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暗い鏡の中に
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【この小説が収録されている参考書籍】
暗い鏡の中にの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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迅速に発送をいただきましてありがとうございました。 | ||||
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美術の先生のフォスティーナの分身が現れる噂がたち、明確な理由を告げられず解雇される。彼女は前の学校でも同じようなドッペルゲンガー現象が原因で解雇されている。そして、フォスティーナがアリスを殺害する現場が目撃されるが、同じ時間帯に彼女と長距離電話をしているギゼラの証言があり、ドッペルゲンガーは本物ではないかと騒ぎになる。そして、当のフォスティーナも死亡する。 一連の事件の犯人は、とても意外な人物だ(そうじゃないと面白くないんだけどね)。探偵役のベイジル・ウィリング博士(ギゼラの恋人でもある)がドッペルゲンガーのからくりを見抜いたのは見事だが、残念ながら物証がない。犯人と対峙し、おどおどしい雰囲気のままラストを迎える。ウィリング博士がすべての謎を合理的に説明できたのが見事。いろんな伏線はあったのだが見事に騙された。スッキリしつつモヤモヤも残るが、それが読後感の良さにつながっている。 | ||||
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1950年発表の本作品は、70年代に邦訳された後、長らく絶版となっており、幻の傑作と呼ばれていたそうです。 それが、近年、著者の再評価が進み、2011年に新訳版が刊行されたもの。 内容は、ブレアトン女子学院の女性教師、フォスティーナが、勤務してわずか5週間だというのに、校長から突然解雇を告げられるところで幕を開ける。 その理由について、校長は固く口を閉ざしたままだが、彼女は、校内の人物(他の教師や生徒、メイド)の自分に対する態度がよそよそしいのに気づいていた。 親しい同僚、ギゼラは恋人のウィリング博士に調査を依頼するが、関係者の中から死者が出てという物語。 フォスティーナを解雇に追い込んだ「ある現象」が、大変に不可解なもので、ホラーの要素の入ったものになっています。 これについて、合理的な説明がなければ、単なるホラーですが、さすがに「ミステリ」らしい解決が控えています。 しかし、あまり期待しすぎないことを、オススメします。 なぜなら、合理的解決を目指すと、ある方法に行き着いてしまい、全くの想定外ということはないだろうからです。 それでも、解決を導く糸口に工夫が凝らされていることには注目です。 また、ディクスン・カーの「火刑法廷」のような、合理的解決がされてもなお、不可思議な感覚が抜けきれないという、ミステリとホラーが融合したかのような余韻を残しているのが、趣向として楽しめました。 今度は絶版にならず、読み継がれてほしいと感じさせる佳作でした。 | ||||
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一作毎に趣向を変えて技巧を凝らした数々の作品で今も多くのミステリー・ファンから愛されるマクロイ女史が1949年に著した非常に怪奇色の濃い問題作です。本書は私が若い頃に読んだ初めてのマクロイ作品なのですが、今回30数年振りに読み返しまして少しのんびりとした時代の雰囲気も感じましたが、でもどうなるのかの予想がつかない謎めいたストーリーの魅力に引き摺られて最後まで楽しんで読めました。また本作のラストには決してありきたりではない著者の企みが仕掛けられていていたく感心させられましたね。 若い女教師フォスティナはある日突然に自らが勤めるブレリートン学園の園長から理由も説明されず一方的に解雇を通告される。同僚の女教師ギゼラはその事実を知って特に彼女と親しくはなかったが気の毒に思い、恋人である精神科医ウィリング博士宛の手紙に書いて相談するのだった。 まず本書で中心になって活躍する名探偵ウィリング博士の今回の行動に関してはやや不満を感じましたね。