「おまえ“泣き丸”だよな」少年時代の渾名で呼ばれたエリート銀行支店長丸太滋雄は息を呑んだ。

応永15年(1408)、初夏。賢才の誉れ高い建仁寺の小坊主一休に、奇妙な依頼が舞い込んだ。

北尾俊也は妻と別れ、三十数年勤めた会社も辞め、旅に出た。

暗い夜だった。廃墟と化したビルに五人の男女が集結し始めた。

「まるで山の通り魔だ」奥只見署の小野塚刑事は呟いた。福島の道行沢で発見された刺殺体。

敏腕刑事を狙撃手が襲った。犯人を追いつめる十津川警部の大胆推理とは?殺人の告発文が駅の伝言板に。

京都・清滝トンネル内で幼稚園児の送迎車が消失!この奇怪な誘拐事件の現場には、赤かぶ検事の息子・柊正雄判事補が居合わせていた。

旅行作家茶屋次郎は北海道行き大型フェリーの旅を満喫していた。目的地は根室・納沙布岬。

閑静な住宅街で起きた女子高生誘拐事件。浅見光彦は親類に嫌疑がかけられたため、やむなく捜査に乗り出した。

単調な日常と無関心な家族。

未曾有の荒天に襲われた北アルプス。遭難者が続出する中、有名山岳会のベテランたちと大学山岳部の一行は奇跡の生還を果たした。

聖なる世紀(ミレニアム)目前のバチカンで法王が狙撃された。

“死体は…そう、80メートルほどの高さに浮かんでいた。

岩手県一関に開店した仏料理店のシェフ山本が失跡し、数日後溺死体で発見された。

名古屋市のホテルで奇妙な連続毒殺事件が発生。

「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事関根多佳雄が博物館の帰りに立ち寄った喫茶店。

「親友の恋人が行方不明なんです」美人愛読者赤筒彩からの依頼が旅行作家茶屋次郎に舞い込んだ。

北宋―遼、西夏の外圧に苦しみながら都市文化が繚乱とした時代、検屍の技術・制度は当時の世界最高水準に達していたという。

奥多摩の山荘で発見された、美術商鳥居忠直の刺殺体。鳥居は詐欺師の春原から時価二億円の仏像を預かったまま失踪中だった―。

「念力で人を殺したら罪になるんですか」人気超能力者・田代貢はテレビ番組収録後に殺人を宣言した。

東海道新幹線車内で時限爆弾が炸裂、乗客の小柳夫妻が即死した。

変わり者の整体師合田力は、“身体の声を聞く”能力に長けている。

「発明家クレイソンを調査してほしい」在米のコンピュータ・セキュリティの専門家笹生勁史に、通産省から極秘依頼があった。

ジャパン電装社員・大熊岩雄は失踪した先輩社員・富岡の妻から一枚のDVDを託された。

堕胎医が軒をつらねる江戸・薬研堀。腕利きの闇医おげんの元に、手込めによって陰部を裂傷した娘が施術に訪れた。

岐阜県下呂温泉のホテルで、二月、三月と連続殺人が…。

「この小説は!?」人気作家・浅沼徹也は戦慄した。

「あなたは母の生まれ変わりです」大学教授秘書の古橋万由子は、二十五年前に変死した天才画家高槻倫子の遺子にそう告げられた。

老若男女が憩う空中の楽園―デパートの屋上では、毎日のように不思議な事件が起こる。

「西暦2012年、世界は終末を迎える。

筑後川に臨み、旅行作家茶屋次郎の胸は疼いた。

「蓬莱山の黄金、鬼道の力、そして空海の秘宝“四殺”を手中にした者が覇者となる」。

取材先の北海道・小樽で、ルポライター浅見光彦は奇怪な殺人事件に巻き込まれた。早暁の港に浮かぶ女性の漂流死体。

朝日連峰の峻谷・三面峡谷で転落死を遂げた菱川豪蔵。

