■スポンサードリンク
三つの棺
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
三つの棺の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 41~51 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まさに横溢する如くカーの魅力がたっぷり詰まった名作だ。墓穴から這いずり出てきた男というこれ以上なく怪奇で魅力的な導入部から幕開ける 本作は、戸口の外で見張りがいる中、室内に入った犯人が殺人を遂行後煙のように消えてしまう第一の事件に続き、突き当りにも向かい側にも 目撃者がいる雪の降り積もった通りの文字通り《ど真ん中》で足跡一つ残さず、その場を歩いていた被害者を至近距離で撃ち殺してしまう等、 まさに著者が拘る不可能犯罪の中でも第一級の不可能性を帯びていて、それがこれまた著者独自のオカルティズムと相重なり背筋がゾッとする 不気味な戦慄ありの、深遠に挑むような知恵熱ありの、極上なミステリーです。 そして、多くの方が称賛してやまない17章の密室講義にやはり凄みがあります。いや正確にいうならばそれ自体にあるというより、そういう風に ある種の種明かしをしてしまった上でも、さらに読者を懊悩させ驚嘆させそして愉しませる事ができるその悪魔的な頭脳(褒め言葉)と演出力に 凄さがあります。実際問題これほど解りやすく簡略に密室犯罪のメカニズムを提示してくれた上で推理小説的リアリティを体験させてくれる姿勢 に感服なのだ。そうした上でも多くの読者は真相を看破する事は困難だろう。そこが凄い。そういう意味では王者カーの作品群の中でも意地の 意地を感じれる一冊じゃないだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まさか、こういうケースで事件が 終わってしまうとは到底思いつきもしませんでした。 それだけこの作品はトリックが斬新なのです。 いわゆる「不可能犯罪」ですな。 とにかく後半部分、犯行が露呈するところからが 非常にみものです。 「まさか、そういう展開ですか!」 と言うことうけあいですから。 推理小説を読みなれた人も そうでない人も楽しめるかと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
不可能犯罪を扱った作品を数多く残した カーの作品群の中でも、 傑作の一つに数えられるのが、本書「三つの棺」です。 酒場で吸血鬼について話を咲かせていた グリモー教授のもとに、奇術師を名乗る男が現れ、 数日後、ある男が教授のもとを訪ねると宣言します。 果たして3日後の夜、 謎の男が教授宅を訪ね、教授の書斎に入っていきます。 やがて銃声が聞こえ、 たまたま居合わせていたフェル博士たちが ドアを破って部屋に入ってみると、 そこには、血まみれの教授の姿があり、 謎の男は姿を消していたのでした。 そして、その夜はカリオストロ街でも、 密室状態で殺人事件が発生、 この2つの殺人事件の謎を フェル博士が解き明かしていくというのが、 本書のあらすじです。 その密室トリックは、最後に明かされますが、 印象としては、これぞ「密室トリック」という 堂々たるものでした。 傑作と呼ばれるのもうなずける内容となっています。 また、本書は、「密室講義」が行われることでも、有名です。 フェル博士は、自分たちが小説の中の人物であることを 認識していることを明言し、密室の何たるかを講釈します。 不可能犯罪ミステリをこよなく愛する著者の熱意が伝わってきます。 ところで、フェル博士って妻帯者だったんですね。 ちらりと「フェル夫人」のことが物語の後半に出てくるのです。 漠然と独身者だと思っていたので、意外な気がしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は、2人の人間がドアを見張っている部屋の中で行われた密室殺人と、道路の真ん中で降り積もった雪に足跡を残さず、また前後の人間に見咎められずに至近距離で射殺するという開放空間での密室殺人に、さらに三つの墓標を描いた謎の絵画と墓から蘇り報復を示唆する謎の奇術師にと、カーお得意の不可能状況とオカルティズムに満ちた作品である。 前半(2つ目の殺人が知らされるまで)は苦痛とも言えるほど退屈なやり取りが長々続くが、その後は俄然面白くなり、最後の謎解きまで一気に読み通してしまった。謎解き部分の論理的整合性にも充分満足でき、『皇帝のかぎ煙草入れ』『帽子収集狂事件』『曲った蝶番』『火刑法廷』と並んでカーの作品中(『プレーグ・コートの殺人』『白い僧院の殺人』等、カーター・ディクスン名義の作品は別に措くとして)、五指に入る傑作と言えよう。 ところで本書(だけでなくカーの作品全体だが、とくに本書)には、翻訳についての批判が多い。確かに上手い訳とは言えないが、読み落としさえなければ、謎を読み解くのに必要な手がかりや伏線部分はキチンと記されているので、訳文に対する批判は的外れである。根本的にはカーの文章自体が難解で読みにくいことに問題があり、おそらく誰が訳してもそう大差はないと思う。 カーの作品が難解で読みにくいのは、謎を読み解くキーワードや伏線を目立たなくしようと余計な記述を目くらましに使っているためで、とくに本書のように謎が複雑であるがゆえに余計な記述が多い作品は、かなり気合いを入れないと途中で挫折しかねない。 しかし、その苦難を乗り越えてでも読みたくなるのが、カーの魅力ゆえと言えるのである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分は他にカキコされている諸先輩方の様な所謂ミステリの鬼ではないのですが、本作品の訳文(特に地の文)には確かに違和感を覚えます。