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三つの棺
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三つの棺の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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ミステリは好きですが、カーはこれが初めてです。 実は40年くらい前にカー作品(題名忘れた)の文庫を買ってみたものの、国産ミステリに比べると翻訳のせいか異様に読みにくく、途中で読むのを止めてしまいました。 「新訳」ということで、今風に読みやすくなっているかな?と期待してこちらを手に取ったものです。 さして困難なく一両日で読み終わり、それなりに面白かったのですが、小説としての味わいがないというか、説明文を読んでいるような感じなんですね…。 灰色の雲が垂れ込める冬のロンドン、棺桶から抜け出る人間、黒いコートに仮面の男、3つの墓標が描かれた謎の絵、透明人間としか考えられない犯人…などなど、これだけ道具立てが揃っているのに、読んでいても何のスリルも恐怖も感じません。 「物語の世界」に引き込まれ、翻弄される楽しみがないのです。 だから不可能と思われる殺人事件の謎が解明されるくだりも「あ~なるほど、そうだったんですね」で終わってしまいました。 思わず江戸川乱歩に翻案してほしいと思ってしまいました(彼なら同じストーリーやトリックでも遥かに面白く書けるはず)。 これって訳文のせいなのか、元々カーがこういう作風なのか、どっちなんですかね? トリックに関しては、大枠は面白いが細部がゴチャゴチャ&無理がある印象でした。 前半で事件現場の図を入れるのは良くても、謎の説明に図を要する(図ナシでは分かりにくい?)トリックはあまり好きではないですね。 | ||||
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勿論、この作品そのものも推理小説として優れているが、とにかく密室講義のノリが楽しい。ネタバレになるので具体的な事は書けないが、特に講義に入る「序文」の部分はユーモアのセンスが優れていて、また大いに共感出来る。 | ||||
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私が推理小説を好きなのは、登場人物と一緒に、与えられた証拠・状況を基にして、犯人を推測するゲームができるからです。 その点、この小説は、ラストでフェル博士の「解決」を聞いても、「偶然」の要因が強すぎると思います。一般的には、「偶然」がいつ・どこで・どのように起こるかを推測・推理することは非常に難しいはずです。ましてや、その結果を推測することなどは。 この小説を読んできて、真犯人を当てられた読者はいるのだろうか? この推理小説を絶賛している方々は、真犯人を当てられたのだろか? もしそうでなければ、一体、何を絶賛しているのだろうか? 確かに、作者は次のように書いて、読者の寛容を期待しているようですが。 《だが、大まちがいをしたのは私だけではない。偶然を含むさまざまな状況によって、さらにひどいまちがいが生じ、それらが組み合わさって、ごくありふれた醜く卑しい殺人が、ぞっとするような説明不能の謎になり変わったのだ。》(344ページ)。 | ||||
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カーの代表作のみならず密室トリックの名作として、必ず名のあがる本作。確かにこのトリックはすばらしいと思うし、有名な「密室講義」も非常に楽しい。「現実味がない」ことを理由にミステリを否定する層に対しての挑戦状のようでもある。「黄色い部屋…」など、他作品のトリックのポイントを明かしてしまうので要注意ではあるが…。 ただ訳者があとがきで翻訳の難しさに触れているように、実際のところ文章がかなり読みにくい。登場人物のキャラも全体的にエキセントリックで、感情移入しにくいところもある。欠点はいろいろあるが、トリックのあざやかさで帳消しというところ。本作を読まずして密室トリックは語れないだろう。 | ||||
