占星術殺人事件

評判

占星術殺人事件の評価:

4.03/5点 レビュー 223件。 S ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全908件 81〜100 5/46ページ
No.828
(4pt)

挑戦状ミステリにふさわしいトリック/経過には味気なさを感じる

占星術師の御手洗潔が、ある女性の依頼を受け、40年前の昭和11年に起こった伝説的な未解決猟奇殺人事件に挑む。問題の事件は梅沢一家に発生した三つの殺人が絡む。第一に、画家の梅沢平吉が自身のアトリエで殺害された密室殺人事件。第二に、一人暮らしをしていた平吉の長女、一枝の強姦殺人事件。最後が問題の事件で、平吉の娘や姪などの若い六名の女性が行方不明となった後に、その遺体が日本各地において発見され、六人の娘たちの殺害は、生前に平吉が残したとされる手記に正確に則って実行されていた。手記において平吉が目的としていたのは六名の処女たちの身体の各部を切り取って組み合わせることで、「アゾート」と呼ぶ人体模型を作りあげて悪魔に捧げるという狂気的な試みにあった。

物語は平吉の病的な手記に始まり、御手洗の友人でミステリ好きのイラストレーター石岡によって梅沢一家殺害の詳細が解説される。これに依頼主である女性が御手洗に提示した、事件に間接的に関わった父が遺した未公開情報が加わり、一連の事件に関する情報が出揃う。ここまでで作品全体の約半分が経過している。

探偵役の御手洗と助手役にあたる石岡の関係は、ホームズとワトスンのそれである。作中にも二人が探偵ホームズシリーズ作品について問答を繰り広げるシーンが存在する。インスピレーションを得て御手洗が事件の真相に気付く件や、物語全体が石岡の視点によって進む展開についても、ミステリにおける典型的な探偵と助手の役割を踏襲している。事件そのものは、40年前に設定した古めかしさや、悪魔崇拝や猟奇的な殺人内容のおどろおどろしさから、横溝正史作品を連想させられた。

解決に必要な全ての情報が出揃う段階で、読者に向けられた挑戦状が提示される作品で、本作はその挑戦状が二段階となっていることも特徴である。謎解きを目当てにミステリを読む方にとっては、より楽しみが多い作品だろう。肝心のトリックについても基本的にフェアかつ、驚きもあり納得できる仕掛けだった。全体ついては、かなり過去の事件を扱うという設定上、手記や資料による情報が多いために机上での展開が多い。主人公コンビのやりとりについては紋切型の域を出ないもので、キャラクターにはあまり魅力を感じなかった。

総じて、トリックについては楽しめたものの、味気ない経過を辿るためにページ数を長く感じる作品でもあった。要するに、トリックの披露に特化して短い紙数に収まっていれば、個人的にはもっと高く評価できる作品だった。時代の移ろいも感じさせる、エピローグにあたる最終章にはミステリを離れた小説らしい手触りもあり、好感をもった。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.827
(4pt)

挑戦状ミステリにふさわしいトリック/経過には味気なさを感じる

占星術師の御手洗潔が、ある女性の依頼を受け、40年前の昭和11年に起こった伝説的な未解決猟奇殺人事件に挑む。問題の事件は梅沢一家に発生した三つの殺人が絡む。第一に、画家の梅沢平吉が自身のアトリエで殺害された密室殺人事件。第二に、一人暮らしをしていた平吉の長女、一枝の強姦殺人事件。最後が問題の事件で、平吉の娘や姪などの若い六名の女性が行方不明となった後に、その遺体が日本各地において発見され、六人の娘たちの殺害は、生前に平吉が残したとされる手記に正確に則って実行されていた。手記において平吉が目的としていたのは六名の処女たちの身体の各部を切り取って組み合わせることで、「アゾート」と呼ぶ人体模型を作りあげて悪魔に捧げるという狂気的な試みにあった。

物語は平吉の病的な手記に始まり、御手洗の友人でミステリ好きのイラストレーター石岡によって梅沢一家殺害の詳細が解説される。これに依頼主である女性が御手洗に提示した、事件に間接的に関わった父が遺した未公開情報が加わり、一連の事件に関する情報が出揃う。ここまでで作品全体の約半分が経過している。

