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(短編集)
夜市
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夜市の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全337件 261~280 14/17ページ
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私が恒川氏の小説を読んだのはこれが初めてです。 なぜこの本を購入するに至ったかといいますと、最近書店に並んでいる氏の最新刊『草祭』がきっかけでございます。ページをパラパラとめくってみますと、なんとまぁわかりやすいこと。恒川氏の美しき文体に惚れたといいましょうか、何だか氏の小説を買わずにはいられなかったのです。安価な文庫版でとりあえずはと思い、『夜市』を購入した次第ですが、やはり氏の文章は読みやすい。氏の描く"異界"へとすぐに感情移入できます。ぜひおすすめしたい本だと思います。本小説に載ってある二つのお話のうち、私はどちらかというと『風の古道』の方が好きですが、『夜市』と『風の古道』、どちらも面白かったです | ||||
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子供のころに感じた、懐かしい匂いのようなものを感じつつも 寓話のように淡々としつつも恐ろしい夜市 そして美しくも悲しい世界風の古道 どちらもちょっとそちらの世界へとちょっと行きたくなってしまうような、 蠱惑的な幻想譚 | ||||
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ホラー作品ということですが、妖怪がでてくる点がホラーというだけで、怖いわけではありません。 ただ、読んでいくとすごく透明感のある文章に引き込まれます。そして不思議な空気感をもった作品で、読んだあとにさわやかな感覚になりました。 内容についてはふれられませんが、先の展開が読めなくて、飽きることもなく一気に読み通せました。 ちなみに本書には、短編が 2 編収録されていて、「読むぞっ」と気合いを入れなくてもサラッと読めますよ。 | ||||
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夜市のラストは良かったです。 個人的には「風の古道」の方が気に入ってます。この道での別の物語を、もっと読みたいな...などと思ってしまいました。 洗練された文章ですから、どなたでもスラスラと読み終えられると思います。 中学生から私のような中年までイケるんじゃないでしょうか。 60を超えた母に貸したのですが...コメントが無いんですよね〜...読んだのかどうかも分からないけど...ファンタジーっぽい作品って、馴染みのない方には向かないのかしらね... | ||||
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新人のデビュー作品集にして、第12回日本ホラー大賞受賞作、第134回直木賞候補作を収録しているということですが、私にはどうも合わないらしくて、あんまり楽しめなかった。残念です。 表題の短篇と「風の古道」の2作品とも、構成は同工異曲。日常生活と隣り合わせに存在している幻想的な異世界へと迷いこんだ主人公が彷徨ののちに帰還するという物語。文章が端正だという評価もあるようですが、私には薄味に感じられた。手垢のついた未熟な表現が目立つ。 ストーリーの展開はなかなかユニークだけど、短篇小説と呼ぶには中途半端に長い枚数。なんだか間延びしている。評価は人それぞれですね。 改まってホラーの定義をたずねられると答えに窮してしまいますが、この作品集の内容ならば、いわゆるホラー(怪奇小説または恐怖小説)よりはむしろファンタジー(幻想小説)と言ったほうが適切ではないかしら。 | ||||
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ホラーと言いつついわゆるホラーではありません。でも闇夜に誘われるように気がつけばその異世界に踏み入れてしまっているでしょう。そういう意味で怖さは感じます。 ただ、僕は運が悪かったのか相性なのか、オチが途中でピンときちゃったんです。だから結果★3つ。もっとこの世界観の不思議さに委ねてグルんと意外すぎるラストを期待したかったのですが、、お願いそうは言わないで、ああ、やはりそうなのね。と。 装丁が好みだったので単行本で持ってますが、人に勧めるとしたら文庫版が出たなら文庫でいいかもと思います。 | ||||
