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楽園のカンヴァス



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【この小説が収録されている参考書籍】
楽園のカンヴァス
楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァスの評価: 4.43/5点 レビュー 506件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全506件 421~440 22/26ページ
No.86:
(3pt)

着想にはインパクトがあるのに、人間に深みがないのが残念

直木賞の候補にもなったし、相当話題を呼んだ本で、興味を持って読んだ。
しかし楽しんで読めた部分もあったものの、残念ながら最終的には肩すかしという感じが強い。

ルソーやピカソという西洋美術の巨人を素材に謎を作り出し、
それを追いかけてゆくというスリリングな設定には魅力があると思う。
着想は斬新といってもいいし、そういう西洋絵画が好きな読者なら
史実も絡んで、あるいはたまらないものがあるのかもしれない。
たしかに、自身が元はキュレーターだったという作家の
熱い思い、絵に対する並々ならぬ愛情も、登場人物に託されて伝わってくるし、
それに共鳴できれば感動的ともいえるだろう。
しかし必ずしもそうではない読者、たとえば私のように、
ルソーもピカソもそこそこ知っていてそこそこ興味はあるけど、という程度の読者だと
何といっても勝負は小説そのものである。

その小説自体は、率直にいって、あまり出来がいいとはいえないのではないか。

読みながらずっと、何か妙にアマチュアっぽいという印象が拭えなかった。
以前読んだ原田作品ではそんなこともなかったからこの作品の印象だと思う。
思うに一つは、ここでのティム・ブラウンのように
日本人ではない人物の想いを日本語をで語らせているためで、
これは違和感があった。
もっともこれは単に個人的な感覚かもしれない。
しかし翻訳や他の作家だと私自身もあまり感じない点でもあるので、
問題ないという人はいいとして、他にもやはり同じように感じる読者があるとすれば、
それは何かしらこの作家の特徴でもあり、
合わない人には合わないという要素になってしまうのかもしれない。

もう一つは、こちらがより肝心だが、ミステリー仕立てであることだ。
新聞の書評などにもそういう言い方があったような気がするし、
もちろんそれ自体が悪いわけではない。
しかしどんな小説でも謎の要素は大事であるとしても、
原田マハはいわゆるミステリーの作家ではない。
それがあまりにもミステリー的な組み立ての中で、
ミステリーを読み慣れている眼からすると、どうもアマチュアに見えてしまうのだ。
しかも謎、謎、と話を持って行きながら、
結局それらは解明されないままだったり、あるいは大した謎解きでもなしに平凡に終わってしまう。
あるいはここまで構えが大きくなかったら、そういう不完全燃焼感もなかったのかもしれない。

しかしいずれにしても、それほど深いものが描かれているような気がしない。
人生というミステリーというような言い方があるように、
人間自体が謎で、それをじっくり描き出せばそれは十分スリリングだと思う。
原田マハがそれをできないわけではなくて、たとえば『花々』などは味わい深い作品だった。
それなのにここでは、人物たちの行動は、思わせぶりではあっても妙に軽い。
織絵と娘との関係にしても、もっと掘り下げられるのかと思ったら、あっさりしたものだった。

繰り返すが、ここに示された斬新な着想や設定に対する野心は評価している。
いわゆる殺人事件とかの普通のミステリーではない、
ミステリーとは関係なさそうな外的な要素を持ち込んで
広い意味のミステリーに仕立ててしまうタイプの小説があって、
たとえば歴史ミステリーの『時の娘』、日本だと『成吉思汗の秘密』とか、
美術だとわりに新しい『ダヴィンチコード』だとか、いろいろあるけれど、
それらに伍しても引けを取らない独自の設定の妙はあると思う。
それだけに、肝心の人間が軽いのが惜しまれるのである。
どうもインパクトのある構想の方が疾走してしまって、
人間像の方は置き去りにされてしまったのではないかという印象である。
楽園のカンヴァス (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.85:
(4pt)

おもしろい

話の構成 終わり方 納得です
どこまでが 真実で どこからが フィクションなのか
調べてみたくなりました
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No.84:
(5pt)

C'est magnifique !

フィクションではあるのでしょうが、美術界の内側、コレクター、キュレーターやオークションの関係者など、入り組んだ関係が見事に描かれ、ミステリーのような、美術解説書のような、魅力的な世界でした。
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No.83:
(4pt)

百聞は一見に如かずではないだろうか。

ラブストーリーが多い原田マハの作品は、ミステリーを中心に読んでいる私には無縁であったが、本書は広義のミステリーという事もあり、評判をよんだので読んでみようと思った。元々美術に造詣が深く、本書は初めてそのフィールドで勝負を賭け、見事に山本周五郎賞を獲得した。

倉敷の大原美術館の監視員をしている早川織絵は、母とハーフの一人娘とひっそり暮らしていた。履歴書には1957年生まれ、1979年パリ第四大学卒、1990年から95年まで倉敷市内の書店にパートタイムで勤務――とあるだけだが、実は英語、フランス語に堪能で、コース最短の26歳で博士号を取得し、若い頃はオリエ・ハヤカワとして国際的に美術史論壇を賑わせ、取り分けルソー作品には思い入れが深かった。

