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蜜蜂と遠雷
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蜜蜂と遠雷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全736件 561~580 29/37ページ
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発売されて結構すぐにkindleで買って、スラスラ読める面白いエンターテインメント小説だったけれど、日が経つにつれて読んでて引っかかった所がずっと残って、逆に腹が立ってきてしまったというのはこの本が初めての経験だろうか。 なまじ本に出てくる曲を知っていたせいか。 プロコフィエフの協奏曲第2番を、最後どういう風に描写してくれるかと楽しみにしていたら肩透かしを食う、というよりもそれ以外の描写。 例えば同じプロコフィエフの協奏曲についての登場人物の会話。 「僕、三番聴いてると『スター・ウォーズ』みたいなスペース・オペラ想像するんだよね」 「分かる、宇宙ものだよね、あれは。二番はノワール系」 「そうそう、暗黒街の抗争みたいな」 ・・・本当に、こんなに音楽のイメージが共有し合える人はめったにいない。」 ごめん、全然共有できない。 そのまま続けてラフマニノフの協奏曲について- 「うーん。一、二番はともかく、三番て僕、あんまり趣味じゃないなあ。後半のほうなんか、ピアニストの自意識ダダ漏れって感じで」 作者の感想を登場人物に語らせているんだろうけど、全然共感できない、というかこの曲あってのラフマニノフと思っていた当方としてはムッという感じで。 後半に、リストのピアノソナタの演奏について、面白くもない「十九世紀グランドロマン」風のドラマを長々と描写がある。 それを聴いた他のコンテスタントは「大長編ドラマを語りきったということが分かっていた。・・・何か波乱万丈の人間ドラマを曲で描いていたというのは伝わっていたのだ」と。で、その演奏者の人間の核を理解できて通じ合ってしまうと。 はぁ。 読んでいる方は、フィギュアスケートでかかるラフマニノフの協奏曲第二番に合わせて観客席から起こる手拍子みたいに、変な節、イメージをつけないでくれよという感じ。 どうも描写力の不足を、登場人物たちの安易な共感で補っている所が目について、イラついてしまったのかなと思う。そんなに単純にイメージを共感できたり通じ合ったり出来るもんじゃないし、人と違うイメージを持ってそれを大切にするのも音楽の楽しみですよ。 「春と修羅」という架空の曲の描写が一番よかったんじゃないかな。 | ||||
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今日こそ、もっとクラシック音楽に親しんでおくべきだと思ったことはありませんでした。 栄伝亜夜や風間塵の演奏のイメージが、いくら詳細に描写されてもなかなかピンと来ません。 確かに、楽譜と解釈の問題は、ピアノに限らずつきまのです。 作曲者がどんな気持ちで曲を作ったか? 演奏者の気持ちをどう乗せて演奏するのか? そもそも「音楽」とは何か?と言うことになります。 この本の主題もそこにあるのでしょう。 そのために、3人の若者が登場します。 マサルと亜夜と塵です。 マサルは、この中では一番常識的と言えるでしょう。 一番常識外れなのが、塵です。 自然の音を音楽として聞き、ピアノを演奏します。 その演奏ぶりは、破天荒で審査員を困惑させます。 亜夜は、ジュニア時代にドタキャンの実績があり、これが「復活」の場です。 この「復活」には、塵の演奏が大きく影響し、幼馴染のマサルも影響を与えます。 その意味では、この作品は亜夜の復活の物語とも言えます。 いずれにしても、この第一次予選から本選までの展開は、ものすごくスリリングでわくわくさせてくれます。 結構な長編なのですが、一気に読まさせられました。 それほど、この本はエンターテイメントな傑作と言えると思います。 | ||||
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8月に軽井沢大賀ホールでピアノコンサートを聴いて、感激しすぐにアマゾンでこの本を購入し、耳にピアノの調べを残したまま、読みふけり、感動しました。 | ||||
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なんと言っても文章が素晴らしい 少年少女がコンテストに挑む作品として著名なものは 四月は君の嘘、ピアノの森、コンテストが主体ではありませんがのだめカンタービレと 色々ありますが、いずれも漫画やそれを下敷きにしたアニメや実写ばかりです 芸術自体文字に起こすことが困難で、具体的なカタチを持たない音楽は言うまでもありません 人が芸術に触れ、そこから何を感じるか、何をイメージするか、感情の面も抽象的で普遍的な答えがないため これもまた文字にするのが難しい この作品では、それら言葉にするのが難しいものたちが 豊かな感性で捉えられ、確かな表現力でもって描かれてる 表現も弱すぎることもなく映像や音がはっきりとイメージできるのに、 決して作者の中にあるであろうイメージをこちらに押し付けず、私たちで想起させてくれる この絶妙なバランスが素晴らしいのです それ以外にも、この作品では複数の人物の視点が入れ替わりながら描かれていきますが その切り替えも自然で、かつ誰の視点なのがかハッキリとわかるように書きわけが出来ています 文章だけでなく内容も素晴らしいのですが ネタバレしてしまっても良くないので割愛します | ||||
