――深夜の修道院に響き渡る恐ろしい唸り声。それは、見習い修道士・メリエットが、悪夢にうなされてのものだった。

―アダム神父の後任として門前通り教区の新任司祭となったエイルノス。

―教会では夜半の祈りが捧げられていた。その静寂は、若者芸人とそれを追いかけて雪崩れ込んできた群衆によって破られた。

―四十歳以上も年下の花嫁を連れて、シュルーズベリに華燭の典を挙げに来たドンヴィル。

―自らの土地を教会に寄進することで楽隠居を考えた荘園主が、食事中に悶死する。

――女帝モードとスティーブン王の『骨肉の争い』は最終局面を迎えていた。

――12世紀、イングランドはシュロップシャ、シュルーズベリ大修道院の修道士達は、副院長・ロバートを先頭にウェールズに向かった。

シュルーズベリの人々が楽しみにしている聖ペテロ祭。ところが祭りの前日に町の若者と商人・トマスが思わぬ諍いを起こす。

―12世紀も半ばに差しかかろうというイングランド。

――シュルーズベリは混乱の極みにあった。

―リンカーンの戦いで女帝モード軍に敗れたスティーブン王は、ブリストル城に幽閉されていた。

―時は1120年の晩秋。

―資産家の未亡人ジュディス・パールが夫の死後、門前通りの屋敷を修道院に寄贈したのは四年前のことだった。

―略奪者ジェフロワによってラムゼー修道院は廃墟と化していた。

ホーモンドにある修道院との間で土地交換が行われ、新たにシュルーズベリ修道院の所有地となった畑地で、朽ちかけた布にくるまれた女性の白骨化した死体が発見された。

教会会議を前にアイオナ派の有力な修道院長が殺害された。

父の衝撃の発表から一週間。あの人がついに還ってくる。

―イタリア全土、イギリス、フランス、スペイン、北アフリカから小アジア地域まで版図を拡大したさしものローマ帝国も、ライン河を渡ることには難儀した。

敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。

クリスマスが迫るウィーンで、オペラ界の歌姫を看取った人々。

―紀元71年のローマ。

―紀元72年。

紀元一世紀のローマ―当時オリーブ油は料理だけでなく、照明・化粧・医療など万能のオイルとして、幅広く利用されていた。

砦に滞在していたローマ派の修道士が殺され、第一発見者のフィデルマは容疑者として拘束されてしまう。

―ファルコの親友、警備隊長ペトロの執念が実を結び、暗黒街のボスをローマから追放する日が来た。

「オリヴィエ・ド・ブルターニュはわたくしの息子なのです」。

聖ウィニフレッド移送祭を三日後に控えた修道院の広場に巡礼先で亡くなった羊毛商の柩を徒弟が運んできた。

修道院の寄宿舎に預けられていたリチャードは、亡くなった父親のあとを継ぎ十歳でイートンの荘園主となった。

―瀕死の重傷を負った修道士ハルインは、苦しい息のなかで18年前に、身篭った恋人に堕胎を促す薬草を使わせたと院長に告白した。

英国王妃のコレクションから、貴重な「嗅ぎ煙草入れ」が盗まれた。

教皇のお膝元ローマでアイルランドとサクソンの争いが再燃しかねない事件が発生。

1514年夏。

人工知能の研究で世界的な名声を博す科学者。

第二次世界大戦末期。英国軍パイロットのブライアンとジェイムズはドイツ上空で撃墜されてしまう。

リンダ・ヴァランダー、まもなく30歳。

疫病が国土に蔓延するなか、王の後継者である兄に呼ばれ故郷に戻ったフィデルマは、驚くべき事件を耳にする。

ヘレナが無事に次女を出産。いっぽう未亡人となった妹マイアには、いやな男がつきまとう。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマ。

16世紀ロンドン。法廷弁護士シャードレイクのもとに、従弟殺害の罪を問われている少女エリザベスの弁護依頼が舞い込む。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を痛快に解き明かす傑作短編集。

ヨークヴィル大学構内でフォイル次長警視正が拾った紙片には“殺人計画"が書かれていた。決行は今夜八時。

緑豊かなアラグリンの谷を支配する、氏族の族長エベルが殺された。現場には血まみれの刃物を握りしめた若者。

いつかこの手で大聖堂を建てたい―果てしない夢を抱き、放浪を続ける建築職人のトム。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが解き明かす事件の数々。

秋の夕方、小さな村をドライブしていたジェリーは、一人の若い娘に出会った。

騎士階級に昇格したファルコにもちかけられたのは、風刺詩集の出版話。

―休止状態にあったセント・アサフの司教区が復活するにあたり、新任の司教のもとへ助祭マークが書簡と贈り物を届けることになった。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。

全米ベストセラー第1位 全世界が待っていた! 1500万部のベストセラー『大聖堂』続編 いつか、イングランドでいちばん高い建物を建てる――大きな夢を抱く建築職人のマーティンは、その才能に嫉妬した元親方の策略によって破門され、細々と生計を立てていた。

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。

12歳のマイロの両親が営む小さなホテル〈緑色のガラスの家(グリーングラス・ハウス)〉。

法廷弁護士にして裁判官である美貌の修道女フィデルマが、鋭い推理で数々の難事件を解決する。

自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。

時は紀元70年のローマ。

雪の予感がする早朝、小さな村から異変を告げる急報が入った。駆けつけた刑事を待っていたのは、凄惨な光景だった。