探偵役の御手洗と助手役にあたる石岡の関係は、ホームズとワトスンのそれである。作中にも二人が探偵ホームズシリーズ作品について問答を繰り広げるシーンが存在する。インスピレーションを得て御手洗が事件の真相に気付く件や、物語全体が石岡の視点によって進む展開についても、ミステリにおける典型的な探偵と助手の役割を踏襲している。事件そのものは、40年前に設定した古めかしさや、悪魔崇拝や猟奇的な殺人内容のおどろおどろしさから、横溝正史作品を連想させられた。

解決に必要な全ての情報が出揃う段階で、読者に向けられた挑戦状が提示される作品で、本作はその挑戦状が二段階となっていることも特徴である。謎解きを目当てにミステリを読む方にとっては、より楽しみが多い作品だろう。肝心のトリックについても基本的にフェアかつ、驚きもあり納得できる仕掛けだった。全体ついては、かなり過去の事件を扱うという設定上、手記や資料による情報が多いために机上での展開が多い。主人公コンビのやりとりについては紋切型の域を出ないもので、キャラクターにはあまり魅力を感じなかった。

総じて、トリックについては楽しめたものの、味気ない経過を辿るためにページ数を長く感じる作品でもあった。要するに、トリックの披露に特化して短い紙数に収まっていれば、個人的にはもっと高く評価できる作品だった。時代の移ろいも感じさせる、エピローグにあたる最終章にはミステリを離れた小説らしい手触りもあり、好感をもった。
占星術殺人事件 Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件より
4523264716
No.826
(4pt)

挑戦状ミステリにふさわしいトリック/経過には味気なさを感じる

占星術師の御手洗潔が、ある女性の依頼を受け、40年前の昭和11年に起こった伝説的な未解決猟奇殺人事件に挑む。問題の事件は梅沢一家に発生した三つの殺人が絡む。第一に、画家の梅沢平吉が自身のアトリエで殺害された密室殺人事件。第二に、一人暮らしをしていた平吉の長女、一枝の強姦殺人事件。最後が問題の事件で、平吉の娘や姪などの若い六名の女性が行方不明となった後に、その遺体が日本各地において発見され、六人の娘たちの殺害は、生前に平吉が残したとされる手記に正確に則って実行されていた。手記において平吉が目的としていたのは六名の処女たちの身体の各部を切り取って組み合わせることで、「アゾート」と呼ぶ人体模型を作りあげて悪魔に捧げるという狂気的な試みにあった。

物語は平吉の病的な手記に始まり、御手洗の友人でミステリ好きのイラストレーター石岡によって梅沢一家殺害の詳細が解説される。これに依頼主である女性が御手洗に提示した、事件に間接的に関わった父が遺した未公開情報が加わり、一連の事件に関する情報が出揃う。ここまでで作品全体の約半分が経過している。

探偵役の御手洗と助手役にあたる石岡の関係は、ホームズとワトスンのそれである。作中にも二人が探偵ホームズシリーズ作品について問答を繰り広げるシーンが存在する。インスピレーションを得て御手洗が事件の真相に気付く件や、物語全体が石岡の視点によって進む展開についても、ミステリにおける典型的な探偵と助手の役割を踏襲している。事件そのものは、40年前に設定した古めかしさや、悪魔崇拝や猟奇的な殺人内容のおどろおどろしさから、横溝正史作品を連想させられた。

解決に必要な全ての情報が出揃う段階で、読者に向けられた挑戦状が提示される作品で、本作はその挑戦状が二段階となっていることも特徴である。謎解きを目当てにミステリを読む方にとっては、より楽しみが多い作品だろう。肝心のトリックについても基本的にフェアかつ、驚きもあり納得できる仕掛けだった。全体ついては、かなり過去の事件を扱うという設定上、手記や資料による情報が多いために机上での展開が多い。主人公コンビのやりとりについては紋切型の域を出ないもので、キャラクターにはあまり魅力を感じなかった。

