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(アンソロジー)
世界推理短編傑作集2
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世界推理短編傑作集2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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ダゴベルトは一直線に超スピードで事件を解決するが、読者は彼よりも早く犯人を指摘できるw 探偵ダゴベルトの背景は判らないが、住処には召使がいるし、迎えのメルセデスの運転手には、「1分短縮ごとに2クローネンずつチップだ!」と金で釣る。 また彼を呼んだ地方領主は友人だというので、ダゴベルトはかなり裕福な貴族?のようだ。 現地で車に同乗した領主夫人が、車を停めて道端のいざりに貨幣を恵むのを、「わざわざ降りずとも、窓越しに投げ与えてやればいい」とか、なかなかの下衆ぶりを披露してくれるww キャラがナチュラルに横柄なのは一向に構わないのだが、被害者側と加害者の関係にしても、本作がたまたまなのか他の作品でもそんな傾向があるのか、若干気になるっちゃあ気になる。 なにせ、オーストリアが舞台という、それだけで価値のある一品。 当時は、オーストリア=ハンガリー帝国の時代である。 1908年というと、オーストリアがボスニア・ヘルチェゴヴィナに侵入、併合した年であり、その6年後には、サラエヴォ事件から第一次世界大戦が始まり、さらに4年後に帝国は消滅する。 その混乱の時代、またはその後を舞台にしたダゴベルトものがあれば、ぜひ読んでみたいものである。 | ||||
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珠玉の名作を厳選したわりには無味乾燥な作品が名を連ねている。それに普段からミステリーはあまり読まないとはいえ、見知った作家は1人もいなかった 気に入った作品と著者を見つけ、別の作品にあたるきっかけとしてはいいかもしれない。 | ||||
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探してている、時計塔の秘密の原作が読みたいと探してたのですが、無いので残念です。ぜひ次取り入れて欲しい❗️ | ||||
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漱石が『吾輩は猫である』で作中引用した事でも有名な「放心家組合」は乱歩曰くの“奇妙な味”の代表作。ぬけぬけとした結末は今も斬新。 ドイツ語からの新訳に改められた「奇妙な跡」は異様な犯人像が乱歩の通俗長編の世界に通じるものがある。 「奇妙な足音」はこれぞチェスタトンの真髄というべき作品で新たに追加されたのも納得のセレクション。 リュパンが名探偵ぶりを見せる「赤い絹の肩かけ」の痛快無比、倒叙ミステリと科学捜査物の偉大なパイオニアであるフリーマンの「オスカー・ブロズキー事件」、素晴らしい列車消失トリックの「ギルバート・マレル卿の絵」、大胆なトリックと余韻深い幕切れが印象的な「ブルックベンド荘の悲劇」、密室テーマの古典である「ズームドルフ事件」と「急行列車内の謎」といずれも短編ミステリの歴史に残るマスターピース的な作品揃い。戸川安宣氏による解説も非常に読み応えがある。 | ||||
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日本推理小説の大先達・江戸川乱歩が欧米の短編ミステリーの名作群から腕によりをかけて選んだ魅力的な名探偵と謎とトリックが堪能できる極上の作品集第2巻です。本巻に収録された9編は1編のみが盗難事件を扱った物で残りは全て殺人事件が主眼となっておりますね(1編だけ変則的な例外はありますが)。名探偵ホームズ譚の成功によって続々と生み出された個性的な名探偵が繰り広げる推理の饗宴と考え抜かれた奇抜なトリックの数々は今読んでも十分に新鮮で若い世代の方でも大きな満足感が得られる事でしょう。 『赤い絹の肩かけ』モーリス・ルブラン著:パリ警視庁のガニマール主任警部は宿敵リュパンに巧妙な手口で導かれ或る若い娘の殺害事件についての手掛りを教えられて手柄をプレゼントされるのだった。ホームズ顔負けの演繹推理に感心させられ、怪盗リュパンの優しい仏心かと思わせての裏に隠された真実の目的に苦笑いしましたね。『奇妙な跡』バルドゥイン・グロルラー著:オーストリアの強気な名探偵ダゴベルトが地方に招集され集金人の男が殺され金を奪われた事件の意外な真犯人を暴く。容疑者が殆どいなくて意外性は少ないですが、先入観を捨てて信じられない真相をスパッと推理するダゴベルトは地味ながらも頼もしい実力者ですね。『ズームドルフ事件』M・D・ポースト著:流れ者の男ズームドルフの売る果実酒が村人達を凶暴化させているとの知らせを受けて駆けつけたアブナア伯父とランドルフ治安官は密室状態で射殺された彼の死体を発見する。冷静に考えると出来過ぎだとは思えますが、最高に素晴らしいトリックでまた人知を超えた感動をも味わわせてくれますね。『オスカー・ブロズキー事件』R・オースチン・フリーマン著:列車の線路に横たわった宝石商の男の死体が見つかった事件は当然轢死による自殺かと思われたが、偶然に居合わせた旅行中のソーンダイク博士が少ない手掛りを基にして驚くべき真相を暴く。