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マークスの山
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【この小説が収録されている参考書籍】
マークスの山の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 1~20 1/2ページ
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マークスとは、山登り仲間5人の頭文字を取ったもの<MARKS>である。この5人が、北岳山中で起こした<事件>が核心となって物語が展開される。 北沢をマークスと言っている人がいるが、北沢は、俺は<事件>を知っているぞと言う意味でマークスと名乗っているに過ぎない。北沢は幼い頃不幸な境遇で育った故に精神を病む複雑な人間像と言えようか。 山中の飯場での殺人事件、その後相次いで起こる奇っ怪な殺人事件、それを追う合田刑事以下の捜査陣の捜査・人間関係など克明な記述が本書の最大の見せ場であろう。 犯行の動機・手口が最後まで分からないので、ミステリー・サスペンスとしては大変面白いが、筋書きには難点もある。 それは、豆腐や夫婦が殺されるが①北沢が少年時代少々こき使われたとしても、10年後に何故惨殺としなければならないのか。北沢は根っからの凶悪犯ではないだろう。精神疾患を扱う場合は誤解を与えないように細心の注意が必要であるが、何ら考慮されていない②極寒・吹雪の北岳(3,193m)に軽装・スニーカーで上れる筈がない。などである。 重厚で克明な著述には最後まで引き込まれるのが、上記の難点から★二つマイナスとする。 | ||||
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友人に勧められた作家さんだったので買ってみた。 しかしながらまず、固有名詞にはふりがなを振ってほしい。読んでいていちいち躓く。「碑文谷」なんて東京に住んでなきゃ読めないし、〜〜尾根も全然読めません。いちいち調べろって?めんどくさいよ。 冒頭の山のくだりも、地図を頭に叩き込んでいないと何が何だか分からない。そして極め付けに、登山の専門用語がわんさか出てきて置いてけぼり……。 ストーリーが進むにつれ段々面白くなってくるのだが、ここでもルビが振っておらず躓く。そりゃ文教区ぐらいなら読めるけど他の難解な地名、及び初めて登場する人名くらいにはルビを振ってくれ……常識じゃないか?最初の一回だけでいいから頼むよ。ルビを疎かにしているせいで面白さが半減してしまっている気がする。「根来」という記者は最後までなんと読むのか分からなかった。ねき?ねらい??ねく??? 全体的にハードボイルド小説を目指しているが、なり切れていない印象。 余計でかっこつけしいな修辞が多すぎる。置いてけぼりになった時は「とにかく〜」の後を読めば大丈夫です。バルザック?ドストエフスキー?前者は知らんが後者には謝ってほしい解説の人。ドストエフスキーはこんなもんじゃないですよ。 警察官同士の攻防は「日本の警察ってこんなに熱心なのか?」と斜め読み、真知子と裕之のやり取りは単純に面白く、もっと読みたかった。この二人には幸せになってほしかったのに……涙。切なかったです。ラストシーンは泣いてしまいました。こんな殺人鬼にも人の愛は伝わり、人を愛することができるのだと。 | ||||
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作者がこの物語でなにより書きたかったのは、おそらく警察の内部抗争による人間ドラマだったのだろう。 捜査一課同士の対立、同僚との対立、上層部との対立、駆け引き、そして葛藤。 こういったものを書きたかったのだろうと思う。 なぜなら書きたい部分と、そうでない部分の熱量があまりに温度差が激しいからだ。 つまり、警察の内部抗争はとにかく細かく、綿密で、しつこいぐらいに書いているのに対して、 事件そのものは驚くほどあっさりしているからだ。 事件を起こしたマークスにしても、動機や行動原理はほぼ適当、しまいにはなぜ事件を起こしたのだろう、なんてことをマークスに言わせる始末。これはもうマークスの存在を作者が放棄しているとしか思えない。 事件の裏にある、いわゆる真実、過去の因縁にしても、物凄くオブラートに包んだ言い回しで、曖昧模糊、奥歯に物が挟んだような説明に終始。挙句の果てには、殺人すら起こしていないという。 殺された被害者も何者なのかよくわからず、その動機もあやふやで、決定打にかける。過去の因縁と言いながら、それがひどくいい加減、適当だということだ。 しかもそれが、遺書という安易な形で披露されるという適当さ。このあたりはもう、とにかく物語を締めようする作者の思いが伝わってくる。 つまり、書きたかった人間ドラマが終わったので、あとは事件の全容を打ち明けて終わらそうとしているのだ。 マークスや事件の真相といった、事件の部分はとにかく適当。 それでいて、その事件に挑む刑事たちの人間ドラマは、とても重厚。 この温度差。だから、物語も解決に向けてどんどんと失速していく始末だった。 | ||||