総じて、トリックについては楽しめたものの、味気ない経過を辿るためにページ数を長く感じる作品でもあった。要するに、トリックの披露に特化して短い紙数に収まっていれば、個人的にはもっと高く評価できる作品だった。時代の移ろいも感じさせる、エピローグにあたる最終章にはミステリを離れた小説らしい手触りもあり、好感をもった。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.825
(3pt)

パズラー

「謎解き小説」ですので言ってみりゃあ理屈の世界。現実的に「そんなバカな」と思う方には不評かも。[付:私の失敗]解説は誰かなと思い後ろのページを繰ったところ、たまたま本篇の最終ページの決定的な単語を目に飛び込まさせしまった。後ろのページは繰るまい繰るまい。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.824
(3pt)

パズラー

「謎解き小説」ですので言ってみりゃあ理屈の世界。現実的に「そんなバカな」と思う方には不評かも。[付:私の失敗]解説は誰かなと思い後ろのページを繰ったところ、たまたま本篇の最終ページの決定的な単語を目に飛び込まさせしまった。後ろのページは繰るまい繰るまい。
占星術殺人事件 Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件より
4523264716
No.823
(3pt)

パズラー

「謎解き小説」ですので言ってみりゃあ理屈の世界。現実的に「そんなバカな」と思う方には不評かも。[付:私の失敗]解説は誰かなと思い後ろのページを繰ったところ、たまたま本篇の最終ページの決定的な単語を目に飛び込まさせしまった。後ろのページは繰るまい繰るまい。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.822
(1pt)

ばかげた小説です

小説冒頭の梅沢平吉の密室殺人は、密室にする理由がありません。一般的に、殺人犯が被害者のいた部屋を密室に偽装するのは、自殺に偽装するためです。梅沢は他殺であることが判明なのだから、密室にする理由がありません。
 また、犯人は、その意図のためには、人に見つかる危険を増やしてまで、多数の死体を別々の場所に埋める必要はないのであって、人が行きそうもないところに全部まとめて埋めればよいのです。実にばかげています。
 この小説は、推理パズルに無理矢理ストーリーをくっつけたようなもので、ばかげた小説です。こんな小説が、常に、日本のミステリーランキングの上位に入るということは、日本のミステリー好きには、物語の面白さよりも、パズルを面白がる人が多いとうことを意味しているのだと思います。
占星術殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (光文社文庫)より
4334712428
No.821
(1pt)

ばかげた小説です

小説冒頭の梅沢平吉の密室殺人は、密室にする理由がありません。一般的に、殺人犯が被害者のいた部屋を密室に偽装するのは、自殺に偽装するためです。梅沢は他殺であることが判明なのだから、密室にする理由がありません。
 また、犯人は、その意図のためには、人に見つかる危険を増やしてまで、多数の死体を別々の場所に埋める必要はないのであって、人が行きそうもないところに全部まとめて埋めればよいのです。実にばかげています。
 この小説は、推理パズルに無理矢理ストーリーをくっつけたようなもので、ばかげた小説です。こんな小説が、常に、日本のミステリーランキングの上位に入るということは、日本のミステリー好きには、物語の面白さよりも、パズルを面白がる人が多いとうことを意味しているのだと思います。
占星術殺人事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (講談社文庫)より
4061833715
No.820
(1pt)

ばかげた小説です

小説冒頭の梅沢平吉の密室殺人は、密室にする理由がありません。一般的に、殺人犯が被害者のいた部屋を密室に偽装するのは、自殺に偽装するためです。梅沢は他殺であることが判明なのだから、密室にする理由がありません。
 また、犯人は、その意図のためには、人に見つかる危険を増やしてまで、多数の死体を別々の場所に埋める必要はないのであって、人が行きそうもないところに全部まとめて埋めればよいのです。実にばかげています。
 この小説は、推理パズルに無理矢理ストーリーをくっつけたようなもので、ばかげた小説です。こんな小説が、常に、日本のミステリーランキングの上位に入るということは、日本のミステリー好きには、物語の面白さよりも、パズルを面白がる人が多いとうことを意味しているのだと思います。
占星術殺人事件 Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件より
4061308203
No.819
(1pt)

