ディール・メーカー



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    初公開日(参考)1998年09月
    分類

    長編小説

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    ディール・メイカー (祥伝社文庫)

    2001年09月10日 ディール・メイカー (祥伝社文庫)

    現代の最も熾烈な闘いである企業と企業のマネーゲーム。そこでの武器は、精度の高い豊富な情報、そして金融システムに通じた人材、技術。この目に見えない武器を手にした「闘士」たちの暗闘を鮮やかに描く。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    ディール・メーカーの総合評価:7.57/10点レビュー 7件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    ちょっとモデルが明らさまか

    今回服部氏が選んだのは一大メディア企業の買収劇。一頃日本でも話題になったM&Aがテーマとなっている。

    その劇には2つの主役がある。

    一つは世界中で有名なアニメキャラクター「くまのデニー」を抱え、そこから映画部門を創設して世界にテーマパークを持つまでになったハリス・ブラザーズ社。
    これはまんまディズニーそのものだ。特に作中で描写される「くまのデニー」の風貌はミッキー・マウスそのままのようだ。

    もう一つはコンピューター・ビジネスの巨大企業『マジコム』社。天才的カリスマ会長兼CEOのビル・ブロックはビル・ゲイツを髣髴させる。
    こちらは恐らくマイクロソフト社がモデルだろう。つまりアメリカきっての二大大型企業、ディズニーとマイクロソフトの仮想一騎打ち買収対決が本書であると云えよう。

    しかもハリス・ブラザーズ社の最高執行責任者(COO)のノックス・ブレイガーとビル・ブロックがかつての学友でライバル関係であり、しかもノックスの前妻が今のビルの妻であるという2人の天才同士の仮想対決でもある。

    そんな2人によって繰り広げられる仕手戦はやがてある情報によって一気に流れが変わる。それはハリス・ブラザーズ社に隠れた財産があるという事実。

    その正体が創設者ジェイク・ハリスが遺した新キャラのデザインだった。数十年前の記念行事で埋められたタイムカプセルにそれは封印されている。
    さてこれが現実のディズニーに擬えるとどうだろうか?確かにこれは魅力的ではないだろうか?今なお生まれる新キャラクターたちが世紀を超えた我々をなぜか夢中にする魔力。例えば日本オリジナルのキャラクター、ダッフィーが世界中に波及して人気を博す、こんな不思議な力がディズニーと云うブランドには宿っている。この現実を考えるとこの隠し財産の威力は実にリアルな秘密であると云えよう。

    そしてこの秘密のデザインを暴こうとするシェリルと反、そして特撮技師のレイモンド・スプーンが描いた作戦がなかなかに面白い。
    緻密に企てた作戦は特撮技師と云う特殊技能を持つレイモンドの存在がなければ成り立たない計画だ。この辺は実に映像的でしかもサプライズもあり、これが本書のクライマックスとしてもいいくらいの出来栄えだ。

    そしてこの秘密のデザインを手に入れたことで『マジコム』側は隠し財産の途轍もない価値に気付き、一気に買い上げ価格を吊上げ、攻勢に出る。
    しかし宿敵ブレイガーはそんな窮地に陥っても、ウィンストンの隠し子を手に入れることで泰然自若としている。このウィンストンの隠し子、チャイニーズ・マフィアのデイヴィッド・ウーに何が隠されているのか、Xデイに向けて緊張感は募っていく。

    服部氏が凄いのはこの買収劇にアメリカのある法律を絡ませていることだ。

    以前、某企業が発明した権利は会社の物か発明者の物かという問題が起きたが、本書の問題もそれに近い。
    「くまのデニー」の作者であるジェイク・ハリスによって生まれたハリス・ブラザーズ社。当然ながらその権利は会社に帰属すると思われるが、会社が設立する前に得た権利であるがゆえにそれは作者に帰属するのだ。
    これは今の出版社でもあり得る話ではないだろうか。これは天才によって創立された会社が抱える盲点であり、その歴史が古ければ古いほど起こり得る事態ではないだろうか?