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この作者の作品は初めて読みました。数十年前のものだか不朽の名作という事で楽しみでしたが、とにかく誰のセリフを読んでも理解し難く、意味も何もかも頭に入って来ず、途中で読むのを断念しました。訳者が悪い、同作家の作品で他の出版社が出したものは良かった、というレビューもあるが、実際どうなのでしょう。 | ||||
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1930年代のロンドン、雪の夜。原始魔法の愛好研究者、裕福なシャルル・グリモー教授が、雪に、窓に、暖炉にも足跡も残さぬ犯人に撃たれて死ぬ──というフェル博士の長編。 中盤フェル博士突然が長々と「我々は推理署の中の人物だからだ」と珍奇な解説を始める珍事はさておき、「墓から蘇り、墓に帰る男」を主題とした雰囲気満点の面白い作品である。 しかし終盤の謎解きになると、たしかに説明は通っているのだが、あまりの秒刻みの構成にどうしても別種の名作、「火刑法廷」を思い出してしまう。 あり得ぬ状況を創り、最後にあらゆる合理的な解説で解き明かす──のに反抗したのか、「合理的な解説が結末ではない小説は如何かな?」と出された「火刑法廷」の無気味さこそ、当方にとっては好みである。 | ||||
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最低の和訳。加賀山卓朗は日本語を学び直せ。恥を知りなさい。 | ||||
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ぼくは、カーター・ディクソンが好きで、ジョン・ディクソン・カーがあまり好きではない。同じ人物でありながら、書き方がまるで違うのだ。 カーター・ディクソンでは、構成・キャラクタ・文章どれをとっても超一流だ。『赤後家の殺人』など、スゴイ傑作なのになんで廃盤扱いなのか不思議で、仕方がなかったくらいだ。カーター・ディクスンの『黒死荘の殺人』も素晴らしい。正に王道だ。 ところが、ジョン・ディクソン・カーになると、カーター・ディクソンとは違うことをやりたいという気持ちが異常に強くなっている。『皇帝のかぎ煙草入れ』がなかなか進まないのも、『火刑法廷』で挫折したのも、なんでそんなところに力を込めて語っているのか解らないからだ。 唯一の例外が、ジョン・ディクスン・カー名義のこの『三つの棺』だ。これは実際の歴史を取り込もうとしているのが成功している。なんと言っても、ルイ16世が処刑された時代のフランスとイギリスを歴史そのままに下敷きにして、これを構築するのだから驚く。 でもやはり、ぼくは、カーター・ディクソン流の『犯人とトリックを当てられるものなら当ててみろ』という王道が好きなのだ。そして、トリックを解いていく主人公H・M卿こと、ヘンリ・メリヴェール卿が好きなのだ。 『皇帝のかぎ煙草入れ』は、1942年の作品だが、この頃になると、カーター・ディクソン的な書き方に飽きてしまっている気がする。だから、変な恋愛小説を読んでいるようなくだりがグダグダと続くのだ。 器用だからこういう事ができるのだろうが・・・よく分からないのである。 | ||||
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トリックの説明がわかりにくい。 | ||||
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1935年作の、カーとしては比較的初期作品です。初期ながらカーらしさ満載というか、ルーマニアのトランシルヴァニアにあった吸血鬼伝説と過酷な境遇から逃れた3兄弟の逸話をからめて、密室含む2つの不可能犯罪が起こります。怪奇色に満ちた本格推理小説です。 ただ、他のレビューアさんたちもおっしゃっているように、本当に翻訳がひどい・・・。会話も文章もぎくしゃくして意味不明のものも多いため、登場人物がわけのわからないことを言っているのか、変人なのか、それともただ単に訳が悪いだけなのか判別できません。また、それでなくても複雑なストーリーなのに、悪訳のせいで話の流れが余計にわかりにくくなってしまいました。 他の翻訳ではハドリー警視となっているのがハドレイ警視に、そして彼はフェル博士に敬語を使わず対等に”あんた”呼ばわりで話しているため、フェル博士が尊重され、一目置かれている他の訳になれていると、かなり違和感がありました。 犯罪自体は意表をついて驚きの真相でした。ただ、トリックについてはまずありえないというか、現実味はありません。本格推理の美学にこだわれば、どうしてもそうなってしまうのでしょう。カーの代表作のひとつと言えると思います。翻訳が本当に惜しい。新訳で読み直してみようかと思います。 | ||||
