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ロシア幽霊軍艦事件
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ロシア幽霊軍艦事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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アナスタシア皇女やその一家の、革命後の描写がつらすぎて。事実か虚構かは不明ですが、虚構でも読むのは辛い。「今まで虐げられていた」側が力を持ったら、「今まで虐げていた」側に何をするか。充分ありえそうで。そりゃあ今までの権力側の悪行の報いだろ、と言われりゃそうかもしれないが。「可哀相なだけの被害者」なんていないと思い知らされる…。「やられっぱなしで黙ってる被害者なんていない」とも…。でも、フランス革命ではルイ16世やアントワネットがこんな目に遭ったとは聞かないけど…。聞かないだけ?一気に読めましたが、再読できません。島田氏の作品は嫌いでは無いですが、これは駄目…。というわけで星三つ。すみません。 | ||||
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作者は「暗闇坂」以降、コジツケ小説しか書けなくなってしまっている。本作もその例に漏れない。冒頭で、ロシア革命の直後に「箱根の芦ノ湖にロシア軍艦が出現」したと言う大風呂敷を広げるが、物理的に不可能なのだから結末はコジツケるしかない。その間を有名なアナスタシア伝説(生死不明故に数多くの立候補者が出た)で埋めると言う姑息さ。このパターンの作品を延々と続けているのである。 本作を「史実のフィクション化」と評価する向きもあるようだが、そんな事は時代小説では当たり前の手法で、要は史実をミステリの背景にする事で、如何に作品の面白さが増したか否かだけが重要だろう。私には、コジツケの隙間を埋める緩衝材としか思えなかった。それに、作者のアナスタシアに関する記述はご都合主義で、本作のアナをモデルにI.バーグマン主演の映画「追想」が作られたかのように書いているが、実際は真逆で、作者が「追想」を観た結果、本作の着想を得たと考えた方が自然である。ロシア史や脳科学に関する講釈も常の如く高圧的で、空虚極まりない。アナの忠臣、軍人クラチュワの名前の件も「人間の証明」と同工異曲。巻末の虚構の歴史秘話も何の目的で書いているのか意図不明。 そして、肝心の幽霊軍艦のトリックは脱力感を覚える程の低次元なもの。冒頭の謎にも呼応していない。作者は「独創性=手前勝手な"へ理屈"」と錯覚しているようである。これでは、アナスタシア伝説を挟まなければ長編を支え切れない訳だ。本作をミステリとして読むと拍子抜けしまうだろう。作者が初期には持っていた真の意味での独創性を取り戻して欲しいと思う。 | ||||
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氏の提唱する本格ミステリーが傑作か駄作かを分ける点は、ロマンシズムと論理的推理の2つの要素がどれだけ自然な配合でブレンドされているかにある。本作はその融合が見事に結実した模範的な作品である。冒頭の非現実な幻想性が、驚愕ともいえる一点を境にそれが怒涛のように論理的に説明されていく。そしてエピローグの圧倒的な恋愛ロマン。氏の代表作といっても過言ではないだろう。 | ||||
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たぶんここで述べられていることは、歴史的事実とは違うのでしょう。でももうそんなことは、どうでも良くなってしまいます。実に感動的な物語。他の方も仰っていますが、タイトルのせいで損をしている気がします。 | ||||
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非常に面白い内容でした。でも出来たら題名にアナスタシアを 入れて欲しかったですね。 アナスタシアについては私は全く無知でしたがロマノフの財宝については なにやら伝説があるらしいってのはアニメのルパンとかマスターキートン で出てきたことがあったので財宝のお話かと思ってしまいました。 それにしてもどこまでが史実でどこからが作り話なのかわかりにくいのが 凄いですね。 アンダーソンさんに関しては1994年にDNA鑑定されて 一般的な認識としては彼女は偽物である と言う結論のようですね。 ところが彼女がアナスタシアだと思われる資料が膨大なせいで それを無視することは到底できなくてDNA鑑定そのものを疑問視 する声(すりかえた)も依然として強いようです。 ロマノフの財宝もすでに残っていない為、彼女が偽物を名乗る 根拠も希薄と言うのも大きいように思います。 私たち一般の感想としてはあんな悲惨な惨殺劇から逃れて助かった 皇女が一人くらいいて欲しいって希望が大きいように思います。 それにしても島田先生は「男女の永遠の愛」なんてまったく 信じてなさそうなのにロシアの皇室となると途端にロマンチックに なるのは本能と言うべきなんでしょうかね(笑) | ||||
