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黒面の狐
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黒面の狐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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読み始めは昭和の炭鉱やそれを中心とした話と思いましたが、しっかり推理がメインでした。 飽きる事なく読めました。 | ||||
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以前、同じ著者の『幽女の如き怨むもの』についてのレビューで、私は次のように書いた。 「小説の探偵役が、事件の謎を解き犯人を指摘し、その結果犯人が逮捕され極刑に処されたとしても、事件の被害者側の怨みや憎しみが消えないのであれば、事件は"解決”したことにはならない。 人の心の中の、怨みや憎しみまでは、解決できないのだ。 そして、その怨みや憎しみこそが”怪異"を生み出すのだとしたら・・・、刀城言耶は、これまでも何も解決できていないことになってしまう。」 同じことが、こちらの新シリーズにも当てはまると思う。 この作品でも探偵役の行動を通じて、炭鉱労働者の間で一種の怪異譚として語られている”黒面の狐”なる存在が、どのような”怨み”によって生み出されたのかを、丹念に描いているからだ。 主人公はが結末において炭鉱町を去り、別の仕事を探さねばならなくなるのも、事件は解決できても”怨み”は解決できず、その”怨み”の残る場所には居られないから、と解釈できる。 おそらく作者は、昭和の炭鉱町を具体的にイメージできない世代の読者を想定したため、炭鉱関連の説明が長くなってしまっている。これはやむを得まい。 たとえば映画『空の大怪獣ラドン』などを観れば、昭和31年当時の北九州で実際にロケ撮影されているため、「坑口」「坑道」「炭車」「人車」「炭住」などのイメージはすぐにつかめるが、そうした映画すら見たことのない人の方が、今や多いのだ。 結果的に、説明されているような安普請の「炭住」を舞台にした密室トリックなら、多分アレとかアレに似ているだろうという先行作品をすぐに思いついてしまう。 また実際、その通りの展開なのだが、作者も密室状況の解明ではないところに解決の重点を置いているので、欠点とまでは言えない。 社会的背景を活かしつつ、伏線をきちんと回収し、怪異を生み出すことになる”怨み”すなわち動機に説得力をもたせた手際は、本格ミステリとして十分と評価するべきであろう。 九州の炭鉱町や炭鉱での大事故を社会的背景とした推理小説には、社会派の巨匠と言われた水上勉の『死の流域』があり、また南部樹未子の『閉ざされた旅』は本格ミステリとは言えないものの、北海道の炭鉱町を背景とする事件を描いた力作であった。 しかし、そうした過去の作品は社会派の力作ではあっても、ミステリの謎解きとしては物足りなかった。 それを思えば、本書は本格ミステリとして十分に読ませる。 作品中に、炭鉱を描いた戦前の探偵小説として大阪圭吉の短編「坑鬼」が紹介されている。 先ごろ刊行されたシリーズ二作目は、大阪圭吉で言えば「灯台鬼」に相当するのであろう。 ならば三作目は「とむらい機関車」か、はたまた「動かぬ鯨群」か。 なお、事件が始まるまでがやや長いせいか、文庫版にはプロローグとして「ある老炭鉱夫の話」を付け加え、”黒面の狐”の登場を期待させる効果を出している。 | ||||
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朝の連続ドラマ「あさがくる」であつかわれた「炭鉱」を思い描きながら読みました。 当然、この本の方が「炭鉱(ヤマ)」についてくわしく、リアルで苛烈な描写です。 朝鮮人強制連行や強制労働についても学べますし、なんといっても「戦後の混乱期ミステリー兼迷信と因襲ホラー」といったところでしょうか。 主人公が「物理波矢多 もとろいはやた」という読みにくいが「科学的な頭脳と感性を持つ名探偵」らしい名前なのが興味深いです。 シリーズ化を企画しているのでしょうか? 小さなどんでん返しや「密室殺人」をもりこんで、あきさせません。 | ||||
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Reader Store版で読了。 北海道のタコ部屋と並んで悪名高い九州の納屋制度+「美しい国」の植民地経営+朝鮮人差別を背景に、 重厚なストーリーと、かなりスリリングな本格推理を展開させます。刀城言耶シリーズに用いられた 「信頼できない語り手」に頼らない分、本格部分がシビアです。一昔前なら「社会派と本格の融合」って 絶賛されていたでしょう。 にしても、他の方のレビューを見るとボロボロですね。社会的な内容がこれほど嫌われるようになったのか。 | ||||
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かつて日本の主要産業であった炭鉱での話。その成り立ちや経緯がよく調べられている。新たな名探偵(になるか?)が登場。三津田先生や新登場の探偵の今後の活躍に期待したくなります。 | ||||
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