都会の片隅のユートピア―、人呼んで「駆け込み団地」。

アメリカの名誉を盗む―。湾岸戦争で、手痛い敗北を喫したフセインの考えた究極の報復作戦は、成功するのだろうか。

世界最高の贋金造り、評判の形成外科医、有名映画監督らを動員して、暗黒街の大ボス父子が立てた驚くべき計画とは、アメリカの名誉の象徴、独立宣言の書かれた羊皮紙を盗み出すことだった。

ザ・クロニクル紙の編集室では、二人の犯罪担当記者が熾烈な争いを繰り広げていた。

テレビ・コマーシャルは、たしかに効き目があった。

ニセ札偽造団、トルエンの密売、幽霊会社、崩壊家族、病院乗っ取り屋、武器密輸、夜逃げ屋―。

他人に仕事を任せず、何でも一人で抱え込み、「忙しい、忙しい」の連発で、いつもパニック状態のエリート社員・森川晶。

好きになった女の苗字が『龍神』だった…。

京都・西陣。「釘ぬき地蔵」の賽銭箱の上で、血まみれの五寸釘が見つかった。

出稼ぎに出たまま行方不明になった夫を捜しに、幼い子供を連れて上京した沢田つる恵は、所持金を使い果し、やむなく宿泊料を踏み倒して逮捕された。

雄大な南アルプスの絶景を一望の下に眺望できる夜叉神峠。

青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件。自称億万長者、拒食症の少女、休日神経症のサラリーマン…。

杉原爽香、二十歳の秋。中学時代の恩師・河村布子に赤ちゃんが生まれた。

名探偵巫弓彦人知を越えた難事件を即解決。身元調査等、一般の探偵業は行いません。

バレエ教師の美土里の前に突然刑事と名乗る男が現れた。恋人の数馬が、自宅で血まみれで発見され、直後に消えた、という。

新社屋の美術館創設のため、孤高の日本画家名瀬光二の絵の入手を試みて失敗した山名啓司は、立ち寄った馴染みの店で、かつて同棲していた女・純子の描いた絵に似た絵を見て衝撃を受けた。

日美子は高校時代の友人烏丸みやびに招かれて芦屋を訪れた。

休暇旅行先の弧島で起こる連続殺人。新感覚の本格推理長編。

萩原朔太郎の無気味な世界そのままに起こる連続猟奇殺人。警視庁捜査一課の名警部・岡部和雄の推理が冴える。

岡っ引の勘兵、人呼んで悪勘兵。飛田の廓でちょいと女郎に悪さして、長屋に帰れば同心・鮫島様のお呼びである。

反乱、暗殺、裏切り、虐殺、謀略。栄耀栄華を極めた者は、明日は無残な敗者となった―。

懐良は肥後の名将・菊池武光と結び、悲願の九州統一を果たした。

鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇が敷いた建武の新政も、北朝を戴く足利尊氏に追われ、わずか三年で潰えた。

レーザーディスクのように輝く絹織物―。

現職のFBI捜査官が犯人逮捕の合い間を縫って書き上げた話題騒然の犯罪小説。

クロロックの仕事に便乗する形で、ヨーロッパ旅行に出かけたエリカたち。

下谷長者町の京菓子屋永田屋に、18年前に拾って育てた娘は大名の松平家の御落胤だといって、滝の井と名乗る奥女中がたずねてきた…。

女に翻弄され、殺人事件の容疑者として疑われたエリート・サラリーマンの転落劇 　宮古崎康介は大型ビルの企画開発部長。

しがらみを乗り越えて結ばれる恋。はかなく消える恋。

伊沢屋のおかみが消えた。が、三日後、ひょっこり帰ってきた。

牧薩次、駆け出しのミステリー作家である。ポテトの仇名通り外見はイモっぽいが結構鋭い推理力の持主でもある。

私と夫の住んでいる竜飛村に、おそろしいことが起こりそうです―。

心優しい筆致がうれしいミステリ界の人気者が、人生の哀歓をさりげなく謳った軽妙多彩な短編傑作集。

息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへと旅立った。

神の命運か悪魔の誘惑か、パンドラの匣はついに開け放たれた。

遺伝子操作監視委員会の調査官=深尾直樹は、ふとした情報から、ライフテック社で発生した事故にかつての恋人=梶知美が巻き込まれているのを知るが、事態は深尾の予想を遥かに上回るものだった。

赤道直下。南太平洋に浮かぶ島国、ポーレア共和国。

政権交代だ。自民党が割れた、野党連立、新党結成だ…。

のどかな田舎町で、雪の降り積もる早朝、水泳パンツ一丁の少年が死体で発見された。

世間をアッといわせる新作を久しぶりに発表すべく、山荘にこもって執筆を開始した老作家のもとに、作家志望の美貌の女性が、書き上げたばかりの自らの原稿を持って訪れる。

野尻湖畔に屹立する修道院の塔上に発生した、二つの密室殺人。

春秋社専属の超売れっ子漫画家の花扇美代子は、アシスタント五名と忙しく働いていたが、ある日、一人のアシスタントが何者かに襲われて指を切断され、さらに美代子自身も心臓を貫かれて即死するという怪事件が起きた。