今夜、桐江は恋人だった。が、明日からは愛人になる。

その男は、なぜ殺されねばならなかったのか？――抗生物質の投与で死亡者が発生！新聞記者の佃健一郎は、かつて新薬の臨床試験に参加し、激しい副作用を目撃していた。

香川県観音寺市を訪れた赤かぶ検事は巨大な寛永通宝の砂絵を見学中、奇妙な事件に遭遇した。

「お願いです。一緒にいて」旅行作家茶屋次郎が取材先の奥多摩で知り合った謎の美女相田奈津子。

東京都下の高級住宅地で自治会長が殺された。

1938年、ナチスによるユダヤ人襲撃は、散乱する窓ガラスの燦きに因み“水晶の夜”と名付けられた。

陸前から江戸に出て剣の修行に励む若き日の千葉周作。天下の中西道場で、どうしても勝てない剣士がいた。

「大人の味ね。

「謎が解けなければ時間は永遠に止まったままだ」何かに疑問を抱くと時が停止するという奇癖を持つ青年末統一郎の言葉に、女子高生真奈は逆上した。

ともに駆け落ちした人妻若山なぎさが忽然と消息を絶った。

私立探偵・朝岡彩子は、資産家の娘・白水文香の素行調査を依頼された。文香が独りで住む邸を超望遠レンズで監視する彩子。

1982年、英国情報部が外交文書を撮影中、スタジオが全焼した。その折、忽然と消失したある機密文書―。

現代の最も熾烈な闘いである企業と企業のマネーゲーム。

勤皇方に与し、幕末の京を恐怖に陥れた岡田以蔵。居合の達人で市井の試刀家、首打役にも携わる野晒唐十郎。

闇と雅の綾なす平安の御世。

伊豆下賀茂のテニスコートで美人プロ選手中野美代子の死体が発見された。殴殺だった。

マリーは泣きそうな子供のような顔をした。「なにする!」圧しころした声で言った。

新宿歌舞伎町でヒモ修行をはじめたイクオは、その夜のうちに童貞を捨てた…性の遍歴、魂の彷徨!吉川英治文学新人賞受賞の鬼才、最新・最長・最強の問題作。

美人女子大生・小百合とデート中、精神(サイコ)ダイバー・毒島獣太は奇妙な事件に遭遇した。

車が人を襲った!?ヤジマ自動車の新型車に多発する事故はそうとしか解釈できなかった。

東京近郊にある赤修台第一病院の中庭で准看護婦の堀川映子が死体で発見された。

世界保健機関が撲滅を宣言したはずの天然痘が、突如、青森に出現した。

立川市のバーの店主ルミ子が殺され、北多摩署に捜査本部が。

「早く逃げろ。爆発するぞ!」炎の衝撃波が天井を走る。

江の島の高級マンションで、会社社長・村野が刺殺された。

「いったい、お父さまに何があったの?」会社社長の岡田が、出張先の摩周湖のホテルから突然消えた。

一九九九年初冬。新宿の超高層ビルの窓ガラスが、突如飛散した。

ルポライター浅見光彦の母・雪江が、巣鴨の染井霊園で殺人事件に遭遇した。

「今度はおまえたちを殺す」元警視監浜本修一郎邸の池の鯉がめった切りにされ、脅迫状が。

「先生、大変です。小夜子が行方不明です」切迫した同僚秘書の電話が発端だった。

「山間の小都市で、被害者の眼球をくりぬく無差別殺人が連続した。十数年ぶりにその地へ帰郷した私は、街外れの廃屋を訪ねる。

「謎の原稿「さよならの殺人」が、私を過去へ引き戻した…」1980年11月最後の日曜日、大学自治会長森山が殺された。

「蓬莱山の黄金、鬼道の力、そして空海の秘宝“四殺”を手中にした者が覇者となる」関東広域を、震源のない異様な大地震が襲った。

戦乱の世は関ヶ原に終わり、最後の雌雄を決する気運が大坂城を取り巻くころ、なお天下に志をたぎらせんとする男たちがいた―。

