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リガの犬たち



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【この小説が収録されている参考書籍】
リガの犬たち (創元推理文庫)

リガの犬たちの評価: 3.67/5点 レビュー 21件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全21件 1~20 1/2ページ
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No.21:
(3pt)

冷戦末期・ソ連崩壊期のバルト3国の緊張感。

刑事ヴァランダー・シリーズ第2作。今回はスウェーデン南部に流れ着いたボートの中の2人の死体から事件が始まり、ヴァランダーは冷戦末期・ソ連崩壊期の不安定な政情のラトビア・リガに赴くことになる。本作のヴァランダーは偽造パスポートでリガに入国するなど、第1作よりはるかに大胆なヒーローになっている。私としては第1作のような地道な話の方が好きかな。ただ、ソ連から離れようとする勢力とソ連の元に止まろうとする勢力がぶつかるラトビアのヒリヒリするような緊張感がよく伝わってくる。
リガの犬たち (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:リガの犬たち (創元推理文庫)より
4488209033
No.20:
(5pt)

北欧がちょっぴり身近に

スウェーデン、デンマーク、ラトビアが舞台の刑事物。Amazonプライムビデオと文庫本では大分ストーリーが異なりますが、それぞれ見応え読み応えがあります。
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No.19:
(5pt)

007は記録保管庫で便をする。

危機一髪・・ヴァランダーはこらえ切れなく・・始末した。ショーンコネリーだったらと思うとなお更・・笑いが込み上げてくる。片思いの未亡人の為に、仲間にも嘘をついて外国へ非合法で忍び込み、散々どつかれた挙句、抜け殻となって生還すると言う、本当はスパイ小説なのだ!!
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4488209033
No.18:
(3pt)

今回は潜入捜査官だ(一部にネタバレあり)

ヴァランダー2作目にして自分にとっても購読2作目に当たる『リガの犬たち』。読むのは初めてになる当シリーズだが、すでにケネスブラナー主演のドラマは見てるのでどこか親しみがわく。と同時にクルトと言えばどうしてもケネスブラナーが浮かんでしまう。

さて本作だが自分が北欧ものに求めるのが「ミステリアスな寒い冬のスウェーデン」になるためリガが舞台になる『リガの犬たち』は評価が下がってしまう。それと合わせヴァランダーにはスーパー刑事でもなくポワロのような灰色の脳みそも持ち合わせてない平凡な田舎の所轄署勤務の警察官を。
(もっともブラナーは映画でポワロを演じるのだが。そこが面白い)

そんなヴァランダーがことも有ろうに偽造パスポートでポーランド~ラトヴィアへ侵入する。まるでジョンルカレ作品の工作員はだしで。だがこれはこれで良しとしよう。おそらく作者は単純な刑事ものを描きたいのではなく、ヴァランダーの目を通して「現代スウェーデン」、「鉄のカーテンが崩壊していく過程」をバルト海沿岸諸国を舞台に描きたいのだと思う。それを思えば自分の望むヴァランダーは今回は我慢しよう。

当のヴァランダーは相変わらずおっちょこちょいで小心な面も見せてくれる。凄腕工作員並の機転でまさかの中央警察のマル秘中の資料室に潜入を果たす。がそこで堪えきれずに手近のゴミ箱に脱糞する。ズボン下ろしてゴミ箱に跨るわけだ。こんなヒーローも珍しい。いやヒーローではないのか? ドラマだと二枚目俳優ケネスブラナーが演じるんでピンとこないが、そんな人間味あるキャラクターを愛せずにはいられない。
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No.17:
(3pt)

分からんことだらけの不思議な小説

この物語のメインテーマは主人公のバイバへの思慕でしょう。これなしでこの物語は成立しない。なのに思慕を抱くに至った小説的描写がまるでないのがどうにも解せない。いきなり惚れてますじゃ小説にならんでしょう。救命ボートの死体がホモのごとく抱き合ってた理由も謎のまま。ラトヴィア国家の転換期のゴタゴタを書くことで小説のつまらんさのカモフラージュに大成功しています。
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No.16:
(4pt)

商品受領

4日届きました。
商品も良好でした。
ありがとうございました。
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4488209033
No.15:
(2pt)