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ピアノはかじった程度、クラシックは好きだけど、所謂有名どころしか知らない者です。美しい表紙と書評に惹かれて読み始めましたが、とても読みやすい文章で、話に引き込まれいっきに読んでしまいました。話は一言でいうとピアノコンクールの一部始終なのですが、登場人物の心の機微、天才に対する嫉妬、羨望、畏怖、曲と真摯に向き合うことでの葛藤やそこで得られる多幸感や、達成感、というような、人が一生懸命人生を生きていくなかでの心の機微がこの作品につまっていると思います。少しネタバレになってしまいますが、ある登場人物が言った、一瞬で永遠というセリフが心に残りました。ひとつひとつの音符という一瞬、コンクールという長丁場でありながら人生のなかでは短いその一瞬に人生の縮図のようなものが濃密に描かれていると思います。キャラの描写が若干少ないのかも知れませんがこの作品はこれでいいのだと思います。圧巻の曲の描写に登場人物の全てが描かれていると思うので。ずっと手元に置いて、時折本の内容を思い出しながら多幸感あふれる表紙を指でそっとなぞりたいようなそんな本です。 | ||||
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時間の無駄でした。最初の数ページでつまらなさを確信しましたが、せっかく買ったので意地になって最後まで頑張って読んでしまいました。途中であまりのつまらなさに何度も中断したため、読み終わるのに結局2週間くらいかかっていたと思います。 とにかく登場人物に魅力がないし、多くの方がレビューされている通り、文章が稚拙なため読むのが非常に苦痛でした。なぜこのレベルの作品がW受賞出来たのか甚だ疑問です。この作者は今後避けようと思いました。 | ||||
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ピアノ教師です。コンクールっていろいろドラマありますよね。まぁつっこみどころもありますが、楽しめました。 | ||||
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ピアノを弾いているので、興味深く読みました。コンクールを題材にする発想が素晴らしいです! | ||||
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世界的に著名なピアノコンクールに出場した4名のピアニストが一次予選、二次予選、三次予選、本選を競う姿を生き生きと描いた作品で、約500頁もある大作ですが、とても面白くて一気に読了した。 4人の登場人物は何れも非常に才能あるピアニストだが、国籍、年齢、コンクールに出場するに至った過程がそれぞれ異なり、個性的な4人が予選を勝ち抜くところを通じて、ピアニストとして葛藤し(除く風間塵)、お互いの演奏に刺激を受けながら成長していく過程がとても面白い。 また、様々な課題曲の演奏シーンも工夫されていて、文章だけでよくここまで表現できるなと感心するぐらい迫力ある描写がなされており、実際音楽に携わっている人からは辛口レビューもあるようだが、素人の自分には非常に面白く、読了後はそれぞれの課題曲をじっくり聞いてみようと思っている。 | ||||
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私はピアノを弾きます。ピアノコンクールの番組をたいてい見ています。 著者は音楽のことがわかっていないのでは? 音楽を言葉に直して何の意味があるのでしょうか。 女性作家特有の甘ったるい言葉の羅列で、少し読んで止めました。 、 | ||||
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これはひどい。 劣化とはいえコピーというレベルにすら達してない。もしこの小説をコミカライズしたとしても、「ピアノの森」にも「のだめ」にも遠く及ばない。次元が違いぎる。退屈。使い古された設定、数多の突っ込みどころ。それをものともしない魅力と説得力があればと思い、苦痛に耐えながら読み進めたが、何もなかった。 率直すぎるが、この著者、文章下手じゃないか?物語がどうこう以前に文章をどうにかしたらと思う。そもそもプロの文章を読んでる醍醐味が全くない。ちょっとだけ上手な中学生の文章みたいだ。数売るためにわざと平易にしたのか?にしても魅力に乏しい。 どなたかのレビュー。 “「文章化するのが難しい音楽を見事に文章化している」との書評があった” このくだりを目にして仰天。こんな表現力貧困な文章で!?私には全然何も聴こえないが。大人の事情?なんの商魂だ。 著者には奥泉光氏の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたい。 奥泉氏の「シューマンの指」はやや個人的に好みに合わず低評価レビューをしてしたが、今、少し後悔している。あれが☆3ならこれはいったいマイナス☆いくつにしたら良いんだろう。あれこそまさに「文字から音楽が聴こえてくる」素晴らしい文章。辛すぎた。申し訳なかったかも。 ただやはり、「シューマンの指」については、あくまで“プロの仕事”へのレビューで、素人臭漂う本作なんかと同じ土俵では比べえない、れっきとした「作品」なのだ。星は星でも、普通の石と宝石くらい違う星であるつもりだ。 正直すぎるレビューを書いてしまったので、幻冬舎や選考委員会から差し向けられた刺客に命を狙われるかもしれない(冗談)。 | ||||
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ピアニストの世界として知られていない部分を手に汗を握るような展開で小説化していただいたことを嬉しく思います。紹介された曲を聴いてみたり、実際に練習してみたり、素晴らしい世界に浸ることが出来ました。読むだけでなく、幅広い層に楽しんでもらえる作品ですね。ただナサニエルさんのような音楽家がべらんめえ調の話し方をするかなあ…とか、ピアノを持っていない環境でコンクールに出場…というのはちょっと無理があるかな(笑)とは思いました。 | ||||
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内容に対する予備知識ゼロで読んだので、ボリュームに対して物語の時間が短いことに面食らいました。 しかし、そのわりにスピード感があって◎ 人物の掘り下げ方に関しても、演奏の活字化にしても、描写の旨さを感じますし、展開にも納得できます。 しかし、キャラが正直魅力的ではない。「立ってない」わけではなく「似た者揃い」なのだろうと思います。 読み終わった後、「面白いアトラクションだった」以上のものがありませんでした。 | ||||
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夢中になって、止まらずに最後まで一気に読み進めてしまいました。面白かった!!!ピアノの発表会というものを実際に聞いてみたくなった。 | ||||
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書くコンテスタントが多くて一人一人の内容が浅い。 どういう視点で読むべき本なのか?私自身納得のいく視点に辿り着いたのは本戦でした。 もう一度最初から読むべきでしょうが、 長い…… | ||||
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おそらく恩田さんは、幻冬舎の編集部の恩田さんの担当者からこう言われたと推察します。 「恩田先生、おめでとうございます。 次回作、先生がわが社から出版する作品が直木賞に内定しました。 ハード・カバーで装丁にも力を入れますので、長めの作品を書いて下さい。 編集部ではフレームワークとしてピアノのコンペティションを主題にする話なんかは如何なものか、と考えております。これですと、話も長く調節できますし・・・・・。 先生が執筆するにあたっての音楽関係の資料は、いつものように、こちらで集めますので、どうぞよろしくお願いします」 たぶん上記の 「推論的会話」 は、ほとんど中っているでしょう。 直木賞の審査員たちも完全なバカではないでしょうから、恩田さんのこの作品 『蜂蜜とハチミツ』 (冗談です) が、たとえ、中学生の作文コンクール(誇張的表現)でも 「特選」 にするには無理があり 「そこに、真実の人間が生きている事、あるいは、生きていると錯覚させること」 という、どの様なジャンルの小説にも必須の要件が満たされていないことは分かっているはずです。 「審査員の全員がすでに誰が直木賞を採るかを知っているなんて、そんな不自然な?!」 との疑問を持つ方もおられるでしょう。 少しでも少人数での、このような会を経験したことがある方なら、ある程度審査の空気感が解るはずです。 審査会トップ数人の意思があれば会全体の方向は決められるものなのです。 審査員にも生活があり、糊口をしのぐという必要もあるでしょう。ただ、審査員の心に良心の小さな欠片でも残っているのなら、全員、審査員を辞任してください。 さもなければ、日本の文学賞は 「小さな名も無いような文学賞」 を除いて、忖度ヒモつきばかり、ということになります。 石原慎太郎は、ひとつだけ小説を書き、偉そうなことばかり言っている 「名ばかり作家」 と評価しておりましたが、彼があきれて芥川賞の審査員を辞めた理由の一端が良く分かりました。 こんなゴミのような小説に直木賞をあげたとしても、日本の文学が死ぬことはないでしょう。 そこに人間が居る以上、文学は細々とではあるが残ります。ただ、(政治力のある)出版社が ―――持ち回り的に――― 大きな利益をあげる、という姑息なシステムは捨てるべきです。自分で自分の首を絞めるのは・・・・・いい加減に止めるべきです。 如何でしょうか? | ||||
