(短編集)
修道女フィデルマの洞察
- 修道女フィデルマシリーズ (7)
- 歴史ミステリ (189)
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『Hemlock at Vespers』(2000年)に収録された15篇から5篇を選んで翻訳したもの。 「毒殺への誘い」「まどろみの中の殺人」「名馬の死」「奇蹟ゆえの死」「晩禱の毒人参」が収録されている。 古代アイルランドが舞台。国王の妹にして弁護士の資格をもつ女性修道士が探偵役となって、殺人事件を解決していくという趣向だ。 著者はアイルランド史の研究者であり、小説家でもあるという人物。そのため、しっかりした歴史考証に安心できる。 トリックそのものはやや平板な気もするが、ひとひねり加えられており、読後感の満足度は高い。水際だった名探偵っぷりもいい。 | ||||
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感想としては、『修道女フィデルマの叡智』と同じであり、詳しくは、そちらの筆者の感想をご一読いただきたい。 さて、読んでいてかなり面白い作品なのだが、『修道女フィデルマの叡智』と同じく作者は毒殺のシチュエーションについて詰めが甘いと感じた。 例えば『名馬の死』では、馬が毒草を食べされられて死んだという状況の後、「たとえ野原に放されていておっても、馬という動物は悧巧で鋭い感覚をもっとります。彼らは毒になるものを大抵は見分けます」という登場人物のセリフがある。 ならば、どうやって馬に毒を食べされたのか?、馬の口に毒草を持って行っても食べないだろうし、飼葉桶の中に混ぜても、おそらくは毒草を見分けて口をつけないと思われる。 解決時にそのあたりの描写を期待したが、結局何も触れられていなかった。つまり、馬にそのまま与えたら食べてしまったと言うことになっているようである。なんとも矛盾しているようで、この辺りまで論理的に通ったトリックにしてくれたら、とても良い作品になるのに残念であった。 『修道女フィデルマの叡智』と『修道女フィデルマの洞察』を通して読んだ感想としては、作者は毒薬がらみでのトリックの詰めが甘い所があると感じた。 | ||||
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紀元七世紀アイルランド五王国の王女にして上位の法廷弁護士を務める美貌の修道女フィデルマの鋭い名推理と公正で人間味溢れる裁きを描く傑作5編を収めた歴史ミステリー短編集第2弾です。既に長編3冊と昨年には秀作短編5編が紹介されて日本でもすっかりお馴染みになった修道女フィデルマの資質で素晴らしいなと感じるのは、今流行りの「整いました!」に匹敵すると思える真に迅速に推理判断する能力と信念を持って裁きを下す確かな決断力です。本書には単純な正義だけでは判断出来ない多くの人々に多大な影響を及ぼす問題を孕む作品が二編収められており、彼女が迷いながらも答を出す人間的な思いやり溢れる裁きを読んで、厳しいだけでない女性らしい優しさに触れられ心が洗われます。 『毒殺への誘い』悪名高い族長が招いた七人が集う宴席の場で毒殺事件が起き、フィデルマは信じられない人間の邪悪な企みを暴く。『まどろみの中の殺人』フィデルマは殺人の証拠が歴然とした修道士の弁護に乗り出し狡猾で冷酷な真犯人を突き止める。『名馬の死』競馬見物に訪れたフィデルマは名馬と騎手の2つの死に遭遇し複雑に絡み合った謎を解き明かす。『奇蹟ゆえの死』孤島で不可解な死を遂げた修道女の調査に派遣されたフィデルマは排他的な島民の隠された秘密に迫り全てを勘案し最良の決断を下す。『晩祷の毒人参(ヘムロック)』修道院で連続毒死事件に遭遇したフィデルマは、法の番人か一個人か立場の選択を迫られ迷いながらも人生最大の決断をする。 犯罪捜査の面で未成熟な古代を舞台にしながらも人間心理と物的手掛かりを巧みに絡めた魅力的な謎解きを構築し細やかな人情味の要素をも加えた作品はどれを取っても読後に必ず満足をもたらしてくれますが、欲を言えば更に突き抜けたトリッキーな独創性があれば良いなとも思います。まだまだ健筆な著者の今後に期待して未紹介の作品群が読める日を楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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紀元七世紀アイルランド五王国の王女にして上位の法廷弁護士を務める美貌の修道女フィデルマの鋭い名推理と公正で人間味溢れる裁きを描く傑作5編を収めた歴史ミステリー短編集第2弾です。既に長編3冊と昨年には秀作短編5編が紹介されて日本でもすっかりお馴染みになった修道女フィデルマの資質で素晴らしいなと感じるのは、今流行りの「整いました!」に匹敵すると思える真に迅速に推理判断する能力と信念を持って裁きを下す確かな決断力です。本書には単純な正義だけでは判断出来ない多くの人々に多大な影響を及ぼす問題を孕む作品が二編収められており、彼女が迷いながらも答を出す人間的な思いやり溢れる裁きを読んで、厳しいだけでない女性らしい優しさに触れられ心が洗われます。 『毒殺への誘い』悪名高い族長が招いた七人が集う宴席の場で毒殺事件が起き、フィデルマは信じられない人間の邪悪な企みを暴く。『まどろみの中の殺人』フィデルマは殺人の証拠が歴然とした修道士の弁護に乗り出し狡猾で冷酷な真犯人を突き止める。『名馬の死』競馬見物に訪れたフィデルマは名馬と騎手の2つの死に遭遇し複雑に絡み合った謎を解き明かす。『奇蹟ゆえの死』孤島で不可解な死を遂げた修道女の調査に派遣されたフィデルマは排他的な島民の隠された秘密に迫り全てを勘案し最良の決断を下す。『晩祷の毒人参(ヘムロック)』修道院で連続毒死事件に遭遇したフィデルマは、法の番人か一個人か立場の選択を迫られ迷いながらも人生最大の決断をする。 犯罪捜査の面で未成熟な古代を舞台にしながらも人間心理と物的手掛かりを巧みに絡めた魅力的な謎解きを構築し細やかな人情味の要素をも加えた作品はどれを取っても読後に必ず満足をもたらしてくれますが、欲を言えば更に突き抜けたトリッキーな独創性があれば良いなとも思います。まだまだ健筆な著者の今後に期待して未紹介の作品群が読める日を楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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「修道女フィデルマの叡智」に続く短篇集第2弾です。 長編を待っていた身には肩透かしをくらった感がありますが、小気味よいテンポの短編5作です。 パートナーであるエイダルフ修道士がどの作品にも登場しなかったのは残念ですが、常の端正なフィデルマとはちょっと違った表情が見られる「名馬の死」や、法に忠実な彼女の煩悶と決断が印象深い「晩祷の毒人参」など読み応えがある作品集です。 古代アイルランドの優れた法典ブレホン法とともに、神話が息づく不思議な世界が相変わらず読む人を魅了します。 解説によればシリーズ第1作が翻訳中とのことで、出版の日が待たれます。 | ||||
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