錆色の女神
- 密偵ファルコシリーズ (17)
- 歴史ミステリ (189)
- 歴史ミステリー (85)
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紀元71年の真夏のローマ。 第1巻、第2巻でウェスパシアヌス帝を認めない一部元老院議員らの謀叛の企てを突き止め、首都ローマの住民が必要とするエジプトからの小麦輸送を質にとっての政権転覆の企みを根こそぎ葬り去ることに成功した若干30歳の元軍団兵士でいまは民間人「何でも屋」のフアルコは、成功を嫉んだ小役人に帝国財産の使い込みを弾劾されて牢屋に送られた。 政府のため命懸けで働いた結果がこれ。保釈後、公用に厭気がさしたフアルコが引き受けた仕事は、富裕な解放奴隷の実業家大家族内の婚姻を巡るいざこざ処理。現代流には司直の目を通り抜けた後の遺産狙いの結婚詐欺や老花婿殺害疑惑の再調査であった。 金持ちからたんまり成功報酬を稼ぐだけのつもりが、いつしか(報酬を出してくれる人間が誰もいないのに)底辺層を食い物にする悪徳不動産業(兼暴力団)の組織的壊滅に向けて独り立ち向かうことに。一匹狼の「破れ傘浪人」なのにファルコはなぜかいつも公を背負ってしまう。シリーズのお約束事である。 手弁当の調査継続をファルコに決意させたのは、実業家大家族の屋敷で料理人を務めるガリア出身の戦争捕虜の奴隷だった。この男は、事情聴取の場でファルコと一緒に口にした酒に(真犯人の一人が持ち込んだ毒入り)香辛料を入れたか入れなかったかの紙一重の違いで、睡眠中に誰にも看取られることなく他界してしまった。わびしい葬儀に参列したファルコが回想する。「ひとりになると、松の根元に座って、ガリアから来た男のことを考えた。いいやつだった。運命を甘受しながら自分の生き方は崩さなかった。自尊心の高い立派な男だった」240ページ 自分と同じ少数派人種、サイレントマイノリティには気持ちが動くのだろう。2000年前のローマに生きたファルコは、20世紀の英国人女性の創作なのだが、21世紀に日本語訳で読んでも遠い時代の異文化のヒーローで終わらないのは、平素は斜に構えた主人公が随所で見せてしまう「浪花節」の故もありだろう。 真犯人の一人とおぼしき人物との結託も疑われる占星術師の老女のもとをファルコが去る直前、老占い師が頼まれもせずに言う。「あんたを愛している女性は、あんたより強運の持ち主だよ」100ページ この女性、ヘレナ・ユスティナの掌の上で転がされている限り、private informerファルコは、どんな危険なミッションに飛び込もうが命を落とさずに彼女の待つ家に帰れるのかもしれない。 | ||||
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知人に勧められて読了。フラヴィウス朝時代の古代ローマを舞台にしてしがない密偵ファルコが陰謀の捜査に挑むお話です。 皇帝ヴェスパシアヌス、皇子ティトゥスにドミティアヌスが型にハマった性格をしているのがフラヴィウス朝好きな身としては気になりますが映画のように読みやすく最初から最後まで飽きさせない楽しい作品でした。ファルコもそうですが恋人ヘレナの性格もとても現代人ふうで、そのわりに二人とも恋愛については不器用すぎて二人ともトラブル・イズ・マイ・ビジネスしすぎです。 けっこう細かいところで首都ローマの風俗をきちんと描いていて大都会ローマは意外と現代的だったのかもしれない、と思わせてくれます。 | ||||
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「白銀の誓い」「青銅の翳り」に続く第3弾ですが、ヒロインのヘレナを始めとして、出てくる女性がパワーアップ♪3作目となると、(ご存知の)主人公ファルコの母や姉はモチロンのこと、今回のメインの美女セヴィリナや彼女を殺人犯と罵る女性たち、そして脇役の隅々まで男性陣が太刀打ちできない女性だらけ。この作者はナヨナヨとした女性は描けないのではないかと思うくらいです(笑)ローマ時代の名前が覚えられないのも毎度のことですが、紙切れの1枚とペンの1本も手元におけば、結構イケます。解放奴隷とか意味のわからないコトバも何とはなしに理解できるようになります。ヒラメがご馳走だったとか、ローマ皇帝の財政は逼迫していたとか。方向音痴なので、古代ローマ地図は役立たず~でしたが。今回は狭義のローマ都市そのものだけが舞台のため、ちょっとほっとしました。1回目はミステリを味わい、2回目は歴史を楽しむ~そんな本です。但し、長編ですので、途中で飽きたらちょっと塩野七生の「ローマ人の物語」を読みたいと思っています♪ | ||||
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「白銀の誓い」「青銅の翳り」に続く第3弾ですが、ヒロインのヘレナを始めとして、出てくる女性がパワーアップ♪ 3作目となると、(ご存知の)主人公ファルコの母や姉はモチロンのこと、今回のメインの美女セヴィリナや彼女を殺人犯と罵る女性たち、そして脇役の隅々まで男性陣が太刀打ちできない女性だらけ。この作者はナヨナヨとした女性は描けないのではないかと思うくらいです(笑)ローマ時代の名前が覚えられないのも毎度のことですが、紙切れの1枚とペンの1本も手元におけば、結構イケます。解放奴隷とか意味のわからないコトバも何とはなしに理解できるようになります。ヒラメがご馳走だったとか、ローマ皇帝の財政は逼迫していたとか。方向音痴なので、古代ローマ地図は役立たず~でしたが。今回は狭義のローマ都市そのものだけが舞台のため、ちょっとほっとしました。1回目はミステリを味わい、2回目は歴史を楽しむ~そんな本です。但し、長編ですので、途中で飽きたらちょっと塩野七生の「ローマ人の物語」を読みたいと思っています♪ | ||||
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