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(短編集)
まほろ駅前多田便利軒
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まほろ駅前多田便利軒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全229件 161~180 9/12ページ
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本書の裏テーマは「やり直しのきかないことはあるのか?」というものだと思います。 丁度、本書を読んでいるときの自分にはある手痛い出来事があり、その痛手に苛まれているときでした。 費やした時間、労力、すべてが無駄なことだったのではないかと思われ、大きな脱力感と無力感に陥っていました。 最初は、単なる話題作を読むという動機で本書を読み始めたのですが、心に傷を負い、それをひきずったままの主人公の心の推移にどんどん引き込まれ、「やり直しのきかないことはないのだ」ということを主人公が悟るエンディングを迎えるころには、自分の陥っている心境と見事にシンクロしてしまい、はからずも泣いてしまっておりました。 私の凹んだ心を軽くしてくれた本書に感謝を込めて、星5つをつけさせていただきます。 | ||||
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三浦しをん作品はエッセイから入りました。しかもジャケ買いした。 コメディタッチで爆裂した文章でした。がつがつ読み進んでいける文章で。 小説も読んでみようと選んだのが「まほろ駅」です。 面白いです。 キャラの名前が爆裂三浦しをん派だな、と思いました。「行天」ですか。思わずルビを確かめました、何度も(笑) 短編もので、休み休みでも読みやすかったです。事務所に依頼される雑事(ものすッご些事なのに一気に闇世界的なものも)をこなしつつ、キャラの心情やらバックグラウンドやらがちょっとずつ見えてくるというここは王道タイプのストーリー展開ですが。 行天の、がっちりマイペースが嫌味なほどスパイシー。 多田の、性格と勤め人だった几帳面が築く土台。 しかも二人とも結婚経験者で子どもありで、だけれどもドロップアウト的な影ありき。 いい具合に混ざったお話だなーと思います。「小指」がちょっとした小技を利かしてますが、男ふたりのあいだに「小指」って……エッセイスト三浦しをん味。 漫画化されて単行本化はまだのようですが、実写化もいけるかな、と。 刑事の早坂は香川照之さん。自称コロンビア人のルルには梨花がいい。 未成年のボス・星くんは林遣都かな。 | ||||
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他の方も書いておられるけど、いろいろな事件がある割にはどれもが軽く、 どろどろした嫌らしい人間というものがいない点で、読みやすいのかも知れないが、 それがもの凄く物足りないと感じる人もいると思う。 某直木賞選考委員の方が、「男二人の生活はボーイズ・ラブの延長のつもりか」と評され、 何言っとんじゃエロ小説家が!とか思ったりもしたが、 確かに実際の男二人生活における生々しさや、ありがちなことがすっぽ抜けているため、 どこか納得できない部分もあるのは否めない。 ただ、仰天する出来事がない一方で、 主人公の心情や、個性ある脇役がしっかりと書かれているため、 読んで面白いと思う人も多いと思う。 多田と行天が上手くやっていって欲しいなと、読み終えた跡にしみじみ思うこと受け合い。 | ||||
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『まほろ駅前多田便利軒』です。直木賞受賞作ですが、面白かったといえば面白かったし、微妙といえば微妙でした。素直な感想です。 まず、連作短編ということになっていますが、各話は、短編としてはあまりきちんと終わりきっていません。長編、と考えれば、前半の伏線などもいかされているので問題は無いのですが。 登場するキャラは、主役二人に限らずみな、良くも悪くも個性的です。悪く解釈すれば、こんな奴いないだろう、というリアリティの無さにつながります。良く解釈すれば、フィクションならではの楽しさがあります。ただ、キャラ小説を目指すには、ライトノベルのようなはっちゃけは無いですし、ミステリとしても、人間ドラマとしても、全ての要素が入っていていいのはいいのですが、どれも物足りないというのも一面事実です。 風俗が妙に安かったり、ヤクザが変に弱っちかったり、人殺し事件まである割にはあっさり過ぎたり。 主役が男二人で、友情ものというのもちょっと違うので、恋愛要素が無かったので個人的に物足りなく感じたのでしょうか。 でもまあありきたりな恋愛とかではなく、こういう人物曼荼羅みたいのも、たまにはいいということでしょうか。こう言ってはレビューとしておしまいですけど、読む人の受け取り方次第、ということです。 | ||||
