バカラ



※タグの編集はログイン後行えます

【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 1件

6.50pt (10max) / 2件

Amazon平均点

2.69pt ( 5max) / 16件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
0pt
サイト内ランク []C
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

35.00pt

72.00pt

0.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2002年05月
分類

長編小説

閲覧回数1,365回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数2

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

バカラ (文春文庫)

2005年06月10日 バカラ (文春文庫)

違法なバカラ賭博で多額の借金に喘ぐ週刊誌記者・志貴大希。自己破産寸前のところで探り当てたのは、カジノ合法化を巡る巨大な陰謀。大スクープをものにできるか、借金で破綻するか―志貴の運命は嵐の中の小船のように翻弄されてゆく。金の魔力に蕩かされた男たちの夢と現実をダイナミックに描いた傑作長篇小説。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

バカラの総合評価:5.47/10点レビュー 17件。Cランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

Money, Money, Money !

金、金、金。金に狂い、金に惑う。金に魅せられ、ドツボに陥っていく人々。
服部真澄が今回選んだ題材は金にまつわるお話だ。

物語の主人公は週刊誌記者、志貴大希と明野えみるという2人の記者。
一方は自身がアングラカジノで借金の海に溺れながら、アフリカの小国ロビアの大使館で開かれている裏カジノの実態を調査し、それが政治家の裏金を追うことになる。他方はカジノ合法化を煽情する記事を書く取材を重ねるうちにIT業界の風雲児とされている「ゲートライン」CEOの日継育に迫り、彼の懐に切り込んでいく。

彼ら2人の取材に共通するのがこの日継という男ともう一人政界のフィクサーとされる小牧長次郎老。やがて彼らはこの2人が互いの金を有効に使うために海外へ流出したマネーと国内に極秘裏にプールしているマネーを自由に操り、大義を成そうとしていることに気付いていく。

今までの服部作品は香港返還に纏わる密約と陰謀、ある技術に関する特許戦争、巨大企業の買収戦争と利権を争うことをテーマにしていたが、その利権に隠されているのはやはり金。莫大な富、利益をもたらす手札の争いだった。従ってここまで明らさまに金に纏わる争いを扱ったのは本書が初めてだ。そのためか、書かれている人物たちはいつもにも増して生々しい。

題名にあるようにギャンブルに溺れ、借金を重ね、会社の金に手を付けながらもその魔力に絡め取られ、抜け出せない者たちばかりが登場する。
自営業が上手く行かず、そんな所に親の急病で呼び出され、生活費を切り詰めながらもなんとか生きていこうとする庶民。
その業界で生え抜きの存在と持て囃され、世界を股にかけた百戦錬磨のバイヤーだったはずが巧妙な詐欺に遭って、資金を丸々失って途方に暮れる者。
億単位の金を操りながらも日本の暴利とも云える税率で大半を毟り取られることに我慢がならず、どうにか脱税を画策する者。
政治資金を元手に株を買っては私利私欲に走る者。
かつての職業で得た人脈を利用し、政治家たちの裏金のブローカーとなり、無造作に金を貯め込む者。その甘い汁に縋り、ギャンブルに溺れる者。
金によって結ばれる縁もあれば、金によって失う絆もある。

誰もが必要としている金。それは我々日々の生活であればあるほど困らないいわば安心を約束する物であり、己のステータスを示すバロメータでもある。

しかし安寧を得ようと金儲けに腐心する野心家たちが情報を駆使して、司法の手の届かない地に辿り着いた時、それまでの縁が失せ、残ったのは金だけとなる。
果たして彼は本当の幸せを、安らぎを手に入れたのだろうか?

作中、主人公の志貴の独白で語られるバカラの意味。その言葉はゼロを意味するという。
一攫千金を夢見てカジノでギャンブルに興じる人々。その1つ、バカラにそんな意味があるとは、つまり勝ちの向こうにあるのは無ということなのか。日継が辿り着く境地はまさにそんな虚しさを表しているようだ。

相変わらず、様々な角度から色んな人物を登場させて、物語を重層的に語る作者だが、今回は非常に狭い人間関係で構成されているところが気になった。

しかし今なお持ち上がっては消えていくカジノ合法化案。以前都知事が唱え、大阪市長もまた同様の案を声高に叫ぶが実現しないでいる。
それはカジノが放つ煌びやかな光景ゆえに孕む闇の深さゆえか。私自身ギャンブルをしないのでカジノ合法化にはそれほど魅力を感じないが、実現することで県の財政が潤うと同時に犯罪の温床ともなり得る諸刃の剣。
本書が刊行された2002年から早くも17年が経ってなおこの状況ということは夢のまた夢の話なのだろうか。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.16:
(3pt)