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若い頃読んだ時は論理性の面で満足できずそれほど評価していなかった。今回は論理性は重視せずに解決が納得できればいいという気持ちで再読したが内容を忘却していたこともあり驚天動地の真相に圧倒された。2つの密室トリックの仕掛けは偶然も加わってさらに複雑さを増しミステリの技巧として一つの究極を実現しているのではなかろうか。ただし細かい点では無理がありほとんど何もわからないまま最後まで進むため途中の冗長感は否めない。フェル博士も2回も自分の間違いを認めるわけで、結果的に謎めいたセリフのほとんどは読者を惑わすだけのミスリードだったことになり興ざめの感は残る。 また、いろいろな手掛かりが何気ない会話の中に紛れ込ませてあるため非常に読みにくい。例えば、p250のハドレイ警視のフェル博士へのセリフ「...あんたは、ペチスに血が欲しいと言った。...」とあるが、これの意味を確かめるために読み返すとp184の「...わたしの望んでいるのは血だ!」が見つかるが事件には全く関係しない話であるためがっかりさせられる。意味あるものも含めてこの種の読み返しが非常に多かった。もう少し整理されていれば読みやすいと思われるが、このへんはカー作品の特徴であり我慢するしかないのであろう。それでも読みたくなるのがカー作品なのではあるが… 本作を現実感のある人間ドラマとして見た場合はやはり評価できない。他のレビュワーの方も指摘しているが犯人側から見た場合この犯行計画はあまりに突飛で危険であり現実に実行されるものとはとても考えにくい。また、これも他のレビュワーの方の指摘であるがこの事件が現実として起こった場合ある決定的な手掛かりが残るはずでありそれが全く省略されている。作者のうっかりミスかもしれないが、これを仮に省略しなかったとしたら本作のトリックの基本部分が成立しないためあえて省略したのかもしれない。もう一つ、第14章「教会の鐘の手掛かり」でフェル博士が気が付く事実であるが、これも最後まで誰も気が付かないというのは現実にはあり得ないであろう。犯行計画の点でも基本的には無理である(ごまかしが効く範囲かもしれないが)。これらの点を考えるとやはり絵空事でしかなかったかといった空しさは禁じえない。 登場人物も一人(最後にナイフを持っていた人)を除けば魅力に欠け人物描写も深みが無い。ハドレイ警視ももっと穏やかで謙虚なイメージがあったが本作ではせっかちでやや失望した。全体的にゲームの駒でしかなく会話も表面的で相手の心理を思いやるようなものは感じられない。 第17章「密室講義」は読み応えがあるが、これらの過去のトリックと較べると本作のトリックはその数段上を行くものであることが実感できるといった茶目っ気たっぷりの仕掛けという気もする。また以下の作品のネタバレが含まれているので事前に読むか第17章を読み飛ばすかしたほうがいいかもしれない。 ○長編 ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎」 イズラエル・ザングウィル「ビッグ・ボウの殺人」 ヴァン・ダイン「カナリヤ殺人事件」 エラリー・クイーン「チャイナ橙の謎」 ○短編 トマス・バーク「オッターモール氏の手」 チェスタトーン「通路の男」 ジャック・フットレル「13号独房の問題」 メルヴィル・ディヴィスン・ポースト「ドゥームドーフ殺人事件」 なお、昭和54年7月発行の版であるためどこが誤訳なのか気になったが、ネット上のレビューで指摘されているのは冒頭でフレイがグリモー教授を脅迫する最後のセリフの中にある単語についてのようである。これは確かにp337のフェル博士の説明と矛盾するようであるが、グリモー教授が他の二人についてその後どうなったかは知らなかったすれば脅迫のセリフとしては説明がつき誤訳とはいえないのではなかろうか。むしろp337のフェル博士の説明のほうが勢い余って間違えた、つまり翻訳ではなく原作の誤りという気もする。 | ||||