一言で稚拙かと。 比較的最近のカーの新訳作品にはすんなりと入り込めますが。上記の諸先輩方は恐らく原書まで読んでいるのか…凄いですね。 自分は批評などとはおこまがしいので素直な感想をば。 つまらなくはなかったんですが、カーの過剰なサービス精神を差し引いても冗長な感じがしました。ストーリーテラーとしてのカーを堪能するのであれば、火刑法廷を筆頭に他にいくらでも素晴らしい作品があるような…密室に関しても説得力が薄く感じるのは件の訳文のせいか? でも密室の講義だけは楽しめました,以前流行ったマジシャンの種ばらしみたくて…故に星三つとさせていただきます。 結論として、自分が他人にカーを薦める際は,密室物からユダの窓や曲がった蝶番,物語としての火刑法廷や喉斬り隊長、初心者相手ならば迷わずプレーグコートの殺人等にしておきます。 しかし自分も、この三つの棺の完全新訳版が出たら、改めて読み直してみたいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カーは全て面白いが、ベストはやはりこれだろう。 フェル博士の密室講義があるのはこれだから。 まあ、クイーンにも言えるが、 日本語で読むと面白さが100%伝わらないのはしゃない。 時計のトリック(時間の錯誤)が納得出来ないのは、 カーが悪いんではなく、翻訳が悪いと思いなせぇ!(w 実は四つの棺になっていく過程が日本語でも十分ゾクゾク出来ます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カーの傑作としての評価は☆5つ。 しかし、翻訳があまりにもひどい。 中学生が直訳したような文章から、もはや意味不明な文章まで 作品の魅力を損なうようなトンデモ訳で翻訳権独占ときたもんだ。 カーと全ての日本人を馬鹿にしてるとしか思えないが、 ☆1つにするのはカーに失礼だし☆3つで。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作はカーの密室物の代表作。ミステリ作家・編集者として著名なE.D.ホックが投票で選んだ密室ミステリの人気投票でダントツの1位に入った。その名に恥じない名作である。 ペンシルヴァニアの監獄の三つの墓の話から始まる濃厚なオカルティズム。その墓には3人兄弟が埋葬されていた。その墓から"蘇った"長男が自宅で密室状態で殺される不可能犯罪性。長男は「弟が撃つとは思わなかった...」と虫の息で言う。しかし、同じく"蘇った"次男も、袋小路で雪の上で足跡を残さない透明人間のように姿の見えない相手に銃殺されてしまうのだ。撃った人物は「2発目はおまえにだ」と叫ぶ。犯人は残された3男なのか ? これだけ、"死者の蘇り"を中心とするオカルティズムと不可能犯罪性とを前面に出しながら、合理的解決に導く作者の手腕は見事と言うしかない。上述のセリフや登場人物達の様々な言動がパズルをピタリと嵌めるように収斂する様は感嘆の他はない。 本作品のもう一つの読みどころはフェル博士(=カー)が披露する有名な"密室談義"である。カーの密室論が聞けるのも面白いし、特にルルー、ヴァン・ダイン、クィーンの作品に対する実名を挙げての批評が興味深い。また、フェル博士の口を借りて「我々は推理小説の中にいる人物であり、そうでないふりをして読者たちをバカにするわけにはいかない」と言わせているのは、カーのミステリ観を知る上で大変貴重だ。 オカルティズムと不可能犯罪性とそれに対する合理的解決。それに加えて"密室談義"。ミステリ・ファン必読の大傑作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内外のファン・研究家がこぞってカーの、そして本格推理小説の最高傑作と讃える巧緻の大作です。事件の全てが怪異な細密画を見るような怪しい色彩に満ちた要素に彩られ、そして明らかになる現実は怪談じみた予想とは全く次元の違う恐ろしさを余韻として残す。非の打ち所のないファン垂涎の大御馳走、の、はずなのに…、ああはずなのに!!翻訳です。翻訳がはっきり言えばひどすぎるんです。カーは映画的な場面の使い方に定評のある人で、人物の会話も映画的な「表情」や「間」そして個性的な「口調」を伴って生き生きと躍動するものになっています。しかしそれだけに一歩訳を誤ると根本的に意味不明、何を言っているのかさえさっぱり分からない文章の羅列に陥るのが日本で翻訳されるカー作品について回る宿命です。が、それにしてもカーを代表する傑作のこの現状は何とかしていただきたい。翻訳権を独占して他の訳本を読ませない出版社には、一刻も早い改訂新版の発行を望みます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ホックが不可能犯罪物をテーマにしたアンソロジーを編纂する際、アンケートで行われた密室殺人物長篇ベストの第一位に輝いた作品。(第二位は「魔の淵」)甦る死者・人間の消失・二つの密室殺人と不可解な要素を組み合わせながら見事な小説を作り上げています惜しむらくは、日本語にするとよく分からないんだよね | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「密室もの」の大家であるディクスン・カーの代表作のひとつ。 作品自体も、カーの特徴である怪奇趣味が色濃く出ていて読み応えがあるが、なによりも重要なのは作中、探偵役のフェル博士によって語られる「密室講義」だ。古今の密室トリックを整理分類したこの章は、密室トリックの実作者であるカーの手になるものだけに説得力があり、以降のミステリ作品に多大な影響をあたえている。 密室ミステリの古典的傑作として必ず持っていたい一冊である。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!