カジノ構想の背景を知る上で、意味がありそう。

カジノについて何かぼんやりしていたことが、少しわかった。
「カジノ」というものに 興味や関心がないことが、先にある。
日本の政治家のカジノ構想は、あまり冗談ではない話であることを理解した。
競馬・・・農水省。
モーターボート、競輪・・・運輸省。
宝くじ・・・大蔵省。
サッカーくじ・・・文部省。
パチンコ・・・公安委員会;警察。
さて、カジノは・・特例法。
日本の縦割り行政の中で、どこの役所が所轄するかで、かなり違ってくる。
天下り する先の確保 ということか。
服部真澄の問題意識は、すぐれたものがある。
登場する人物が、一体何をしようとしているのかが、ある意味では、人間的でもある。
お金をめぐって、人はいつも悩む。
足りなければ、苦しみもだえる。借金をする。
自分の入りが少なければ、その範囲内でおこなわないといけない。
そういう場合に、自分はどう考えるのか?
実にお金がさまざまな要因でいる。
そのときに自分は、誰に何を頼むのか?
日継育;お金をもっている。お金でできることの限界を理解する。
時代のなかにおいて、つねに異端的存在としている。「突然変異」的人間として描かれる。
企業としての組み合わせ。そして、戦略的思考力。
志貴大希(しきひろき)は、記者。
明野えみるは、ライター。
記者のもつ社会性。階層性。書きたいことも、かけない。
雑誌社に影響力のある存在のダーティーな部分を書くことができない。
アングラ・カジノに出入りするが故に、アングラカジノの尻尾をつかむ。
大使館のなかで、アングラカジノがひらかれる。
この設定はよく考えてある。「治外法権」での犯罪的行為。
実際にあるかもしれない。
結局は、何故パチンコが問題がないのか?
景品で変えることができるからだ。
「明野えみる」という存在は、ちょっとおもしろい。
結構、すばしっこいんだね。機転がきちんときく。
志貴の借金で苦しむ姿が、おもしろい。
奥さんが、志貴の愛を確かめようとするために、詐欺事件を自演するのも
いかにも、時代的ですね。
ふたりにとって、愛し合うという行為は、
どういうことなのか?
バカラAmazon書評・レビュー:バカラより
4163209204
No.15:
(3pt)

バカラの楽しさが伝わって来ない

作品のタイトルから一見ギャンブル小説と思われるが、実際
は週刊誌の記者を主人公としたマスコミの内幕物である。
しかし、登場人物達は一体何がしたかったのか、良く判らない。
特に財界の風雲児と言われる日継氏が登場する場面では、
とたんに描写が重苦しくなり、読むのが辛かった。
偶然の要素も多すぎる。

この作品からは残念ながらバカラの楽しさが伝わって来ない。
ちまちまとカードをカウントするブラックジャックなんかと違って、
バカラのテーブルは陽気に盛り上がってて楽しそうなんだよね。
ルール良く知らないからやった事は無いんだけどね。
バカラAmazon書評・レビュー:バカラより
4163209204
No.14:
(3pt)

面白いのだが。。。

主人公である優秀な週刊誌記者がカジノ合法化に関する取材を通じて大きな陰謀
に突き当たるダイナミックな話と、主人公が違法カジノから抜けられない葛藤を
巡る話が同時並行で進んでいきます。ストーリーとしては非常に面白いのですが、
スケールの大きい話の方でなく、主人公個人の話がメインストーリーとなって
いて、ちぐはぐな読後感が残りました。
バカラAmazon書評・レビュー:バカラより
4163209204
No.13:
(3pt)

単なる“賭博・ギャンブル”ものを超えた面白さ

タイトル通りの単なる賭博小説、ギャンブル小説と思ったら大間違い。 広い意味の「賭け」から「金」に取り憑かれたさまざまな人物が男女、老若問わず登場するが、物語は政界の黒幕・裏金から週刊誌のスクープ、果ては現政権転覆、政界再編にまで及ぶスケールの大きさに圧倒される。
バカラAmazon書評・レビュー:バカラより
4163209204
No.12:
(2pt)

ビジネスとして緊張感が足りない書物

残念ながら、取材不足、明らかな間違い・混同と言える箇所がある。
「トランプ」と言う言葉は、この世界では、使わないと聞く。「カード」である。「トランプ」を使うのは、ババ抜きである。

ハウスエッジ(または、ビゴリッシュ)をカシノとレース系で混同している。baccaratにおける、vigorishは、B1.17%、P1.38%である。
物語を面白く展開させるには、25%あたりを使う方が、都合がよさそうだが、数値の混同・錯誤は、他の表記の信憑性に疑問を投げかけざるをえない。

また、必勝法としてパーレイ、ダランベール、バーネットのマネーコントロールとしているが、この世界に合うのだろうか??この世界での必勝法は、ガジリと聞く。
BKローン100万円で、月の返済が2万円と言うのも、稀で現実としては、安すぎる感がある。
明けイチとまでは、いかないが、この世界では、4日で1割のものまで手を伸ばす。

いずれにしても、作者は、baccaratをしたことがない。または、あったとしても、おさわり程度である。
「命の次に大切なもの」を賭ける臨場感がない。
ゆえに、書き物としては、ビジネスとして緊張感が足りない書物と言わざるをえない。
バカラAmazon書評・レビュー:バカラより
4163209204



その他、Amazon書評・レビューが 16件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク