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(短編集)
まほろ駅前多田便利軒
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まほろ駅前多田便利軒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全229件 141~160 8/12ページ
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東京郊外で便利屋を営む中年男の多田啓介と、そこれころがりこんできた元同級生の行天春彦の二人を主役にした物語です。 便利屋の元に舞い込んでくる仕事は、犬の飼い主探しだったり、小学生の通塾の迎えだったり、恋人のふりだったり。 ところが、決まってヤクザがらみなどの厄介事に巻き込まれて、綱渡りをする羽目になります。 便利屋というより、巷の事件をなんでも引き受ける私立探偵のノリに近いものがあります。 多田、行天、どちらにしても離婚歴があり、子供はもうけたましたが、今は別れ別れ。 これまでの人生の経験は全く似ていない二人ですが、正反対であるが故に相通じる部分もあるようです。 多田はもしかしたら自分の子ではないかもしれない子を我が子と思い、行天は生物学的には間違いなく自分の子と分かっている子を、その子の母親とパートナーに託しています。 多田の方は家族をなくしたことで心に傷を負っているし、行天はどうやら幼少時に親から受けた行為が一因で、だいぶ「変わった」性格の人間になってしまいました。 感受性、感覚の一部が損なわれてしまったかに見えます。 そんな二人が便利屋を営む上でいろんな事件に遭遇します。 多田は一見ビジネスライクな考えの持ち主ですが、実は人間味があり、困っている人を放っておけない性格。 行天は軽率で支離滅裂な行動に出てしまいますが、どこかに相手を思いやる気持ちの持ち主。 多田は行天の行動に不満と怒りを覚えますが、結局は行天の思いやりを感じて協力してしまいます。 世の中には、自分の思い通りにいかない境遇を経験してゆく中で、自分の思いとは裏腹に人に頼れず自分ひとりで生きてゆかねばならない人間が多いものです。 一旦結ばれた人達がやむを得ず別れなければならない人達も多いのです。 でも、人はたとえひとりで生きていても、必ず人から助けられることがあるし、人を助けることもあります。 分かれてしまっても、修復することもできます。 様々な境遇に出会い、様々な生き方をする人間ですが、どこかで人はつながっているし、つながることもできます。 冷たい世間ですが、でもそういった人と人のつながりに希望を持たせてくれる、そんな小説だと思いました。 | ||||
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便利屋を地元で営んでいる多田のもとに、交流のなかった高校時代元クラスメイト行天が、 偶然をきっかけに一緒に住みつくようになります。 便利屋も持ち込まれる依頼をゆるーく、 時には熱くこなしていく2人の日々の交流が描かれています。 いろいろな読み方あると思うのですが、 2人の細かなしぐさ、セリフ、やりとり、などを、 想像を膨らませて読むと倍楽しめます。 キャラやロケ、時代設定、がかなりがっちりなされているのにもかかわらず、 どこか読者にも想像の余地が与えられているので、 自分の思った人物像を投影して、自分なりのまほろ駅、 自分なりの多田や行天がリアルに確立されていきます。 なので、知っている町で起こっている知っている人たちの話、 という錯覚に陥り、あっという間に読み終えてしまいました。 私自身はこのカバーではないものを読んだので、映画化の話は知りませんでしたが、 書店でみかけて、その配役に 「うわ!ぴったり!」 と思いました。映画でまほろ市はどんな世界になるのかとても楽しみです。 | ||||
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便利屋という設定なのでなんでも事件が起こります。 けどこの同級生二人の日常がちょっと共感できません。同性同世代からみるとすごく非現実的というか違和感があって。 それに感情移入ができなかったのでイマイチでした。 映画化されるとのことですが、この生ぬるい二人の関係をどう描くか楽しみです。 | ||||
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登場人物はいわゆる底辺の人々、その上、いろんな心の傷を抱えている人々ばかり。みんな不器用だけど、心の優しさがそこはかとなく漂う人ばかりです。ノスタルジックな感じ。アナログな感じ。とても穏やかな気分になれました。 私、特に行天さんに、魅かれました。同級生の小さないたずらが重なって大怪我をした過去をうらむでなし、責めるでなし。そこに偽善っぽいにおいが全くしない。 そうそう、ここに出てくる人々みんな、誰一人として「不幸」を人のせいにしていないんです。そこがすごく好き。 ただ、多田が行天の元妻と出会うシーンがちょっとできすぎだし、その元妻が、初対面の多田に対し、人工授精とか同性婚をカミングアウトするのはありえない気がするんだけど、いかがでしょう。 | ||||
