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(短編集)
夜市
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夜市の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全337件 301~320 16/17ページ
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夜市。それは何でも手に入る市場。そして限られた人しか行けない市場。そんな市場にとある主人公が足を運ぶ。過去を背負ったその青年の目的は?最後は意外な結末が・・・。 ホラーと言うほど怖いわけではなく、何となく不思議、そして何となくミステリーな小説です。ページ数が少ないのでさらっと読めます。その分ボリュームを求める方には今ひとつ読み応えが少ないかも・・・。 同書にはもう一作「風の古道」が収録されていますが、個人的にはこちらの方が好きです。話の雰囲気は「夜市」と似ているのですが、著者の「古道」という発想が何とも言えずすばらしい。 2作品とも、どこか懐かしさを感じるようなお話です。 | ||||
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姉飼やぼっけえきょうてえとか、正直言ってあんまり面白くなかったんだけど、これはいいですね。ホラーっていうよりもファンタジー風味なんだけど、文章のどこかにノスタルジーがある。あとはネーミングセンスがいいです。永久放浪者、学校蝙蝠など。どこか小林ヤスミを感じさせる。 二編を収めてあるのだが、それぞれが微妙にリンクしているのもいい感じだ。感動するわけでもないし、怖いわけでもないんだけど、どこかすっとする素晴らしい読後感だ。 二編とも同じ傾向の作品だが、今度は違う切り口の作品も読んでみたい。 | ||||
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’05年「第12回日本ホラー小説大賞」大賞受賞作。 また、’05年下半期「第134回直木賞」の候補作でもある。 「日本ホラー小説大賞」は過去に、’95年、瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』や’97年、貴志祐介の『黒い家』など、共に映画化された名作を送りだしているだけに、この、ほとんど文句なしに大賞に決まったという作品を期待して読んだ。 本書は表題作と『風の古道』という作品が併録されている。どちらも似通った設定の作品で、アニメ映画『千と千尋の神隠し』のような異世界に迷い込んだ主人公を描いている。 ホラーと名のつく賞の大賞でありながら、本書は生理的な恐怖を感じさせる描写や、人間の奥底に秘められた狂気の言動・心理表現などはまったくなく、背筋がゾクゾクするような怖さは感じない。 「欲しいものを手に入れたい」そして「手に入れたあと、さいなまれる罪悪感」、さらに「失ったものを取り戻す」といった人間の持つさまざまな欲望や感情が、むしろ全編にわたって抒情的につづられていて、私は少年時代に夢想・空想したような一種ノスタルジックな世界を思い出した。また、実際には存在しえない者や物が登場したり、起こりえない現象が描かれたりしているにもかかわらず、不思議とそれぞれの場面が明瞭な映像として頭に浮かんできた。 本書は「身も凍りつくホラー」をしのぐ、アニメなどに映像化もできる「ファンタジー・ホラー」とでもいうべき文学作品である。 | ||||
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不思議な縁日が舞台のどこか、ノスタルジックで空恐ろしい作品です。主人公が子供の頃行った不思議な縁日に、彼女と二人で行くというふうに物語は展開していきます。彼が取り戻したいのは、思い出なのか、それとも別の「何か」なのか?彼と夜市の因縁とは? ひやっとした空気が全体を通して流れているお話なんんですが、読み始めるとついつい読んでしまいます。 | ||||
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ホラー小説ってあんまり好きじゃないんだけど。訳の分からない怪奇現象やお化けが出てきたり・・・ でも、書店に並んだこの本を見て思わず手に取ってしまいました。「夜市」っていったい何なんだ。「よるいち」なんだかとても怪しげな言葉。 どんどん本の中に引き込まれていきました。単に「恐怖」を感じさせるようなホラーではありません。人間の欲だとかエゴ、哀しみを感じさせるような奥の深いホラーです。そう、読んで「怖い」という印象は受けませんでした。それよりも、なんともいえない哀しみを感じました。 「夜市」では何でも手に入れることが出来る。欲しいものを手に入れるために、実の弟を売る。そんなことなんてあるのだろうか。人を「夜市」で売る。それは恐怖に通じる。そして、夜市で怒る様々な出来事が恐怖のみではなく倫理、道徳、哀しみ様々な問いかけをしてくる。 そして、この本には「夜市」の他にもう一作、「風の古道」という作品も収められているが、こちらも基本的にはホラーなのだが、やはり、「夜市」同様、単なるホラー以上のものだ。 どちらの作品にも民俗学的な視点での、禁忌のようなものが底辺にある。それが本能的に怖いもの見たさのようなものを感じさせるのかも知れない。ともかく、久しぶりに面白い本を読んだ、 | ||||
