蜘蛛の巣
- 修道女フィデルマシリーズ (7)
- 歴史ミステリ (189)
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現代よりも身分や性別による蔑視が露骨におこなわれたであろう歴史の中で、女性が胸を張って(あるいは胸を反らして)活躍する姿は小気味よい。 ただし、主人公フィデルマは能力だけでなく、身分によっても保護されており、それがカタルシスを満たす場面もあるが、なにか空疎な感じがしなくもない。 ミステリーとしては、中途で事件の大筋に見当がつき、それが裏切られることはない。それがむしろ安心感となって、遠い国の遠い時代の話をゆっくりと楽しむことができた。 フィデルマはきわめて有能で相応の自負も抱いているが、その知性は学ぶことに対して謙虚である。本作ではその謙虚な面が巧みに描かれ、さらに女性としての心の揺れが当人にも自覚されていくことで、彼女の魅力が増しているように思われる。 興味を持たれている方は、邦訳順ではなく、原著の執筆順に読まれることをお勧めする。 | ||||
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既訳長編三作の中で、もっとも本格推理の要素が濃いのがこの作品です。小さな手がかりを積み重ねながら論理的に犯人を絞って行き、最後は名探偵の「犯人はお前だ」会議で締めくくるという王道。記述もフェアです。 他にも、森の賢者、フィデルマ、ローマ派神父の間の新旧の宗教を巡る討論(ワトソンはここでもワトソンで可哀想)や、障害者についての古い知恵など知的な読みどころがあり、フィデルマ自身の内面もだいぶ描かれています。作品世界での時間関係からいくと齟齬がありますが、邦訳第一号としては妥当なのでしょう。 | ||||
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七世紀のアイルランドを舞台にしたミステリ、ということで当初は作中用語に慣れるため、巻末の訳注を引きながら行きつ戻りつ読むことになってしまう。 用語に慣れてくると、裁判官にして修道女、法律に精通するわ、剣や弓もこなし、王妹でもあるフィデルマ(20代半ばの美女らしい・・・)の活躍する女性主人公もののミステリとして楽しめた。 殺人の舞台となった谷では、「金田一耕助」シリーズを思わせるような、血族間での未亡人・娘・権力者や司祭まで入り乱れた複雑で陰湿な人間模様が絡み合う。 また、馴染みの薄い世界が舞台なので、世界観がしっかりした(当たり前だが)ファンタジーとしても楽しく読ませて頂いた。外国人が日本の水戸黄門とか翻訳して読んだらこんな感じかもしれない(変な例えで恐縮です)。 ともかく中世初期のアイルランドが、こんなにも法制度が整っていて、女性が活き活きと活躍できる世界だったとは驚き。 詳細に描かれた世界観に引き込まれ、さらに主人公と若き修道士エルダルフとのロマンス(?)の行方も気になり、計17作品発表されているというシリーズ他刊の翻訳が待ち遠しい。 待つ間、同作者の「アイルランド幻想」(アイリッシュ・ホラー短編集)も読んで見たくなった。 | ||||
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ミステリとしての出来うんぬんは別として、 修道女フィデルマシリーズの5作目にあたる本書が なぜ邦訳第一作に選ばれたのか? 訳者と原作者の間で検討され、合意した結果ということだけれど 個人的には不賛成。 本書では、すでにフィデルマの素性も明らかになり、 かつ母国での活躍ということなので、フィデルマが偉そうにできるわけが よくわかってしまう。 その分、人間的な謎解きの要素が無くなってしまった。 このシリーズに関しては、書かれた順序に読むことに意味があると思う。 「修道女フィデルマって誰なんだろう?」「サクソン人との関係は何?」 「そもそも7世紀ってどんな時代なんだろう?」 そうした点も楽しみたいのであれば、第一作Absolution By Murderを読むか その邦訳を待つべきだと思う。 それにしても日本語で話すフィデルマって本当に偉そうで鼻持ちならない感じ。 | ||||
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