ティム・ブラウンはニューヨーク近代美術館のチーフ・キュレーターでルソー研究の第一人者である。この二人が2000年に17年の時を経て邂逅するのだが、17年前、二人は世界的名画のコレクターであるスイスのバーゼルに住むバイラーに招かれて、所有するルソーの「夢をみた」の真贋を依頼される。

勝者には「夢をみた」の取り扱い権利を譲渡されるとの事だった。二人はバイラーに見せられた「夢をみた」に感動するが、奇妙な事に、それからの数日間は、ルソーの晩年を描いた作者不明の物語「夢をみた」を読まされる。

ここで不思議なのは、絵の真贋を見極めるのに、物語(これはこれで重要なのだが)ばかり読まされる事に、二人は異を唱えていないのだ。本来なら絵画「夢をみた」と対峙し、その絵肌の輝き、モチーフの放つ力、吸い込まれるような構図等を文字通り、舐めるほど凝視したいはずだ。それなのに、最初に少しだけ鑑賞したのと、講評後に見たのみだ。この点だけが気になって仕方がない。ルソーに思い入れの深い二人が、これで満足するはずがないではないか。

はるか昔、大原美術館に行った記憶があるが、ルソーの「パリ近郊の眺め、バニュー村」もおそらくこの眼で見たのだろう。素人目ではとてもうまい絵ではなかったように思う。織絵の娘がルソーの作品を見て、色がよく、丁寧に描かれ、生きているようだと言っていたが、私には最後の、生きているようだまでの鑑賞力はなかった。

ルソーの作品展があったら、ぜひ出かけて行きたい。コーナー入口際に座っている監視員を見かけたら、早川織絵を思い出すかも知れない。
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No.82:
(5pt)

いつまででも読んでいたい。

そんな作品でした。
アンリ・ルソーの絵画がまとう不思議な濃い空気が作品から流れ出して、読んでいる私の周りにまで。。
絵画を知らなくても十分に楽しめますが、やはり調べられずにはいられないと思います。
いつか「夢」を見たいという夢ができました。
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4101259615
No.81:
(5pt)

アート無関心派も、文句なく面白く読める新ジャンル小説

アートの知識や関心の薄い人も、とにかく読み始めると止まらなくなる久々ののめりこみ小説。推理と対決と愛が交錯しながらの、その巧みなストーりー展開にページをめくらざるを得なくなり、最後には感動の喝采を送りたくなる。
そして、読後はなんだが、今まで行ったことのなかった美術展に機会があれば、一度いってみたくなる衝動にかられてしまう。
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No.80:
(5pt)

最高のエンターテイメント!

エンターテイメントとして、おすすめ!

かなり面白く、いっきに読めます。
ページ数が少なくなると、
終わってしまうのが悲しいので、
ゆっくり読みたくなるくらい。

ラストも感動的です。
最初から最後まで楽しめます。

ルソーの絵、日本にきた時には、すぐ見にいかなくてはと思います。
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No.79:
(5pt)

リゾートに持っていきました

プーケットのホテルでのんびりするために購入しました。
美術品の内容や、買い付けの世界をさまよいながら
キレイな装丁とともに、とてもいいチョイスでした。
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No.78:
(5pt)

これぞ!美術ミステリー小説だ!

美術愛好者にはたまらない小説です。「ダヴィンチコード」のような美術にまつわるミステリー小説は日本にはなかなかないもの。この「楽園のキャンバス」こそ、本当の美術ミステリー小説にふさわしい。
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No.77:
(5pt)

ルソーを見直し

史実とフィクションが交錯していて楽しんで読みました。私も絵を描いています。現代画ですが、
ルソーの作品はそれほど深く意識していませんでした。もう一度見直してみようと思いました。
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4101259615
No.76:
(5pt)

ルソーやキューレーターたちの裏話が面白い!

数年前に偶然バーゼルの「バイラー美術館」を訪れたことがあったので、情景が浮かんできて親しみやすかった。名画を
めぐるスリリングな話の展開に引き込まれて一気に読破!芸術的にもたいへん価値のあるお薦めの本です。
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No.75:
(5pt)

美術館に行きたくなった

とても面白かったです。
ルソーの絵画に対する愛情が感じられて、読んでいてまるで美術館にいるようでした。
美術館でじっくり絵画と向き合いたくなる、そんな本でした。
スピード感もあり、飽きずにあっという間に読めました。
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No.74:
(4pt)

絵画に詳しくなくても一気によめる。

「楽園のカンヴァス」は絵画を題材にした物語。
僕は絵画にまったく興味が持てないのであるが、面白く一気に読めた。

絵画を題材にというと最後の晩餐をネタにした「ダヴィンチ・コード」がありますが、あんなオカルトめいたものではないです。念のため。

題材となるのは、19世紀-20世紀の画家アンリ・ルソー。

主な登場人物は二人。

未来を嘱望される若き女性天才学者。

一流キュレーターへの野心を胸に秘めつつもアシタントの立場に甘んじている男性。

ルソーについて人一倍の情熱を持つ男女が経験と未来をかけて作品の真贋の謎を解き明かす。 (※ルソーとえいば、哲学家ジャン・ジャック・ルソーを思い出すけどそっちではない。)

