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マークスの山



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マークスの山の評価: 3.77/5点 レビュー 271件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.77pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全271件 221~240 12/14ページ
No.51:
(5pt)

一気に読んだ

~久しぶりにどきどきしながら一気に読んだ本。
犯人はわかっているし、警察側の動きも逐一描写される。
わからないのは犯人がどこまでやるつもりなのか。そしてどうしてその計画を思いついたのか。
それが知りたくて最後まで読み進みました。
~~
ぼくとしては、「外からはまともにみえるが、内実は腐っててまともにいっていない組織と個人」という現実には身近によくあるけどフィクションではすっとばされてしまうものが実にうまく表現されていると感じました。~
マークスの山〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈下〉 (新潮文庫)より
4101347204
No.50:
(5pt)

重い小説

である。この本を読んだ後に、他者の作品ーを読みはじめると総じて「軽いなこの小説は」と感じるはずである。逆にいえばそういうものを望む人にとってこの作品は酷く読みづらく、そのストーリー展開の素直さに憤慨するかもしれない。至極現実のもしかしたら実話かもしれない官僚組織の権化である警察と検察を舞台とした人間模様。大企業に勤める中間管理職が読めば、その意味するところが充分に臓腑に染渡り、泣いて納得するであろうこの作品はエンターテイメントではない。それを望むのであれば他者の作品を読めばよい。「警察小説の金字塔」などという帯は無用。組織行動論のテキストにもなりえる。
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915
No.49:
(5pt)

重い小説

である。この本を読んだ後に、他者の作品ーを読みはじめると総じて「軽いなこの小説は」と感じるはずである。逆にいえばそういうものを望む人にとってこの作品は酷く読みづらく、そのストーリー展開の素直さに憤慨するかもしれない。至極現実のもしかしたら実話かもしれない官僚組織の権化である警察と検察を舞台とした人間模様。大企業に勤める中間管理職が読めば、その意味するところが充分に臓腑に染渡り、泣いて納得するであろうこの作品はエンターテイメントではない。それを望むのであれば他者の作品を読めばよい。「警察小説の金字塔」などという帯は無用。組織行動論のテキストにもなりえる。
マークスの山〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈上〉 (新潮文庫)より
4101347190
No.48:
(4pt)

ラストが秀逸

星3つか?星4つか?はたまた5つか???大いに悩まされる小説でした。結論は間をとって星4つ!星1つの減点要素は刑事たちの個人キャラがあまりにも前に出すぎてかえって警察内部の混乱ぶりが曖昧にぼやけてしまっている事、さらに下巻の事件解明の前後マークスこと水沢裕之の描写が少なく上巻の物語の厚みが薄れてしまっている事。この2点。逆に加点要素は何と言っても下巻341pからラスト348pまでの8ページ。ここは泣けます。水沢裕之の原点である心中事件、その時何を想い感じたのか、そしてラスト描写場面に至る過程で彼は何を想ったのか...。戸部刑事の言葉、そして最後の1行にこの小説の全てが凝縮されているように感じました。このラスト場面を感じれば感じるほど、出来ることなら水沢!裕之と5人の男たちの具体的な接点も明示して欲しかったなぁ、と贅沢を言いたくなりました。
マークスの山(下) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(下) 講談社文庫より
4062734923
No.47:
(4pt)

ラストが秀逸

星3つか?星4つか?はたまた5つか???大いに悩まされる小説でした。結論は間をとって星4つ!
星1つの減点要素は刑事たちの個人キャラがあまりにも前に出すぎてかえって警察内部の混乱ぶりが曖昧にぼやけてしまっている事、さらに下巻の事件解明の前後マークスこと水沢裕之の描写が少なく上巻の物語の厚みが薄れてしまっている事。この2点。逆に加点要素は何と言っても下巻341pからラスト348pまでの8ページ。ここは泣けます。水沢裕之の原点である心中事件、その時何を想い感じたのか、そしてラスト描写場面に至る過程で彼は何を想ったのか...。戸部刑事の言葉、そして最後の1行にこの小説の全てが凝縮されているように感じました。このラスト場面を感じれば感じるほど、出来ることなら水沢!裕之と5人の男たちの具体的な接点も明示して欲しかったなぁ、と贅沢を言いたくなりました。
マークスの山〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈下〉 (新潮文庫)より
4101347204
No.46:
(4pt)