さよは十五歳で、鷹匠長江周吾に嫁いだが、維新の朝敵となった会津は、過酷な戦場となり、周吾は御鷹部屋をさよに託して出陣する。

天武天皇の王子だが気弱でやさしい草壁と、父とともに落ちのびた吉野で草壁が知りあった国栖の野性児・小鹿。

五月のある夜、東京の井の頭公園で、「スズ…」という言葉を残して男が毒殺された。

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。

リゾート・マンションが林立する「雪国」の温泉地越後湯沢。その一室で、準ミス駒子の芸者由美の絞殺死体が発見された。

「次の月曜日に、Aを爆発するK」謎に満ちた予告状が警察に送られてきた直後、成田空港のロビーで爆発事件が起きた。

推理マニアの大学生が、夏休みに、ふとしたきっかけで訪れた山中の奇怪な館。

北海道函館近郊のミッション・スクール・星辰女子高校は、森と湖、修道女館に囲まれた美しい学園。

竹本健治の連載ミステリに、ひそかに忍び込む残虐非道な殺人鬼の手記。

歪んだ館が聳え、たえず地が揺れ、20年前に死んだはずの女性の影がすべてを支配する不思議な島「和音島」。

カリスマ的な人気をもつ美人歌手・千里と、母の遺言で千里に曲を届けるためロンドンからやってきた少年マイク。

わたしは夢に破れた男だ。念願だった司祭にもなれず、今は友人の法律事務所で調査員をしている。

「だれもみな自己のことばかり。わしのことを考えてくれる者は誰一人いない」とマーティン老人はいう。

マディソン・アベニュー1300番地の狭い敷地に建つ高層マンションには驚くべき秘密があった。

三上量子は心の悩みの相談に乗り、的確な見立てをして、独自の方法で治療にあたる臨床心理士。

出版されればベストセラー間違いなし。

現場に残された血まみれのナイフと、胴体を切り裂かれた人形―。リンダの脳裏には、三年前の忌まわしい光景が焼きついていた。

奇妙で不思議なミステリーランドにご入場ください。泡坂妻夫のファンタジックワールドベスト6。

夏休みに奥の細道を歩く旅に出た高校生五人が1カ月たっても帰って来ない。

海燕新人文学賞を23歳で受賞した実力派新鋭の奇妙な感性が今、ここに傑作を生んだ。

都テレビのニュースキャスター、推理作家の沢木麻沙子は、取材先の道成寺で絞殺死体に出くわす。死者は京南大学教授戸田。

華やかな芸能界の裏側に渦巻く、愛情のもつれ、ライバル意識、打算。ロケバスは俳優たちのさまざまな思惑を乗せて流れ橋へ。

小説は、このようにテレビ化される。夏樹静子の切れ味鋭い傑作推理を、五人の第一線脚本家がドラマ化。

鏡の部屋に乱舞する猟奇の果ての密室殺人。ミステリー選集。

超エリートに捧げる死刑台。肉体がだんだん溶けていく。

家出人捜しが稼業の片山は、友人で米国の家業家・ハサウェイの依頼で5人の男たちを捜していた。

「朱鷺飛来図」の秘密をめぐり、女と男がたどる愛と恐怖の旅路。書き下し長編ホラー。

救いようのない“時代の病理”ゆえの悲劇。「都会人の異常な心理」を巧みに描いた問題作。

世界的ベストセラー、『フーコーの振り子』でテンプル騎士団の陰謀説を展開するエコに対抗して、著者はヨーロッパ・キリスト教文化の地下の一大思潮、“神秘主義”とこれを信奉する各教団の系譜について、その淵源から現代までのさまざまな変遷を詳細にたどり、エコの虚偽性を

サーカス芸人専門の養老院「天幕荘」。事件の幕は、密室内の奇妙な殺人に始まる。

連続殺人の被害者メッツラーと親しかったゲイの青年、カズンズの助けを借り、事件の関係者を洗うバウマン。

ミッドウェスト大学の教授だったバウマンは、酔っ払い運転で少女を轢き殺したため、二千人の凶悪犯が収容された州立刑務所に服役している。

いまや二郎三郎は、秀忠を自在に操る家康なみの智将であった。

関ヶ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。

慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された!家康の死が洩れると士気に影響する。

早春の小田原城祉公園で美女の刺殺体が発見された。

元国会議員の折笠修一郎が、東京千代田区にある国立劇場近くに新築した自宅で刺し殺された。

宮古崎康介は大型ビルの企画開発部長。安定した家庭に満足し、人妻との浮気を楽しんでいる。

名門女子校天川学園の百周年記念式典当日。

南フランスのシャトーホテルで結婚式を挙げようと旅立った2人を襲う惨劇。

みすずはまだ若い身空で、母親の営む「龍宮ウエディング」を手伝っている。

隣家に押し入り人質をとった犯人は、真琴に法外な要求をつきつける。心中してくれというのである。

パリで恋人ファティを誘拐拉致された春樹は、恋人の故郷アルジェリアに向かう。

これはあの小悪党スティックの、「スティック」で語られる一件から七年前の冒険譚。

市助には８人の子がいた。その子らが夜ごと寝間を抜け出して、朝まで箪笥の上に坐っている。

陸奥湾に向かって大きく突き出した夏泊半島。自生椿の北限として名高い景勝地である。

清痩鶴のごとし、と掉まれて逝った長塚節。

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。

高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。

多くの人が出入りするテレビ局から、白昼、売り出し中の歌手が誘拐された。

「私を三日間護衛して!」突如現われた美女水木亜希子の依頼が、工藤兵悟の運命を激変させた。

申し分のない仕事に、文句のつけようのない妻、そしてすばらしい愛人―会計士ヘッティンガーの人生は、まさに順風満帆だった。

ソ連の軍事機密を奪取し、クレムリンの要人の亡命を幇助せよ―。

看護婦仲間の久江、和子、千寿。

17年前別れた恋人道江の面影を胸に、越前岬へ向かった画家の佐伯城介が、寝台特急『北陸』の車中で出会った謎の女―。

舞台は寒風吹きすさぶスコットランドの人里はなれたエルカニー城。