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三浦しをんの作品を始めて読んだ。多田と行天の同級生コンビが便利屋をやり、便利屋業を通して知り合う様々な人との関係を軽妙なタッチで描いている。 行天は高校時代、級友の悪ふざけが原因で、小指の先端を切断し、それを縫合した経験がある。「一度断ち切られたものが、元通りになどなるわけがない。」(130頁) この小説のほとんどの登場人物は、それぞれ「一度断ち切られたもの」を持っている。「一度断ち切られたもの」は諦めるしかないのか。そうではない。この小説の最後の一文(読んでのお楽しみ)が、希望を持たせてくれる。 | ||||
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正直、これが本当に直木賞受賞作品なのか?と思いました。内容自体は便利屋を営む多田と多田の高校時代の同級生で変わり者の行天が久しぶりに出会い、行天が多田の事務所に転がり込んで生活を始めることでちょっとずつ便利軒の仕事が充実?していきます。笑いあり感動ありの作品ではありますが、やはり本書を読み終えて感じたことは気分転換的に読むのにはちょうど良いという感覚で、深く感銘を受けたり考えさせられたりといった厚みはありません。直木賞受賞作ということで期待したら多分裏切られる結果になると思います。 | ||||
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素性の知れない相手と成り行きでコンビを組むことになった便利屋が、 東京近郊の市を舞台に、ローカルに珍活躍する一作。 全編を通して明らかとなる、2人が抱えるやや深刻な屈託が どう考えてもありきたりな点には難がある。 しかし軽妙な文体から来る絶妙なリズム感、 生き生きとした台詞廻しとサブキャラクターの造形 先を読みたいという読書において最も大事な要素を きちんと押さえている点は前掲の欠点を補って余りある。 文章が上手いというのは、 もしかしたらこういう作家/作品への形容なのかもしれない。 2009年5月現在、雑誌での続編連載も終了しているらしい。 単行本化がとにかく待たれる。 | ||||
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何故この本が直木賞を取ったのか、 何故町田と呼ばずまほろなのか、 何故唐突に重い話題を振るのか、 とにかく?が多い本だった。 ミステリーにしても人間ドラマにしても中途半端だった。主役二人は確かに魅力的かもしれないが、その行動に説得力が感じられない。描写が少なすぎる。まほろという舞台もいまいち使いこなせてない気がする。 電車でさらっと読む分にはいいかもしれません。登場人物の個性は立っていたと思うので、ドラマなりアニメなり、ライトなメディアでやるには最高の下地だと思います。(と思ったら既に漫画化されてるようですね。) | ||||
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面白いと思います。 ほどほどの軽さもあるし。 テンポの良い展開も楽しめる。 暇つぶしには、とてもよい作品です。 堅い本の合間や、移動時に最適。 時間が空いたときのお供に。 | ||||
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この本は直木賞受賞作という点だけで読んでみた。 正直なんだかなーである。 40代の男性中年を描くには、作者はまだ若すぎたのではないか。 同じ40代の男性から言わせていただくなら、主人公二人にリアリティがない。 「いそうで絶対いない二人組」、という感じが違和感としてずっと残った。 重いテーマをライトに仕上げたかったという意図は汲めるものの、 表面を撫ぜただけという中途半端さだけが残った。 直木賞は、この本だけに対して贈られたわけではなく、 この作者のこれまでの著作活動を評価したい、 そして、その時期に該当する本がたまたまこれだったという、 最近の直木賞選考によくあるパターンだろう。 また、若い女性作家を育てたいという狙いも賞の主催者側にあったのだろうと思う。 この本を読む前から、 正直、この作者の年頃の女性にいいものは書けないだろうという 先入観があったことは否定しないし、 厳しい目で読んだことは間違いない。 ただ、やっぱり「なんだかなー」なのである。 おすすめするとするなら、 作者と同年代の女性読者で重いものは嫌いという方へということになろう。 40代以上の男性にはすすめる気にはならない。 | ||||
