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罪の声
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罪の声の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全337件 281~300 15/17ページ
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「数珠つなぎ」と言うのでしょうか? 知り合いの知り合いを8人たどっていくと、どんな有名人にも会うことができる――という都市伝説のような理屈があります。理由は「どんな人でも10人くらいは知り合いがいるから」というもの。つまり、1人目で10人、2人目で100人(10人の2乗)……8人目で1億人(10人の8乗)で、日本の人口にほぼ達するからです。 この本の構成が、まさにこの理屈のままでした。主人公が、誰かに事件の話を聞きに行くと、必ず次の有力人物を紹介され、次もまた、その次もまた……でギン萬事件(グリ森事件)の犯人に行きつきます。さすがに著者もあまりにキレイな数珠つなぎを嫌って、追跡者を2人にしたり、空振りを見せたりもするのですが、決して一本道からは外れません。 「数珠つなぎ8人の法則」が成立するのは、10人の知り合いの中から常に正解のひとりを選び、それを8人つなげることができた場合だけです。1億通りある組合せの中から、正解の1本を一発でたどっていく本書の構成はどうも好きになれませんでした。 ただ、読後感は悪くありません。犯人探しが終わった後、犯人の家族など周辺の人たちの今を描く場面は気持ちよく読めました。終盤の4分の1くらい。これで、救われた気持ちになりました。 なお、著者の生年を見ると、グリコ・森永事件ときは5-6歳なので、事件の記憶はないと思います。本書で事件の概要を丁寧に説明しているのは、おそらく事件を新鮮にとらえることができたからではないでしょうか。本書の人気は、ここに理由がある気がしました。グリコ・森永事件が新鮮に感じられる世代には、事件の説明自体が読み物として面白い。事件の説明が多い誌面の中で、数珠つなぎのストーリーはかえってシンプルで読みやすい……。そんな気がしました。 当方50代半ば、この世代にはグリ森事件は記憶にしっかり残っているので、事件そのものの内容に新鮮さはありません。 その意味で、著者と同じ30代、あるいは40代の人たちにとって、より楽しめる作品なのかもしれません。 | ||||
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著者が、10年以上に渡ってコツコツ歩いて知識を、題材にした作品だが、あの事件は、よく覚えており、犯人がされないか いつもニュースを、見ていたが結局時効になった。 犯人を作者が本名で書けば良かった。 あの犯人達は、絶対に許せない。会社が倒産寸前まで追い込んだ奴らを、時効になっても 被害者は、一生涯忘れないはずだ。 ノンフィクションにすべきだ。 もしかしたら犯人は、読んだかもしれない。 | ||||
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序盤はなかなか入り込めなかったが、中盤以降は一気に読んでしまった。最後は泣けたね。 NHKの未解決事件Fileを再放送してほしいと思う。 | ||||
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犯人グループの動機の一つが、反権力にあったという点は、意外な展開だった。臨場感のある小説で、楽しめた。 | ||||
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読み始めたらぐいぐいと一気に数時間で読んでしまい、かなり面白かったです。 「ロクヨン」のような、 いい絵になりそうな映像的なシーンがいろいろあるので、 映画化に向いてそうだと思いました。 ただ、この「テープの子ども」とその家族たちや、証言した人たちなどはこのあと、 描かれている程度をはるかに超えるような「社会的制裁」で 相当めためたにされてしまうのだろうと想像できますが、 作者が「フィクションだから、それはないことにしよう」と 確信犯的に放棄したように感じられて、 読後感はいまひとつすっきりしませんでした。 最後のほうの、記事が掲載されたあたりも非常にあっさり書かれていて、 この記者は証言者たちを守ることを全然考えていないっぽいので 取材源の秘匿ができないような記事を出したんだろうなーと推測しました。 小料理屋の人たちはどうなったんだろう。きっとこの記者、全然気にしてないですよね。 薄っぺらい常識や貧しい人生観で犯人を糾弾する、 この記者(まあこういう人いますよね)の無責任さが 「熱情をもって長い間追いかけていた」ことで許されている作品世界になっていますが、 「大ネタの前では、書かれる側の人生が変わっても仕方ない」みたいな 記者の「人間の闇」みたいなところの描写があれば、もっと深くなった気がします。 「熱量が中途半端な、応援の文化部記者」ということにしたのが あまりいい方向に働いていないような。 (社会部記者にすると記者の動きが群衆劇になっちゃうので 文化部にしたんだろうとは思いますが…) そもそも、この大ネタにしては、最後の掲載記事のボリュームが小さすぎるのでは… エンタテイメント作品にするならば 「証言者たちがこれだけの犠牲を払ったから巨悪があばかれた」 というようなカタルシスがある形にするか、 犯人や被害者の置かれた世界を掘り下げるかのどちらかだと もう少し読後感がすっきりするのではないかと思いました。 (「巨悪」については「伏線が回収されなかった」感じですし) 逆に、「グリコ森永事件」にかかわった子供たちの「真相」、 ということを優先するのであれば 一見ハッピーエンドのようなキレイなお話でなく 作者は自覚的に、もっと記者や新聞社が泥をかぶる描写をしてほしかったかなと 個人的には思いました。 まあ、フィクションとしての展開の好みは別として、 「グリコ森永事件を思い返して、推理を楽しみたい」という人には結構おすすめです。 | ||||
