夭都七事件 大東京三十五区
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「大東京三十五区」シリーズ第三巻にして完結編。 このシリーズ、擬古文調?の凝った文体がウリだったのですが、さすがに三巻目となると著者も飽きたのか力尽きたのか、文章はぐっと平易で普通な感じ。これを読みやすくなったと歓迎するか、物足らないと感じるかは読者次第なのであります。 私見を述べるなら、古雅な文体をやめてしまったことで独特の味わいがなくなり、物語の出来がストレートに読者に見えてしまう結果になったような。 レギュラーから準レギュラーまで登場人物はけっこう多いのですが、どうしてこの人たち、こんなにギスギスしているのでしょう? それに各エピソードごとにキャラクターの描写がまちまちなのですね。主人公?のちょろ万こと阿閉万もエピソードによって、名探偵の役まわりだったり、役立たずの賑やかしだったり。彼に限らず、全体に設定と描写が一致していないことが多いのです。 もう一つ難を挙げるなら、前巻までの近代東京名所めぐりといった舞台設定の豪華さは本書ではすっかり影をひそめてしまい、エピソードの半分程度はどうということもない田舎の出来事だったりします。 事件が起こった!レギュラー陣が推理した!という推理クイズ風の基本パターンは前巻までと同じながら、出題編と回答編?の隔たりも何だか大きくて、前半の登場人物(事件関係者)が後半にまったく出てこないのは「物語」としていかがなものか。 事件もトリックも前巻までよりもスケールダウンして、全体にこじんまりとした読後感。 最終話も大仕掛けが待っているわけではなく、何だか尻すぼみな結末でして、むしろ探偵役の玄翁先生が登場せず、オカルト学者の鏑木博士がメインを引き受ける「地ノ底ノ怪座敷」「悪魔ノ命ジタル殺人」の二編が傑出していたのはどうなのでしょう。シリーズ探偵の人選を間違えてしまったのかも。 以上、苦言が多くなりましたが、シリーズ物は引き際が大切なのであります。 | ||||
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『冥都七事件』に続く、昭和レトロ探偵小説短編集シリーズ第二弾。 前作の巻末で衝撃的に行方を絶った玄翁先生でしたが、湯治に出かけてぎっくり腰になっていたという説明であっさり帰ってきたので唖然茫然。あらら、そうすると前作の最後のページの大家さんは何者だったの……? 270ページ程度のボリュームに7つの短編を収録。事件が起こった!玄翁先生に情報を伝えた!玄翁先生が推理した!というのが基本パターンでして、マンネリにならないように多少は変化をつけつつ、推理クイズに振り切った構成はみな同じ。人間ドラマの要素はおろか、ストーリーもあってないようなものであります。新ヒロイン?のノンコさんと美人記者の尚子女史が「ちょろ万」阿閉万をめぐって衝突したりもするんですが、いったい、どんな読者層の需要があったのかしらん。 レトロでモダンで猟奇(エログロ)をアピールしていますが、実際に読んでみるとエログロ要素はそれほど強くないのも前作通り。ただ、破天荒なトリックで引っ張った前作からは一転、トリックは全体にスケールダウンしておりまして、真相を知ってがっかりということも多々ございました。 ミステリ小説としてはすっきりしない読後感ですが、そういう小説だと割り切って、凝りに凝った昭和レトロ描写を楽しむのがおそらく吉。 | ||||
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読んでタイトルのごとく、七つの事件からなる探偵小説連作短編集。 舞台は昭和初期の東京。といっても、同じ時代(昭和初期)の事件に首を突っ込んだり、過去(明治)の事件を調べ直したりで、あっちこっちへ年代が飛びますから慣れないうちは面食らわされるのであります。 擬古文といいましょうか、講談・活弁調といいましょうか(解説によると速記本スタイルなのだとか)、昔の時代小説みたいな文体はレトロでモダンな雰囲気作りには貢献するものの、現代の読者にとっては意味を判断しかねるいいまわしや単語の連発でして、いちいち考えず、雰囲気だと割り切ってリズム感で読み切るのがおそらく吉。 基本パターンは書生の阿閉万が怪事件の情報を聞き込み、下宿の大家の玄翁先生が謎を解くというものでして、主要登場人物はこの二人きり。 日露ハーフの女性記者や大学の教官、いかにも訳ありな医院一家のようにいかにも重要人物らしく登場した人たちが、案外にそうでもなかったので拍子抜けいたしました。 何しろ各エピソードは40~60ページ弱程度なので、ストーリーはあってなきがごとし。何だかどれもこれもトリックがまずあって、後からシチュエーションやストーリーを考えていったような感じなので、ところどころ説明が苦しかったような。謎と推理の七番勝負!といった体裁であります。 また、作中の出来事の全てをきっちりと解明してみせるわけではなくて、オカルト的な不可解さを残したままのエピソードがあるのもとっても不穏な感じ。あと、出版社がアピールしているほどエログロ要素は感じませんでした。それとも、自分の感覚がマヒしているのかなあ…… 最終話のオチも想定の範囲内でして、一冊かけて引っ張るような設定ではなかったような。 破天荒なトリックの連続に反して、ストーリーの方はこじんまりとして物足らない気分なのであります。 | ||||
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シリーズの2冊目です。時代設定とそのレトロな雰囲気、風情、詳細な下調べと、相当に凝った小説です。そのあたりが好きな方にはたまらない作品だと思います。ただ、個人の好みで申し訳ないのですが、ミステリ自体はどうということもないし、登場人物には現実感がないし、気負った文体がどうも・・で、読んでいくうちにいつも眠くなってしまいます。1冊目も同様で、がんばって2冊目も読んでみたのですが同じでした。相性の問題かと。辛口でどうもすみません。 | ||||
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覆面作家・・だそうで、プロフィール等は不明です。作中(血食 系図屋奔走セリ)では鎌倉出身とあります。実は鎌倉の図書館でこの本を目にしました。もしかしたら本当に鎌倉あたりに関係のある作家かもしれません。 内容は安楽椅子探偵の玄翁先生と少々間抜けな新聞記者の阿閉万(あとじよろず)の絡みで話は進行します。トリックはいまひとつですが、なんか雰囲気が良い(好みはあるが)昭和の初期が舞台、この作家はこの辺りが好きらしい。あまり構えずに読めば結構楽しめる作品です。 京極夏彦推薦と帯にあるが・・・時代考証的に「推薦」なのかもしれません。 | ||||
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