同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。

華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。

結婚という言葉を使わずに、言いたいことを言うのは難しい。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。

恋愛しないとだめですか?賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。

黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことに、なんの抵抗もない。

二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオンの煌めく明るい街を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。

なんて小さな都だろう。 私はここが好きだけど、いつか旅立つときが来る――。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

「命をかけてた恋が、終わっちゃったの! 」失恋して自殺未遂したと噂される女友達。

17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ 私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。

第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

いつになったら、私は自由になれるのだろう。恋愛小説の最高傑作。

救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。

数合わせで出たミスコンの順位は、八人中八位だった。無遠慮に自分の価値を決められた日、琴子は北川に声をかけられる。

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。

おしゃれして、好きなインテリアで部屋を飾って、(ブラックだけど)アパレル勤務 みきは憧れの〈女子的生活〉を謳歌していたが、ある日、マンションの部屋の前に不審な男が。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

クラスでは目立たない存在の結佳。

商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。

美形でボンボンで博識だが、自意識過剰で幼稚で無神経。人生の決定的な局面から逃げ続ける喰えない男、伊藤誠二郎。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

読み終えた後、目の前の世界が変わる。芥川賞作家が書き続けてきた日常と想像のあれこれ。

恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。

受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。

筑波に住む中学三年生の黒江は、研究者をしている母との二人暮らし。両親の離婚以来、家庭に居場所を見つけられずにいた。

婚約者に結婚の延期を告げられた女、新しい恋を失ったシングルマザー、彼氏の代役をさせられた大学生、永遠を信じない実業家。

私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。 私の名は、矢島大穴(ダイアナ)。

おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でやせっぽちの麦くん。

タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。

あのとき、ふたりが世界のすべてになった―。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。