天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。

「知りたいですか」。郷土史家・常島なる男の蠱惑的な囁きは、関口巽を杳冥の中へと連れ去った。

「私はいつだって、何も解っちゃいなかったのだ―」。

「俺個人がねえだと?」。

沖縄・那覇空港で、乗客240名を乗せた旅客機がハイジャックされた。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。

忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。

一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。

呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。

私は彼女の事を何も知らなかったのか…?大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出逢う。

伊良部、離島に赴任する。そこは町長選挙の真っ最中で…。

ほら、人間という生き物は、こんなにも愚かで、哀しい。数多のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。

とある古書店で、たまたま手に取った一冊の推理小説。読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。

殺人事件の時効成立目前。

奇天烈な洋館に集まった人々は目を疑った。六年前に殺された女流作家そっくりに、その妹が変貌していたのだ。

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれていた。

ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。

ティービング邸で暗号解読の末、彼らが辿り着いたのは、ダ・ヴィンチが英知の限りを尽くしてメッセージを描き込んだ“最後の晩餐”だった。

「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。秩序崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は…。

ホラー作家の道尾は、取材のために訪れた瑞祥房で、口を開けて笑う千手観音と頭から血を流す仏像を見た。

連続児童誘拐事件の黒幕“ジウ”を威信にかけて追う警視庁。だが、いまだ正体すらつかめない。

「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。

姫川玲子、二十七歳、警部補。警視庁捜査一課殺人犯捜査係所属。

「こうなったら仕方がない。望んで蜘蛛の罠に嵌ってやるんだよ」。

「あなたが―蜘蛛だったのですね」。桜の森の満開の下に響く京極堂の声。

しがない貧乏学生・戸村流平にとって、その日は厄日そのものだった。

東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。

妻は言った。「あたしが殺したのよ」―湖畔の別荘には、夫の愛人の死体が横たわっていた。

憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れぬ何かに尾けられる巫女―。

正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。

私の部屋に置き忘れられた一冊のノート。はじめは手に取るつもりもなかったのに。

幹部行員の裏金工作を追及した恋窪商太郎は、謂れなき罪を着せられメガバンクを辞職。

「ふふふふふ。蜘蛛を信じる仲間ですわ」。

「僕等は…知らず知らずのうちに誰かの張った―網に掛かっているようだ」。理事長の織作是亮までが殺害された聖ベルナール学院。

大学のオカルトスポット探検サークルの6人は、京都府の山間部に佇む黒いレンガ屋敷「ファイアフライ館」へ肝試しに向かっていた。

「レエ オグロアラダ ロゴ…」 ホラー作家の道尾が白峠村の河原で耳にした無気味な声。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

ホームズ物語は、月刊誌『ストランド』に短編が掲載されはじめてから爆発的な人気を得た。

たたき上げの副支店長、社内恋愛中のOL、お調子者の課長代理…出世のため、家族のために奮闘する行員たち。

特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。

真犯人Xは生きている―。

「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。

犯人が仕組んだ情死偽装トリック。容疑者には鉄壁のアリバイが…。

ある夏の午後、都内の住宅街で人質篭城事件が発生した。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

鞠子の遺体が発見されたのは、「犯人」がHBSテレビに通報したからだった。

群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

「私は半ば望んで壊れたのです」。土牢に閉じこめられていた“あの男”は、久遠寺老人を前にしてそう告白した。

「ああ云う場所はもう―これから先はなくなってしまうのだろうな」。京極堂は最後に独り言ちた。

藤子・F・不二雄をこよなく愛する、有名カメラマンの父・芦沢光が失踪してから五年。

明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。

厳冬の中部ヨーロッパで、豪華客車「オリエント急行」が、大雪のため立往生してしまう。

選考委員激賞の、第12回日本ホラー小説大賞受賞作 何でも売っている不思議な市場「夜市」。

「お母さん、殺されたのよ」―学校から帰ってきた美幸は、家で母が殺害されたことを知らされる。

「小説の力」を証明する興奮と感動の新文学 不思議な力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動をよぶ「呼吸」。

「此の度手放したき品は今迄の品とは違ひて、世に出る事は有り得ぬ神品也」。

「もしやあの男―本気だったか」。不可解な呟きを残し、今度は老師の大西泰全が惨殺された。

東大医学部のうす暗い標本室に並ぶ、刺青をした胴体。不気味な色彩で浮かび上がる妖術師「大蛇丸」。

「天才ポアロさまよ、その天才ぶりを見せてもらおうじゃないか」 名探偵ポアロのところに、ABCと名乗る人物から挑戦状が送られてきた。

三月には珍しい雪の日、伊豆の山荘で惨劇は起こった。

浮気調査を依頼され、使用人を装って山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。

竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。

対人恐怖症のフリーライター、杉山博(32歳)。NO!と言えないカラオケBOX店員、青柳光一(26歳)。

これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。

今多コンツェルンの広報室に勤める杉村三郎は、義父でありコンツェルンの会長でもある今多義親からある依頼を受けた。

帝都銀行で唯一、不祥事担当の特命を受けている指宿修平。

「あなたの夢こそ鍵になるでしょうね」。京極堂は刑事・木場とともに店の敷居を跨いだ降旗にそう言った。

「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」。湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名のる女と出会う。

「実に、見事な左道であった」。謎の寺院、聖宝院文殊寺に乗り込んだ京極堂。

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。

殺してやりたかった。でも殺したのは俺じゃない。

阪神大震災のさなか、700km離れたN県警本部の警務課長の不破義人が失踪した。

小学四年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。

「俺が仕事をするといつも降るんだ」 クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。

この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。

「加菜子を―死なせはしません」。被害者の姉は決然と言った。

「私は、嘘吐きなのです」。かつての銀幕の美女・美波絹子こと柚木陽子は謎めいた言葉を口にした。

「あなたは、何でも善くご存じですのね―」。その女は京極堂に向かって、赤い唇だけで笑った。

梵貝荘と呼ばれる法螺貝様の異形の館。

改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。

敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。

警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。

十五年前のあの日、男は法を捨てた。ノビ師・真壁修一が忍び込んだ家の女は夫を焼き殺そうとしていた。

十五年前のあの日、男は法を捨てた。ノビ師・真壁修一が忍び込んだ家の女は夫を焼き殺そうとしていた。

十五年前のあの日、男は法を捨てた。ノビ師・真壁修一が忍び込んだ家の女は夫を焼き殺そうとしていた。

巨大や螺旋階段の下に倒れていた当主の死因は、転落死ではなく墜落死だった!?天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘にふたたび事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。

尾木遼平、46歳、元刑事。職も家族も失った彼に残されたのは、3人の居候たちとの奇妙な同居生活だけだった。

「昭和」という時代が匂い立つ社会派ミステリーの傑作!平成2年12月、警視庁にもたらされた一本のタレ込み情報。

旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。

優しく触れようとしても壊してしまう、大人になりきれない子どもたちは、暗い恋の闇路へと迷い込んでしまった…。

もう、一人の夜には帰りたくない―。残虐非道な事件に潜む、孤独な殺人鬼と彼を操る共犯者の存在。

密室殺人、完了 完璧に騙せたはずだった ただひとりの女性をのぞいては 緊迫した攻防をシャープに描く “同窓会”ミステリー 照明は、点けたままでいいのだろうか？ 暗くなっていく時間帯に、入浴時に部屋の照明を消すだろうか。

「二十箇月もの間子供を身篭っていることができると思うかい?」。

「私を―たすけてください」。