手話通訳士の荒井尚人は、コミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳をする生活の中、場面緘黙症の少年に手話を教えることになった。

『龍の耳を君に』の事件を経て、みゆきと再婚した荒井。

世界でもっとも読まれているクリスマスの物語、 チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』。

ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。

東京でインテリア・アートの販売員をするOL、真紅。仕事に挫折し、母親の待つ故郷に帰るべきではないかと悩んでいたある日。

売れないアラサータレント「おかえり」こと丘えりか。唯一のレギュラー番組が、まさかの打ち切り…。

魔犬の呪いで妹を失った三きょうだいは、ママと一緒にパパが残してくれた別荘に移り住む。

埼玉県警の何森(いずもり)は、昔気質の一匹狼の刑事である。仕事一筋ながら協調性はなく、県内の警察署を転々としていた。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。

雪崩で死亡した兄の遺品を整理するうち、増田直志はザイルに施された細工に気づく。死因は事故か、それとも―。

コロナ禍の2020年春、手話通訳士の荒井の家庭も様々な影響を被っていた。

由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。

なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか―。

母と娘。二種類の女性。

『デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士』で話題をさらった丸山正樹氏、初めての児童書。

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。

事故で重度の障害を負った妻(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。

ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう―戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、影響を受けた小島秀夫監督にオマージュ

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。

19世紀末―かのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。

第52回メフィスト賞受賞作 ある夕方、保育園から榎本千夏子に一本の電話が入った。

猫は戻り、涸れた井戸に水が溢れ、綿谷昇との対決が迫る。壮烈な終焉を迎える完結編。

ベトナム人技能実習生が派遣先の上司を刺して行方をくらました。

大学の同級生だった麻矢、璃子、友梨香。三人はよく飲みに集まっては夫の愚痴を口にし、日頃の鬱憤を晴らしていた。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

僕とクミコの家から猫が消え、世界は闇にのみ込まれてゆく。―長い年代記の始まり。

致命的な記憶の死角とは?失踪したクミコの真の声を聴くため、僕は井戸を降りていく。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

ある大雨の夜、冴えない中年男・戸沼暁男が刺殺された。

「死んでいく患者も、愛してあげてよ」 命の終りを真摯に見つめる現役医師による、感涙のデビューミステリ。

マスコミは人の不幸を娯楽にする怪物なのか 葛飾区で女子高生誘拐事件が発生し、不祥事により番組存続の危機にさらされた帝都テレビ「アフタヌーンJAPAN」の里谷太一と朝倉多香美は、起死回生のスクープを狙って奔走する。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨(ゆり)はある時、かつての親友・里子(さとこ)が無邪気に語っていた言葉の意味に気付き、衝撃を受ける。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。

暗号名ソリッド・スネーク。

出版社で働く派遣社員の倉本渚は、ある日AV女優連続不審死事件の容疑者が遺したルポ「アルテーミスの采配」を手にする。

「読者が犯人」というミステリー界最後の不可能トリックのアイディアを、二億円で買ってほしい―スランプ中の作家のもとに、香坂誠一なる人物から届いた謎の手紙。

大森康介は新米介護士。特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めたものの、便臭にはまだ慣れることができない。

14歳の少年Aによる20年前の女児殺害事件。その残酷な犯行映像が闇売買された。

純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。

神奈川県警が劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。 巻島史彦警視は、誘拐事件の捜査を任された。

あの晩、あの電話に出ていたら。同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。

NPO法人「子供の家」の代表で、虐待・差別・体罰・貧困といった子供の人権救済活動に関わっている河原はある日、SNS上で〈このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも〉【NAGOYA JK】というヤングケアラーと思しき書き込みを見つける。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。

報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。

さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。