ばかげた小説です

小説冒頭の梅沢平吉の密室殺人は、密室にする理由がありません。一般的に、殺人犯が被害者のいた部屋を密室に偽装するのは、自殺に偽装するためです。梅沢は他殺であることが判明なのだから、密室にする理由がありません。
 また、犯人は、その意図のためには、人に見つかる危険を増やしてまで、多数の死体を別々の場所に埋める必要はないのであって、人が行きそうもないところに全部まとめて埋めればよいのです。実にばかげています。
 この小説は、推理パズルに無理矢理ストーリーをくっつけたようなもので、ばかげた小説です。こんな小説が、常に、日本のミステリーランキングの上位に入るということは、日本のミステリー好きには、物語の面白さよりも、パズルを面白がる人が多いとうことを意味しているのだと思います。
占星術殺人事件 (名探偵・御手洗潔シリーズ) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (名探偵・御手洗潔シリーズ)より
4062038595
No.818
(1pt)

ばかげた小説です

小説冒頭の梅沢平吉の密室殺人は、密室にする理由がありません。一般的に、殺人犯が被害者のいた部屋を密室に偽装するのは、自殺に偽装するためです。梅沢は他殺であることが判明なのだから、密室にする理由がありません。
 また、犯人は、その意図のためには、人に見つかる危険を増やしてまで、多数の死体を別々の場所に埋める必要はないのであって、人が行きそうもないところに全部まとめて埋めればよいのです。実にばかげています。
 この小説は、推理パズルに無理矢理ストーリーをくっつけたようなもので、ばかげた小説です。こんな小説が、常に、日本のミステリーランキングの上位に入るということは、日本のミステリー好きには、物語の面白さよりも、パズルを面白がる人が多いとうことを意味しているのだと思います。
占星術殺人事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (講談社ノベルス)より
4061811681
No.817
(1pt)

何かメンドクサイので・・・

プロローグだけ読んでやめました。残念。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.816
(1pt)

何かメンドクサイので・・・

プロローグだけ読んでやめました。残念。
占星術殺人事件 Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件より
4523264716
No.815
(1pt)

何かメンドクサイので・・・

プロローグだけ読んでやめました。残念。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.814
(4pt)

古典的名作

本書の最大の魅力は、大胆なトリックと世界観にある。冒頭からいきなり、「梅沢平吉の手記」が1章分来る。現代エンタメ小説の潮流では、難解で不気味なこの文を嫌うであろう。しかし、これを「ある狂人の日記」と題して短編で出せば、三島由紀夫が絶賛するような内容である(しかし、その世界観の完全性ゆえに、犯人によるものということが、欠点になってしまう。犯人にはこのような内容の文を書けないからである)。
 私は、この冒頭にこそ本書の魅力が詰まっていると主張する。短編として終わらせるか、エンターテイメント小説として用いるかは著者の判断である。どの道を選んでも成功できる。
 トリックにおいては、現代においては成立せず、当時の警察の捜査能力からいっても見抜けたのではないかと思えるが、その奇抜な発想は比肩する物がない。
 最近の3分間クッキングならぬ3分間ミステリーの氾濫、あるいは文芸性や実験性に乏しい優等生型の小説の生産にはうんざりするものがある。令和の時代には、平成の作品群が廃れる一方、あらためて本作は評価されていくであろう。再読、もしくは若い世代ほど読むべきであろう。この点で星4つとしたい。
 しかしながら、本書は以下の点で欠点がある。以下はネタバレがあるので未読の方は注意していただきたい。

1. 著者は歴史に関して知識が浅いため、梅沢手記では歴史的なことは省いたほうがよかったであろう。例えば、「日本帝国は誤った道を歩んで歴史を作ってきた」(41ページ)とあるが昭和11年の段階で、その思想を一介の芸術家や犯人である時子が持つことはない。「正しい道を歩んできた」というのが大日本帝国の根本思想で、そのために戦争や帝国主義、徴兵制が国民に受け入れられてきた。したがって、「朝鮮系の民族に支配され」(42ページ)るという思想は一般市民になく、また公にすれば思想犯として取り締まられる(憲法には、万世一系の「天皇は神聖にして不可侵」ということが記されていた)。
 また、日本列島に台湾が含まれていない。さらに、沖縄が日本古来の領土というのは近代の認識である。琉球処分に見られるように戦前において、沖縄は独特の位置があった(そのため、沖縄戦では捨て石にされた)。領土というものが変遷するのが当時で、当時の社会常識が描けていない。
 