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リアリティなし・・・ 登場人物の抱えている問題がすべて取って付けたように見えます。 人間ではなくキャラが動かされている感じです。 描写が飛び過ぎていて、読み辛いです。 始めから小説として書かれたわけではなく、 漫画化、映画化を狙って短期間で仕上げたのかなあ。 出版事情なのかもしれませんね。 ものすごく残念でした。 | ||||
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とにかく現実にありそうでなさそうでの話。個性豊かな登場人物のどこに重点を置いて読むかでだいぶ変わってきそう | ||||
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これは評判を聞いていたので、 読んでみました。 心に傷のある、 便利屋の男。 彼が仕事先で拾ってしまった高校時代の同級生は、 彼より、さらに風変りな男だった。 成り行きで居候させてしまうことになり、 しかし、 町の小さな難題が転がり込む便利屋で、 不思議なふたりの生活によって、 何とか仕事をこなしてきた。 言うべきことを言わずに、 時間は過ぎていく。 お互いに詮索はしないけど、 大切なことを感じつつある。 そして、ある事件で、 ふたりは引き返せないことを知る。 そこで、強制終了を試みるのだが…。 やぼったい男二人が主人公で、 東京の片隅、 という、なんとも微妙な都会と言いきれない町が舞台。 ゆるい時間の流れと、 緊張感のある瞬間のギャップが秀逸でした。 | ||||
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映画化を前に読んでみたものの、すっかり世界観にはまってしまった。キャラクターの設定やストーリー展開がみごとで次と次とページをめくってしまう。久しぶりに満足行く本に出会った。 | ||||
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「まほろ」という言葉の響きから、もっとファンタジーな雰囲気を想像してしまっていたが、全然そんなことはなく、ふつうにミステリー。 登場人物が浮世離れしているのがファンタジーかもしれない。 実生活で便利屋さんに頼んだことは無いが、気軽に使っていいのかなと、身近な親しみが持てた。 | ||||
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三浦しをん、初体験です。最初に読む作品がこれでよかったのかどうかわからないけど、なかなかよかったと思います。主人公が便利屋さんだから、多田・行天のコンビで”日常の謎”的な、殺人だとか大掛かりな事件じゃなくてちょっとした街の事件のようなものをひも解いていくような作品だと思って読み始めたものだから、途中で、「あれ、なんか違うぞ」と思ったのだけれど、そのまま先が気になってのめり込むように読んでしまいました。 そう。のめり込むって感じでしたね。私は読む本の8割ほどが推理小説で、おもしろい!と思ったものは一気に読んでしまうのですが、そういうスピード感ではなくて、先が気になってしょうがないのだけれど、でもじっくり読みたい、そんな風に思った作品でした。 主人公の便利屋多田啓介は、どうやら内に秘めた過去があり、高校時代の同級生・行天春彦は、生い立ちにどうやら暗い影があり、それが人格形成にも影響した模様。一癖も二癖もある二人だが、決して友人という間柄ではない。なのに、奇妙な同居関係は1年以上にも及んだ・・・その間に起きる出来事から、二人の意外な過去が明らかになっていく。この過程はミステリともいえなくもないが、人生を見つめ直すとか人生の再出発などという安易な言葉では表現しきれない様々なエッセンスが詰め込まれていて、いろいろ考えさせられました。生きるっていうのは難しいのかな。楽になる、赦す、赦されるっていうのは、口で言うほど簡単じゃないのかな。 親の愛に飢えた冷めた小学生に多田はこう言う。「親がおまえの望む形で愛してくれることはないだろう。だけど、誰かを愛するチャンスはある。生きていればずっと。」 この台詞、好き。 冷めているようで意外と世話焼きで熱い多田と行天のコンビ、まだまだ続いてほしいです。 | ||||
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最初は大学の図書館で借りて読んだのですが、気に入ったので続巻と共に購入しちゃいました。 「読んでいて楽しい」、大衆小説の醍醐味ともよべる感想に見事に当てはまる小説だと思います。 映像でイメージしやすく、漫画をよく読む方なんかは想像力豊かに楽しめるんじゃないでしょうか。 多田も行天も、キャラクターが良く立ってます。 気楽に読める作品です。 | ||||
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登場人物が個性的で良かった。 軽めの小説だとは思いますが、なかなか魅力的だと思った。 「多田便利軒」とは多田さんが営む便利屋さんで、 しばしば「トラブルバスター」の役目も引き受けることになってしまうんだな。 故景山民夫氏のかの作品を自分が学生の頃読んだときも 同じ印象を持った。痛快な話だなと。 多田も行天も痛快だ。 しかしかれこれ20年ほど自分の読書の趣向が変っていないのに は愕然とした。 | ||||
