、暴露して行く筆の冴えを、楽しめる作品です。 作品の大きなテーマは、「脱出」或いは「逃走」と言って良いでしょう。 現実から、生活から、環境から、状況から、そして生からの。 読み手に応じて、多彩な読み方を許容する小説でもあります。 ある人は、ミステリとして読むでしょうし、また、因果応報の物語とも読めます。 放浪小説だとも言えるし、心理小説とも言えます。 そこも魅力であり、何度も読み返すことになりそうです。 | ||||
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ミステリーというジャンルにおいては解答は常に1つであるということが大前提です。 しかしこの作品はそんな常識に反旗を翻し解答を複数用意するという非常に斬新な手法がとられています。私はそのようなミステリーをこの本以外で読んだことがありません。 シチュエーションの問題があるから仕方ないことですし、実際最初にやったもん勝ちな感じもありますが書き方としては面白いです。 この本では真相は読み手にお任せという救いのないまま投げっ放しジャーマン的に終劇しているので理不尽に感じる人もいるかもしれません。しかし身近に読んだ人がいれば真相を巡って議論ができるという面白みがあります。一読後は是非周囲の人にも読ませることをお勧めします。 | ||||
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大人として社会で生きて行くにあたって、私は多くの事を辛抱して生活しています。 主人公カスミは決して自分を抑圧ません。本作では、人が社会で生活していく上での抑制を 取り払ったら、その人に何が起こるのか?それゆえに起こる悲劇、地獄の苦しみを ノンフィクション作家が取材を基に評伝を書くように、カスミと彼女に関わる人々を俯瞰し、 見たままを克明に描写していきます。一点違うのは、評伝に見られるような 取材対象に対する思い入れや、共感を排除している点でしょうか。 その点を読者に託している点で、むしろ完全なフィクションと言えます。 作者と同じ「神の目」で彼らがもがき苦しむ姿を見せられた読者は、 どんな感情を持つのでしょうか。 私は登場人物のように魂の自己規制を解き放って立ち回る事はできそうもありません。 しかしか彼らを見ていると、もう少し抑制を開放しても良いのではないか という気持ちになってきます。 彼らの姿はこだわりを捨てずにひとつの事に打ち込むアスリートを思わせます。 自分には見る事にできない世界を、たとえそれがどんな結果であろうとも、 大きな犠牲を払って体験している彼らに畏敬の念を禁じえないのです。 本作にはもうひとつ、親子関係が大きなウエートを占めています。 血が繋がっていても修正できない親子の断絶。子供に対する親のエゴ、 そのエゴを子供は本能的に見抜く事ができてもそれを受け入れる事でしか 存在しえない弱者と言えましょう。 彼らは自分を傷つけることでしか復讐できません。 子である事の悲劇が本作では散りばめてあります。 親である私はどう自分の子供たちと向き合っていけば良いのか 考える機会になりました。 | ||||
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1、物語 桐野氏の物語には、基本的に救いはない。他の作品も安易なハッピーエンドは意図していなかった。ユーモア・情感に溢れ、収まりのいい、腑に落ちる物語を書く人は他にいる(もちろんそういう話も大好きだけど)。私は、桐野氏にそのようなことは望んでいない。彼女にしか書けない、人間観察・人のエグさ・人の情念・どうしようもない現実があると思う。彼女の物語には、絵に描いたような善人は出てこない。でも、打算と自分のことにかまけている人が、ふっとみせるやさしさ、思いやりは時に魅力的だったりする。 2.内容 前半は、カスミと石山との不倫。後半は、不倫の最中、5歳の我が子を原因不明の事件で見失い、生死不明の子供を捜し彷徨うカスミとガンを宣告され、余命いくばくもない死を待つ元刑事(内海)との話を軸に物語が展開する。今まで、不倫を扱ったものをいくつか読んだことがあるが、呆れかえるというか、自業自得というか、よくそんな事するなと同情の余地なしだった。 しかし、この話は違った。氏特有の人間観察のおかげで、不倫に走る主人公カスミに説得力があるのだ。彼女は、現状からの脱出を望んでおり、それを場所や人に求めてしまう。そして、彼女はどの脱出にも失敗している。現状から脱出するには、外に飛べるだけの翼を養わなくてはならない。だが、人はあの場所に行けば「とりあえず」自分は変わるれるかもしれない、あの人といればとりあえず違う自分になれるかもしれないと安易な希望を持って行動してしまう。その人の弱さの描写が上手い。 この事件の発端は、この人の弱さであるように思う。 また、内海という人物も興味深い。こいつは、出世のことしか頭になかった刑事で、自分の最後に子供失踪事件に手を貸そうと考える。その理由も、人助け・正義感という立派なものではなく、利己的なものである。人には「自分が死ぬまでの暇潰しっすよ。」と冗談ぽく、悪ぶってみせても、内心では自分の死を受け入れきれないでいる。思い半ばなのに、病気で死ななくてなはらない自分、世の中は不公平だと思っている。自分の最後にかいがいしく心から寄り添ってくれる人もいない。この苦難する様子がなんともリアルである。 2人とも、現実を受け入れられず、彷徨っている。 主人公の心情をメインにして、様々な人の思惑・思いが絡み合い、物語は、水が支流し、蛇行するがごとく進行する。それは、混沌として、腑に落ちない現実そのものである。 奇怪な事件が次々と発生し、華麗にこれを解決する探偵が登場する小説には、楽しんで読みながらも違和感を感じていた。人の心は、簡単に片付けられるものじゃない。 華麗な解決や救いなんて容易にあるもんじゃないと。 最後の「流れて暮らしていれば、いつかは心を充たすものも現れるかもしれない。自分は生きていく。」というカスミの決心と、そうカスミに思わせた内海の存在がずしんと重かった。 | ||||
