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三つの棺
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三つの棺の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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ミステリは好きですが、カーはこれが初めてです。 実は40年くらい前にカー作品(題名忘れた)の文庫を買ってみたものの、国産ミステリに比べると翻訳のせいか異様に読みにくく、途中で読むのを止めてしまいました。 「新訳」ということで、今風に読みやすくなっているかな?と期待してこちらを手に取ったものです。 さして困難なく一両日で読み終わり、それなりに面白かったのですが、小説としての味わいがないというか、説明文を読んでいるような感じなんですね…。 灰色の雲が垂れ込める冬のロンドン、棺桶から抜け出る人間、黒いコートに仮面の男、3つの墓標が描かれた謎の絵、透明人間としか考えられない犯人…などなど、これだけ道具立てが揃っているのに、読んでいても何のスリルも恐怖も感じません。 「物語の世界」に引き込まれ、翻弄される楽しみがないのです。 だから不可能と思われる殺人事件の謎が解明されるくだりも「あ~なるほど、そうだったんですね」で終わってしまいました。 思わず江戸川乱歩に翻案してほしいと思ってしまいました(彼なら同じストーリーやトリックでも遥かに面白く書けるはず)。 これって訳文のせいなのか、元々カーがこういう作風なのか、どっちなんですかね? トリックに関しては、大枠は面白いが細部がゴチャゴチャ&無理がある印象でした。 前半で事件現場の図を入れるのは良くても、謎の説明に図を要する(図ナシでは分かりにくい?)トリックはあまり好きではないですね。 | ||||
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トリックの説明がわかりにくい。 | ||||
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1935年作の、カーとしては比較的初期作品です。初期ながらカーらしさ満載というか、ルーマニアのトランシルヴァニアにあった吸血鬼伝説と過酷な境遇から逃れた3兄弟の逸話をからめて、密室含む2つの不可能犯罪が起こります。怪奇色に満ちた本格推理小説です。 ただ、他のレビューアさんたちもおっしゃっているように、本当に翻訳がひどい・・・。会話も文章もぎくしゃくして意味不明のものも多いため、登場人物がわけのわからないことを言っているのか、変人なのか、それともただ単に訳が悪いだけなのか判別できません。また、それでなくても複雑なストーリーなのに、悪訳のせいで話の流れが余計にわかりにくくなってしまいました。 他の翻訳ではハドリー警視となっているのがハドレイ警視に、そして彼はフェル博士に敬語を使わず対等に”あんた”呼ばわりで話しているため、フェル博士が尊重され、一目置かれている他の訳になれていると、かなり違和感がありました。 犯罪自体は意表をついて驚きの真相でした。ただ、トリックについてはまずありえないというか、現実味はありません。本格推理の美学にこだわれば、どうしてもそうなってしまうのでしょう。カーの代表作のひとつと言えると思います。翻訳が本当に惜しい。新訳で読み直してみようかと思います。 | ||||
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フェル博士の「密室講義」で有名な作品。密室トリックの最高峰という評価もあり、実際とても面白いのですが、 数多いカー作品の中では中の上くらいだと思います(「ユダの窓」や「貴婦人として死す」、「囁く影」などの方が個人的には上)。 事件の真相の概形は、カーの作品に良くあるパターンが踏襲されているので予想がついたのですが、 トリック(というか事件の流れというか)が一読しただけでは理解しがたく、何度も読み返すことになりました。 そのため、細部を忘れるので、何度読み直しても楽しめてしまいます。 | ||||
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結末にかなりびっくりした。 悪い意味で。 「壊れた蝶番」「赤後家の殺人」なんかは好きです。 そして密室談義で、ガストンルルー「黄色い部屋の秘密」のネタバレされたのが…次に読む予定だったので、泣けた。 | ||||