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面白い | ||||
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面白い | ||||
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すごく有名な作品で、映画にもなったのだが、個人的にはあまり納得できない内容だった。 犯人は最初からわかっているのも同然で、被害者との関係や、被害者同士のつながりを追求していく警察小説的内容で、警察や司法組織同士の圧力の掛け合いや組織内の人間模様がよく描かれているとは思った。 読んでいる途中から自分の中では、精神的な病のある二重人格とも思える犯人が、いかに犯行の動機を獲得し、犯行を重ねるに至ったかに興味が絞られてのだが、それらは雪山の頂上に無言で凍結されてしまった。 非常に残念な、憤りさえ感じる結末だった。 | ||||
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上巻の後半で盛り上がりを見せ、下巻の前半の猟奇殺人までの下りまでは緊張感を持って読めましたが、結末に至る迄、謎が多く、他のレビュアの意見にもありましたが、早速してしまいました。 私の読解力不足でしょうか?まず殺人動機のモチベーションが薄過ぎる!これはH沢もマークスの5名も同様です。また、長編の割には説明が足りない。足りないものが多くて、フラストレーションが溜ってしまいました。 しかし、一読で途中まで確かに盛り上がったところもあり、星3とします。疑問点が多いため、もう少し注意深く再読したいと思います。(いつになるかわかりませんが)次に読んだ時、良ければ星を4つにしますが、同じか以下なら星1です。 | ||||
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マークス、合田、加納、合田の同僚刑事に見られる男性同士の同性愛への偏愛。 抽象的で、それゆえに共感しにくい動機で犯罪を実行する男、あるいは男たち。 人名にカナがふられていない(ちなみに合田は ごうだ と読む)など、著者の作品の特徴は健在。 過去の南アルプスでのある出来事に端を発した連続殺人事件の顛末が、濃密な文章でつづられる。 結論を先に述べると、ミステリとしてだけではなく一般小説として見ても、本書はそれほど秀でた作品とは言えない。 特に優れた点があるとするなら、徹底した取材を基にしているであろう緻密を極めた文章だが、文章力と魅力ある作品の創造力は別ものだ。 上下巻で700ページ余りも使って細かく事件の捜査状況を描いて来たのに、その結末を刑事たちの推測と、関係者の手記だけで済ませてしまっては、手抜きとのそしりを受けても仕方がないと思う。 主要人物のひとりである看護師が、放置されたまま話が終わってしまうのも、どうなのか。 この物語が、精神を病んだ連続殺人犯であるマークスと、彼を庇護する女性看護師、そしてマークスのターゲットになる数人の人物たちのものである事は自明だろう。 にもかかわらず、登場人物の視点の大半が、第三者である合田刑事のものに費やされている。 (組織と個人の軋轢や、捜査そのものに関してはこれでもかという程に細かく描写されるけれど、そこには特筆するような人間ドラマはない) 特に下巻では彼以外の視点はほとんどなくなり、そのせいで、マークスや看護師への読者の感情移入が中途半端になってしまうし、見せ場であるはずの犯行時や逃亡時の描写も一切ない。 追い詰められた者たちの焦燥感も表現されない。 この構成選択のミスによるアンバランスさが、本書を傑作とする事を阻む一因になっている。 上流社会の人間に社会の下層の人間が打撃を与えるという点で同じ構造を持つ「レディ・ジョーカー」では、犯人、被害者、捜査員のそれぞれの視点がバランスよく配されており、犯人や犯行の動機にも共感しやすく、完成度の高さでは本書を大きく上回る。 これは全くの想像だが、著者には本書が未成熟な作品だという自覚があり、「レディ・ジョーカー」は、一種のリベンジだったのではないだろうか。 本書は、その傑作を著すための習作という位置付けができると思う。 「マークスの山」と「レディ・ジョーカー」のどちらを読もうかと迷っている方がいたら、ためらう事なく後者を勧める。 | ||||
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枝葉の部分の細かい話や、登場する人物名が多くてあまり頭に入ってこなかった。 集中しないと意識が違うとこにいくので集中するのが大変な本でした。 なぜ水沢は殺しに走ったのかが結局最後まで分からなかった...。 あの山で両親が心中したことと何か繋がりが出てくると思い最後まで読んだが、全く関係なかった。 ただの同じ山で心中しだけで、マークスの連中との繋がりは特に無かった。 | ||||
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ずいぶん前に買った本です. 途中まで読んで止めていたものを最初から読み返しました. 緻密な表現という言い方もできると感じましたが,好みから言えば少し外れてしまった本かもしれません. おそらくこの本も上巻だけで判断すべき本ではないと感じました. 下巻も探し出そうという気になっているのも事実です. 上巻は色々な下準備に徹しているのではないかと思わされました. 手元を探して見つからなければ,下巻も買おうと思っています. | ||||
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もう20年くらい前になろうか、話題になっていたので、ハードカバーを定価で買った。小難しい文章が全然頭に入ってこない。なんだかんだで、ほったからしにしていたら、ホコリをかぶって汚くなり、捨ててしまった。 レディ・ジョーカーはグリコ森永を扱うというので、期待はしないが興味を持ち、古本100円を上下二冊を購入して読んだ。多少は面白いが、本物の事件の方が圧倒的に面白いし、本物に何らかの目の覚めるような光を当てるというようなこともない。そのただちょっと面白いだけを確認するために、あの苦行のような文章を読んだ。 私は不幸にして無為にテレビやつまらない映画をみたり漫画を読んだりする習慣があるので、当文庫をみかけて、また苦行のような文章をのぞいてみようという悪心がおこった。で、5、6年前に古本で購入。最初の方読んだら、なんかグロテスクでホモ行為みたいなのを読んで食欲減退。止まってしまった。 で、つい最近、やっとこ、この上巻の後半部分が私をとらえてくれた。多少なりとも面白く読めた。下巻に突入したらあっという間に200ページを読み終えていた。あの生硬な文章にもかかわらず漫画のように200ページ読めた。その後はフツーのペースだったが。 で、まあ最後まで読み通すことはできたが、やっぱ大方は苦行かな。読んでも得るものが少ないし。 これ読み通すなら百科事典でも読んでいた方がマシじゃないかな。 | ||||
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これまでにレディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)、照柿〈上〉 (新潮文庫)、黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)を文庫版で読み、文字数の多さを感じつつも、描写の緻密さに読み応えを感じた。本作も期待して読み終えたのだが、理解できないところが多く、フラストレーションが溜まり満足できなかった。 特に、犯人水沢が二重人格者だということは分かるが、なぜ残忍な殺人を犯したのかという動機がまったく分からない。また、もうひとつの人格が、自分のことをマークス(MARKS)と呼んでいるが、どうしてその名を知っているのかもよく分からない。浅野の遺書を読んだからとも思えるが、どうにもはっきりしない。 さらに、検察から警察上層部に圧力がかかり、現場の捜査を押さえ込んでいるという話になっているのだが、発端となった事件がそれほどの重大事件とは思えず、検察組織として隠し通さなければならないほど大層なものなのだろうかと感じた。 ネットで調べてみると、著者は文庫化する際に単行本の内容を大幅に修正したらしいということがわかり、この文庫版は不評のようである。「読むなら絶対に単行本を」と明言している方もいるようだ。ただ、今さら単行本を読み直す気にもならない。 レディ・ジョーカーや照柿の文庫版では、このような読後のフラストレーションを感じたことはなかったのだが、この文庫版は出来が悪いようで残念だ。 | ||||
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ミステリーはとても好きなんですが、なんかすごく時間がかかりました。おもしろいのかおもしろくないのかよくわからぬまま、 読み進めていきました。 でも、謎は深まるし、まあ合田刑事は魅力的だし、なんとかかんとか上は読み終わらせました。 下巻でいろんな謎が解明されるのだろうと期待しながら・・・・ | ||||
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著者の世界観は好きなのだけれど、異端者の心情には感情移入しづらい。 警察関係の作品は好きですが、心理描写に乏しかった印象を受ける。 男性受けする作品なのか? ただ世界観は好きなので雰囲気に酔うことはできた。 | ||||
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高村さんの作品は、「リヴィエラを撃て」に続いて、2作目です。警察内部 の捜査の表現が非常に精緻なのは良いのですが、少々マニアックになってい る所もあり、犯人の動機の部分以外は、かなり斜め読みになってしまいました。 刑事物が好きな方には、読みこなせるかも知れませんが、それ以外の方は捜 査の部分が冗長に感じるかも知れません。それでも、所々に謎解きのヒントが 隠されていて、先に先に読ませようという筆致はさすがだと思います。登山の 描写やロマンがもっと出てきてもいいかもしれません。下巻から出てくるのか も知れませんが。 | ||||
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密度が濃く、最初は読みづらく感じましたが、迫力のある文章でぐんぐん読み進み、気がついたら読み終わってました。 読んでいる最中はとても面白かったのですが、読み終わってみると、凶悪な連続殺人と現場で体を張る捜査員たちとの息詰まる描写と、その背景にある事件との関係がアンバランスなものに感じられ、なんだか釈然としない読後感が残ってしまいました。 終盤の尋問シーンと、看護婦の存在が印象に残りました。 | ||||
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密度が濃く、最初は読みづらく感じましたが、迫力のある文章でぐんぐん読み進み、気がついたら読み終わってました。 読んでいる最中はとても面白かったのですが、読み終わってみると、凶悪な連続殺人と現場で体を張る捜査員たちとの息詰まる描写と、その背景にある事件との関係がアンバランスなものに感じられ、なんだか釈然としない読後感が残ってしまいました。 終盤の尋問シーンと、看護婦の存在が印象に残りました。 | ||||
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WOWOWのドラマの出来が良かったので原作を読んでみたが、これが直木賞に匹敵するほどの作品なのかと正直首をひねる。前半話がもたもたするのはある程度許せるが、それでも説明過多で読み飛ばしたくなる。著者の警察内部の張り合いを描きたい気持ちはわかるが執拗すぎる。 後半からスピード感が出てきて一気に結末へと向かうということもなく、ゆっくりと一歩ずつ話は進行し、最後に長い長い「収穫」とやらを読まされるのだが、これだけ引っ張ってきて、一番重要な犯行の動機としては説得力に欠けるだろう。著者の性格なのか、とにかく細かく描写したいという作風はかなり読者を選びそうだ。 | ||||
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文庫から読んでしまうと、単行本の饒舌なシーンが目についてしまった。 やはり刊行された順番を守らなければ、興ざめになってしまう。 それにしても二つを比べると、まるで別物とまでは行かないけれども、状況設定をかなりいじっているところがすごい。 作家がペンを置く覚悟というのは本当に大変なのだろう。 | ||||
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WOWOWドラマ化で興味を持ち、上巻を手にした。キャストが発表されているので顔写真入りチラシを脇に置き、本書を読み進めた。事件発生まではテンポ良く進むが、捜査員が登場するととたんに重苦しく身動きが取れない。個人と組織の関係を描かれ始めると、読者も一個人となり閉塞感に巻き込まれる。現実世界でも検察のデータ改ざん不祥事もあり、浮世離れした孤立した狭い世界が興味深い。伏線の段階だと思って少し忍耐が必要かな、読み進めるには。濃密なんですよね、文章が。ストーリー展開よりも濃さの抵抗感を描かれている人間模様を味わう上巻。 | ||||
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