冥都七事件 大東京三十五区
- 本格ミステリ (563)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
冥都七事件 大東京三十五区の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和初期の東京を舞台に早稲田の書生、阿閉君が過去の不可能としか思えぬ難事件の数々を齢74の翁「玄翁先生」に持ち込む!明治と昭和の風俗漂う連作探偵小説の新たな名作現る! | ||||
| ||||
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「大東京三十五区」シリーズ第三巻にして完結編。 このシリーズ、擬古文調?の凝った文体がウリだったのですが、さすがに三巻目となると著者も飽きたのか力尽きたのか、文章はぐっと平易で普通な感じ。これを読みやすくなったと歓迎するか、物足らないと感じるかは読者次第なのであります。 私見を述べるなら、古雅な文体をやめてしまったことで独特の味わいがなくなり、物語の出来がストレートに読者に見えてしまう結果になったような。 レギュラーから準レギュラーまで登場人物はけっこう多いのですが、どうしてこの人たち、こんなにギスギスしているのでしょう? それに各エピソードごとにキャラクターの描写がまちまちなのですね。主人公?のちょろ万こと阿閉万もエピソードによって、名探偵の役まわりだったり、役立たずの賑やかしだったり。彼に限らず、全体に設定と描写が一致していないことが多いのです。 もう一つ難を挙げるなら、前巻までの近代東京名所めぐりといった舞台設定の豪華さは本書ではすっかり影をひそめてしまい、エピソードの半分程度はどうということもない田舎の出来事だったりします。 事件が起こった!レギュラー陣が推理した!という推理クイズ風の基本パターンは前巻までと同じながら、出題編と回答編?の隔たりも何だか大きくて、前半の登場人物(事件関係者)が後半にまったく出てこないのは「物語」としていかがなものか。 事件もトリックも前巻までよりもスケールダウンして、全体にこじんまりとした読後感。 最終話も大仕掛けが待っているわけではなく、何だか尻すぼみな結末でして、むしろ探偵役の玄翁先生が登場せず、オカルト学者の鏑木博士がメインを引き受ける「地ノ底ノ怪座敷」「悪魔ノ命ジタル殺人」の二編が傑出していたのはどうなのでしょう。シリーズ探偵の人選を間違えてしまったのかも。 以上、苦言が多くなりましたが、シリーズ物は引き際が大切なのであります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでタイトルのごとく、七つの事件からなる探偵小説連作短編集。 舞台は昭和初期の東京。といっても、同じ時代(昭和初期)の事件に首を突っ込んだり、過去(明治)の事件を調べ直したりで、あっちこっちへ年代が飛びますから慣れないうちは面食らわされるのであります。 擬古文といいましょうか、講談・活弁調といいましょうか(解説によると速記本スタイルなのだとか)、昔の時代小説みたいな文体はレトロでモダンな雰囲気作りには貢献するものの、現代の読者にとっては意味を判断しかねるいいまわしや単語の連発でして、いちいち考えず、雰囲気だと割り切ってリズム感で読み切るのがおそらく吉。 基本パターンは書生の阿閉万が怪事件の情報を聞き込み、下宿の大家の玄翁先生が謎を解くというものでして、主要登場人物はこの二人きり。 日露ハーフの女性記者や大学の教官、いかにも訳ありな医院一家のようにいかにも重要人物らしく登場した人たちが、案外にそうでもなかったので拍子抜けいたしました。 何しろ各エピソードは40~60ページ弱程度なので、ストーリーはあってなきがごとし。何だかどれもこれもトリックがまずあって、後からシチュエーションやストーリーを考えていったような感じなので、ところどころ説明が苦しかったような。謎と推理の七番勝負!といった体裁であります。 また、作中の出来事の全てをきっちりと解明してみせるわけではなくて、オカルト的な不可解さを残したままのエピソードがあるのもとっても不穏な感じ。あと、出版社がアピールしているほどエログロ要素は感じませんでした。それとも、自分の感覚がマヒしているのかなあ…… 最終話のオチも想定の範囲内でして、一冊かけて引っ張るような設定ではなかったような。 破天荒なトリックの連続に反して、ストーリーの方はこじんまりとして物足らない気分なのであります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
講釈師の弁舌を聞いているような、昭和初期の香り色濃く匂い立つ洒脱な語り口。慣れるまでに、ちと時間がかかるかもしれない。けれどひとたびその語りに身を任せてみれば、ふと口に乗せて音読したくなる独特のリズム。当時の帝都の情景や風俗が見えてくる。家主のご隠居さんと書生のちょろ万のやりとりは、落語を聞いているよう。 ちょろ万が持ち込む事件は、みな新聞・雑誌等で怪異譚として扱われていたものばかり。それを玄翁先生が鮮やかに解くのは、チョーンと拍子木が鳴るような爽快さ。明解な解答ばかりでもなく、微かに謎が残る話もある。七つの話を通して読んでいくと、ラストでなんと玄翁先生の……という驚きもあって厭きなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和初期の古い口語体(?)で綴られる文体は、視覚的にも音読しても不思議な魅力に溢れている。最初は少々とまどうけど、慣れてくると、これがいいんだなぁ。古き東京の情景や風物も味わい深い。そして安楽椅子探偵ならぬ縁側探偵(!)がずばっと怪異を科学的に解決する筋立ても良い。当初は本作の帯の高橋克彦と京極夏彦の紹介文にひかれて手にとったのだが、実に読み応えある作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和初期の古い口語体(?)で綴られる文体は、視覚的にも音読しても不思議な魅力に溢れている。最初は少々とまどうけど、慣れてくると、これがいいんだなぁ。古き東京の情景や風物も味わい深い。そして安楽椅子探偵ならぬ縁側探偵(!)がずばっと怪異を科学的に解決する筋立ても良い。当初は本作の帯の高橋克彦と京極夏彦の紹介文にひかれて手にとったのだが、実に読み応えある作品だった。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 9件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|