2. 肝心な手記の筆跡が偽造されていたという点。梅沢平吉が文字をほとんど書かなかったというのは不自然であり、関係者がこのことに誰も気づかず、40年も騙し通せるものではない。非常に文芸性の高い「梅沢平吉の手記」を犯人がなりすまして書く必要性が無くなり、整合性がなくなってしまう。

3. 竹越文次郎が時子の誘いに乗るかどうか際どい。以前から関係を持っていた方が良い。

4. 誰の助けもなく、何十年も時子が消息不明、目撃者なしは可能であるのか。また仲の悪い義姉妹を巧妙に誘い出すことができたのか。3を含め、偶然性が高く、世紀の知能犯を感じさせない点。

5. 時子は実母と実父の関係は良好であるため、これだけの大量殺人を行い、父を失い、母を苦しめる必要がなかったように感じた点。時子の遺書からは良心的、常識的に感じ、とてもこのような狂気じみた犯行を行えたように感じなかった点。

 1~5の点は小説であるのでマイナス評価はしないが、やはり星をマイナス一つとせざるをえないのは犯行動機である。犯人の遺書を読む限り、8人も大量殺人をしないといけない理由が分からない。養母に冷遇されるというのは当時よくあったことである。過剰報復であり、遺書からは狂気性が見られない。この最後の犯人の遺書に、「梅沢平吉の手記」に見られたような狂気性が欲しかった。この娘ならこのような凶行もやりかねないと思えるような内容であればよかったであろう。「梅沢平吉の手記」の完全性ゆえに、それ以降はこれ以上のものが書けなかったのかもしれない。
 個人的には、犯行が戦前、しかも二・二六事件の頃であるだけに、動機に奥深いものを期待してしまった(雉機関が実在し、その陰謀が行われたことを期待した)。よって、星一つ減の4つとしたい。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.813
(4pt)

古典的名作

本書の最大の魅力は、大胆なトリックと世界観にある。冒頭からいきなり、「梅沢平吉の手記」が1章分来る。現代エンタメ小説の潮流では、難解で不気味なこの文を嫌うであろう。しかし、これを「ある狂人の日記」と題して短編で出せば、三島由紀夫が絶賛するような内容である(しかし、その世界観の完全性ゆえに、犯人によるものということが、欠点になってしまう。犯人にはこのような内容の文を書けないからである)。
 私は、この冒頭にこそ本書の魅力が詰まっていると主張する。短編として終わらせるか、エンターテイメント小説として用いるかは著者の判断である。どの道を選んでも成功できる。
 トリックにおいては、現代においては成立せず、当時の警察の捜査能力からいっても見抜けたのではないかと思えるが、その奇抜な発想は比肩する物がない。
 最近の3分間クッキングならぬ3分間ミステリーの氾濫、あるいは文芸性や実験性に乏しい優等生型の小説の生産にはうんざりするものがある。令和の時代には、平成の作品群が廃れる一方、あらためて本作は評価されていくであろう。再読、もしくは若い世代ほど読むべきであろう。この点で星4つとしたい。
 しかしながら、本書は以下の点で欠点がある。以下はネタバレがあるので未読の方は注意していただきたい。

1. 著者は歴史に関して知識が浅いため、梅沢手記では歴史的なことは省いたほうがよかったであろう。例えば、「日本帝国は誤った道を歩んで歴史を作ってきた」(41ページ)とあるが昭和11年の段階で、その思想を一介の芸術家や犯人である時子が持つことはない。「正しい道を歩んできた」というのが大日本帝国の根本思想で、そのために戦争や帝国主義、徴兵制が国民に受け入れられてきた。したがって、「朝鮮系の民族に支配され」(42ページ)るという思想は一般市民になく、また公にすれば思想犯として取り締まられる(憲法には、万世一系の「天皇は神聖にして不可侵」ということが記されていた)。
 また、日本列島に台湾が含まれていない。さらに、沖縄が日本古来の領土というのは近代の認識である。琉球処分に見られるように戦前において、沖縄は独特の位置があった(そのため、沖縄戦では捨て石にされた)。領土というものが変遷するのが当時で、当時の社会常識が描けていない。
 