萩の花咲き誇る奈良・白毫寺で女流将棋名人御影真理子が誘拐され、五千万円を要求する女の声の電話が。

私立探偵・朝岡彩子は奇怪な事件に巻き込まれた。彩子の住むマンションの屋上から男が墜落。

カジノの借金取立て人石黒友行が刺殺され、現金一億八千万円が消えた。犯人は女。

特捜刑事・香月功は時価二億円のエメラルド「森の妖精」の行方を追っていた。

「姉を助けて」新進作家霞田志郎が、ファンの少女水沢美智子に、失踪した姉圭子の捜索を懇願された時、底知れぬ事件の幕が開いた。

この電話番号は呪われているのか!?深夜、ある無主の電話番号にかけると、複数で話せることを偶然知った五人の若者は「混線クラブ」を結成、声だけの集いを続けてきた。

様々な職場で“運命”に弄ばれる女性たち。哀しき現実と向かい合い、追いつめられた彼女たちは、ついに…。

都内のマンションでOL殺される。死者の胃から現われたメッセージ。

帝国海軍の象徴・東郷元帥の短剣を探し出してほしい―兄・陽一郎の知人の依頼で、ルポライター浅見光彦は短剣が盗まれた広島県江田島の海軍兵学校跡へ。

名探偵・浦上伸介が不可能殺人の謎に挑む。

妻の不貞が原因で離婚し、三十数年勤めた会社も辞めた北尾俊也は旅に出た。

宮崎県沖の小島・吐雷島で殺人事件が発生、容疑者菱沼は台風襲来で脱出不可能なはずの島から姿を消した…。

臨海副都心に立つ大天使ミカエル像は、NYの女神に匹敵する偉容を誇っていた―ある夜、直下のテーマ・パークで男が絞殺された。

“世界の七不思議”の一つ、「バビロンの空中庭園」には不可解な謎がある。

九七年六月、インド・カシミール地方で激烈な謎の熱病が発生した。

バッグに詰めこまれた政治資金五億円―。政財界の大物が集う超高級クラブで働く児島卓は、偶然その金を見つけ着服した。

旅行作家茶屋次郎は千曲川沿いの温泉宿で仰天した。数日前、「茶屋」を名乗る男が宿泊し、著書に暑名までして配ったという。

山形・月野温泉の対局で将棋界初の七冠王が誕生した夜、同旅館の裏山で元将棋記者・名取が撲殺された。

「人生をやり直したい」男の黄昏を迎えた会社員北野は、社の闇献金一億円を拐帯した。

「管制不能で胴体着陸する大型旅客機!爆炎を噴く滑走路!人工島内に孤立した五万人の運命は?」海上に建造された巨大な横浜新空港の開港一ヵ月前、突如、その浮体工法を誹謗する怪文書が撤かれ、さらに設計者の菊地が不審な男たちに拉致された。

超絶の美形で趣味は女、と豪語する精神ダイバー毒島獣太の許に、切断された女の手首が続々と送りつけられた。

「黒蓮会教祖、千々岩三風を忘れたか―」言い放つ謎の男女の毒島獣太襲撃は、留まるところを知らなかった。

大化改新の立役者天智天皇は、弟天武天皇によって暗殺された!壬申の乱後、正当に皇位を継いだ天武―それが歴史の定説である。

「あいつを殺しに行って来ます―」思いつめた置手紙を残してOL由美子が姿を消し、後を追うように恋人の白井も出奔した。

新宿柏木署署長の娘佐智子が家出、アダルト・ビデオに出演後、消息不明に。

京都の古美術商、烟谷狐峰の屋根裏部屋の窓に深夜、巨大なてるてる坊主の影が揺れていた。影は、首を縛られた主その人であった。

『この子をよろしくお願いします』夕闇の石狩川畔で、一枚の紙切れを握った二歳の捨て子の男児に遭遇したとき、旅行作家茶屋次郎の受難は始まった。