それはドッペルゲンガー(生き霊)の存在について自分の心中に迷いがあるのか時々で否定と肯定を繰り返すどっちつかずの態度が災いして、第一の死に対して積極的に動かずに放置し、やがて第二の死者に対しても警告の手は打った物の結局は悲劇を回避する事が出来なかった点ですね。まあミステリーの流れから言えば致し方ない面もあるでしょうし少し厳し過ぎるかも知れませんが、私は被害者に警告するだけでなく内心怪しいとにらんでいた人物に監視をつける事もして欲しかったと思うのですね。ここまで執拗に書くのは私が気弱な薄幸の女教師フォスティナをあまりにも不憫で可哀そうだと思ったからなのですね。彼女は言われなき迫害を受け続けてその理由も知らぬままで善良な性質なのに悲運に見舞われ、短い生涯で愛する人にも恵まれずにその運命を本当の意味で悲しんでくれる人もいないというのが本当に気の毒で可哀そうとしか言いようがありません。もし彼女が悲劇に見舞われるのが冒頭だったならばそれ程ではなかったかも知れませんが終盤の方である事が痛ましさを強めていると思いますし、その意味で本書は今の時代ならば「嫌ミス」と呼ばれるタイプの作品だと言えるでしょうね。本書のトリックについては、メインの部分では多分こういう形でしかあり得ないだろうなと思っていた通りで大きな驚きはありませんでしたが、題名の意味が込められた殺人トリックの発想は新鮮で面白いなと感じました。それから特に嫌らしく感じたのは各章の頭で悲劇のヒロインに呼び掛ける無慈悲その物の言葉の数々で、この犯人は犯行自体に残虐性はない物の相当に心の冷たい冷酷な奴だと強く思いましたね。そして本書の最後の趣向は全ての現実的なトリックを否定して超自然の可能性を完全には打ち消さない怪奇小説らしさを感じさせる面白さで、私としては白黒はっきりさせて欲しい気持ちもありましたが、その一方で謎めいた雰囲気が残されていてこれはこれで良いかなとも思いましたね。最後に本書はその悲劇性の故に心から大好きな作品ではありませんが、ミステリーと怪奇小説を融合させた著者の意欲を感じさせる問題作と言えるだろうと思いますね。 | ||||
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オカルト的作品で読み手を選ぶ本です。名作との呼び声に惹かれて購入しましたが・・・。科学を基軸に考える私にはイマイチ肌に合いませんでした。 | ||||
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オリジナルは1950年なので,相当昔に刊行されています。それでも古臭さがまったく感じられないのは,物語の舞台が閉鎖的な女子学院(今で言うところのボーディング・スクール)だからでしょうか。 とても映画的な小説で,読んでいると様々なシーンが具体的なイメージを伴って眼前に現れてくるようです。全体的に陰鬱な感じで,青空よりも曇り空,穏やかなそよ風というよりは強めの秋風,にぎやかな町並みというよりはうら寂しい田舎の田園地帯・・・そんなイメージです。 最後まで読み切っても謎は完全に解決されませんが,それだけにいっそう怪奇幻想小説としての魅力が増しているように思います。 | ||||
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ここでの高レビュー、「幻の名作復活」に惹かれて読みましたが、これ、怪奇とミステリの融合なんてしてませんね。 それだったら、有名作でもっと良いのが幾つもありますよ。「バスカビルの魔犬」だの「暗闇坂の人食いの木」だの ミステリファンでもない私でパッともっといいのがでるくらいなので、ここまで読むくらいの方だったらもっと色々知ってるでしょ。 この作品の場合、引っ張った挙句、無理のあるトリックで、犯人と思しき人物にはぐらかされ、尻切れトンボに終わる。 ってだけだったので、かなり肩すかしをくらいました。余韻が残る結末でなくて、オチがついてません。 探偵の推理を聞いた後の犯人(?)のドヤ顔で終わる、って作品は初めて読みました。 これくらいアマゾンのレビューと内容が食い違ってる事は珍しいです。 かなりの悪食だったり珍しい作品好きの相当なミステリマニアが喜ぶの?くらいの作品ですね。 | ||||
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推理小説に精神科医の探偵(正確には、ニューヨークの地区検事事務所に所属している精神分析医の捜査官なのですが)を初めて登場させたが、ヘレン・マクロイです。やがてウィリング博士の妻になる、オーストリアから亡命してきたギゼラとは、まだ恋人どうし。この作中でプロポーズします。ミステリー作家ながらサスペンスにも長けていて、この作品はその中間に位置するのではないかとおもいます。本格ミステリー派には『幽霊の2/3』をお薦めしますが。 | ||||