2. 肝心な手記の筆跡が偽造されていたという点。梅沢平吉が文字をほとんど書かなかったというのは不自然であり、関係者がこのことに誰も気づかず、40年も騙し通せるものではない。非常に文芸性の高い「梅沢平吉の手記」を犯人がなりすまして書く必要性が無くなり、整合性がなくなってしまう。

3. 竹越文次郎が時子の誘いに乗るかどうか際どい。以前から関係を持っていた方が良い。

4. 誰の助けもなく、何十年も時子が消息不明、目撃者なしは可能であるのか。また仲の悪い義姉妹を巧妙に誘い出すことができたのか。3を含め、偶然性が高く、世紀の知能犯を感じさせない点。

5. 時子は実母と実父の関係は良好であるため、これだけの大量殺人を行い、父を失い、母を苦しめる必要がなかったように感じた点。時子の遺書からは良心的、常識的に感じ、とてもこのような狂気じみた犯行を行えたように感じなかった点。

 1~5の点は小説であるのでマイナス評価はしないが、やはり星をマイナス一つとせざるをえないのは犯行動機である。犯人の遺書を読む限り、8人も大量殺人をしないといけない理由が分からない。養母に冷遇されるというのは当時よくあったことである。過剰報復であり、遺書からは狂気性が見られない。この最後の犯人の遺書に、「梅沢平吉の手記」に見られたような狂気性が欲しかった。この娘ならこのような凶行もやりかねないと思えるような内容であればよかったであろう。「梅沢平吉の手記」の完全性ゆえに、それ以降はこれ以上のものが書けなかったのかもしれない。
 個人的には、犯行が戦前、しかも二・二六事件の頃であるだけに、動機に奥深いものを期待してしまった(雉機関が実在し、その陰謀が行われたことを期待した)。よって、星一つ減の4つとしたい。
占星術殺人事件 Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件より
4523264716
No.812
(4pt)

古典的名作

本書の最大の魅力は、大胆なトリックと世界観にある。冒頭からいきなり、「梅沢平吉の手記」が1章分来る。現代エンタメ小説の潮流では、難解で不気味なこの文を嫌うであろう。しかし、これを「ある狂人の日記」と題して短編で出せば、三島由紀夫が絶賛するような内容である(しかし、その世界観の完全性ゆえに、犯人によるものということが、欠点になってしまう。犯人にはこのような内容の文を書けないからである)。
 私は、この冒頭にこそ本書の魅力が詰まっていると主張する。短編として終わらせるか、エンターテイメント小説として用いるかは著者の判断である。どの道を選んでも成功できる。
 トリックにおいては、現代においては成立せず、当時の警察の捜査能力からいっても見抜けたのではないかと思えるが、その奇抜な発想は比肩する物がない。
 最近の3分間クッキングならぬ3分間ミステリーの氾濫、あるいは文芸性や実験性に乏しい優等生型の小説の生産にはうんざりするものがある。令和の時代には、平成の作品群が廃れる一方、あらためて本作は評価されていくであろう。再読、もしくは若い世代ほど読むべきであろう。この点で星4つとしたい。
 しかしながら、本書は以下の点で欠点がある。以下はネタバレがあるので未読の方は注意していただきたい。