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無駄を省いた文章なのに情感溢れる不思議な作風。 読みやすい。 | ||||
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豊かな叙情性、ノスタルジックな感情を喚起せずにはいられない世界/異界。ホラーというよりも、多くの戒めを孕んだ昔噺を聴いているような読中感覚。禁忌的なモノに触れる慄きや、同時に未知を拓く昂揚が充ちている。一切の余剰を廃し、丁寧に紡がれる言葉の磁力はとてつもなく高く、読み手を軽々と異界の空気へと嵌め込んでいく。独特の世界観/その構築力ともに素晴らしいの一言。ラストに至るまで、息つく間もなく流れていく。 併録の『風の古道』にしてもそれは全く同じ。部分部分で先の『夜市』ともリンクしながら、こちらもやはり心の原風景とも言うべき、郷愁を擽る独自の世界を描いている。怖いというより物悲しい、しかし全体に緩やかな昂揚感を湛えるという不思議な作風。ベタな例で申し訳ないが、宮崎アニメに通じる世界を感じた。他に類を見ないタイプの素晴らしい作品。各所での絶賛がそれを物語っている。 | ||||
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恒川氏原作の作品をめぐって思いもかけない目に遭ったので、どうしようかと迷っていたが、やはり好きなものは好きなのだし、個人の読書記録としては外せないので、やはり書く。 正直に言えば、新古書店で見かけ購入したのだが、拾い物であった。ただ、これをホラーと呼ぶかどうかはずっと疑問に思っていた。同じようなレビューが散見され、ほっとする。懐の深ーい「ファンタジーノベル大賞」か何かの方が著者にとってはよかったように思う。ハードルが高い分、大賞は無理だったかもしれないが、その後の活動の幅は広がったはず。 「夜市」は、ごく普通に好きであり、時々読み返す程度。やはりファンタジーである「グラン・ローヴァ物語」や波津彬子氏の作品に出てくる「鬼市」の、この世ならぬものの市の、ちょっぴり怖いもの。 私がこだわるのは、やはり「風の古道」。どういう経緯で書かれたかはわからないが、読むごとに発見のある、味わい深いいい作品だ。これが恒川氏本来の持ち味ではなかろうか。今までの氏の作品の中で、一番自由に書かれたもののような気がする。なまじ多摩地区に住んでいると、入り口を探したくなるほどに。 ここで注意。同じ「古道」を舞台に「レン」という少年の活躍を描いたコミックが出回っている。恒川氏の名前で検索すると原作者として出てくるが、「風の古道」とは全く趣を異にする作品である。決して手を触れてはならない。万が一手にとってしまった方、頭にきても書き込みはされない方がよろしい。相手はわけのわからない子どもであるからだ。 | ||||
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最近これと言った当たりがなくて、遠ざかっていたホラー大賞だが久々に 「単純に面白いお話」に出遭えた。やはり良作は1ページ読んだだけで 作者の力量が伝わってくる。 解説にもあった通りの「異界小説」である。優れたオリジナリティと 芯の通ったストーリー。 ただ星5つではない所は、ストーリーに意外性が薄く、自分としては 「異界散策小説」としては星5つだが「小説」としては星3.5個と 言う印象であった。他作品も読んでみたいと思う。 | ||||
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各所で取りあげられている人ながらまだ未読だった恒川さんの初文庫です。 「夜市」ホラー大賞の受賞作ということですが、読んだ感じで言えばホラーというよりはダークファンタジーというカテゴリの作品のような気もしますが、そういうジャンル分けをするには最近の新人の中ではダントツのオリジナリティと個性がありすぎる作家さんだなと思いました。 デビュー作の「夜市」と、この本のための書き下ろしの「古道」の二作品を収録。 どちらも切れ味が鋭い作品です。 ざっとあらすじを紹介すると、「夜市」は、いくつかの世界が重なり合うところで開かれる夜市という市場に迷い込んだ男女の物語。人間以外の客と店主が溢れかえる夜市におびえる彼女を横目に、男は確信に満ちた足取りで歩く。