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皆様の高い評価につられて、本作を読んでみました。 女性教師が解雇されるという平凡な設定に過ぎないと思われた物語が どんどん恐怖感を増していく過程は素晴らしいです。 中盤以降、周囲の人びとの証言によって謎が次第に明らかになっていく 巧みなストーリー・テリングにページを繰る手も もどかしいほどです。 探偵役の精神科医ウィリング博士も魅力的ですし 彼の恋人でオーストリアの貴族の血をひくギゼラも心惹かれるキャラクターです。 本作に登場するような現象をゲーテも書いていたとは知りませんでしたが、 こういった古典的な引用やヨーロッパの歴史に対する描写が 物語に厚みを与えています。 最後の謎ときは少し物足りない気もしましたが 恐ろしいだけでなく美しい神秘的な物語を楽しみたい方には うってつけの作品だと思います。 | ||||
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「歌うダイアモンド」の中の短編と内容はほぼ同じです。そっちを先に読んでしまっていたのでこの作品はつまらなかった。が、はじめて読む人にはおすすめです。 | ||||
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レビューが良いので買ってみました。 面白くありませんでした。 …というレビューをときどき見かけますが、自分がまさにそれを書く事になろうとは。 結末まで読んで、ガクゼンとしました。あまりの呆気なさに。 緩急がほとんどなく、平坦なまま終わります。 オカルトが題材でありながら、怖さもなく、おどろおどろしさもなく……。 なにか起こっても「ふーん、それで?」というレベルで、「いったいどうしてこんなことが!?」という展開じゃないんですよね…。 結末はたしかに珍しいのですが、そのときには脱力しててどうでもよかったです……。面白がる余裕なんかないです。最後にくればきっと何かがあるはず!と思って頑張って読んだのに、酷い気分でした。 これは原作のせい? 怪異現象がアレなせい? それとも翻訳者のせい?? そもそも翻訳も変です。 『「どんなことでしょうか、校長先生?」(中略)このブレアトン女子学院の教師は全員、洗練された話し方を心がけなければならない』 「どんな」って洗練された話し方でしょうか? 子どもっぽくないですか? この場合「どのような」になるのではないですか? これが本文が始まって2ページ目なのですから、推して知るべし、です……。 とんだ『伝説の最高傑作』です。無駄遣いしたなあ……と凹んでいます……。 …とは言っても、本読みの性でまた面白い本を探してしまうのでしょうけど……。 | ||||
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これは明るいところで読んだほうが絶対にいい作品だと思う。なぜって?薄暗い間接照明を頼りに読むには怖すぎるから!事件の謎に対して論理的な説明がなされたあとでもヒンヤリ残る釈然としない不気味さを含めた何かがヒチコックのサイコを思わせる怪奇ミステリィ。女性たちの衣装や建物の内装のきめ細かな描写、事故シーンの臨場感も素晴らしい。噂に違わぬ傑作。カヴァーデザインも格好良い! | ||||
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「超常現象」がちりばめられていて、序盤は、話の展開について行けず、結局、この話は何なの、と思いながら読みました。 しかし、読み進めていくと、超常現象では済まされない展開に流れていきます。 そこに気がつくと、だんだん話がおもしろくなっていきます。 ラストはかなり満足しました。 ページ数が少ないので、軽く数時間でちょっと変わったミステリーを読みたい人におすすめです。 | ||||