ひどい訳

柳沢さんは評価に値する翻訳者だと思っていたのに。バルト諸国、或いは、バルト三国。バルカン諸国と一ヶ所ある。マンケル自身の誤謬なの?
楽しい読書だが、毎回、最後はこんなものか、とがっかり。
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No.14:
(3pt)

ヴァランダー自身の物語となってしまっていて、社会問題を扱った警察小説へと昇華出来ていない凡作

ヴァランダー刑事シリーズの第二弾。本作も北欧ミステリ(あるいは本シリーズ)らしく、謎解きというよりは、社会問題(本作では旧ソ連崩壊後のバルト三国(海を介せばスウェーデンの隣国と言って良い)の実情)を採り上げるという特徴こそ出ているものの、ストーリー展開に無理があり、求心力を欠いた凡作になってしまっている。果たしてヴァランダー刑事シリーズ中の一作として発表する必要があったのだろうか ?

物語の発端は二人の銃殺体を乗せた救命ボートがイースタ湾に辿り着く事。この二人がラトビア人らしい事が判明し、ラトビアから調査のために正義漢の中佐がやって来る。その中佐は何かを発見し、帰国するが、帰国直後、暗殺されてしまう。ここまでは良い。ところが何と、ヴァランダーが参考人(実は非監視者)としてラトビアへ飛ぶのである。ヴァランダーはラトビアの組織的腐敗・闘争に巻き込まれてしまうのだが、当然、ラトビアは言葉を含めて不案内で、ラトビアの組織の内情を知る由もなく、ましてや捜査権もない。単に巻き込まれるだけで、ヴァランダーが活躍する余地がないので読んでいて面白くない。腐敗組織の規模は不明だが、中佐の暗殺を指示した犯人は二人の大佐の内どちらかなのだが、読者がそれを推理する伏線も張られていない。

次作「白い雌ライオン」の様に、スウェーデン側とラトビア側とを並行して書き進める等の工夫が欲しかった所。次作以降、ヴァランダーの"心の愛人"となるバイバ=リエパが思わぬ形で登場するのがサービスとも言えるが、ヴァランダーがバイバ=リエパに心を寄せた理由も不明瞭で、これまた不満足感を覚えた。これを含め、ヴァランダー自身の物語となってしまっていて、社会問題を扱った警察小説へと昇華出来ていない凡作だと思った。
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No.13:
(4pt)

刑事物が途中からハードボイルドに

スウェーデンの片田舎の海岸に流れ着いた救命ボートに2人の射殺死体。
この死体をめぐる謎解きは普通の刑事物として始まり、死体の身元や救命ボートの謎を解き明かすミステリーとして展開していくが、死体がバルト海の対岸のラトヴィアから流れ着いたものだと判明し、ラトヴィアから派遣された刑事との合同捜査を経て、事件がラトヴィアに移送されるあたりから物語がにわかに急転回し、スパイ物もどきのハードボイルドタッチになっていく。これは刑事ヴァランダーシリーズでは異色の展開といえるだろう。
この著作が書かれたのはソ連崩壊直前であり、当時ソ連邦内だったバルト三国の独立運動も活発化していた。
ベルリンの壁の崩壊に続く東欧諸国のドミノ倒しのような民主化で、ソ連の支配も末期的だったと思われるが、それだけに守旧派の暴力的な締め付けもあったはずだ。そういう時代背景を考えると、ハードボイルドタッチもあながち現実離れしたものではないだろう。
いずれにせよ、この小説では、ジェームズ・ボンドのようにかっこよくはないが、ヴァランダーのドンキホーテのような無謀な騎士道精神の発揮が楽しめる。

なお、著者あとがきでソ連のクーデターは小説完成数ヶ月後の1991年春と書いてあるが、正確には1991年8月19日である。著者の勘違いか翻訳ミスか。
守旧派のクーデタ失敗後に事態は急展開し、バルト三国の独立承認は同年9月6日、ソ連の消滅は同年12月17日である。
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No.12:
(4pt)