彼の目的と、意外な過去とは・・・。もう一方の「古道」はこちらも古来からある不思議な道に迷い込んだ少年と、そこでであった青年の話。こちらの「古道」も、現実の日本と重なり合うよりにありながら、特殊な人間以外は入れない、そしてそこには独特のルールのある異界が存在していたという物語。 どちらも、日常の陸続きに異なる世界が存在しており、そこに入り込んでしまった人間の物語です。 特徴としては、やはり語り口の不思議な味わいと、思い切ったストーリー展開でしょうか。こことは違う世界、異界だからでしょうか、人間の価値は絶対ではなく、あくまでその価値は相対的なもの。だから、売り買いもされれば、殺され、食べられ、捨て去られます。しかしながら、だからといって人間が一方的に弱いわけではなく、人間も数ある種族の一つとして独自の地位を築いています。あくまで人間が下位なわけではなく、ただ違う世界であるということがしっかり根底にあるからでしょう。そのあたりのさじ加減が絶妙だし、それはきっと著者の目には未耳にはその違う世界がくっきりと見えているからでしょう。だからこそ、その世界を説明する言葉はいたって平易、特におどろおどろしい形容や、ことさらに大仰な描写はありません。だけれども、明確なビジョンがあるからこそ、普通の言葉の組み合わせでも、読み手にはその世界が明瞭な輪郭をもって恐怖とともに伝わってきます。それも、ハードな勢いがあるものとしてではなく、しっかりとひそやかにあるものとして。 才能、なのでしょうね。 ということで、ベタポメすぎるように聞こえるかも知れませんが、才能を感じさせる作家さんにまた一人巡りあえました。 個人的には、「古道」のほうが「夜市」より数段気にいりました。 | ||||
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’05年「第12回日本ホラー小説大賞」大賞受賞作。 また、’05年下半期「第134回直木賞」の候補作でもある。 「日本ホラー小説大賞」は過去に、’95年、瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』や’97年、貴志祐介の『黒い家』など、共に映画化された名作を送りだしているだけに、この、ほとんど文句なしに大賞に決まったという作品を期待して読んだ。 本書は表題作と『風の古道』という作品が併録されている。どちらも似通った設定の作品で、アニメ映画『千と千尋の神隠し』のような異世界に迷い込んだ主人公を描いている。 ホラーと名のつく賞の大賞でありながら、本書は生理的な恐怖を感じさせる描写や、人間の奥底に秘められた狂気の言動・心理表現などはまったくなく、背筋がゾクゾクするような怖さは感じない。 「欲しいものを手に入れたい」そして「手に入れたあと、さいなまれる罪悪感」、さらに「失ったものを取り戻す」といった人間の持つさまざまな欲望や感情が、むしろ全編にわたって抒情的につづられていて、私は少年時代に夢想・空想したような一種ノスタルジックな世界を思い出した。また、実際には存在しえない者や物が登場したり、起こりえない現象が描かれたりしているにもかかわらず、不思議とそれぞれの場面が明瞭な映像として頭に浮かんできた。 本書は「身も凍りつくホラー」をしのぐ、アニメなどに映像化もできる「ファンタジー・ホラー」とでもいうべき文学作品である。 | ||||
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「夜市」「風の古道」の2編です。 両方とも、不思議な話です。 どことも分からない場所で、妖怪なども参加し行われる「夜市」。 そこでは、何でも売っている。迷い込んだ大学生のカップル。実は・・・ 普通の人には見えない道に迷い込んだ少年たちを描く「風の古道」。 そこで出会った人は、実は・・・。 両方の話も、「心揺さぶる」ストーリーであり、結末でした。 不思議で、なんとなくノスタルジーを誘う舞台で、 人の純粋な気持ち、が描かれているような本です。 「怖い」とか「気持ち悪い」とかは、ほとんどないですが、、 その分、別の感情に包まれていきました。 ストーリーも登場人物も、文体・調子も、「上手くできてるなぁ。。」 と「心揺さぶられた」後に、しみじみ感じ入る作品でした。 | ||||