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文庫になるのを待つこと数年、 やっと読めました。 のっけからぐぃぐぃと世界に 引き込まれて、あっという間に 読み終えてしまったけど、愛すべき キャラクターがいっぱいの愛に溢れた しをんちゃんのまなざしに涙・涙 でした。 | ||||
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初めて読んだ三浦しをんの作品でしたが それぞれのキャラがいい味だしてます。 人間愛、血のつながりと因果関係。深いテーマをライトに仕上げています。 問題定義だけで明確な答えはあえて断言してません。 エピソードがてんこ盛りなので2時間映画よりは全12話でドラマ化すると おもしろいと思います。 | ||||
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東京都町田市(本書ではまほろ市)を舞台にした便利屋が、高校の同級生と再会し、いろいろな事件に巻き込まれる話。 リアリティがあるような無いような微妙な話であるが、読んでいて少し考えさせられる部分がある。 夫婦関係、親子関係、友人との関係、いろいろな職業の人との関係など、仕事中心のサラリーマンが日常見落としがちな点を物語の端々にちりばめてある。 読みやすく、かつ、面白い一冊である。 | ||||
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文庫本になって、また、読みましたが、何回読んでも、あらたなるおかしみと、しみじみ感に浸りました。 便利屋の多田と、高校の同級生である行天が、出会ってからの一年間。便利屋を利用する、まほろ市民(?)とのいざこざと、徐々に、明らかになる多田と行天の過去。と、二人が抱えている心の傷。二人のキャラクターもおもしろいし、会話も笑ってしまう。で、「愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」などという、含蓄ある言葉がさりげなくしのばせてあったりして、どきっとする。 | ||||
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「三浦しをん」さんの本を初めて読みました。 面白いですね、この方の本。 癖になっちゃいそうです(おもわず既刊本を揃えたくなった)。 これなら「直木賞」をとってもまったく不思議はありません。 展開が上手く、面白さテンコ盛り。 さらに、切換えしが巧みで、思わず「上手いなー」と関心。 面白楽しいんだけど、ところどころの言葉がズシリと重く、ジーンときます。 また、多田と行天のやり取りや行動が、何とも微笑ましい。 二人とも心に傷を負いながらそこを見せない、無視を決めながらお互い心で寄り添う。 その他ここに登場する人物が皆いい人ばかりで、チンピラの星も憎めない。 ハラハラさせながらも、心地よく温かな気持ちで迎えるEND。穏やかな心で余韻に浸れます。 ◆評価:★★★★★(満足しました!) ◆調べて見ました: 第135回の直木賞は2006年だったのですね?同時受賞の森絵都著「風に舞いあがる・・・」は文芸書版でそれがしの本棚にしっかり納まっています(*かなり前に買った記憶有り)。題名が良かったので先にこの本を買ったのでしょう。「まほろ駅・・・」は全く記憶に無かったなー、失礼しました。 第135 (2006年) 三浦しをん まほろ駅前多田便利軒 文藝春秋 第135 (2006年) 森絵都 風に舞いあがるビニールシート 文藝春秋 | ||||
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町田という東京No1ローカル都市が舞台になってます。 劇中ではまほろ市と表現されていますが、かなり町田市という ローカルエリアがリアルに再現されています。 ストーリーの内容も悪くなく非常に面白い作品でした。 | ||||