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最後までハッピーエンドを期待して上下巻通して一気に読みましたが、 読後感としては悲しく辛い貌で終わってしまいました..。 ストーリーや展開は大変面白く、だからこそ一気に読み切ったわけですが、 5歳の女の子(主人公の長女)があまりにも可哀想で何だか..。 | ||||
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映画とテレビの違いの一つに、引いた画かアップか、というものがあります。制約によると ころではありますがテレビではアップが多用され身近に感じるとともに息苦しさも覚えます。 映画をみていいのは大画面で遠景が眼前に広がりそれまでの緊迫感がほっとするところでは ないでしょうか。それぞれの特徴があってよくできた作品はそこのところをうまく利用して います。 小説でも読んでいて近すぎると感じることがあります。まるでテレビドラマを見ている ような感じです。もちろんTVドラマより映画のほがうが上ということではありません。 卑近という言葉がありますが、手近で俗っぽいことからも見事な作品は数多く生まれていま す。そのような作品は読後(鑑賞後)結果的に引いた感じがします。アップばかりの作品で あったとしてもです。 近作「メタボラ」ではもっと視野が広くなっています。確実に進んでいるという感じで ファンとしては何ともうれしい限りです。 | ||||
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読み終わった後でどっと疲労感が出る、とにかく重たい小説。 ただのミステリーじゃなくて人間模様や暗い感情を堪能したい人向けですね。 徹頭徹尾太陽の気配のしない、暗く寒く、今にも雨が降り出しそうな雰囲気でした。 なにが気分悪いかって、只のフィクションじゃなくてモデルの事件があるっていうのが 救いが無い。 | ||||
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本作品で桐野氏の文章を初めて読みましたが、読み終えて、重厚な文章であるというイメージを受けました。豊富な語彙力と、巧みな言い回しは、粘度の高い液体の中を行進しているような重みがあり、引き込まれるような迫力もありました。扱っているテーマとの兼ね合いも考えると、非常に完成度の高い作品であったように思います。 登場人物の心情や行動の描写だけでなく、場面場面の移り変わりや、それらの背景の描き方にも、他の小説家にはない重厚感と、オリジナリティーに溢れており一つの作品として、とても好感が持てました。 ミステリーという分野が、どうして人間の暗い部分を描きがちになってしまうのは致し方ないことなのでしょうが、それでも、やはりミステリーのこのような重厚な文章を読むと、どっと疲れてしまう印象は否めません。上下二段にわかれた構成で、それなりに量のある文章なので、そういった意味での達成感としての疲労感を得られることは、むしろ私は賞賛されるべき特徴であるような気がします。 個人的には、結末を読者に予想させながら、最後まで緊張感を保つように仕向ける氏の筆力は素晴らしいと思いますが、ただ釈然としない思いが残ったことは事実です。 ミステリーという分野への、個々人の価値観によって変ってくる部分だとは思いますが、私はこれほどの長編を期待しながら読んできたので、最後にすっきりしたかったです。 | ||||
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不倫した人に罰が下ったって話。 そもそも物語の発端である、主人公の行動が腑に落ちない。 北海道の別荘でお互いの家族がいるのに、情事に励むとは。 万が一見つかったらってことをかんがえないのか?って思った。 で、実際ばれてるし。 結局真実がわからないままってのも消化不良。 癌患者も痛々しさを添えているだけで嫌な感じでした。 | ||||
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故郷の北海道から家出した浜口カスミと、デザイナーで夫の友達の石山。その情事の結果...謎のゆかの行方不明。いったい誰が!!?懸命に娘の優香を探す一方、自分たちが北海道にいかなければ、などの自己嫌悪。偶然が偶然を呼びそれが必然になるという物語ではないのかと私は思想する。4年間、なにも掴めないままではいるが、まだ懸命に娘の無事うぃ〜いや、無事を信じて追い続ける、事件の真実を。そして病魔に襲われ、余命を宣告された刑事内海(刑事はやめた)がTVで事件について興味を覚え、暇つぶしと称して事件を捜査することになったのである。直木賞受賞のこの桐野氏作の柔らかな頬。実に桐野ミステリー特有のドロドロ感、人間の本当のトコロの暗い部分を公にした作品ではないのかと思う。下巻では元刑事、の内海の心情心理が見れるのでとても良作な出来ではないのかと思う。カスミ目線で進んでいくが、いきなりそうだったのか!!と思って読んでいったら夢だったり...しかし...最後の内海の感じたこと、優香の事、人によっては偉く中途半端に終わるではないか!と怒るひともいるかもわかりませんが、私はこれはアリだと思います。ミステリ、ホラー、恋愛、そして千里眼。これを読んだあとの不倫情事はキツイのではないのか... | ||||
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