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歴史的事実と、歴史の不思議な出来事から想像して、その不思議な出来事と史実をミックスしてフィクションに仕立て上げる手法には頭が下がります。どこからが史実でどこからが想像なのか全く分からないし、全部本当であって欲しいと思わせるような、心揺さぶられる物語の展開になっています。 最後に御手洗が明かす小説上の事実、本当に自分が登場人物のように驚き、まるでその場にいるような錯覚をしました。「えっ!?」と振り向いてしまいそうでした。傑作だと思います。この人が小説家と名乗っている限り、同じ舞台には到底立てそうもないな、という力を感じました。 | ||||
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お馴染み、御手洗潔シリーズ。芦ノ湖にうかぶ軍艦が映し出された古い一枚の写真が引き金となり、御手洗潔が歴史の謎ときにかかる。 全てフィクションだったら、と懇願してしまうほどのおもしろさ。ロマノフ朝について知らなくてもこの本を読めば興味を持ってしまう。 史実からよくここまで話を発展させて書けたものだ。御手洗潔シリーズということで手に取り、読んでみたのだが、それだけでは終わらなかった。御手洗シリーズの中でも大傑作の一冊と言える! | ||||
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どうしたら、芦ノ湖に軍艦が姿を現わせるのか?純粋にその答えに驚いた。 複雑ではあるが、その歴史的な背景にもとても魅かれた。 御手洗シリーズを引続き読んでいきたくなりました。 | ||||
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なーんか、別に御手洗が手がけるような事件じゃないじゃん!つーか、殺人も起きてないし、いったいなんで御手洗が必要なの!?と思ったら、これ元「季刊・島田2」に収録されてた中篇なんっすね。この季刊シリーズは、読者を釣るためにあえて御手洗モノを載せざる得ないと島田自信がのたまっていたので、それでわざわざ御手洗出したのか(笑 そういや季刊4の「最後の一球」だかは、本書以上に御手洗の存在意義がなかった作品でしたね。島田も、せっかくの創造した探偵を、こんな安売りしてたら駄目ー!(笑 だいたい軍艦じゃないから騙しじゃん。おまけに後半の、日本軍人と女性(あえて女性とだけ)の会話が、なんだか舞台みたいでざーとらしい。ロミオジュリエットなんかで見かける。おお〜ロミーオ!みたいなノリでこっちが恥ずかしくなった。 | ||||
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なーんか、別に御手洗が手がけるような事件じゃないじゃん!つーか、殺人も起きてないし、いったいなんで御手洗が必要なの!?と思ったら、これ元「季刊・島田2」に収録されてた中篇なんっすね。この季刊シリーズは、読者を釣るためにあえて御手洗モノを載せざる得ないと島田自信がのたまっていたので、それでわざわざ御手洗出したのか(笑 そういや季刊4の「最後の一球」だかは、本書以上に御手洗の存在意義がなかった作品でしたね。島田も、せっかくの創造した探偵を、こんな安売りしてたら駄目ー!(笑 だいたい軍艦じゃないから騙しじゃん。おまけに後半の、日本軍人と女性(あえて女性とだけ)の会話が、なんだか舞台みたいでざーとらしい。ロミオジュリエットなんかで見かける。おお〜ロミーオ!みたいなノリでこっちが恥ずかしくなった。 | ||||
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私としては、御手洗シリーズでは今のところ一番好きな作品。始めは「お?御手洗くん、理系から文系に息抜き?」と思って軽く読んでいた(結局脳みそという話になってから「やっぱり理系か」と思った)けれど、皇女と日本人の切ないラブストーリーの描き方は本当にきれいで、いつのまにか物語にすっかりのめりこんでいる自分がいました。「皇女の恋」っていうタイトルでも良かったんじゃないかな~? | ||||
