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暗く聖なる夜
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暗く聖なる夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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2006年版 このミス2位 2005年 文春ミステリーベスト10 1位 ここ数年読んだ海外ミステリーの中で、ダントツに面白かった。ハードボイルドという分野に特化すれば、これまでに読んだハードボイルド作品の中でもトップクラスの面白さであった。 とにかく、しっかりしたプロットができており、この上に謎解き・国家的犯罪・別れた妻との心のすれ違い・自己で脊髄麻痺をおこした同僚刑事とその妻、と、読者を飽きさせない要素がすべて詰め込まれている。メインの事件の謎解きにも驚かされるが、それだけにとどまらず、主人公の身にももう一つ謎解きがおこるところもスパイスがきいていて面白かった。 はずかしながら、作品を読破して初めてシリーズ作品の9作目であることを知ったが(途中で何度かおかしいと思うことはあったが・・・)、シリーズを重ねてもこのクォリティーを保っていることに驚かされるとともに、1作目から読み直したいと思わせる作品であった。 余談であるが、この作品の邦題であるが、原題の「Lost Light」のままの方がよかったのでは無いだろうか? 作者はこの2つの単語に、多くの意味を込めているし、よく考え、練り込まれた二語だと思う(商業的には、ロスト ライトでは成り立たないのかもしれないが・・・)。 | ||||
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日本に住む僕たちにはピンとこないが「退職した警官」というのは、ハードボイルド系ミステリにとってのひとつのジャンルなのだろう。今回のボッシュも退職はしたが、相変わらず過去の傷を癒すのはこれしかないーといったふうに動き回る。逆に「組織」という足枷がなくなったぶん、縦横無尽ーといった印象だ。ただし、バッジの威力はもう使えないので、その捜査は老獪な手練手管で、時には不様な結果になることもあるけれど。ボッシュを囲む人々の顔ぶれはあまり変化はない。ただその係わり方は劇的に変化した。それもまた「退職」がもたらしたものだ。チャンドラー亡き後のLAを描くのはコナリーしかいない。現代を的確に描写しつつも、在りし日のノスタルジックな雰囲気を描ききっている。そしてはじめて一人称で語られるボッシュの内面もーもちろんプロットも見事だ。多少大風呂敷を広げた感はあるが、きちんと収束させている。これからはじまるであろう、「私立探偵」ボッシュの物語の序章はお見事!のひとこと。さらに翻訳も進んでいるようで、うれしい限りだ。 | ||||
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題名になっている「暗く聖なる夜」はルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」という曲の一節だ。ロス市警を退職したボッシュは、一個人として過去の未解決事件の解明に挑む。 捜査の過程で出会う、深い悲しみを抱いて生きている人々。自分の元を去っていったエレノアへの思いと折り合いをつけられないで苦悩するボッシュ。 これらを語っていく、ひとつひとつの言葉の美しさ。古沢氏の名訳は一行たりともおろそかに読む事はできない。ボッシュのとまどいと苦悩は読む者にひしひしと伝わり、初期の作品での彼を知るものにとってはつらい場面もある。そして、物語の最後に作者が用意していたものを目にした時、あふれる涙を抑える事は難しい。 読み終わった後で「この素晴らしき世界」を是非聞いてみて頂きたい。マイクル・コナリーは、まぎれもなく現代ハードボイルドの巨匠である。 | ||||
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シリーズ物のミステリ小説は長くなるなるとマンネリ化する。本書は、ボッシュシリーズとしては第9作目にあたるが、前作「シティ・オブ・ボーンズ」でロス市警を退職した後の第1作目ということで、うまくマンネリから脱しているように見える。だが、ボッシュはボッシュだ。彼の本質は変わらない。いや、変わらずにいて欲しい。シリーズ物ということで懐かしい面々も登場する。彼も彼女も・・・。見かけ上の事件解決のあとドンデン返しがあって・・というコナリーの手法も健在だ。ページ数の残りを見れば一目瞭然。これも嬉しい。どんどん読み進む・・・・・わ、これはなんだ?!こんなのってありうるのか?!前作はいったい、なんだったんだ!と突っ込みを入れながら、私の目に涙があふれていた。 | ||||