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音楽を知らないと楽しめないし、音楽を知ってても楽しめない。 作者は美形な天才が好きみたいですね。 音楽を知らなければ、奏者でこれだけ違うんだと感心しますが、音楽を知り過ぎてる方からの評判が悪いことを知ると落胆します。 現代は他者の評価も合わせて作品を理解している点があるので、玄人に通用してないと知ると減点ですね。 サッカー経験者がキャプテン翼を面白いと思えるか。 逆に言えば知らないからこそ、壮大に書けたのかもしれません。 風間はブラジルの天才。あやは翼。マサルはシュナイダー。みたいなものかと。 小説にありがちな特別な主人公、凡人の視点も少しあるのだが、いささか凡人に対する救済が石崎君やスラダンの小暮的な扱いである。 読ませる力やワクワク感はあるのだが、またこういう展開ねと、マンネリなRPGやドラゴンボール、ワンピースのような印象がある。 さすがに音楽からストーリーが見えちゃうのは、テニスの王子様で視界が奪われるみたいなもので現実感はなく、終盤になると、演奏の褒め称えを読むのが辛い。 都合よくアジアや日本の血、幼なじみ、恩師が共通、恩師とキーパーソンは親戚と漫画的ご都合主義のオンパレード。 都合の良い展開を無名の小説家が書いても漫画じゃねえんだと選考に残らなそうだが、ネームバリューと読ませる力で受賞したのでは? 登場曲のCDまでAmazonに勧められ商業的な持ち上げを感じた。 総合的には面白いが、るろうに剣心やドラゴンボールやバガボンドをみてるようだった。 風間は小次郎かな。 | ||||
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最後までわくわくしながら読み終えました。登場人物一人一人の描写が細やかで、物語の世界にどっぷりつかる幸せな読書体験ができました。クラシックやピアノに詳しくはないのですが、CDも購入し物語と併せて音楽も楽しんでいます。 | ||||
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音楽の用語やクラッシックの作品名がたくさん出てきて、???というのもありましたが、ピアノコンクールの様子や曲の解説が分かりやすく、引き込まれる本でした。 | ||||
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世評の高さの割には長いだけの凡作という印象が否めなかった。「音楽の神に愛された」天衣無縫の天才少年の塵、少女時代に音楽世界から隠棲し、忘れられた天才少女と呼ばれれいる亜衣、亜衣の幼馴染みで2人とは異なった才能を有するマサルという主に3名が出場する登竜門用のピアノ・コンクール大会の模様を描いた(だけ)の作品。作中に、「小説と音楽は似ている」、との言辞がある通り、作者は本作で「言語で音楽を表現する」事に挑戦したのだと思うが、クラシックの素人の私には、読んでいて、頭の中に音楽は流れて来なかった。 ピアノ・コンクールを題材にしている点を中心として、如何にも少女マンガ風な幼い雰囲気が全編を漂っている。塵を中心として人物造形も浅く(塵は養蜂家の息子で家にはピアノも無いのに、何故ピアノの技巧を身に付けられたのか何の説明もない。天才や絶対音感では説明出来ないだろう。亜衣とマサルとの関係も偶然過ぎる上に甘い)、その反動か、(宮沢賢治を引用した)宇宙観、人生論、人間模様の妙、「一瞬は永遠だ」、「音楽を(ホールやCDの)外に連れ出す」、という風な一見深遠そうだが、実は作者の"自己満足"だけの言葉・思惟を羅列している点にはウンザリした。また、本作の構成から、"忘れられた天才少女"という周囲の揶揄に出場を躊躇っていた亜衣が塵の天才に触れて、音楽家としても人間としても成長して行く姿がメイン・テーマだと思うが、亜衣の豹変振りが唐突過ぎて、この点も上手く行っていない。また、ピアノ・コンクールが進むに連れ、次第に楽曲に関する書込みが薄くなっていく展開も不可思議である。誰が優勝するかは初めから問題ではないと思うが、肝心の"本選"の描写がこうもアッサリしているのは不可解という他はない。塵の"活かし方"も、「何だかなぁ~」という期待感を裏切るものである。 登場人物の中では、(これも現実味には欠けるが)サラリーマン・ピアニストとして大会に出場した明石の造形が印象に残った。"天才ではない"普通人から見た天才達という視座の工夫であり、こうした工夫がもっと欲しかった所。執筆に当って、作者は自身の発想・構想に酔っている印象が強く、全体構成や人物造形をもっと冷静に練ってから作品を発表すべきだったろう。 | ||||
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