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私としては、御手洗シリーズでは今のところ一番好きな作品。始めは「お?御手洗くん、理系から文系に息抜き?」と思って軽く読んでいた(結局脳みそという話になってから「やっぱり理系か」と思った)けれど、皇女と日本人の切ないラブストーリーの描き方は本当にきれいで、いつのまにか物語にすっかりのめりこんでいる自分がいました。 「皇女の恋」っていうタイトルでも良かったんじゃないかな~? | ||||
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芦ノ湖に浮かぶ巨大な軍艦を撮影した古い写真が、箱根の某ホテルに嘗て飾られていた・・・。しかし芦ノ湖は湖であるから、こんな巨大な船が入港できる筈もない・・・。この出だしは極めて魅惑的。一体どんなとんでもない謎が隠されているのか、興味津々で読み始めました。しかしこの作品は全体が大きく2部に分かれていて、この謎にリアリティを与えるための別のストーリーが、小説の後半に永延と語られます。島田作品にはこのようなパターンが多いのですが、個人的には後半の皇女とその恋人のハーレクィーン的な物語(の語り口)にはちょっと引いてしまいました。必要な挿話とは分かっていても、挿話とするにはボリュームが大きすぎた感はあります。また個人的に、皇女とその恋人とのロマンスには全く興味の無い私には退屈でした。本筋が面白いだけに残念です。なので星4つとしました。 | ||||
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芦ノ湖に浮かぶ巨大な軍艦を撮影した古い写真が、箱根の某ホテルに嘗て飾られていた・・・。しかし芦ノ湖は湖であるから、こんな巨大な船が入港できる筈もない・・・。この出だしは極めて魅惑的。一体どんなとんでもない謎が隠されているのか、興味津々で読み始めました。 しかしこの作品は全体が大きく2部に分かれていて、この謎にリアリティを与えるための別のストーリーが、小説の後半に永延と語られます。 島田作品にはこのようなパターンが多いのですが、個人的には後半の皇女とその恋人のハーレクィーン的な物語(の語り口)にはちょっと引いてしまいました。必要な挿話とは分かっていても、挿話とするにはボリュームが大きすぎた感はあります。また個人的に、皇女とその恋人とのロマンスには全く興味の無い私には退屈でした。 本筋が面白いだけに残念です。なので星4つとしました。 | ||||
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やっぱり御手洗がいると話の展開が速くていいですね!しょっぱなから石岡君が「御手洗が私と日本を捨てる1年ほど前」とか、エキセントリックな女性と彼女に尽くす夫のことを思って自分の老後に思いをはせてみたりとか。相変わらず……石岡くんでした。山の上の湖になぜ軍艦があったのか。レオナのもとに届けられた手紙の意味は。それらと平行して、ニコライ二世の第四皇女アナスタシアの謎と彼女の偽者として有名なとある女性の話が出てきます。偽者だといわれた女性は本当に偽者だったのか。くるくると「思い込み」がひっくり返され、そこに見えてくる物語に唖然となる。「三浦和義事件」と手法的には同じですが、あそこまで込み入ってない分ぐっと鮮やかで、むしろミステリの醍醐味をたっぷり楽しめた気がいたします。うん、面白かったのよ…。でもレイプシーンは痛かった。本気でえげつなかったです。「それが革命だ」という言葉は悲痛でしたが、その種のシーンが苦手な方は読み飛ばすことをお勧めします。歴史を舞台にしているのに負けない説得力とドラマ性でした。感服するしかない感じです。 | ||||
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竜臥亭も面白かったけれど、やはり御手洗がいないと淋しいというか石岡くんだけでは心元ない。「御手洗が私と日本を捨てて北欧に行ってしまう前年のこと」という書き出しで始まる御手洗シリーズ。御手洗という手持ちの駒を使って島田荘司がロマノフ王朝とニコライ二世の第四皇女アナスタシアの謎を提言している歴史本になっています。嘘か誠かは別にして、小説の中の空想は2つだけで、後は史実に基づいて作られているとあとがきで述べられています。謎は案外簡単だったりするのですが、ロマノフ王朝最期の話は歴史好きにはたまらないでしょう。御手洗抜きでも面白く読めます。 | ||||