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推理小説として素晴らしいです 前半からグイグイ引っ張られ 仕事あるにもかかわらず3日で 読みました。 ジャンルとしては フォーサイスの「オデッサファイル」 「神の拳」の系列なんでしょうか? グリ永事件を題材とした、¥フィクション ですが、諸説の舞台が北摂大阪~京都市内~ 大津~草津と私の生活圏内とも重なり リアルに読めました。 まれに見る名作だと思います。 昭和の時代を市民を巻き込んだ 大事件を題材にした小説です、 ぜひとも多くの 人に読んでもらいたいです。 | ||||
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グリコ森永事件をモチーフにしながらフィクションとして事実もそうだったのでは。と思わせる展開である。 確かに犯行テープには子供の声が使われていたがその部分のあえて解釈と言わせてもらうが物語の構成を良くしている。 初めて読む作家であったが他の作品も読んでみたいと思う文章力である。 | ||||
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評判通りの力作。 実際にあった、グリコ・森永事件をモデルとしていることもあり、息苦しいほどの緊張感。 最後までいっきに読めた。 小説なのか、ドキュメンタリーなのか??? | ||||
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家族の予定で久しぶりに一人になった週末、ラジオ番組で作者の方のインタビューを聞き、 すぐに読みたくてデジタル版を買いました。 モデルとなった事件をリアルタイムで知っている世代として、当時のニュースを思い出しながら、興味深く読みました。 | ||||
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最後まで次はどうなるのだろうと思いながら読み終えることが出来ます。退屈なのははじめの1ページ目くらいです。クリーニング屋さんの話が延々と続くのかと、恐れました。 気になったのは、勧善懲悪的なところです。文学にそれは不必要と、明治時代からなっていたのでは?イギリスで主人公が詰め寄る場面など、違和感がありました。 それと、時効の問題です。海外にいると時効が成立しません。それが2~3ヶ所だけちらりと出てくるのですが、後から無理やり入れたような感じです。ひょっとするとはじめは気付かず入れてなかったのに、発表後か編集者に言われて後から入れたのかもしれません。それにしても、あれだけしゃべってしまうと国外退去処分を受けて日本に強制送還、逮捕となってしまうのではないでしょうか。私なら、あくまで否定します。 | ||||
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新聞の広告欄で見つけて、気になって読み始めたら止まりませんでした。 終始、ゾクゾクさせられっぱなしで、特に最後のほうでたたみかけるように事実が明らかになっていくところでの、 高揚感と虚無感のせめぎあいに心が打たれました。 現実を変える為に、人間は戦う力を持っているし、それぞれの人が勇気を持ったら大きな動きやうねりを生み出せるという希望を、 最終章、エピローグで感じさせて頂きました。 「自分が何をして、どう生きていきたいか」改めて考えさせられる本です...。 | ||||
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ベールに包まれた母と子の関係に。 一見、気味の悪い表紙の絵ですが、うわべではなく、真髄として心底にある本質を見通していく様子とそのきもちを表現しています。 そのタイトル「罪の声」とは、30数年前に社会を震撼させた未解決事件の犯行に使われたカセットテープの声。 一方では事件が解明していき、本質に至る過程で、社会秩序を破ったために受ける制裁の声が発せられていきます。 関西生まれの著者と同じくする、30代の男たちにスポットが当たる。 壮年期にあたる3人の男たちがそれぞれに歩んできた道を語っていきます。 地を這い事件を追いかける記者、身内が起こしたかもしれない事件で家庭への影響を危惧する男、事件に巻き込まれた直接の被害者でありつつも逃亡する男の足取り。 「ギン萬事件」と事件名は変えていますが、まさしく1984年の「グリ森事件」の事実経緯を辿っていきます。 まだ情報化社会ではない昭和期の不可思議な謎に包まれたミステリアスな事件を克明に記録しており、事件の様相を深く顧みています。 中盤からは、ノンフィクションから推論を立て、小説として人物像を洗い出していき、この事件の結末までを語っていきます。 点から始まり、点と点をつなぎ合わせ線となり、線をつなぎ合わせて面に至るプロセスを臨場感あふれるタッチで描かれています。 生々しく理にかなった説を立てて解明していく過程を綴る文章には一切の無駄がなく、つねに緊張感を与え、小説の中にどっぷりはまり込んでしまいます。 | ||||
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犯人像、子供の巻き込ませ方 なんだかしっくりきません。 モヤモヤ残る読後感です。 | ||||