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自分は小説はほとんど読みません。なんというか文字が多くて読むのが面倒くさいのです。しかし、この本は違いました。読むのが面倒くさいではなく逆に読みたいという感じでした。この本はざっと200ページくらいなのですぐ読み終えられます。でもハリーポッターとか何百ページもある小説より全然面白かった。 夜市と風の古道。どちらも昔の日本にしかなかったような昔のことを思い出させてくれます。夜市と風の古道はどちらも切ない物語で本当に泣いてしまいそうでした。後から明らかになる理由など驚きの連発です。本当にいい小説なので是非一度読んでみてください。 | ||||
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子供時代行ったことで、すっかり忘れていたのに、ふと夢にうなされて突然思い出す出来事がある。 夜市に行ったらそれを取り戻すことをするだろうか、自分には夜市で買うものがあるだろうかなど、いろいろ考えて、ホラーなのに泣いてしまう小説でした。 | ||||
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ホラーは読んだことがなかったのですが、本屋さんで見つけてタイトルと表紙に惹かれてしまい手に取りました。 『夜市』と『風の古道』の2作が収録されていますが、別々の作品でありながら、何処か通じるところがあるような気がします。 『夜市』の世界はとても幻想的で、すぐに引き込まれてしまいました。ラストの静かな終わり方には切なさが残りました。 『風の古道』は、描写が丁寧なせいか、風景が頭の中に浮かんできて、物語に入りやすかったです。 どちらの作品も一言で言い表すならば「不思議」な作品なのですが、色々な要素が盛り込まれていて、ちょっと考えさせられたりもする、想像していたより濃い内容でした。 | ||||
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失われしものを取り返しに行く、その着想に、驚きました。最近にない、新しい感覚を呼び起こさせる、ホラーだと思います。ホラー好きには、たまらない、ニュー・テイストを味わえます。 | ||||
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私はホラーは読まない。でも色々な方たちが絶賛していたので思わず買ってしまった。 この本は表題作の「夜市」と、「風の古道」が収録されている。どちらも綺麗な作品だ。風景描写がとても鮮やかだ。夜市の方は、後半の展開に驚かされた。まず、設定が凄いと思う。あんまり詳しく語ってはいけないのが辛いw 風の古道は、夜市から繋がる部分がある。どちらの作品も、現実社会から遠ざかった話で、ホラーというより、ファンタジーかも知れない。かといって、ただほんわかした妖精が出てくる話でもない。独特の雰囲気がある本だと思う。思わずその雰囲気にのめりこんでしまう。 恒川光太郎の本をもっと読んでみたいと思わせる作品だった。 | ||||
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ハードカバーにしては薄い本で、読み始めてもなんとなく字数がすくなく、あっさり読み終わるかもと思ったのですが、 これがなかなか中身の濃い本でした。 メインの登場人物であるいずみと裕司の関係が少々希薄で、夜市にいったいきさつもなんとなく?という感じがしたのですが、 それも伏線だったとは、少々オドロキでした。 いわゆる”こうなるだろうな”と言う予想を かなり大きく裏切るストーリー展開には脱帽でした。 とはいっても、わたしとしては書き下ろしの「風の古道」のほうが、より面白く読めました。 どちらの作品も根底にあるのは”だれでも迷い込む可能性のある不思議な場所”ですから、 ストーリーにB.G.M.をつけるとすると、 同じ曲になってしまうかもしれませんが、 「風の・・」はわたしが主人公になる可能性がある、 いや、なってみたいと感じるくらい、 興味をそそる世界でした。 | ||||
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眠れなくなるような恐怖感を味わってこそホラー小説だ、 なんて考えている人は肩透かしを受けると思いますが、 そういう定義は持っていない人、そういう事にこだわらない人ならば、 純粋に楽しむ事が出来る小説ではないでしょうか。 文章も読みやすく、世界観も構築されていると感じます。 朱川湊人さんの「都市伝説セピア」「花まんま」「かたみ歌」などの 作風が気に入っている人ならば、楽しめるだろうと思います。 逆に言えば、この「夜市」が気に入った方で、 朱川湊人さんの小説を未読な人は、朱川さんの小説 (「花まんま」など)も楽しめるのではないでしょうか。 表題作の「夜市」も悪くはないのですが、 個人的には「風の古道」の方が印象に残りました。 次作以降も期待したいです。 | ||||
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何でも売っている「夜市」。まさに現実ではない世界に入り込んだ男女のやりとりが、自分の身近な人が軽い話題を話しているような口調で描かれ、ありえない「夜市」がすぐ近くにあるようなじわっとした怖さが迫ってくる。ストーリー展開に引き込まれる。書き下ろしの「風の古道」もいい。切なさの残る読後感。 | ||||