1. 著者は歴史に関して知識が浅いため、梅沢手記では歴史的なことは省いたほうがよかったであろう。例えば、「日本帝国は誤った道を歩んで歴史を作ってきた」(41ページ)とあるが昭和11年の段階で、その思想を一介の芸術家や犯人である時子が持つことはない。「正しい道を歩んできた」というのが大日本帝国の根本思想で、そのために戦争や帝国主義、徴兵制が国民に受け入れられてきた。したがって、「朝鮮系の民族に支配され」(42ページ)るという思想は一般市民になく、また公にすれば思想犯として取り締まられる(憲法には、万世一系の「天皇は神聖にして不可侵」ということが記されていた)。
 また、日本列島に台湾が含まれていない。さらに、沖縄が日本古来の領土というのは近代の認識である。琉球処分に見られるように戦前において、沖縄は独特の位置があった(そのため、沖縄戦では捨て石にされた)。領土というものが変遷するのが当時で、当時の社会常識が描けていない。
 
2. 肝心な手記の筆跡が偽造されていたという点。梅沢平吉が文字をほとんど書かなかったというのは不自然であり、関係者がこのことに誰も気づかず、40年も騙し通せるものではない。非常に文芸性の高い「梅沢平吉の手記」を犯人がなりすまして書く必要性が無くなり、整合性がなくなってしまう。

3. 竹越文次郎が時子の誘いに乗るかどうか際どい。以前から関係を持っていた方が良い。

4. 誰の助けもなく、何十年も時子が消息不明、目撃者なしは可能であるのか。また仲の悪い義姉妹を巧妙に誘い出すことができたのか。3を含め、偶然性が高く、世紀の知能犯を感じさせない点。

5. 時子は実母と実父の関係は良好であるため、これだけの大量殺人を行い、父を失い、母を苦しめる必要がなかったように感じた点。時子の遺書からは良心的、常識的に感じ、とてもこのような狂気じみた犯行を行えたように感じなかった点。

 1~5の点は小説であるのでマイナス評価はしないが、やはり星をマイナス一つとせざるをえないのは犯行動機である。犯人の遺書を読む限り、8人も大量殺人をしないといけない理由が分からない。養母に冷遇されるというのは当時よくあったことである。過剰報復であり、遺書からは狂気性が見られない。この最後の犯人の遺書に、「梅沢平吉の手記」に見られたような狂気性が欲しかった。この娘ならこのような凶行もやりかねないと思えるような内容であればよかったであろう。「梅沢平吉の手記」の完全性ゆえに、それ以降はこれ以上のものが書けなかったのかもしれない。
 個人的には、犯行が戦前、しかも二・二六事件の頃であるだけに、動機に奥深いものを期待してしまった(雉機関が実在し、その陰謀が行われたことを期待した)。よって、星一つ減の4つとしたい。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.811
(2pt)

文章が読みづらい('`)

文章が読みづらい…
最初、挫折しかけました…

これはあれだからあり得ない、あれもそれだから可能性はゼロ…のような謎解きも私に理解力が無いのかすんなり頭に入ってこなかった…

とにかく文章が小難しい…普通に読んでれば『あれ?』と気付けるものも、文章が読みにくいからついつい斜め読みしちゃって見落とす感じ…

最後、トリックには『なるほど~っ』と思いました。
占星術殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (光文社文庫)より
4334712428
No.810
(2pt)

文章が読みづらい('`)

文章が読みづらい…
最初、挫折しかけました…

これはあれだからあり得ない、あれもそれだから可能性はゼロ…のような謎解きも私に理解力が無いのかすんなり頭に入ってこなかった…

とにかく文章が小難しい…普通に読んでれば『あれ?』と気付けるものも、文章が読みにくいからついつい斜め読みしちゃって見落とす感じ…

最後、トリックには『なるほど~っ』と思いました。
占星術殺人事件 (名探偵・御手洗潔シリーズ) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (名探偵・御手洗潔シリーズ)より
4062038595
No.809
(2pt)

文章が読みづらい('`)

文章が読みづらい…
最初、挫折しかけました…

これはあれだからあり得ない、あれもそれだから可能性はゼロ…のような謎解きも私に理解力が無いのかすんなり頭に入ってこなかった…

とにかく文章が小難しい…普通に読んでれば『あれ?』と気付けるものも、文章が読みにくいからついつい斜め読みしちゃって見落とす感じ…

最後、トリックには『なるほど~っ』と思いました。
占星術殺人事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 占星術殺人事件 (講談社文庫)より
4061833715