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ホラー大賞ということですが、単行本レビューにあるとおり ホラーというよりダークファンタージーです。 怖さよりも、幻想的な美しさ、妖しさ、もの哀しさが漂います。 また表紙が作品によく合った美しい装丁です。 「夜市」をさらに引き立てているのが、同録の「風の古道」です。 こんな古道があったら、子供でなくても大人だって迷い込んでみたくなるような異界。 魅力的な放浪者が登場し物語に奥行きを持たせています。 すでに単行本を読んではいたのですが、文庫化をこんなに待ちわびた作品は久々です。 風の古道は別のかたちでまた登場して欲しいです。 | ||||
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何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した祐司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた。そして弟を買い戻す為に・・・。 ホラーというほどホラーではなくて、むしろファンタジーかな。 もちろんダークなんだけれど、落ちがとっても斬新と言うか切れ味がいい。 いつも読まされている感じの典型的な結末ではないと思う。 もう一編、この本には収録されています。 『風の古道』 よく言う霊道、または神の道。 人ならぬものが通る道を舞台にした物語も収められています。 これもよく練られた展開で、意表をついてきます。 どちらかと言うとこちらの方が好きなのですが。 どちらにしろ、店主おすすめ本です | ||||
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最高傑作とはいかなくても、傑作ではある。 文章が想像力を引き立たせる。なかなかファンタジー。 兄と弟の昔の思い出はぐっときた。 しかし、弟の過去の説明が長い! もっと夜市の最中の、ノスタルジックな世界がみたかった。そこをもっとかいてほしかった。 | ||||
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第12回日本ホラー大賞の受賞作だが、「夜市」は怖さだけではなく、 切なさや悲しさが漂う作品だと思う。弟を売った兄、兄に売られた弟。 裕司は弟を取り戻せるのか?夜市の決まりをどう乗り越えるのか? 夜市の独特の雰囲気も加わり、読み手は不思議な世界へと誘われていく。 裕司の心の奥底にあったもの、売られた後の弟の人生、そして、意外性を 持った結末・・・。そのどれもが、読んでいてとても悲しく感じられた。 「夜市」はわずか80ページ弱だが、密度が濃く、読後も余韻が強く残る 作品だった。 | ||||
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ホラーというよりは、なんていうのだろう。。。 日本版ファンタジー。幻想の世界。 ストーリーとしては、なんということなのですが、 綺麗で、哀しくて、せつなくて、妖しい。 盛り上がりはないのですが、その平坦さがまた幻想 不思議な本でした。 | ||||
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読みやすく、久々に一気読みしちゃいました!ホラー大賞というものの、怖いというより不思議な世界へ連れていってくれた感じ。 小さい頃弟を不思議な世界・夜市で売ってしまった兄。家族からは弟の記憶がすっぽり抜けてしまったが、兄はずっと後悔していた。大人になり、弟を買い戻しに再び夜市に行くが。。 切なかった〜。弟の人生も、兄の選択も。夜市の不思議な世界もすぐ頭にイメージできた。世にも奇妙な物語でやってほしい(^_^)そしてもう一つ収録されていた「風の古道」。実はこっちの方が好き!またまた不思議な世界で、少し怖くて、切なくて(;_;)余韻がしばらく残りまくり。。できればその後のお話を書いてほしいと思う。話の内容は全然違うけど、「むし師」のようなイメージでアニメーションにしてほしい! | ||||
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日本ホラー大賞グランプリにして いきなり直木賞候補になった、モンスターノベル。 ただ怖いだけじゃなく、 幽玄な世界観と、生きとし生けるものの哀愁を打ち出した 恐るべき傑作です。 特に同時収録の「風の古道」は、凄い。 マンガ化もされているようですが、 2つの世界が交錯するその設定が秀逸。 小説の中に自分も入って行ってみたいと 久々に思った、よくできた作品です。 | ||||
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