庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。

怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。

益子徳一、七十二歳、独身。定年後の人生を慎ましく過ごす独居老人の大真面目で可笑しくて少しだけせつない日常。

いまや誰もが知っている“妖怪”。

この現実は、すべて虚構だ。価値観を揺るがす連作奇譚集! 元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。

下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。

無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても生き返るという極悪人の噂を聞く。

デビュー30周年を記念した京極夏彦のファンブック。

舞台は明治30年代後半。

人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

幽晦との境界が、破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。

化け猫、河童、そして山姥―― 狂気に塗れた苦界を生き抜く女と、化生の者どもが織りなす怪奇譚。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

「推理はしないんです。彼は」。

「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。

なんか、怖い話ない？ 異界が覗き、怪異の似合う古い街。 男たちが喫茶店に集ってすること、とはーー。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

げんきなあなたがうまれます フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。

角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー、待望の第3弾。

東海道を舞台にした「蠱毒」も、残り23人。 人外の強さを誇る侍たちが島田宿で一堂に会した。

レジェンドへのリスペクトを胸に 人気作家7名が全力執筆! 真正面から挑戦する超絶技巧の本格ミステリから、 女子高に潜入する火村とアリスや 不可解なダイイング・メッセージに挑む 江神たちEMCの面々まで。

我々は、なぜ小説を読むのか。

月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。

人の意見を聞くまえの方が、自分の声を正しく聞けるチャンスだ──。

ドロドロに液体化した男性の遺体が都内で発見された。 死亡した男性は坂口の学者仲間・古屋教授。

大唐帝国の帝都・長安で生ずる、奇怪な連続殺人。 屍体は腹を十文字に切り裂かれ、臓腑が抜き去られていた。

『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』に続く、長谷敏司新作中篇300枚を収録。

2021年、名もなきコードがブッダを名乗った。

成都(せいと)随一の高級旅館、張家楼(ちょうかろう)。

1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。

ミステリー小説好きが集まり、酒を手に熱い議論をかわす占魚亭なるバーで、某推理作家が自作を語り始めた。

徐々に活動の成果を認められ始める潜入班。 ある日彼らの元に、似通った内容の調査依頼が複数舞い込む。

古の大盗賊が起こした事件の真相とは? スタイリッシュ歴史ミステリ。 鎌倉時代、都でつつましく暮らす老侍。

怪異による超常現象×名探偵の論理！　30年前から繋がる惨劇の連鎖。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

「黒死館殺人事件」でおなじみの刑事弁護士・法水麟太郎が活躍! 北多摩の尼寺・寂光庵。

神社の屋根にある千木、鰹木。

「人を轢いたかもしれない」 厳格な父親からの一本の電話。

数百年続く、凄惨なる呪いの戦い――。至高の恐怖と異形の謎に挑め。

その〈空洞〉から、すべては始まった。

一葉(ひとは)には母と2人だけの秘密があった。正体不明の異形――「泣き女」が見えるのだ。