Back to you

 æ'‹æ¥½ã‚'è'きながら読書ã‚'するのがマイãƒ-ームなã‚"だが読み終えたときにかかっていた曲がBryan Adamsの「Back to you」だったã‚"だが、「è²'æ-¹ã¸æˆ»ã‚‹ã€ã¨ã„うç›'訳ã‚'みたり曲ã‚'è'いていたりã-たら小説とマッチã-て切なくなった。クライマックスもそうだが、最初のシーンでもå½"てはまる箇所があると思う。特に「I'm commin' back to you」が切なã'に連å'¼ã•れる部分の歌詞は、人によっては泣きも来るかもã-れない。自分も泣きまでå...¥ã£ã¦ãªã„がなりかã'たから仕æ-¹ãªã„。 人物のæ¼"出。ã"れがå...‰ã£ãŸã‚"じゃないかと。合ç"°ã€ä½è-¤ã€ãƒžãƒ¼ã‚¯ã‚¹ã€é«˜æœ¨çœŸçŸ¥å­ã€‚合ç"°ã¯ä¸»äººå...¬ã¨ã-て警部補という重たい看板ã‚'背負悪戦苦é-˜ã-つつも根性でやってのã'る凄さ。佐è-¤ã‚‚é•·å¹'警官とã-てやっている重責ã‚'最後は感じたと言っていいのだろうか。佐è-¤ã®ã‚ˆã†ãªèŠ¯ã‹ã‚‰è­¦å®˜ã‚'やっていく人物は今どれほどいるだろうか。個人的には好きなキャラである。マークスと、そã-て重要な高木真知子ã‚'ç"Ÿã¿å‡ºã-たã"とがã"の作å"ã®å¤§æˆã«ã‚るかな。é'の炎の櫛森秀一じゃないが、マークスにも不ç"²æ-ãªã•に似た切なさã‚'持っているように思う。æš-い山と明るい山が行き来する中で頭の中にã!‚る「山」ã‚'描く。その「山」がã"の小説のキーでもあるのだろうが、今から読む人はã"のキーã‚'頭にå...¥ã‚Œã¦ãŠããªãŒã‚‰èª­ã¿é€²ã‚ã¦ã„くとおそらく切なくなる。櫛森秀一みたいにå...±æ„Ÿã¾ã§ã¯å¾-られないだろうが。  ストーリーが半ば微妙か。強引な部分は仕æ-¹ãªã„が、å...¨ä½"的にストーリーã‚'重è¦-ã-てほã-かった。展é-‹ã®ç™ºå±•性は好きなã‚"だが、è-„い感じが。その分人物のæ¼"出に注いでいるようにも思うが。それで星ï¼"つにã-てみたのだが。  å...Žã«ã‚‚è§'にもç›'木賞ã‚'とったほどの小説だ。是非手にとって欲ã-い。
マークスの山(下) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(下) 講談社文庫より
4062734923
No.45:
(4pt)

Back to you

'\'è'aèa'- a" èa¿μ¨£2Bryan AdamsBack to you £" è2'-1¨'è¨3'¿2'è'-°èa¬¨-aa£ ̄ ̄1 3§" ̄¨1I'm commin' back to youa'é£'é¨è ̄äoo£ ̄3£\-aèa3£§...\£aa'ä-1aäoo"o"...£"a¨"°äè- ̄1é¨\"° ̄ääoo...¬¨-èé¨è£¨é¿'èè2 aèé-- 1§§£'äè-é1'è¨-£éè2¬' ̄¨è¨£ äè-aè ̄è'£äoo ̄ä äoo ̄\a£§ ̄1¨-éèaé¨\'"¿o-"¨"ä"§aé'£§äa ̄1ä"2-aäa'£-±±¨±±è¡\ä§é ä!±±'±±"°èa¬§ äèaäoo ̄"'é ...\aèa¿é2¨aa£§ä¿...±§ ̄-a 

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マークスの山〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈下〉 (新潮文庫)より
4101347204
No.44:
(1pt)

あまりに、癖の強い文体に辟易

好意的感想を書かれる方が多い中で申し訳ないが、この本がそんなに名作なのか、甚だ疑問である。せっかくに事件の発端を南アルプスの北岳に置いたアイデアは良いのだが、山の描写はまるでできていない、感じられない。そして、警察の描写。とほほなステレオタイプなキャラクターだ。マークス。精神病院ね。これも描写がステレオタイプだ。くだらない自意識描写がだらだら続くのには、うんざりする。これは推理小説なのか、精神病院小説なのか?ドグラマグラを気取っているのかもしれないが、外している。最後に、粘着質な全ての文体がだめだ。この作者、どうもマスコミに持ち上げられ、評価が高すぎるようである。
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915
No.43:
(1pt)

あまりに、癖の強い文体に辟易

好意的感想を書かれる方が多い中で申し訳ないが、この本がそんなに名作なのか、甚だ疑問である。
せっかくに事件の発端を南アルプスの北岳に置いたアイデアは良いのだが、山の描写はまるでできていない、感じられない。
そして、警察の描写。
とほほなステレオタイプなキャラクターだ。
マークス。
精神病院ね。これも描写がステレオタイプだ。くだらない自意識描写がだらだら続くのには、うんざりする。
これは推理小説なのか、精神病院小説なのか?
ドグラマグラを気取っているのかもしれないが、外している。
最後に、粘着質な全ての文体がだめだ。
この作者、どうもマスコミに持ち上げられ、評価が高すぎるようである。
マークスの山〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈上〉 (新潮文庫)より
4101347190
No.42:
(3pt)

ミステリではなく、小説

作者本人が、「ミステリではなく、小説だ」と言っているそうですが、同感です。ミステリには付きもののどんでん返しがありません。謎解きも、……?だし。とは言え、犯人やその他の心理描写、警察内部の抗争などを緻密に描いていて飽きさせません。また刑事vs.犯人で犯人発見まで直線的に進んで行く通常のミステリと構造が違うのが新鮮でした。読み始めたら止まらなくなり、久々に徹夜までして読んだ本。
マークスの山〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈上〉 (新潮文庫)より
4101347190
No.41:
(3pt)

ミステリではなく、小説

作者本人が、「ミステリではなく、小説だ」と言っているそうですが、同感です。ミステリには付きもののどんでん返しがありません。謎解きも、……?だし。とは言え、犯人やその他の心理描写、警察内部の抗争などを緻密に描いていて飽きさせません。また刑事vs.犯人で犯人発見まで直線的に進んで行く通常のミステリと構造が違うのが新鮮でした。読み始めたら止まらなくなり、久々に徹夜までして読んだ本。
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915
No.40:
(5pt)

上巻、ちょっと読みにくい(笑)

上巻は、良い意味で読みにくい。各々の事件がどこで当繋がっていくのか、しばらく見当が付かない。さすが賞を取っただけのモノで、難しい小説だなぁと思った。人間関係と人の行動の動機などを詳細に追った「人間の行動のバックボーン」を書き出そうとしているので、難しい中にも、面白みがあった。しかも、それぞれの事柄がどうやって繋がっていくのか、想像がしにくかったのもミステリーっぽくて良かった。この犯人像のむちゃくちゃさは、現実に「不条理な殺害」をされた人たちの犯人像の一つにもなっていると思う。常識を持っている人間には理解のほど遠い犯人像が、ますます謎を深めてくれた。そういったおもしろさが上巻にはあった。下巻に至るとちょっと不満になりましたけど(そ!れは、下巻のほうで)。
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915
No.39:
(5pt)

上巻、ちょっと読みにくい(笑)

上巻は、良い意味で読みにくい。
各々の事件がどこで当繋がっていくのか、しばらく見当が付かない。
さすが賞を取っただけのモノで、難しい小説だなぁと思った。
人間関係と人の行動の動機などを詳細に追った「人間の行動のバックボーン」を書き出そうとしているので、難しい中にも、面白みがあった。しかも、それぞれの事柄がどうやって繋がっていくのか、想像がしにくかったのもミステリーっぽくて良かった。
この犯人像のむちゃくちゃさは、現実に「不条理な殺害」をされた人たちの犯人像の一つにもなっていると思う。
常識を持っている人間には理解のほど遠い犯人像が、ますます謎を深めてくれた。
そういったおもしろさが上巻にはあった。下巻に至るとちょっと不満になりましたけど(そ!れは、下巻のほうで)。
マークスの山〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈上〉 (新潮文庫)より
4101347190
No.38:
(4pt)

下巻の失速?

これ、ミステリーなんだろうか。
警察小説とも違う。
高村氏のモノを初めて読んだので、期待半分なのだったが、上巻に比べて下巻では、「あれ?」という失速の感が強い。
人間をこれでもか、と書こうとしている姿勢には、非常に好感が持てた。事件は、呆気ない繋がりと、呆気ない結末なのだが、どうして「犯人」がそうしたのかは、謎のままだったのが不満でもあり、また、謎のままだから「現実的なお話し」に感じ取れたのかも知れない。ただ、ミステリー小説に求めるある種の驚き(仕掛け)はなく、事実にも見えるその内容は、「現実はつまらない世界が続いているモノなのだ」という現実を突きつけてくれる気がした。
読み終わった後のちょっとした虚しさが、嫌だったなぁ。
小説としての出来は、賞を取っただけあって質は高いのではないでしょうか。
マークスの山〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈下〉 (新潮文庫)より
4101347204
No.37:
(5pt)

多重人格

高村ミステリの他者との違いが人間の深層心理の描写であると思う。この手の小説が一番向かないのが映画である。この小説で芯をなすのが犯人の持つ多重人格である崩壊した人格とそれに翻弄される警察官の通常の人格との戦いである。よって内容はフロイトの論文に近い内容となっている。エッセイを読む人、特に軽い感じを好む宮部みゆき好きにはまず読むに耐えない内容であろう。読者層としては回りくどい深層心理、特に精神分析学のマニアは泣いて喜ぶ内容である。筋としてはかなり単純で、単なる殺人とそのえん罪をはらすという水戸黄門でも取り上げられそうなもので、筋そのものにしか注目しないとひどくつまらなく思えるのだが、登場人物の心の変遷に注目すれば鳥肌もののおもしろさである。
マークスの山〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈上〉 (新潮文庫)より
4101347190
No.36:
(5pt)

多重人格

高村ミステリの他者との違いが人間の深層心理の描写であると思う。この手の小説が一番向かないのが映画である。この小説で芯をなすのが犯人の持つ多重人格である崩壊した人格とそれに翻弄される警察官の通常の人格との戦いである。よって内容はフロイトの論文に近い内容となっている。エッセイを読む人、特に軽い感じを好む宮部みゆき好きにはまず読むに耐えない内容であろう。読者層としては回りくどい深層心理、特に精神分析学のマニアは泣いて喜ぶ内容である。筋としてはかなり単純で、単なる殺人とそのえん罪をはらすという水戸黄門でも取り上げられそうなもので、筋そのものにしか注目しないとひどくつまらなく思えるのだが、登場人物の心の変遷に注目すれば鳥肌もののおもしろさである。
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915
No.35:
(1pt)

ガッカリ・・・

高村さんの小説を読むのは今回初めてで、かなり期待して入手しました。読破後の感想は、結局、何を、描きたかったんだろうという感じ。警察、検察の内部抗争の実態レポートを披露したかったのか、「山」に魅せられる理由なのか・・・犯人の異常さを初め、登場人物の人物描写が結局中途半端に終わってる感はいなめず、最後の真相が明らかになる様子は、「ここまで書いて、疲れちゃったのかな?」・・・と。はっきり言って、最後まで「期待していた時間」の無駄でした。
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915
No.34:
(1pt)

ガッカリ・・・

高村さんの小説を読むのは今回初めてで、かなり期待して入手しました。
読破後の感想は、結局、何を、描きたかったんだろうという感じ。警察、検察の内部抗争の実態レポートを披露したかったのか、「山」に魅せられる理由なのか・・・犯人の異常さを初め、登場人物の人物描写が結局中途半端に終わってる感はいなめず、最後の真相が明らかになる様子は、「ここまで書いて、疲れちゃったのかな?」・・・と。
はっきり言って、最後まで「期待していた時間」の無駄でした。
マークスの山〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:マークスの山〈上〉 (新潮文庫)より
4101347190
No.33:
(5pt)

文庫化に際し「削った記述」を読む

文庫版を読んで、本書を読んだ。文庫版の『原作』といっていいかも知れない。普通「全面改稿」といえば、大幅に文章を付けたしていると思うのが一般的であろう。しかし、文庫版、単行本の順番に読むと『付けたし』よりも単行本で初めて出合った文章のほうに眼が向く。つまり文庫化に際し、「削った記述」は意外なほど多い、ということだ。一つは『殺人の描写』が削られている。おそらく、阪神大震災を経た作者の心情なのだろう。そして真知子がより惨めに描かれている。水沢と真知子との性描写、そして『結婚の約束』などは見事に削っていた。そしてもう一つ、文庫版のほう加納検事との描写と合田の過去があまり具体的でない。合田が母親のうどんの味を思い出す所、貴代子への思い、いろんな加納との言葉のやり取りが削られている。それがなぜなのかがわたしにはいま一つ分からない。わたしには文庫版よりも、単行本版のほうが、物語がスピィーディーで、分かりやすいように思えた。ただもう一回文庫版のほうを通しで読むと感想がどうなるか、自信が無い。このあとの『照柿』『レディー・ジョーカー』を読んでいきたい。もちろん文庫化されるとしてもあと何年も先なので、単行本で、だが。
マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152035536
No.32:
(4pt)

読んで損は無し

この作者の本は以前「黄金を抱いて翔べ」を読んで今回が2作目である。ここに書かれている警察の世界が真実なら刑事とはなんとタフで熾烈で繊細な仕事かと思う。但し、企業人からすると大変非効率的である。その非効率的な所に事件解決に向かわせるものがあるのだろうが・・。刑事の目と共に徐々に現れてくる事実を追いかけるのは非常に面白いし、のめりこむ事が出来る。読んで損は無い。だけど私は「黄金を・・・」の方が好きである。理由はよく分からないが、なんとなく好きだ。自分の精神構造が刑事ではなく、犯罪者に近いからか?この本でも感心したのは「男」の描きかたの上手さである。最初作者が女性とは信じられなかった。逆に女性だからこそなのか?
マークスの山(上) 講談社文庫Amazon書評・レビュー:マークスの山(上) 講談社文庫より
4062734915

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