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吸血鬼伝説を想起させる「墓場から甦った男」グリモー教授とその二人の兄弟にまつわる過去の因縁。そして奇怪な仮面の男が出現し発生する二つの不可能殺人。 カーの持ち味満載の作品であり、さらに古今のミステリーの密室トリックを論じた「密室講義」を載せる等、この作者らしいサービス精神に溢れた逸品です。 ただし30数年ぶりにこの新訳版で再読しましたが、初読の時と変わらず、私のこの作品への評価はあまり高くありません。 なぜならあまりにも解決の説明がひどいからです。偶発事象の連続、万に一つの賭博的な行動の数々等、事件の為に人の心理を都合よく歪めているとさえ感じられます。 坂口安吾は本作を『カーも意外を狙いすぎて不合理が多すぎる。「魔棺殺人事件」は落第。』と評してますが、翻訳の問題はあるにしても、的確な指摘だと思います。 作者は、作中「密室講義」で探偵のフェル博士の口を借りて、“ありそうもない”ことを批判するのは、好き嫌いの話であって、作品の良し悪しの評価ではないと述べています。 自分が推理小説の登場人物だとの発言からして、作品の欠点を自覚した上での記述でしょうが、何やら弁解じみていて、私はこの箇所があまり好きではありません。 カーは大好きな作家ですし、この密室トリックも面白いと思いますが、そんな所が引っかかって、素直に評価できないのが正直なところです。 余談ですがカバーの表紙は、昔の旧版の墓場からぬっと手が出ているイラストの方が好きです。本作と言えばあの不気味な迫力のある表紙がすぐ思い浮かびます。 | ||||
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作品の質を損ねるほどの悪約。 この翻訳は英語を話せない高校生が辞書を片手に訳したような滅茶苦茶な翻訳で、誤訳、勘違いは枚挙に尽きないばかりか、日本語として読んでみても支離滅裂な文章が延々と続く。 日本訳の独占権を出版社が保有しているならば、改訳をして新たな読者に、この優れた一作を呈するべきであると思えます。 | ||||
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ミステリーファンなら一度は目を通しておきたい「密室講義」。作品自体の素晴らしさも今更述べるに及びません。 しかし読者は、あまりにも酷い翻訳に閉口することでしょう。 決して当時の英国人たちは、唐突にわけのわからない事を言い出す癖があったり、会話が絶望的に苦手なわけではありません。 翻訳が悪いのです。この問題は、時代遅れということではなく、もっと根本的な訳者の能力のように感じます。 改訳版を切望します。 購入される方は、密室の謎の前に、難解な日本語と対峙する覚悟を。 | ||||
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自分は他にカキコされている諸先輩方の様な所謂ミステリの鬼ではないのですが、本作品の訳文(特に地の文)には確かに違和感を覚えます。一言で稚拙かと。 比較的最近のカーの新訳作品にはすんなりと入り込めますが。上記の諸先輩方は恐らく原書まで読んでいるのか…凄いですね。 自分は批評などとはおこまがしいので素直な感想をば。 つまらなくはなかったんですが、カーの過剰なサービス精神を差し引いても冗長な感じがしました。ストーリーテラーとしてのカーを堪能するのであれば、火刑法廷を筆頭に他にいくらでも素晴らしい作品があるような…密室に関しても説得力が薄く感じるのは件の訳文のせいか? でも密室の講義だけは楽しめました,以前流行ったマジシャンの種ばらしみたくて…故に星三つとさせていただきます。 結論として、自分が他人にカーを薦める際は,密室物からユダの窓や曲がった蝶番,物語としての火刑法廷や喉斬り隊長、初心者相手ならば迷わずプレーグコートの殺人等にしておきます。 しかし自分も、この三つの棺の完全新訳版が出たら、改めて読み直してみたいですね。 | ||||
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カーの傑作としての評価は☆5つ。 しかし、翻訳があまりにもひどい。 中学生が直訳したような文章から、もはや意味不明な文章まで 作品の魅力を損なうようなトンデモ訳で翻訳権独占ときたもんだ。 カーと全ての日本人を馬鹿にしてるとしか思えないが、 ☆1つにするのはカーに失礼だし☆3つで。 | ||||
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内外のファン・研究家がこぞってカーの、そして本格推理小説の最高傑作と讃える巧緻の大作です。事件の全てが怪異な細密画を見るような怪しい色彩に満ちた要素に彩られ、そして明らかになる現実は怪談じみた予想とは全く次元の違う恐ろしさを余韻として残す。非の打ち所のないファン垂涎の大御馳走、の、はずなのに…、ああはずなのに!!翻訳です。翻訳がはっきり言えばひどすぎるんです。カーは映画的な場面の使い方に定評のある人で、人物の会話も映画的な「表情」や「間」そして個性的な「口調」を伴って生き生きと躍動するものになっています。しかしそれだけに一歩訳を誤ると根本的に意味不明、何を言っているのかさえさっぱり分からない文章の羅列に陥るのが日本で翻訳されるカー作品について回る宿命です。が、それにしてもカーを代表する傑作のこの現状は何とかしていただきたい。翻訳権を独占して他の訳本を読ませない出版社には、一刻も早い改訂新版の発行を望みます。 | ||||
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