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竜臥亭も面白かったけれど、やはり御手洗がいないと淋しいというか石岡くんだけでは心元ない。 「御手洗が私と日本を捨てて北欧に行ってしまう前年のこと」という書き出しで始まる御手洗シリーズ。 御手洗という手持ちの駒を使って島田荘司がロマノフ王朝とニコライ二世の第四皇女アナスタシアの謎を提言している歴史本になっています。 嘘か誠かは別にして、小説の中の空想は2つだけで、後は史実に基づいて作られているとあとがきで述べられています。 謎は案外簡単だったりするのですが、ロマノフ王朝最期の話は歴史好きにはたまらないでしょう。 御手洗抜きでも面白く読めます。 | ||||
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レオナをスタートに物語はスタートするが、読み終わった読後感はもはや別次元の作品だった。もうこの人は他の作家とはレベルが違う。従来より並列して動くストーリーを最後に結びつけるという小説手法を用いて多くの傑作を生み出し、『龍臥亭事件』ではその並列して動くストーリーの根幹部分に実際あった事件を据えるという手法が初めて用いられた。本作はそれをさらに大きく前進させ、歴史上の謎をストーリーの中心に据えて、御手洗に対峙させるという、作者に自信がなくてはできないことをさせている。『眩暈』のなかでも登場した御手洗の『脳』に対する説明も、脳研究の進歩とともに大きく前進し、歴史の事象を科学の眼で見るというスタンスが貫かれている。そしてストーリーの壮大さは全作品一と言えるだろう。何しろ単なるミステリーとしてなら『ロシア幽霊軍艦事件』というタイトルでもいいが、この作品のレベルの高さではこのタイトルはひどく陳腐な気がしてしまう。超一級の文学作品、あるいは研究論文としてもっといいタイトルをつけてあげたくなるくらいに素晴らしい。島田荘司は常に前進しているなぁと感じずにはいられない傑作だ。 | ||||
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御手洗シリーズの最新作。いつもと同じようにレオナをスタートに物語はスタートするが、読み終わった読後感はもはや別次元の作品だった。もうこの人は他の作家とはレベルが違う。 従来より並列して動くストーリーを最後に結びつけるという小説手法を用いて多くの傑作を生み出し、『龍臥亭事件』ではその並列して動くストーリーの根幹部分に実際あった事件を据えるという手法が初めて用いられた。本作はそれをさらに大きく前進させ、歴史上の謎をストーリーの中心に据えて、御手洗に対峙させるという、作者に自信がなくてはできないことをさせている。 『眩暈』のなかでも登場した御手洗の『脳』に対する説明も、脳研究の進歩とともに大きく前進し、歴史の事象を科学の眼で見るというスタンスが貫かれている。そしてストーリーの壮大さは全作品一と言えるだろう。 何しろ単なるミステリーとしてなら『ロシア幽霊軍艦事件』というタイトルでもいいが、この作品のレベルの高さではこのタイトルはひどく陳腐な気がしてしまう。超一級の文学作品、あるいは研究論文としてもっといいタイトルをつけてあげたくなるくらいに素晴らしい。 島田荘司は常に前進しているなぁと感じずにはいられない傑作だ。 | ||||
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最近の島田荘司は、またますます面白くなってきた!と期待させる一冊。まさに、島田荘司ならではの時間と空間を超越したトリックに、歴史というマジックが見せる壮大な魅力がブレンドされ、私的には島田作品の中でかなり上位に君臨する作品となりました。この作品のベースとなる事件は、本当に起こったロシアの歴史。ロシアという日本人にはなじみの薄い、むしろ暗く不気味な場所と、戦争の狂気が生んだ謎、その雰囲気に引き込まれ、読んだあとも頭から離れませんでした。(読後、ロシアの歴史書をかなり読んだくらいです)登場人物のキャラクタを売りにしている推理小説が多く、最近は推理小説というジャンル自体にかげりを感じていましたが、「ねじ式~」とあわせて、「求め続けていた推理小説の復活!」と喝采を上げた気分です。 | ||||
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