刑事コロンボの先輩格とも言える倒叙推理小説の見事な一編で、犯人の殺人に至る迫真の心理やソーンダイク博士の何事も疎かにせずに見逃さない分析と推理はリアルな小説を愛する方には堪らない読み応えでしょう。『ギルバート・マレル卿の絵』V・L・ホワイトチャーチ著:鉄道が舞台の怪事件を滅法得意とする名探偵ソープ・へイズルが貨車消失と名画盗難の謎に挑む。貨車消失のトリック自体は手品と同じで種明かしをされてみるとそれ程の驚きはありませんが、鉄道マニアには専門的で楽しめる一編でしょうね。『好打』E・C・ベントリー著:名探偵トレントがゴルフ・コースで起きた怪死の謎に挑む。落雷か?爆発か?奇抜で魅力的な殺人トリックがお見事で人情家の素人探偵トレントの温情に満ちた解決に心が和みますね。『ブルックベンド荘の悲劇』アーネスト・ブラマ著:盲人探偵マクス・カラドスが妻の殺害を計画する夫の悪魔的な手口を推理する。ミステリー作家が次々に考案する殺人方法のヴァリエーションの豊かさには本当に驚かされっ放しですね。盲目の探偵は健常者以上に真実を見抜く鋭い目を持っているのでしょうね。『急行列車内の謎』F・W・クロフツ著:急行列車内の一等車室で起きた夫妻の残酷な射殺事件は犯行と逃走の解明が困難で迷宮入りとなる。本編のみ特定の名探偵は登場せず、人物描写が平板で味気ないですが著者の身上は犯罪のリアリティーにあるのだなと強く納得させられましたね。『窓のふくろう』G・D・H&M・I・コール著:友人と散歩を楽しんでいたスコットランド・ヤードのウィルスン警視は偶然にも無惨な射殺殺人事件に遭遇する。奇抜で独創的な殺人方法に度肝を抜かれ、意外な真犯人を追い詰めるウィルスン警視の抜け目のない凄腕にすっかり脱帽しましたね。 | ||||
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1907年から1920年代前半までの9作品を収録。 そういう時代だったのか、列車や電気などの機械的、科学的な要素を取り入れた作品が多かった様に思う。 「赤い絹の肩かけ」ではアルセーヌ・リュパンの探偵ぶりを楽しむことができる。ガニマール警部がいいようにあしらわれるのが、かわいそうにも思う。 列車もの「急行列車内の謎」は、密室殺人の状況と回答が提示されるのみで、読み物としての面白さを出そうとしている様には感じられなかった。読者自身で謎を解く様な楽しみ方をする作品なのだろうか? 「オスカー・ブロズキー事件」は倒叙形式という手法で書かれた作品で、先に犯人が殺人に到るまでが描かれているが、犯人の心理描写が非常にリアルに表現されていて、読み応えがあった。 | ||||
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「世界短編傑作集」シリーズの第二段。クロフツの列車もの等あるが、本作で注目すべきは以下の二作であろう。 一つ目は、グロルラー「奇妙な跡」。トリックが「奇妙」なだけでなく、悲哀に満ちている点が印象深い。二つ目は、ポースト「ズームドルフ事件」。今でもアメリカで傑作短編集を編むと選ばれる程。トリックだけを取り出して云々すると優れているとは言い難いが、全編を覆う不思議なムードと奇矯な登場人物の中、あたかも"神の奇蹟"が起こったかのように感じさせる構成が巧み。 書かれた時代が古いので、作品自体にある程度の古臭さを感じるのは致し方あるまい。それでもミステリの原点、特に短編ミステリの歴史を辿ると言う意味で優れた作品であり企画であると思う。 | ||||
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◆「ギルバート・マレル卿の絵」(V・L・ホワイトチャーチ) 進行中の列車の中から一両だけが消失するという、奇妙な 謎が提示され、それに名画の紛失を絡めていく、という趣向。 列車消失のトリックに関しては、現在の視点から見れば、あまりに 牧歌的なのかもしれませんが、個人的には、こういう素朴な機械的 トリックが、逆に新鮮に感じますね。 あと、名画を狙う犯人の人物像も面白いです。 ◆「オスカー・ブロズキー事件」(R・オースチン・フリーマン) 本作の探偵役ソーンダイク博士の地味な科学捜査を 活かすために生れたのが、いわゆる《倒叙推理もの》。 それまでミステリではタブーとされていた犯人の描写を可能にしました。 ◆「急行列車内の謎」(F・W・クロフツ) 列車の個室での密室殺人。 「走行中の列車から犯人がどのようにして消えたのか?」が焦点になります。 トリックについては、1909年当時の英国鉄道の様子がわからないので、 いまいちピンと来ないです(w 映像で観てみたいですね。 | ||||
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全五巻の2。 収録されているのは『紅い絹の肩かけ』『奇妙な跡』 『ズームドルフ事件』『オスカー・ブロズキー事件』『ギルバート・マルレ卿の絵』 『好打』『ブルックベンド荘の悲劇』『急行列車内の謎』『窓のふくろう』の9作品。 『奇妙な跡』はフリークス好きな乱歩ならではのセレクトに思える。 他に『ギルバート・マルレ卿の絵』『急行列車内の謎』など列車関係のトリックがあるが、 特に後者は当時の列車についてわかってないと謎解きされても訳がわからない。 そんなことも含めて全体的にイマイチ。 | ||||
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