消えた修道士
- 失踪 (242)
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幼き子らよ、と蜘蛛の巣と並んで消えた修道士、好きです。集中して読みました。アイルランド深いな。 | ||||
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ラストまで止まらないです。気合で読み進む。 | ||||
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フィデルマシリーズ(翻訳)最終長編。2つの謎解きが同時進行するも、相変わらずのクールな活躍をみせてくれるが… エピローグが切なく、フィデルマのこの先が気になって仕方ない。本国では沢山刊行されている後のシリーズが邦訳される予定はもうないのだろうか。 | ||||
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ピーター・トレメイン著、甲斐萬里江訳『消えた修道士』上下巻(創元推理文庫、2015年)は「修道女フィデルマ」シリーズの小説である。「修道女フィデルマ」シリーズは七世紀アイルランドを舞台とした歴史ミステリーである。主人公フィデルマは修道女であるが、弁護士の資格を有しており、怪事件を解決する。本書では国王と対立する族長の両者を狙った暗殺未遂事件が起きる。 本書はローマ・カトリックやゲルマンと異なるアイルランドの法制度が背景にある。それは現代人には馴染みが薄い。そこは異国の僧侶であるエイダルフが読者の代わりに質問する役割を果たしている。 エイダルフは、良きワトソン役になっている。医学の心得のある点もワトソンと重なる。長旅に疲れ果てて弱音を吐く描写は、一緒に旅するフィデルマのタフさを浮かび上がらせる。 フィデルマは理知的な人物である。端から見ると非情な判断も下す。面白い点は、恐怖に心を乱されていると冷徹になることである(上巻274頁)。そのようなタイプの人もいる。 | ||||
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フィデルマは弁護士の有資格者であるが、このシリーズでフィデルマのしていることは弁護士というよりも探偵である。これに対して本書では裁判が開かれ、フィデルマが弁護士としての役割を果たす。中世アイルランドの法廷手続きは読み応えがある。 ところが、それは裁判の序盤だけで、途中からはフィデルマが自分のやり方で真実を明らかにすると宣言して、探偵風の謎解きになった。やはりミステリーに求められるものは探偵か。中世アイルランドの訴訟手続きも興味深いため、法廷手続きで勝負するフィデルマも見てみたい。 本書をミステリーとして読むならば読者は真犯人をミスリードされる。ミスリードされた登場人物は十分に怪しい行動をしていた。あまりにも露骨な怪しさのため、一時は引っ掛けで真犯人は別にいると思っていたが、怪しさが重なるために真犯人と思ってしまった。読者として著者に欺かれてしまった。 面白い点は彼が怪しい行動をした理由である。彼の方では主人公を怪しいと思っていた。一般に探偵は世界の観察者として振る舞う。探偵が世界に影響を与えることは少ないし、与えるものではないという考えも強い。 探偵が登場人物を意図通りに動かすために罠を仕掛ける場合は別であるが、探偵の存在によって登場人物が影響を受けて行動を変えるとなると謎解きは格段に難しくなってしまう。安楽椅子探偵というジャンルがあるが、それは必ずしも探偵に制約を加えるものではない。探偵が現場に影響を及ぼさず、観察者に徹するというメリットがある。 これに対して本書は探偵の存在が探偵の意図しない形で登場人物に影響を及ぼし、謎解きを複雑にするという難易度の高いものになった。フィデルマは国王の妹で、海外で学び、高位の資格を持つために水戸黄門的な権威を持つことがあるが、本書では逆に混乱も生んでいる。自己の強みが全ての場合において強みになるとは限らないという面白さがある。このシリーズのフィデルマの設定が単に主人公を勝たせるための御都合主義的な設定ではないことを示している。 | ||||
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