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楽園のカンヴァス
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楽園のカンヴァスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全496件 481~496 25/25ページ
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これまで、あまり見られなかった絵画をめぐる本格的 なミステリー。アンリ・ルソーの隠れた名作をめぐって、 ルソー研究の第一人者である男女2名がスリリングな 対決をし、その末に絵の所有者も加わって思わぬ結末 に至ります。 作者自身は「頭の中で画家たちと対話しながら、フィ クションという縦糸と史実という横糸を一枚の絵に織り 上げるように書きました。」(『朝日新聞』2012/04/13 夕刊)と述べています。読者は、20世紀初頭のヨーロッ パ絵画史についての蘊蓄を存分に楽しみ、そしてまた 絵画取引の舞台裏のおぞましさに肝を冷やすことにな るでしょう。 「かつて美術の世界に携わっていた著者の本領が存 分に発揮された渾身の作」(『読売新聞』2012/02/17) という評価は、文句なしに当たっています。最後に極上 のカタルシスが待っています! | ||||
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TVのインタヴューで、ダビンチ・コードに影響を受けたと作者が語っていた。 そうかな、と思わせられる。 美術ミステリーというくくりで紹介されている。 表紙にあるように、アンリ・ルソー の 『夢』 にまつわるストーリーだ。 個人的には、ルソーの絵画は、実物を見ても、あまり心を動かされることはなかった。 が、他にはない雰囲気を感じさせてくれる。 ピカソに影響を与えていたなんて、とびっくりだ。 美術関連の物語にはお決まりの、贋作か否かがやはり大きなカギになってくる。 贋作か、真作か。 ルソーの最晩年のころの物語と、それを読みながら謎を解くふたりのルソー研究者。 途中、入りにくいところもあったが、それは、史実ならちゃんと理解しなくてはという こちらの気負いかもしれない。 単純に、そうだったのか、結果はどうなるのだろうか、と読み進んでいくとおもしろいのかも。 ダビンチ・コードよりはるかによみやすい。 ルソーやピカソの絵を調べたくなる。 ちょっと、通、っぽくさせてくれる本だった。 | ||||
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表紙は地味で堅そうですが、筋の持っていきかたや、絵画とミステリーを組み合わせた発想もおもしろく、 丁寧に緻密に書かれている小説です。 著者の持っている豊富な美術界の知識の深さを感じる、幅広くバリエーションの富んだ小説世界に、 どんどん引き込まれていきます。 また、ただ知識の羅列をするのではなく、画家の日常的な生活についての描写も挿入されているので、 美術の教科書や名作の画集に出てくる作品の中にひそむ、人の心の機微を感じて、 権威ある画家を、自分と身近な人間と感じられるという魅力もあると思います。 しかし、あくまで出来事を中心にストーリーを追っていくミステリー小説なので、 人の心情や物語への共感を大事にしている人にとっては、入り込みにくい部分もあると思います。 現に私は読みにくく、筋は面白いのですが、自分とあまりにもかけ離れた優秀な学者の会話や描写のところは とばし読みしてしまいました。 登場人物が横文字でたくさん出てくるので、正直、途中で誰が誰だか分からなくなる時もありました。 しかしそうなると、ミステリーの醍醐味である最後の結末がよくわからなくなるので要注意です。 逆に不遇の画家であるルソーの描写にはとても感動しました。 ルソーの絵が、今までそれほど興味のあるわけではなかったのに、美しいビリジアンの色合いと ともに目の前に浮き上がって、素晴らしく絵を味わうことができました。 絵に関する分析や表現には愛があふれていて、まさにこれ、という表現もあり、とても良かったです。 読みにくい部分もかなりありましたが、力作の長編アートミステリー小説だと思います。 | ||||
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ピカソは知っていたが、アンリルソーは知らなかった。 竹橋、国立近代美術館にアンリルソーの絵画があるが、 読み終わると、思わず絵を見に行きたくなり自転車に乗ってふらっとみてきた。 創作における生みの苦しみ。交差する時代。 一読に値する構成作品である。 お勧めします。 | ||||