    しかしながら服部氏の広範な知識と緻密な取材力には全く以て脱帽だ。何しろアメリカを舞台にアメリカの法律下で買収戦争を描き、さらにそこにアクションシーンも盛り込んでキチッとエンタテインメントしているのだから畏れ入る。
    600ページを超える大著だが、そのページ数が必要なだけの情報量、いやそれ以上の情報量を含みながらアメリカの法律に疎い我々一般読者に噛み砕いて淀みなく物語を進行させる筆の巧みさ。作品を重ねるごとにこの著者の作品はますますクオリティの冴えを見せてくれている。

    しかし今回は主人公である反健斗の親を知らないという暗い出自と自身が日本人なのかアメリカ人なのかというアイデンティティの揺らぎがあまり物語に寄与していないのが気になった。逆に例え精子提供者と人工授精児という間柄であっても親子の絆の深さが何物にも代えがたい貴重な物であることが単なる復讐劇の駒として見ていなかったノックスに引導を渡す誤算に繋がった点が印象に残った。
    しかしそのデイヴィッド・ウーでさえ薄くしか物語に介入していないのだから、中国人であるという設定だけでその心理を悟らせるというのはちょっと乱暴だったように感じてしまった。

    とはいえそれは瑕疵に過ぎないだろう。とにもかくにも数ある企業小説、金融エンタテインメント小説とは明らかに一線を画して面白いことは間違いない。
    我々の知らない世界を次作でも見せてくれることを大いに期待しよう。


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    Tetchy
    WHOKS60S
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    No.6:
    (2pt)

    再現ドラマのようなテンポのよさ

    私には苦手な小説だ。
    アメリカが舞台で登場人物も当然アメリカ人。
    多数のカタカナ名が頭に入らず思考を何度も中断される。
    人物描写が表面的。
    主人公のシェリル・ハサウエイは女性副社長も、日本人の私にはハリウッド映画の影響で、美観で前向きな、よくある白人女性をイメージしてしまう。
    この作品はストーリ展開の面白さで、それ以外は省略。
    例えて言えば、よくある再現ドラマのノリでテンポがよいが、深みはない。
    ディール・メイカー (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:ディール・メイカー (祥伝社文庫)より
    4396328753
    No.5:
    (5pt)

    メガメディアの憂い

    メガメディアを舞台にした企業買収、創業者遺産相続、さらには人工妊娠による資産相続にまで発展した経済小説と言えるだろう。
    アメリカを舞台にしたこれだけの小説が書けるのがすばらしい。それにしても日本企業になじみの少ない米企業社会のドライ、合理主義、成果主義に徹底した社会には驚くばかりで非常に面白かった。
    一般文学通算591作品目の感想。2013/04/16 09:20
    ディール・メイカー (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:ディール・メイカー (祥伝社文庫)より
    4396328753
    No.4:
    (4pt)

    視野を広めるには良い作家です。

    いつも楽しませてもらってます。

    この作品中のタイムカプセルを開ける場面は、
    もっと突っ込んだ(面白い)設定だと更に良かったと思います。
    それ以外は、前作(龍の契り、鷲の驕り)同様に引き込まれました。
    服部真澄氏の作品は、株取引・著作権・秘密特許(前作)・
    遺伝子組み換え等あまり知らない分野でも読みながら分かってきて
    勉強になります。

    次回作も必ず読みます!
    ディール・メイカー (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:ディール・メイカー (祥伝社文庫)より
    4396328753
    No.3:
    (4pt)

    現実世界に置き換えて読める面白さ

    著者注にあくまでもフィクション、とあるが、やはり現実世界を想起させる面白さがある。企業買収の手法も詳しく書かれてあり、経済に暗い分そんな手があるんだ、と勉強になった。ただ、人物描写が物足りなかった。反とシェリルにもう少し感情移入したかった。
    ディール・メイカー (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:ディール・メイカー (祥伝社文庫)より
    4396328753
    No.2:
    (4pt)

    著作権をめぐる熱い闘いを描いた力作

    「龍の契り」「鷲の驕り」に続く3作目ですが、前作に劣らず楽しませてもらいました。数多くの登場人物が最初はばらばらにバラバラに動きながらも、著作権の後継者探しを巡って次第に関係しあい、最後に集められ、一気に謎が解かれるという流れはいつもながらテンポがよく、最後まで間延びする事はありませんでした。
    ディール・メイカー (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:ディール・メイカー (祥伝社文庫)より
    4396328753



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