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事件当時、高校生か大学生だった私にとって、この事件の真相は知れるものなら知りたい・・・それほど世間を巻き込んだ大事件だった。 当時もそれからも、未解決事件として何度も取り上げられながら真相は藪の中のままで、煮え切らない思いを抱え続けてきた。 作者は事件当時新聞記者、それも地元の新聞記者だった。 それだけで、この作品を手にするに十分だ。 確かに、当時の社会情勢に照らし合わせると、このような動機で事件が起きたことも納得できるし、 脅迫テープの声に使われた子供の視点からのストーリー構成は読む者を惹きつける。 しかし、やはり最後まで犯人たちの本当の動機がつかみきれない。 ノンフィクションではなく、フィクションとして書かれた作品なのだから、もう少し思い切って書いてもよかったのではないだろうか? 作者なりの解釈で犯人の動機に迫ってもよかったと思う。 結局、新聞記者としての抑制が働いたのかもしれないが、どうしても物足りなさが残ってしまった。 | ||||
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恥ずかしながら、グリコ森永事件については、「毒入り菓子がばらまかれた事件」程度の認識しかありませんでした。そのため事前にNHKオンデマンドのドキュメンタリー番組「未解決事件」で事件の概要を確認してから読み始めましたが、予習しておいて大正解。事件名こそ「ギン萬事件」と変更されていますが、事件の概要から犯人グループからの挑戦状に至るまで、ほぼ全てが事実に基づき構成されているため、「ああ、この場面か」と思いながら読み進める事が出来ました。 NHKのドキュメンタリーを見ていて、一番不気味に感じたのは、犯人グループが幼い少年少女の声を脅迫テープに使用している事。子供とは言え、自分が吹き込んでいる音声が何に使われていたのか、恐らくは気付いていたはず。彼らは何を感じ、どのような人生を辿ったのか。本書はそれをテーマとして扱っています。 ユーモアを感じる挑戦状、警察の目の前に幾度も姿を現しては目前で消え去る手口など、犯人グループにはどこか「アンチヒーロー」といったイメージが漂います。自分も、本書を読むまでは、恥ずかしながらそんな印象を持っていました。しかし、幼い少年少女をこのような形で犯行に巻き込む犯罪者集団が「ヒーロー」である筈がない。事件から遠い年月を経た現在で事件の亡霊に苛まれ、翻弄される主人公達の姿に、目を覚まされる思いでした。自信を持ってお勧めできる一冊だと思います。 | ||||
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傑作。1980年代に起きたグリコ森永事件。それを未解決事件の特集記事を作る為に追い始めた1人の新聞記者と、古いノートと録音テープを見つけた事により幼かった自分と事件の関わりを調べ始める男の話が交互に進んでいく。ドキュメンタリーではないかと思う程良く出来てきて、図書館300人待ち、アマゾンの高評価も納得。 | ||||
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400ページの労作であるが、読むほうも労作である。なんとか我慢して最後まで読み切ったものの、充足感はまったくない。読んでいるさいちゅうも、読んだあとも、索漠とした無味乾燥な疲労感が漂う。ストーリー展開が安手のテレビドラマ風で、しらける。これ見よがしのブンガク的表現の頻出で引いてしまう。セミドキュメンタリーでありながらちっともリアリティが感じられない。どうしてこんな小説がプロの読み手の高い評価を得るのだろうか。 | ||||
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三億円事件をモチーフにしたミステリーは、これまでたくさんあった。 グリコ森永事件は小説に向いていそうなのに、意外となかった。 (どちらも「犯人はまだ見つかっていません」で終わるのに) だが、この本を読んで驚いた。 作者はかなり事件の真相に迫ってしまうのだ! 清水潔『殺人犯はそこにいる』を読んだとき、犯人までほぼたどり着いて「極上のミステリーのようだ」と思ったけれど この作品は、逆に「極上のノンフィクションのようだ」と思った。 ノンフィクションライターが書くのと小説家が書くのではやはりアプローチが異なって、どちらも面白い。 事件ものノンフィクションが好きな人にも、ぜひ読んでほしい。そして語り合いたい。 | ||||
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グリコ森永事件関係の本をいろいろ読んできたので、本書には実に興奮した。様々な情報を上手く取り込み、こういう真相もあり得るという、大胆な仮説、推理が、リアルに展開する。家族のストーリという着眼がよい。山田風太郎賞受賞もうなずける凄い筆力。 それにしても、やはり、京都の南や滋賀、兵庫の、土着と結びついた、関西ならではの犯罪だったと見るのが自然なのだな。バブルやオウム騒ぎの前の、昭和の闇(極左、やくざ、被差別、在日etc.)が噴き出した事件でもあったということか。 | ||||
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「グリコ森永事件」をもとに書かれた作品です。 途中までは事件の筋を追いながら、話が進んでいきます。 とはいっても事件を追う記者と事件に利用された当時子どもだった人の両視点で描かれます。 丹念に取材をされたことがわかる内容で、非常に細かいところまで描写されていて グイグイと引き込まれていきました。 ところが、途中から人々の感情がメインになっていきます。 もう最後は涙、涙でした。 読み応えたっぷりです。 軽い感じで読める作品ではありませんので、じっくり時間をかけてどうぞ。 とはいっても、私は一気読みでしたが。 | ||||
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