ラトヴィア独立派への共感

スウェーデン警察小説・刑事ヴェランダー・シリーズの第二作。出版は1992年。
共産党一党独裁を放棄し、ペレストロイカ(改革)グラスノスチ(公開性)を推し進めたゴルバチョフ大統領が、バルト三国独立承認を決断したのが1991年のこと。承認が宣言されたからと言って、翌日から即事態がスムースに移行したわけではない。旧ソ連に連なる勢力と新生独立派との暗闘・必死のバトルが繰り広げられていたに違いない。ゴルバチョフ氏自身、反対派にウクライナで拘束されクーデターの危険にさらされた。
対岸スウェーデンの人々もかたずをのんで事態を見つめていたに違いない。

小説の輪郭、長所・短所も他のレビュアーが述べている通り。スウェーデン南端の田舎警察署の一刑事が、単身ラトヴィアに密入国して殺人事件の捜査に当たり、独立派地下グループと連携しつつ事件を解決するのはおよそリアリティに欠けるのだけれど、私はこのさえない刑事が好きだからこれはこれでいい。ラトヴィア独立に至る生みの苦しみを俊敏に小説に取り入れた作家のセンスを買いたい。ヴェランダーたちを尾行・つけ狙うリガの男たち(敵・味方いるのだが)・・・タイトル「リガの犬たち」もなかなか良い。

ただ私たちは、2014年余りにも複雑・ドラマティックなウクライナ危機に遭遇したためか、小説のリガがスケール・ダウンして見えるのが少し残念だ。
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No.11:
(5pt)

ハラハラしました!翻訳もいいな。

シリーズを読破の予定です。
主人公が当たり前の悩みや苦労を抱えつつも誠実な人柄で応援したくなります。
今回は外国の複雑な政治情勢にも巻き込まれハラハラドキドキでした。
海外物は翻訳調の文体や混乱しがちな人名が気になりだすと読むのが苦痛になりますが
このシリーズは読みやすいです。翻訳が素晴らしいのでしょうね。
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No.10:
(4pt)

大風呂敷の広げ方の巧さに唸る大型警察小説第二弾

スウェーデンの港に不審な死体が漂着し・・・というお話。
流れ着いた遺体を捜査する内にやがて国外にも波紋が広がり、東欧の深い闇に行きつき・・・というスケールの大きい警察小説。その話の広がり方から警察小説というよりも謀略小説として評価する人がいても納得できる大風呂敷の広げ方の巧さに脱帽の作品。
ここの所、話の要所で東欧をネタのする推理小説やサスペンスが多い様な気がしますが、トレンドなのでしょうか。トレンドと言ってもオシャレな物では全然なく、かなり深い闇を抉り出す物が多くて、読んでいて引く物も結構ありますが、本作もやはり東欧の方のシャレにならない様な事件や事象を扱っていて、日本人の知らない所でかなり嫌な目にあっていた人がいたみたいで、己の不勉強さを恥じた次第です。
個人的にはランキンのマルコム・フォックスのシリーズと共に最近一番気に入っている警察小説のシリーズです。
シリーズ主人公のクルト・ヴァランダー警部も訳者あとがきに触れられている様に実に人間味溢れるキャラクターに造形されていて共感を覚えます。この後のシリーズでも更に深化しているであろうと思って期待しますが、著者のマンケル氏は既に亡くなっているという事で残念。ご冥福を祈ります。
既に完結してしまったシリーズだけど今後の進展が気になる第二作。機会があったら是非。
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No.9:
(3pt)

スリル満点!

ラトヴィア、というこの本を読むまで考えたこともなかった国が舞台ですが、
この本を読んだあと、旧共産主義国、というより旧ソヴィエト連邦の国々がソ連解体後に経験した、
というよりしている苦労や混乱に思いを馳せ、うーん、と心が重くなりました...