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旧約の1979年発行版を購入したのですが、こんなに古いとは思いませんでした。三つの棺は50年位昔に読んでいたので、旧約を再び読んでみたくなりました。エドガ―・アラン・ポーの作品の雰囲気です。旧訳は判りずらいと言う人がいますが、自身は快いです。 唯、老眼となり、インクが薄くなった感じは目に辛いところです。 | ||||
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フェル博士の、第17章「密室の講義」(The Locked Room Lecture)を読みたくて購入しました。わかりやすくて良かったです。 | ||||
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火刑法廷同様に、この訳者とは全く肌が合わない。創元推理文庫から出ているシリーズのフェル博士とは全く違う印象を受ける訳が多い。訳者によってのイメージもあるのだろうが、創元の方は訳者が違えどフェル博士のイメージは統一された印象があるのに対して、この訳者によるフェル博士って無能っぽくて何だかイライラさせられる。 他の訳も、文章にまとまりと言うか繋がりが見出せない、原文を直訳しただけで日本人の読み手に合わせる努力が皆無。 新訳だからと言って安易に飛びつくのは早計だと気付かされた一品。 | ||||
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フェル博士の「密室講義」で有名な作品。密室トリックの最高峰という評価もあり、実際とても面白いのですが、 数多いカー作品の中では中の上くらいだと思います(「ユダの窓」や「貴婦人として死す」、「囁く影」などの方が個人的には上)。 事件の真相の概形は、カーの作品に良くあるパターンが踏襲されているので予想がついたのですが、 トリック(というか事件の流れというか)が一読しただけでは理解しがたく、何度も読み返すことになりました。 そのため、細部を忘れるので、何度読み直しても楽しめてしまいます。 | ||||
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JDカーの作品の中でもそのやり過ぎとも言える密室不可能トリックと途中の密室講義によってマニアには人気が高いカーの代表作である。 この版は翻訳が分かりずらいという意見が多いが、別にそんなことはない。 まあ、トリック自体は翻訳以前にもともと分かりずらいので仕方ないだろう。 実際はこんな事起こるはずがないってタイプの現実性を無視した小説内論理だけによる本格派らしい本格推理であり、今読んでも十分楽しめる作品である。 日本では二階堂黎人氏や折原一氏が影響を受けている事もあり、本書でのトリックのアイデアは後の新本格系のお手本ともなっている事が分かる。 | ||||
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この作品の評価は、読み方によって、くっきり分かれると思います。画期的なトリック論である「密室講義」とその模範的な実践として作り上げられた精緻なトリックが使われている「密室トリックの教科書」として読む人にとっては、本書は何度読んでも飽きの来ない名作です。 フェル博士は密室講義は密室トリックが体系的にいくつかの基本パターンに整序できるものであることを明らかにしました。そして講義に際してフェル博士は「今回の犯罪もそのどれかに属さなければならない。どれほど変化しようと、いくつかのおもだった方法のたんなる一変化形にすぎないのだ」と宣言しました。この「今回の犯罪も」という短い言葉には「これから現れるであろう優れた密室ミステリーはいずれも」というニュアンスが含まれます。そして実際、後に現れた「ユダの窓」「本陣殺人事件」「見えないグリーン」「斜め屋敷の犯罪」といった内外の傑作群が、いずれも「おもだった方法の一変化」によって書かれていることを思えば、フェル博士の宣言はまさに卓見だと言わざるを得ません。主要なトリックのパターンが出尽くしたと思われる今となっては、いたずらに前例のないトリックを創ろうと重箱の隅をほじくるよりも、よく知られた基本パターンを物語の中に上手に隠れんぼさせることで意外性のある密室ミステリーが産まれてくるという指摘は、後進の密室作家にとっては最も重要なものでしょう。