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絵画にもルソーにも興味はなかったのですが、絵画に込められた情熱、 研究者、学芸員の愛情などが、びしびし伝わってきました。 舞台がバーゼルに移ってからの第3章以降は、 バイラーの目的、「物語」がどのような経緯で書かれたかなどの謎に ひかれ、とてもリーダビリティがありました。 20世紀の始めのパリのアートな雰囲気と、 そこに思いを馳せながらのバイラー宅での行き詰まる対決には 心地よい緊張感を味わえて、堪能できました。 ただしミステリーとしての要素は弱かった気が。 でも、面白かったです。 | ||||
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ルソーの生涯と彼の作品について書かれた本なのですが、絵画にこれまで興味を持てなかった方もすぐに引き込まれていく作品だと思います。 最期まで情熱を絵に捧げ自分を貫き通した男、そしてその画家ルソーに見せられた2人の研究者の信念が美しく書かれています。 読み終える頃には物語の中に入ってしまい、感動して涙がとまりませんでした。 先ほど読み終えましたが、また最初から読もうと思います。 | ||||
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読み出してすぐ、「ゴッホ殺人事件」や「写楽殺人事件」を思い出した。 この作品の一番素晴らしいところは、 実は「殺人事件」にしなかったことかもしれない。 誰も殺されず、自殺もしない。 良かった。 もちろん、美術作品、美術館、美術にかかわる人々の 裏話みたいなものもたくさんつまっていて、読んでいて楽しい。 全体的に人間関係は、けっこう安易に設定されていて、 運命のめぐり合いがからみあっている(笑) 話の流れの都合で人物たちのキャラがけっこう変わる。 でも、ストーリーとして面白かったから良いか。 でも、83年当時、そんなにルソーの評価はまだ低かったのだろうか? それが一番引っかかった。 小中学校の美術の教科書にもルソー作品は載っていたし、 「戦争」なんて子供心にも記憶に残るインパクトがある絵だった。 また、80年代の中ごろには、 図書館で「ルソーの本が読みたい」と言ったら 美術全集のアンリ・ルソーが出されてきた記憶がある。 1980年には日本では世界美術全集にアンリ・ルソーを入れているのだ。 実はそのとき、ベルばらを読んで感激した私は ジャン・ジャック・ルソーの本をさがしに行ったので、 個人的体験かもしれないが、 「ルソーの本」と言ったら哲学書じゃなくて美術書なのか、と 驚いたのを強烈に覚えている。 なので、1983年の主人公たちが語るルソーの 「低すぎる」評価が、なんだか違和感がある。 コレが73年とかならギリギリわかるのだが。 | ||||
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特に、絵画ファンには、とてもおもしろい本だと思います。私は、ルソーもピカソも好きですが、大天才のピカソが、何故ルソーから大きな影響を受けたとされているのか疑問でした。しかし、この本を読み、糸口を見出した思いがします。読みながら、ある人物についての描写が、他とは違うことが気になっていましたが、最後に、謎解きがまっていました。 | ||||
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初めは高階秀爾先生をモデルとしたらしき人物が出てきて期待したのだが、だんだん現実味がなくなって漫画みたいになっていく。天才美術史家の出会いだの、未婚の母だの、インターポールなんてのが出てくるにいたっては「ルパン三世か」と思った。丁寧に書いてあるし、作家として不遇だったから褒めたい気持ちはあるのだが、高得点はつけられない。恋をした、といっても何だかそれもお決まり路線みたいで、その相手の女性が魅力的に描かれてはいないし、推理もの、というのでもない。 すまん。 | ||||
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近代美術の愛好者にはエンターテーメントたっぷりの、満足度の高い作品。舞台が日本、米国、イギリス、スイス、世紀末のパリへと移り、映像化にぴったり。映画を見てるよう!是非とも映画化して欲しい。 | ||||
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稀代のコレクターが愛蔵している一点の絵画。これは幻の名作か、それとも贋作か。 絵画の真贋を問うというシンプルなミステリー軸に、この絵画、あるいはルソーという画家に強い思い入れのある人々の情熱が交錯し、最後まで目を離せない展開。絵画を全く解さないわたしにとっても、ルソーの「夢」が特別なものになってしまうくらい、おいしげる植物の息苦しくなるほど活き活きとした匂いや、野生の動物のひそやかな息づかいをずっと感じながら読んでいた。 読み終わっても、まだ気持ちを絵の前に置いてきてしまったような感覚。しばらく他の本を読めないかも。素晴らしい! | ||||