この小説はファンタジーとかSFではもちろんないのですが、
カフカの小説を彷彿とさせる不条理や予想できない展開はとても緊張感があって
どんどん読み進んでしまいました。
ただ、推理が面白いとか、意外な人が犯人!!みたいな面白さはあんまりなかったかも。
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No.8:
(5pt)

満足。

スウェーデンの海岸に二つの死体を乗せたボートがたどり着く。

捜査を手伝うためにラトビアから来た刑事が帰国直後に殺害される。

ラトビアに乗り込むヴァランダー。

そこは予想をはるかに越える全体主義国家であった。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

頼りなくモテないヴァランダーが地味にウロウロしながらも事件を解決する話。

これは、、、ミステリとしてはあまり評価されないだろう作品だが、

僕はヴァランダーの人間性に惹かれてるので、

面白く読めた。

とはいえ、後半部は飛ばし読みになった。

会話部分を読んでいくだけで内容が把握できるのがうれしい。

この作品はバルト三国の政治状況まで描き切ろうとした野心作であり、結果はどうであれ、その努力がすばらしい。

これでヴァランダーシリーズはやっと二つ読めた。

やれやれ、先は長いなあ
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No.7:
(4pt)

スリリングかつ重厚な作品

ヴァランダー刑事の登場する第2作。
スコーネというスウェーデンの地方に勤務しているのにも関わらず、
今回のヴァランダーは冷戦のスパイさながらの大活躍を見せる。

奇妙な殺人事件をめぐってラトヴィア警察からきた中佐と知り合いになったヴァランダー。
間もなくラトヴィアに赴いた彼は大きな陰謀に巻き込まれ、
ロシアの影響下にあるラトヴィアの悲劇,命がけで体制に
逆らう人びとの苦しみに直面し、現地の女性を恋するまでになる。

ヴァランダーものの熱心な読者には最後の謎ときが少々物足りないかもしれないが、
冷戦に翻弄される小国の苦悩を描き出す作者の筆致は鋭い。
スリリングなだけでなく、世界情勢についての知識も与えてくれる秀作。
いつものことだが、ヴァランダーの何とも人間味たっぷりなところに実に共感を覚える。
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No.6:
(3pt)

中途半端に国際的

スエーデンの警察官小説シリーズの第2作目と思って読んでいたら、途中から、あれよあれよという間に
国際政治サスペンスものに変身ししてしまいました。
しかし、それにしては、当時のラトヴィアの政治状況の掘り下げ方も、善人・悪人含めた登場人物の描き方も、
みな、薄っぺらだし、クライマックスから大団円に至る展開はあまりにも安易。そもそも、田舎の警察官が、
任務ではなく、個人として、単独で全体主義国に潜入し、巨悪と対決するという突飛さにリアリティは全く
感じられません。
とは言え、未知の国、ラトヴィアが舞台ということで、それなりに面白く、退屈はしませんでしたが・・・・
刑事ヴァランダーのシリーズは、ケネス・ブラナー主演のTVドラマを見て興味を抱き、原作を読み始めましたが、
原作のヴァランダーは、あまりにも感傷過多で、精神的な弱さがしばし表に出過ぎるという点がひっかかります。
主人公の警察官の感傷や弱さは、なにかの折りに垣間見れるという程度がいいのではと思うのですが、これは、
まあ、読者の側の好みの問題なのかもしれませんね。
もう少し、このシリーズには付き合ってみるつもりです。
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No.5:
(4pt)

ヴァランダー警部、バルト海の対岸ラトヴィアで謀略の渦中に・・・

ヘニング・マンケルの<ヴァランダー警部>シリーズ第2弾。’03年、「このミステリーがすごい!」海外編第19位にランクインしている。
スウェーデン南部の海岸にゴムの救命ボートが流れ着いた。なかには高級なスーツ姿の若者ふたりの射殺体が横たわっていた。やがて死体がラトヴィア人だと分かると、バルト海を挟んだリガの警察から中佐が派遣され、引き取っていったが、帰国直後に中佐は何者かに殺害されてしまう。ラトヴィアからの要請を受けてヴァランダーは現地に赴く。スウェーデンの田舎町イースタとはまるで勝手が違う警察の捜査体制に戸惑うヴァランダーに、謎の地下組織らしいところから接触が図られる。
後半は、中佐の未亡人から懇願され、一度は帰国したヴァランダーが、身分を偽り、ラトヴィアに再び潜入するのだが、彼は自分でも知らない間に、命の危険すら覚える謀略の渦中に身を置くことになるのだった。
本書が発表された’92年は、ラトヴィアが旧ソ連から分離独立した直後であり、いまだソ連に通じる人脈によって掌握されている社会で、地下で密かに、しかし果敢に命がけで自由を求め、独立運動をする人々の姿が生々しく描写されている。そんな人々に頼りとされるヴァランダーの動きは、警察小説を離れて、東西スパイ小説の趣を感じる。
本書は、知られざるラトヴィアの首都リガでのヴァランダーを描くことにより、世界に冠たる福祉国家として名を馳せるスウェーデンといえども、バルト海の対岸の国家とは無縁ではいられない現代の国際情勢を訴えているように思う。
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No.4:
(2pt)