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多田と行天の関係が、 女子っぽいのが最後まで気になります。 べたべた感が漂うように思われて、 落ち着きませんでした。 男の人間関係(友情)はもっとぼんやりと曖昧なものだと思います。 甘えと依存が主人公二人の背景に見え、 それがどこか男女関係に思えてしまいました。 いっそ行天を女性した方が、爽やかに読めます。 脇役も含め、人物造形は確かで、文句なく面白いです。 やっぱり、主役二人の関係は作り込み過ぎだと思います。 女子による男の友情物語に思えた1冊。 | ||||
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ここで他の方のレビュー読むまで知らなかったんですが、直木賞だったんですね。 三浦しをんさんはほかの作家さんのコラボ本で初めて知ってから何作か読ませてもらってますが、どれも共通して感じるのが、主人公とほかの人の結びつきの表現がとても繊細なこと。ちょっとしたしぐさ、声色が伝わってきそうな文体は、日々自分たちが、五感のどこかで捉えてるものばかりなので、言葉にされてもすんなり脳に入ってきます。 なんとなく毎日に忙殺されている方におすすめ。 | ||||
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面白く読んだけど、後には何も残らない面白さ。 登場人物に深みがなくて、B級マンガを読んでいるような軽さ。 連載ものとしてこれが第一巻というのならば納得できるが・・・。 もう少し掘り下げてほしかった。 | ||||
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三浦しをんの「まほろ駅前多田便利軒」です。初めは中年に差し掛かる男のよくある物語なのかな、と思っていながら読み進めていましたが、物語というか連作短編が進むにつれて、物語が深みを持ち始め、面白さも深みが増すごとに強力になってきました。面白い作品です。オススメです。 男の友情と、多田や行天のような、男がみんな惚れてしまう登場人物で物語の面白さは決まったも同然です。ミステリの要素も織り交ぜて、男の生き方も考えさせられる。正に痛快娯楽作品であり高品質作品でもあります。 | ||||
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主人公の男2人に違和感を感じました。女が憧れる男像、のような…。特に行天は、少女漫画に出てくるような物語の展開に都合の良いアブノーマルなキャラクターでした。男性は特にリアリティーを感じないかもしれません。 でも、文章が上手く、ストーリーも面白かったです。 漫画好きな若い女性におすすめです。 | ||||
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1ページの中で何度も「?」 な気持ちになってしまいます。読みながら「なんで?」「無理矢理すぎ」とツッコミを入れてしまいます。 そして主人公である多田の人格が全く伝わってきません。直接的に心情を表すような表現が多い様に思うのですが、いつもなんだかしっくりきません。登場人物の感情を著者に押し付けられているように感じました。 私には著者の三浦さんの書き方・作品が合わないだけなのかもしれませんが… | ||||
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第135回直木賞受賞作。という、帯広告につられて購入しました。 東京の南西部にあるという設定の「まほろ市」。 ここで便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介のもとに、 高校時代の同級生、行天春彦がころがりこんでくる。 犬の飼い主探しに、小学生の塾の送り迎えなど、 依頼される案件を行天が手伝い始め、 二人は、便利屋コンビとして、まほろ市を駆け巡るという物語。 全編は6つの章に分かれ、 多田と行天という中年男性二人の主人公に、 ヤクザ者のシンちゃん、コロンビア人のルル、小学生の由良など、 個性的な人物が関わり合い、 便利屋として依頼された案件を通して、 様々な人間模様を描き出していきます。 本書の特徴は、作風が軽めということなのですが、 ここが評価の分かれるところではないかという気がしました。 さらっと読んでいくことのできる小説で、 肩が凝らないという点は、暇つぶしには良いのかもしれませんが、 直木賞ということで期待して読んでみると、 訴えかけるものが希薄な感じでした。 中年男性二人の主人公も、個性的ではありますが、 小説の主人公としては、それほど強い個性とはいえないし、 何より、リアル感を持てませんでした。 ありそうで有り得ない人物設定という感じ。 それと、残念だった点があります。 ストーリー展開上、ちょっとミステリ的な部分があって、 覚醒剤に関する事件と、殺人事件が関係してくるのです。 ミステリ好きな自分としては、止めておけばいいのに、 それとなく期待してしまったのですが、 当然ミステリではないので、ミステリ的な筋の運びがあるわけもなく、 期待した自分が馬鹿だったと…。 | ||||
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キャラクターがとてもはっきりしていて、読み進むうちにそれぞれに親近感がもてる。 内容は事件なども入ってくるのに、なぜか緊迫感がなく緩い感じがしていい。 男性が書いたのかな?と思うようなクールな文体でとても好きです。 | ||||
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