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絵は、もちろん大好き。美術館目的で旅行を組むこともあるぐらい。美術史も目を通すけれど、画家の生きた生活までは、踏み込めていなかった。この作品は、美術館の運営、絵画コレクターの心理、ルソーの生涯をめぐる物語を描きながら、それを巧みにミステリーにしあげている。ルソーといえば、正田美智子さん(現皇后陛下の結婚前)が、その作品について、素晴らしい感想文を書いていた。こんな風に、ルソーが読めるのかと、その着眼点、表現力のうまさに驚いた。それで、ルソーという画家が、強く印象に残った。この本は、ミステリーのできそのものよりも、ルソーの生きた時代、ルソーの得体のしれない魅力、素晴らしい作品をまえに動く人間模様が楽しい。美術を楽しむ新しい側面を発見した気分である。 | ||||
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美術ミステリーとして話題の小説です。MoMA(ニューヨーク近代美術館)が所蔵するアンリ・ルソーの「夢」と同じ構図の絵画の真贋鑑定をMoMAのアシスタント・キュレーター、ティム・ブラウンと日本人研究者、早川織江の2人が競うのがこの小説のあらましです。 ルソーの晩年を描いた古文書を2人が読み作品の真贋を判定して、勝ったほうにその作品が渡るというゲームです。これを仕掛けるのはその作品を所有する財団の代表者のバイエラーですが、この意図がよく理解できません。ルソーを偏愛する人物が、自分は真作だと信じているにも関わらず、研究者に真贋を判定させて、なおかつその権利を譲ることがありうるのでしょうか。古文書を読むだけの真贋判定や突然に現れるバイエラーの孫娘、織江が未婚の母となるいきさつなど強引な展開にも首をかしげました。 ミステリーならばそのあたりの必然性や整合性は緻密に書き込んで欲しいものです。しかし、大学で美術史を専攻し、キュレーターの職歴をもつ作者が自ら愛するアンリ・ルソーへのオマージュをミステリーの形式をとって捧げたと解釈するならば、私の評価は変わってきます。 税関吏から画家を志し、貧しいなかで絵筆をとり、世間に認められることなくパリの屋根裏部屋で死んでいったアンリ・ルソーへのあふれるばかりの愛情が全編に漂っています。印象派やピカソ、クリムトなどの巨匠の陰に隠れがちなルソーの再評価を作者は熱っぽく訴えているようです。作者の情熱に押されて、私は読了後すぐにルソーの画集をAmazonに発注していました。 | ||||
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歴史的発見ともいえる絵画の真贋を基盤においています。 しかし、一言で「歴史ミステリー」「美術ミステリー」とは言えない。 人間の心理、感情表現にも細かい描写を加え、美術に興味のない人も引き込まれてしまいます。 美術館はどうやって運営しているのか。 美術展開催の方法は? など、あまり知られていない業界の裏側にも少しだけ触れることができ、感心することがとても多いのも魅力です。 結論としては、「美術史」と「ミステリー」の見事な融合です。 とても楽しませていただきました。 高くなってもいいので、もし作品の挿絵がついていたら星5つでは足りないです。 | ||||
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アンリ・ルソーの絵はだれもが目にしたことがあるはず。作者を知らなくともああこの絵がルソーなんだと・・・。 この本は、もちろんその文章力、構成力そのものの素晴らしさがあるけれども、20世紀初頭のパリの画家達の息遣い、 そして現代に生きる絵画を本当に愛する人の思いを知ることができます。 著者の絵画に対する造詣の深さと、緻密に調べ上げた資料を自分の中で昇華しきった素晴らしさがこの作品を完成させたのだと思う。 本を読むのが遅い自分が、久しぶりに一気に読んでしまいました。読み終えることが本当に惜しい気持ちを持ちながらです。 | ||||
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一言で言うなら絵画ミステリー。 でもそう一言で片付けてはもったいない一冊。 ゴッホのひまわりって知ってます?凄い絵。みんな知ってる凄い絵。 あ、知ってますか。 じゃあ絵を見たことない人に、どう凄いか説明出来ます? 難しくないですか? この本はその難しいことを、 それもルソーというややマニアック(といったら怒られるかもしれませんが)な画家の作品で 真面目に行った本。 表紙を見て、んー、とか思っていたのが、 読み終わってからみると、凄みを帯びて見えてくるから不思議です。 ちなみに絵の知識、ゼロで大丈夫です。(むしろ入門書としていいかも。) | ||||
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