暗き炎 チューダー王朝弁護士シャードレイク
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主人公の分裂した魂を象徴するような二つの事件は、結局繋がることなく、それぞれに決着を迎えます。が、主人公の内面では二つが密接に絡み合って、新たに世界と関わり合ってゆく道筋を作っていってくれることになります。 全く絶望しきって、自分はスケープゴートとしてこのまま死んでゆくしか道はないのだと思い込んでいる少女を救うことで、主人公は少女のみならす、自身の魂をも救うことになります。 それを助けてくれることになるのが、もう一つの事件のために助手として押し付けられた傍若無人な若い男であり、その男もまた深く傷付いていて、その上に事件が解決されなければ生きてゆく道を失うかもしれないという崖っぷちに立っている、というのも象徴的です。 最後は三人共、無事に再生の道を歩み出せることとなる訳ですが、世界の方は、混沌としていた政治も社会もますますぐしゃぐしゃになった感があって、大丈夫かなあ、しかしヘンリー八世の時代のイギリスって、本当にこんなにも酷い世界だったのか…と、少々気が滅入りもします。 でも、どんな暗い世界でも、人は胸の内に希望の灯を持つことが出来るのだと、教えてくれる物語でもありました。ありがとうございます。 | ||||
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二作目も相変わらずの上手さで、一頁目からぐいぐい引き込まれます。 今回も暗い話ではありますが、修道院の中にずっと閉じ込められていた前作とは打って変わって、今度はロンドン中を駆けずり回るので、ちょっと解放感はありますし、二つの全く異なる事件を同時に手掛けることになるので、変化も楽しめます。 また変化と言えば、主人公自身も、前作の悲壮な体験を経て、それまで何十年もかけて形造ってきた信仰心も信念も、冷淡な外面も無残に崩れて、別人のようになっています。 この魂の危機をどう乗りきってゆくのか、が今作の一つのテーマのような気がします。 その上で二つの事件をどう解決に導くのか、又、二つの事件はどのように繋がってゆくのか、全く見えないだけに下巻もますます楽しみです。 | ||||
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他の方も指摘するとおり、本書の傑出した魅力は、ミステリーとしてよりも (とはいえロマンスやアクションの要素もあり充分に楽しめる)、チューダー期 イングランド/ロンドンの精彩に富んだ描写である。 それに加えて物語に深みを与えているのは、著者のヒューマニスティックな視点だ。 エラスムスに傾倒する主人公の弁護士は、物語の終盤で次のように述べる。 「なぜ信仰心はおおぜいの人間の悪意を引き出すんだろうか。 なぜ人々を―教皇派であれ改革派であれ―獣にしてしまうのか」(下319頁) 宗教戦争(コンフェッショナリズム)を克服するために絶対主義が求められた、 と現代の教科書は言う。しかし、かつてトマス・クロムウェルとともに宗教改革の 理想を熱く語り合った主人公が目の当たりにしているのは、政治権力の魔性により 変質した宗教的理想であり、また宗教を道具として人々(貴族から物乞いまで)を 翻弄する絶対王政であった。 圧倒的な権力を前にして、個人は無力かもしれない。しかし、ムーア人の親友 ガイ・モルトンと主人公との真摯な交流からは、それでもなお人間性は信頼に 値するものなのだ、という著者の想いが読み取れるように思う。 | ||||
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時代背景は、15世紀イングランドとかなりマニアックですが、登場人物のキャラクターに好感が持てます。 キーワードとなる「ギリシア火」かなりマニアックではないでしょうか。 | ||||
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前作同様、主人公やその周辺の人物に好印象。 イギリスの歴史ミステリでは、ヴィクトリア朝時代が多いのですが、 絶対主義確立期の時代背景が興味深かったです。 | ||||
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