ルソーは、生前は評価のされない”冴えない”画家であったらしい。物語では朴訥な絵画バカのように描かれている。市井の日曜画家であるが、怪人ピカソとの交流が物語に大きく関わってくる。

- 作品や画家についての解説は人物達の回想、独白によって押し付けがましくなく頭に入ってくる。
- 章ごとの分量がほどほどでテンポよく読める
- 登場人物も少なくいろんな名前を覚えなくてよい。
- いくつかの時空間をまたいで話が展開するので最初は戸惑うかもしれない(決してタイムトラベルものではない。浅田次郎的なアレに近い)。

画家にもいろいろな人生=ドラマがあるわけで、作品にも人生や考えが投影されているわけです。 貧乏なときに描いた作品とか、モデルに対する思いいれ、とか。
そういうことを知ったうえで絵画をみると、またちょっと違った見方ができるのかなぁ。

次、絵をみる機会があったらもうちょっと下調べしてからいこうと思わされる小説でしたよ。
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No.73:
(4pt)

楽しめる絵画小説

税官吏ルソーという作者名を見て、何だろうと思ったことがあったが、この本を読んで理由が分かった。ゴーギャンも銀行家から画家に転身して、タヒチを描いたが、その絵の雰囲気と似たルソーの色彩と独特の世界は、現代人を惹きつけ、何かを考えさせてくれる魅力がある。物語は美術界の裏事情、ピカソなどの近代モダニズム絵画史などが説明されていて、勉強になる。真贋を軸にしたサスペンスと仄かな恋愛など、最後まで飽きさせない。単なるエンターテイメントだけでなく、絵画の楽しみ方を教えてくれる良書だ。
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No.72:
(4pt)

著者の才気、才能あふれた作品

学術的なことを、よく調べての著作で信憑性あり、読み応えがあった。
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4101259615
No.71:
(5pt)

美術、名画、文学の中にすんなりと同化している。一度で2度おいしい!

原田マハさんが、この小説を書くために、かなり下調べをしたのだろうなあと、感心しながら読みました。
専門的なことが、嫌味な感じではなく、語られていて、とても楽しめました。
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No.70:
(3pt)

美術館での心得を学びました。

意識して美術館に行く切っ掛けとなりました。
感性を養わせたい部下に勧めます。
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4101259615
No.69:
(5pt)

さくさく読める

病院の待合室で読んでいた雑誌の中で、この本が紹介されていて、何となく気になり購入しました。
実際に手に取り、読み始めると、次々とページをめくってしまう読みやすさ。ストーリーの流れが軽快で、美術品を取り扱う世界の内輪話が面白く、ちょっと日常を忘れて読書したい気分の日にピッタリな読み物でした。
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No.68:
(5pt)

Library Books

原田マハ「楽園のカンヴァス」を読了。アンリ・ルソーの「夢」を巡る絵画ミステリーの趣のある作品です。最初は正直げんなりしてしまいました。ソルボンヌで美術の博士号を最年少でとった日本人女性(美人)研究者が出てきた時点で、がっかりでした。そして自分の素性を隠し、美術館の監視員をしている。こんなシチェーションを見せられたら、よくある出来の悪いミステリーの一種かと思わされたのも仕方のないことでしょう。でも読み進めるとそんなことは間違いであるとすぐ理解できました。重厚で、知的好奇心をくすぐる、非常に良い作品です。アンリ・ルソーの絵は本当に不思議な絵なのです。作中、日曜画家と揶揄されていますが、ルソーの絵は我々の心にざわめきを引き起こします。そのざわめきの正体が何であるのか、本書を読んで少し、ほんの少しだけ判った感じがします。
一枚の絵画が様々な人間の人生を彩る。一枚の絵画で人生が変わる。芸術の力です。その芸術の力をまざまざと教えてくれるのが本書です。美術館に行きましょう。そしてもしかしたら自分の人生を変える作品に出会えるかもしれません。
楽園のカンヴァス (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615
No.67:
(5pt)

絵が好きなら読んでください

絵が好きだったり、時々美術館に行ったりする方は読んでみると面白いと思います。私も絵は大好きですが、ご多分に漏れずモネやルノワールの印象派ばかり見ていました。だから初め「ルソー」と聞いた時には、哲学者の方を先に思い浮かべたぐらいです。けれど、この本を読み終わった後には、ルソーの絵を実際に見てみたくなっていました。作中であのピカソがゴリ押ししてるぐらいですから、本物のルソーの絵には何か不思議な力があるに違いありません。また、キュレーターの仕事内容についても書かれているので、普段は知ることのできない美術館の裏側を垣間見ることができるのもこの本の魅力です。
史実に基づく美術を学びつつ、ルソーについて書かれた物語を読んで名画「夢を見た」の謎を解いていく楽しみもあります。すべてが明らかになるわけではありませんが、読み終えた後は爽やかな気分になりました。
楽園のカンヴァス (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:楽園のカンヴァス (新潮文庫)より
4101259615

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