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本書は、とうとう警察を辞めてしまったHarry Boschの最初の話である。4年前の殺人事件で、彼は途中ではずされ、未解決のままになっているものがあった。この事件に引っかかるものを感じるBoschは、1人事件の解決を試みる。もはや、捜査の権限をもたないBoschは、障害を乗り越えながら事件の真相に迫る。警察を辞めても、Boschの思考、行動スタイルは変わらず、Boschファンは安心させられる。もともと組織に馴染めないBoschにとっては、むしろこの方が自然とも言える。ストーリー構成のうまさもシリーズの他作品に劣らず、最後まで十分楽しませてくれる。また、シリーズの他の作品とは異なりBoschの一人称で語られており、Boschの思いが、より強く伝わってくるような気がする。フリーになったBoschが今後どうしていくのか楽しみである。英語は平易で読みやすい。 | ||||
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4年前に発生し未解決のままとなっている、24才女性殺害・2百万ドル現金強奪・FBI女性捜査官失踪の3つが複雑にからみ合った事件を、ロス警察をリタイアしたHarry Boschがフリーの立場で解決していく。このシリーズでお馴染みの人物が数多く登場し、それぞれの持ち味が活々と描かれている。特にBoschの元妻Eleanor Wishや元同僚Kiz Riderとの機微あふれる会話は、M.Connerllyの筆力ならではのもの。また、ロス警察の宿敵とも言えるFBIとの確執もリアルで面白い。今回から一人称で書かれており、Boschが警官を辞めたこととも相まって、作品全体の印象としてはマイルドでゆったりとした流れが感じられ、先を急いで読みたいというよりは、じっくり味わいながら読みたくなる作品に仕上がっている。もちろん、スリリングな展開を好む読者のためにも、後半には派手な大立ち回りの場面がちゃんと用意されている。そして、ラストシーンでの思わぬ人物の登場には、驚きと同時に次回以降への期待が大きくふくらむ。いつまでも記憶に残る秀作がまた一つ増えた。 | ||||
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LOST LIGHT / MICHAEL CONNELLYコナリーは上手い!読み終わる度に満足させられてしまう. LAPDを辞めたボッシュはPIの免許を持ってはいるが,どうしてもそれに囚われたくなく,独自に未解決事件を追う.私は本の出だし部分で現役を引退したボッシュに漂う弱さ,それはLAPDのバッジを持たないもどかしさ,を感じたが,それでも物語に引き込まれていってしまった.捜査を妨害するFBIへ強烈なしっぺ返しは胸が「スーッ」とした.もうとにかく上手い!私はコナリーの思うがままの壷にはまったまま,感情をもてあそばれてしまった.でもそれでよいのだ! 最後,FBIのリンデル(Trunk Music に登場)の号泣,そして元妻エリノアーと???との対面!例によって私ももらい泣きしてしまった.ここはもちろん読んでのお楽しみ. さてROBERT CRAISの THE LAST DETECTIVE にボッシュが登場した. 「その男は最近辞職したLAPDの刑事で,肩にネズミの入れ墨がある.ベトナム戦のトンネルラット.煙草を深々と吸う...」これはまさしく100%ボッシュである. ではボッシュにエルビスが登場するのか? 「信号で黄色いビンテージのコルベットと出会った...彼は私の家の向かいの尾根に住んでいる私立探偵である.私は車の窓から腕を出し,敬礼をした.彼も同様にそれを返してきた.自然なしぐさで,兄弟のような.....」 これぞエルビスコールではないか! THE MONKEY'S RAINCOAT で「私の車は1966年製ジャマイカイエローのコルベット コンバーチブルです.」と言っている.とうとうCONNELLYはROBERT CRAIS にエールを送ったのでしょう.本筋とは関係のないこういった著者の遊びを見つけると,それだけで私は嬉しくなり,満足してしまう.でもこの本はそんな事とは無関係にも面白い!星5つ! | ||||
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