ネコ的な小説

 作品名は「リガの犬たち」ですが、小説としては何となく家ネコ的な印象を受けました。銃撃戦や暴力的な描写はほとんどなく、前半はウスェーデンでの、中後半はラトヴィアでの街・人巡りでおとなしく展開していくので、そんな印象を受けたのだと思います。ハードボイルド系の推理小説を好む方には向かないかもしれません。
 作者はスウェーデン人です。私はスウェーデン推理小説を初めて読みました。英米の作品の多くにみられるハードなアクション場面が少ないのはこのことに起因しているのでしょうか?おとなしめに展開する作品とは言え、「フロストシリーズ」のようにウィットが効いているわけでもなく、ほんとうに淡々と社会主義国から独立しようとする国の姿が主人公を通して語られます。エンディング・エピローグとも平凡です。推理ももどかしいだけで、ほとんど一発クリアーしていく主人公です(これが推理小説の分類で良いのでしょうか?警察ものではありますが)。
 所々に論理的な齟齬が認められること、物語の発端となった事件の説明があまりにもあっさりしているところは残念でした。この作品はシリーズ2作目だそうで、1作目の「殺人者の顔」を読んでいないと背景がわかりにくい部分もあるので、この作品を読もうと考えておられる方は、まず1作目から読まれるのが良いかもしれません。私は、背景がしっくりこない感じがいやなので、これから1作目を購入して読もうと思いますが、その内容によってはこの作家の作品にはもう手を出さないと思います。
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No.3:
(4pt)

戦うより隠れること逃げることが得意な斬新な主人公

"刑事クルト・ヴァランダー"シリーズ第二作。
天才忍者来人薔薇弾覚醒!
忍法<人形隠れの術>炸裂!!
糞遁の術は未完成…。
という話です。(ちょっと違うw)
冗談抜きでここまで楽しくなるとは思ってませんでした。
スウェーデンの田舎町イースタの刑事が、
バルト三国を救うためにラトヴィアでテロリストになるという、
大スケールの話に発展してワクワクドキドキしますた。
人権擁護国家のスウェーデン人なので、
テロリストと化しても、
殺人はしないのが素晴しい!
銃を持った敵を素手で倒した後に、
敵の銃を奪うという発想が皆無なのが素晴しい。
銃を持った敵が複数いる場合は、
仕方なく敵の銃を奪おうとするが、
基本的に肉体派ではなくて知性派(正しくは妄想派w)なので、
肝心の時にアクションが滑って絶体絶命!
戦うより隠れること逃げることが得意な斬新な主人公である。
殺人犯なんて滅多に現れないのんびりした田舎で、
空き巣や寸借詐欺の相手するのが本人の理想であったが、
如何にしてクルト・ヴァランダーが覚醒し、
世界平和の為に行動するようになるか、
楽しみに読んでください。
そして皆様も全体主義への怒りを覚醒させよ!
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4488209033
No.2:
(4pt)

命がけの愛国心

 主人公が偶然かかわるようになった人たちのために、迷い、混乱しながら、深みにはまっていく姿にはハラハラさせられた。特にスウェーデンからラトヴィアへ、海路と陸路を使って潜入するようすがスリリング。また、独立運動家たちの命がけの同士愛、愛国心には、そういったものを身近で見たり、感じたりした経験がないせいか、うらやましさすら感じた。しかし、社会主義国ではこんなにも簡単に反体制派の人びとを殺していたのだろうか? 誇張されているとしても恐ろしい。
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