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いまどきの芥川賞はどこをどう評価されているのかわからないことが多いけど 直木賞はさすがに読みやすく面白い。 文庫本も随分昔に比べ(?)読みやすい。 多田・行天の二人が水と油のようでいて、 かけがえのない存在になる過程が織り込まれたいくつかのエピソードとともに語られる。 もう読めばどのあたりとわかる地理感覚のある場所が まほろなんてオブラートで包まれている 違和感はずっとあったけれど。 映画の脚本ようにリアリティがあって読みながら頭の中でキャストを考えてしまう。 常識的な多田と非常識な行天。 その折り合いで世の中うまくとはいかなくても何とか生きていける。 二人の出会いは色々だけれど、うだつの上がらないその日グラシのような二人がはぐくむ 情愛がなんとも後味のいい温かさ。 一人ではなくて誰かと居ることが嬉しいと素直に思える。 | ||||
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他の方もおっしゃっていたように、これが直木賞?と言う感じは否めない。 文章は整っていて、伏線に引きずられるようにして後半はグングン読み進めることが出来、1冊の本としてなら十分に楽しめる内容。 登場人物は誰も個性的だが、地の文に個性がない。 そのせいで、物語が佳境を迎えるまでの間、読むのに集中力が必要なのが残念。 優等生の書く作文のように整っているが、 「これが三浦しをん!」と言うものはあまり感じられなかったかも。 | ||||
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三浦しをんさんの文庫最新刊です。 箱根駅伝を描いた「風が強く吹いている」で更に爆発的に知名度をあげた彼女ですのでいまさら紹介をしなくてもいいかと思いますが、彼女は作品や内容によって文章のスタイルががらりと変わる方です。シリアスなタッチから軽妙なもの、そしてエッセイでの破壊力満点の語りのスタイルまで自由自在にタッチやスタイルがかわります。 本書は、その中ではわりあいとかっちりとしたスタイルで書いた小説になると思うのですが、基本設定と話の運びがユーモアたっぷりなので、読みやすかったです。 主人公は、多田というバツイチの便利屋と、真冬の寒い日にバスのベンチで再会したかつてのクラスメートの行天。二人は、さして親しかったわけではなく、むしろとある因縁があって卒業してから一度も会ったことがなかったのですが、再会したその日からずるずるとコンビを組むことになります。やむなく、仕方なくコンビを組んだ多田は行天の変貌ぶりに首をひねります。学生のときは無口で学校では一言も話さないものの勉強もスポーツもできるデキスギくんだった行天は、大きくなったら、何故だかだらだらとしていて、住む家もなく着のみ着のままで、真冬なのにサンダルしかはいていないような変な大人になっていたからです。多田は、そんな彼にイラっときたり呆れたり嘆いたりしながらも一緒に事務所兼自宅で共同生活を営みます。 そんな彼らがいくつかの事件を解決していくうちに、二人の抱えた過去や想いが明かされていく連作短編集という体裁の本書。コンビ探偵もの特有のかけあいの面白さや、一つの事件をめぐる考え方の違いや、絶妙のコンビプレーなどもしっかり楽しませてくれますし、連作全体を通じて二人がじょじょに気持ちの交流を深めていく過程等もしっかりと描かれていて楽しめます。 三浦しをんさんの著書で、男性二人の共同生活、と紹介すると違うものを想像(ひらたくいえばBL)するかも知れませんが、そういう要素はないですので、そちらを毛嫌いする人も安心して読んでいただけます。 本当に面白かったです。 この作品、うまく映像化できたらいい映画原作になるんじゃないかなと思います。 | ||||
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「まほろ市」なんて都市が本当に東京にあるのかと検索してみたら、ヴィキで「様々な小説の舞台となる架空の都市の名。幻(まぼろし)を都市名にしたものでユートピアと同じく『どこにも存在しない場所』の意味を持つ」と書かれていました。 でも、なんだかとってもリアリティのある町並です。 そのまほろ市で便利屋を営む多田といきなり転がり込んできた行天の、そっけないような、でも、どこかで深く結びついているような不思議な距離感が興味深い主人公です。 各々の話で出てくる登場人物も、現実にいそうな人間なんですが、どこかに一癖を持っていて面白い。 人間というのは、通り一遍で見ればありふれているかもしれないけど、よく見てみると本当は珠玉のように光る部分を持っているのかもしれないなぁと思わされました。 便利屋稼業が仕事なのでともかく生活感が溢れているのに、所帯染みない楽しい作品です。 最後までチワワをチワワと呼ぶ感性と、結局は行天を拾ってしまう多田の見かけによらぬお人よしぶりが気に入りました。 | ||||
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