そしてカー自身が本書で、その理論を実践して作り上げたトリックは、教会の鐘の音が解明する大どんでん返しを含め、まさにその隠れんぼのお手本となる見事なもので、再読、再再読して、その精緻さと企みの深さを味わうことができます。また、現代の意欲的な密室作家の創作が、この密室講義の補完や総合的な超克など、密室講義への挑戦を原動力に動いていることも忘れてはならないでしょう。プロ作家やミステリーマニアが、最も深い関心を寄せ続ける密室ミステリーであるのは当然のことと思われます。 しかし、ミステリー史上、最も重要な作品のひとつである本書も、これを物語の出来映えから評価すれば、残念ながら2流作。トリック作りのみに拘ったせいでしょうか、設定の上手さや、怪談や笑劇を交えたストーリーの楽しさ、テンポのよさなど、物語に説得力を持たせる要素があまりにも後退しすぎています。初読は苦痛です。例えば吸血鬼怪談も「吸血鬼が、ただピストルで人を殺して回る」という話では狙った効果は上がらず、後の円熟期に書かれた、あの身の毛もよだつ「囁く影」などに比べると物語として全くこなれていません。また謎が解明された後「回りくどい」「あの目撃証人は忠犬ハチ公か」「バカ警官どもを懲戒免職に」といった突っ込みが産まれてくるのも、ひとえにトリックを覆うお話に力がないからでしょう。同じ無理のあるトリックでも「ユダの窓」ではテンポのよさに飲まれて無理が無理と感じられませんし、突っ込む方が野暮とさえ感じられます。同じようなイリュージョン・トリックでも「火刑法廷」では濃厚な怪奇趣味で読者を五里霧中に翻弄した末に謎を解き明かしますから、快刀乱麻の鮮やかさのみが際立ちます。こういう名人芸が、「三つの棺」には欠落しているのです。 カー再評価の機運のなか、ミステリー史上の重要性やマニア向けの楽しさと、物語としての完成度が混同されて、これをカーの最高傑作だと喧伝する人が相次ぎましたが、私はそれは乱歩や正史が「帽子収集狂事件」や「死人を起こす」を喧伝したのと同じで、カー離れを引き起こす元凶ではないかと案じています。あえて星二つ。 | ||||
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待っていた新訳です。 旧訳本を読み理解できないところをペーパーバックに照らし、もがきながら読んだのも良い思い出でした。 この新訳は、現代人にすんなり受け入れられる読み口で、週末の楽しい伴侶になり得ます。 平易な言葉になったせいか、良い意味でも悪い意味でもペダンティックな空気が希薄となり、この読みにくい物語をぐんぐん読ませてしまいます。 これは出版社さん、ブラボーです! | ||||
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結末にかなりびっくりした。 悪い意味で。 「壊れた蝶番」「赤後家の殺人」なんかは好きです。 そして密室談義で、ガストンルルー「黄色い部屋の秘密」のネタバレされたのが…次に読む予定だったので、泣けた。 | ||||
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言葉遣いが平易になったことを評価して、「読みやすくなった」とは、いかなる事であろうか? 語学の正誤の問題ではない。これは小説である。しかもミステリである。「意味が分かれば良い」ということにはならない。 この点、この新訳版は言葉の「含み」、雰囲気、臨場感・・・そういったものを無視して、単に現代語を当て嵌めたに過ぎないように思える。 「読みやすい」ほうが、一般ウケするからであろうか。何とも残念である。 旧約版と並べて読むと、(確かに旧約版ではワケのわからん箇所が散見されるにせよ)文学的には数段レベルの落ちた訳文となってしまっている。 どちらが翻訳として正しいのか、そのようなことは問題ではない。没入できないのである。楽しめないのである。 同訳者の「樽」や「クロイドン発」の新約はすばらしいと思うのだが、「剣の八」といい、カーとなると何故このようになってしまうのであろう。 「火刑法廷(新約版)」ほど悲惨ではないが、ポイントの大きくズレた一冊。 新旧を比較して読むべきではなかった。 | ||||
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