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1940年代の作品で早川書房から出版されたものの新訳版。 70年前の古さは全く感じられない。 今まで出会わなかったのが惜しいくらいの謎解きの追い込みの言葉が巧みです。 ミステリにトリックはつきものですが、物理的な要素ではなく、不安定な要素となってしまう心理的なトリックに絞られていることがとても興味深い。 さて、謎そのものがミステリアスでレベルの高さを感じざるを得ない作品ではあるが、解決に際しとてもモヤモヤしたものが残る。 この言葉を濁したような終わり方は何なのだろう。 幻想的なミステリを扱っているのにウィリング博士は超自然的な幻想を一切信じない合理主義だそうで、この相反する組み合わせがこのシリーズの面白さの一つなのかもしれない。 久しぶりに追いかけてみたいと思った海外ミステリでした。 | ||||
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この本との出合いは1992年に遡ります。 「100冊の徹夜本」というミステリ紹介のガイドブックですが、滅法おもしろい本がありました。 「世間であまり話題にならないのに、面白い本。読み始めれば必ず、東の空がしらじらと明けるまで 読み通さずにはいられない面白本」ばかりを集め、紹介しているのです。 謎の書評家・佐藤圭。 その彼が1冊目に取り上げた作品がこの絶版になって久しい「暗い鏡の中に」というミステリでした。 ヘレン・マクロイの名前も知らなかった私ですが、この本をいつか読みたいと長年思っておりました。 中身は、ドッペルゲンガーの伝説を下敷きにした、幻想譚。ゴシックミステリとでも呼べる作品でしょう。 各章のはじめに載せられている、ヴィクトリア朝の詩人スインバーンの詩が、不気味な中にもこの作品に ピタリと合った雰囲気を盛り上げています。 ミステリとして読むよりは、不思議な伝説に現実がまぎれこんでしまった幻想物語として読んでほしい作品です。 最近になってヘレン・マクロイは何冊かは復刊されて評判も(一部で)上々だったようですが、 この作品だけはなかなか復刊されず入手困難なままでした。やっと念願の名作、徹夜本を 手に入れることができました。 テンポのいい現代作家の作品とは1線を画しているマクロイですが、陰影のこまやかな表現や、 きらめくようなイメージが魅力でした。 ゆったりと、ページをめくり、古い恐怖小説の愉しみを得たい方にお薦めです。 | ||||
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初読破もう30年くらい前だろうか。 ハヤカワミステリ文庫で刊行されたときに読んだ。 当時、ハヤカワミステリ文庫は、ポケミスの絶版を次々と刊行していて、カーやクイーンの諸作を、それこそ涎を垂らしながら読んだものだった。 アイリッシュやロスマクの諸作を読んだのも、みんなこの時期だった。 そして、本作は傑作との評価のみが流布していたが、実作を読む機会のない作品だった。 巻頭から作品世界に引き込まれ、一気読みしたものだった。 そして、傑作の評価に間違いのないことを、改めて確認したものだった。 シチュエーションやネタなど、今日の目で見たら、またミステリ読みにかかれば、それほど深いものではないので、読めてしまうだろう。 しかし、翻訳作品でありながら、このオカルティックでニューロティックな雰囲気満点の描写は見事であり、しかも本格ミステリであるというのが、実にうれしい。 今回、創元文庫で復刊されたのを機会に、また読んでみようと思っている。 | ||||
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幻想怪奇と合理的解決が見事に融合した傑作。名のみ高くなかなか読めなかった人には驚天動地の復刊でしょう。 話は最初からかなり不可能興味が横溢していて「この小説、本当にミステリなのか」というくらい妖しい展開が続き、殆どホラーの様相を呈するけど、名探偵で精神科医の鋭い考察でなんとか合理的に解決する。が、最後の最後に至って釈然としないわだかまりも残り、本格推理小説を超えて一種異様な印象を残す逸品になっております。 この手の作品としては本当によく出来ていて、同業者のカー先生などかなり嫉妬したのではないかと邪推します。かの皆川博子氏も幻想ミステリとして大変好きだとか。 ただ、一言いっておくとあくまでミステリとしての傑作なので、期待しすぎてなにかとんでもない壮烈な小説だと思って読むと肩すかしを喰うかもしれないのでご注意を(昔個人的にそういう経験をしたもので。余計なお世話かもしれませんが)。 マクロイは色々復刊や新訳で読めるようになって作品ごとに毀誉褒貶あるのが判ってきましたが、これはかなり出来のいい部類にはいるといえ、最高傑作に名が挙がるのも頷けます。 昔、絶版状態の時に図書館から借りて感銘を受けたのが懐かしい思い出です。今回新訳で読んでも全然古びてないのが驚きでした。願わくば今回の版が絶版にならぬように。 | ||||