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「市」という語からまず連想する活気だとか賑わいだとかは「夜」の一語で消え、見てはいけないものがあるような空恐ろしい何かが待っているようなそんな印象が残る。大学生のいずみは、男友だちの裕司に連れられて夜市を訪れる。ふたりを迎えるのは、「永久放浪者」や「一つ目ゴリラ」が開く店の数々。いちいち不気味な怪物たちだが、その描写はリリカルで懐かしい。市、人攫い、妖怪といったモチーフはすべて民俗学につながり、民話や昔話を思い起こさせるからだろうか。裕司には、子どものころ夜市に置き去りにした弟を買い戻すという目的があった。罪悪感と喪失感にさいなまれながら裕司が十年あまりを過ごした世界、夜市、そして夜市をはさんで向こうにあるパラレルな世界。そのからくりが一望できたとき、すべてが浄化されたような静かな爽快感がある。一見ホラーらしくない幕切れのすぐ側で、浄化を拒んだ存在によって残される悲哀が、日本の怪談らしい余韻を生む。 | ||||
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本のタイトル作品である「夜市」ももちろん良い作品なのですが、私は「風の古道」に読み応えを感じました。 たまたま舞台設定が自分が住んでいる小金井公園付近であると言うこともあるとは思いますが、ついついその古道を探してみたくなります。まあ、もしあったとしても入りたいとは思いませんが。 いずれの作品も文章はシンプルでありながら、深みのある世界がうまく描かれていて、余韻の残る作品になっていると思います。 「夜市」は日本ホラー小説大賞受賞作品とのことですが、いわゆる「ホラー」とは一線を画し、日本古来の伝承を小説としてよみがえらせた「ファンタジー」といった方が適切かもしれません。 すごく楽しみな作家がでてきたと思います。次回作が待ち遠しい。できれば長編でどっぷりと「恒川ファンタジー」の世界に浸りたい。 | ||||
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幼い頃、弟と引き換えに野球の才能を手に入れた話が、ずっと続くのかなぁ? と、思っていたら、あっさり本の途中で終わってしまってやや残念な感じ。短編だったのね。と、思った。 夜市の次に書かれていた作品が【風の古道】 小金井公園で迷子になった少年が歩いて、家に帰る事に。そこで、不思議な道を通り無事に家にたどり着く。12歳になって再びその不思議な道を通って友達と、小金井公園に行く事に・・・。 夜市ばかりに囚われていましたが、読んでみると【風の古道】の方が、味わいがあり、小説なのに絵本を読んでいるように、景色が頭に浮かぶ作品でした。 | ||||
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少年時代にむき出しの欲望で願望を買う。 それが現実の貨幣経済の世界にも通ずるリスクを背負う恐怖と重なるとき、この世も夜市かという不安がじわじわと拡がる。 夢のような話でたんたんと進む文章に恐怖など感じない。だけど、そのシーンを描いていくとかなり恐い絵になると思う。 主人公の少年と少女の恐れと老人のそれは違うようだ。読む人によっておなじことがいえるかも。 なかなか奥深い・・・かも?! おもしろい | ||||
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さらりと読め、後味も悪くないです。ちょっとの寒気と切なさと あたたかさと、という感じでしょうか。 夜市という響きに興味をかきたてられ購入したわけですが 大正解でした。 読まなくて損をするということはないですが、読めば誰かと語りたくなる、 読んで良かったと思える一冊です。 ホラーというよりファンタジー色が強いので子供でも楽しめると 思います。ラストはほろりとさえします・・・。 この夜市を映像として見てみたくなるのは私だけではないはずです。 | ||||
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確かに面白いし、ある時点で世界が一瞬に変わるのは快感です。 しかし、これがホラー大賞とは如何なもんでしょう? やっぱりホラー大賞は、権威ある賞なので、 それなりのゾクゾクするような作品に出会いたいです。 私は直木賞候補発表の前に読みましたが、 ホラー大賞作品が候補になるのは、どうも違和感がありますね。 ぼっけえ、きょうてえ、玩具修理者は絶対候補にならないもんね。 | ||||
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前評判に釣られてしまい、必死に探して手に入れ、読破した。 大変読みやすくて、あっというまに読みあげてしまった。しかし、ホラーとしてはかなり物足りない。もう少しぞっとするような毒々しさを期待していたが、まるで外れだった。 ファンタジー傾向が強すぎて、つまらないオチに終っている気がする。 もう一つの収録作品の方が、意外性があり趣はあるが、ホラーという面では、期待外れだった。 | ||||
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