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幻の傑作なんて作品は、読んでみるとたいしたことがないと感じることが多いものです。時代が過ぎてしまった為に同時は斬新であったものが、ありきたりなものになってしまったこともあるし、読者にそれなりの教養が必要とされる場合もあって、実はものすごいものを秘めているのだが一部の読者以外には伝わらない場合もある。それは当然で誰が読んでも「おお、すごい」と感じられる作品が長らく絶版で古書店でも手に入らない、値段が高騰するというのは不自然なのです。例えば、同じ作者の『幽霊の2/3』は面白いとは思うが大騒ぎするほどの作品とは思えません。通好みではあるが、誰が読んでの感心するといった作品ではないというが、私の印象。 ところが、「暗い鏡の中に」はそうした一般論は通じないようです。扱っているテーマや作品の雰囲気からして中学生ぐらいのちょっとロマンチックな女の子が読んだら,えらく感心する感激するといった印象すらある。上手い例えではないが、ミステリ、SF、怪奇小説といったたぐいのジャンルが好きな人にとっては、実に興味深いテーマを扱っているのです。個人的な印象にすぎませんがこの手のジャンルが好きな人にとって普遍的な面白さをもっているので、クリスティの諸作のようにいつでも手に入るということは、無理だとしても10年に一度位は、再版してもよかったと思うのですよ。自分が持っている早川文庫版が昭和52年発行になっている。2版されなかったとすると、30年はとっくに過ぎている。早川さん・・・こまったものです。いうなら、「幻の作品」にされてしまった作品。今回は、創元社に発行が移っている。いいことかもしれません。イメージに過ぎませんが創元社の方が定期的に定評がある作品、話題になる作品は再版してくれる感じがするので。 今回、創元版を購入して20年ぶりの再読しましたが、できがいいですね。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、品行方正に見える女教師がいきなり、理由も告げられずに解雇される。中盤になってようやく理由が明らかになるのですが、引っ張るなぁという印象。前段のこの部分が読者を不安に駆り立てて素晴らしいです。さらに理由が明らかにになると、理由があまりといえばあまりなのでさらに読者が不安になってくる。おい、おい、これ本格ミステリだよなぁ??うーんちがうのかぁ・・・と云った感じに??・・・ううう、ほんと上手いわぁ。 さらに終盤、謎解きになりロジックが炸裂する。ウィリング博士と博士が一連の出来事の黒幕だと指摘した人物の対決が始まる。探偵がこう言えば、その人物もこう言い返す。すざまじいディベートの応酬。さてさて・・・いかなる結末をむかえるか?同一の仕掛けを扱った作品の有名なあの作品がありますが、個人的には、「暗い鏡の中に」のほうが衝撃的。とにかく読みなされ!! | ||||
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昔 早川文庫のアンソロジー 密室大集合(昭和59年出版、E.D ホック編集、カーの 山羊の影や、ローソンの この世の外から などの名作を収録)で短編での 暗い鏡の中へ をよんで以来 ずっと探していたけれど手にはいらなかった。 今回、文庫で入手できてうれしい。 ミステリーの愛好者は市場からなくなるまえにかいましょう。 | ||||
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カーの『火刑法廷』や皆川博子の『聖女の島』と並ぶ本格ミステリと怪奇幻想の融合を有機的に果たした傑作。 原型となった短編「鏡もて見るごとく」(短編集『歌うダイアモンド』所収)があくまで端正にまとまった破綻のない作品なのに比べ、本作の論理性の揺らぎを示唆するような結末はあまりに衝撃的。名状しがたい恐怖と美をたたえたラストシーンはミステリ史上に永遠に残る。 ハヤカワミステリ版の高橋豊訳が特に読づらかった記憶はないが、今回の新訳でマクロイの掛け値なしの代表作が広く読まれるのは喜ばしい。 | ||||
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