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フランス白粉の謎
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【この小説が収録されている参考書籍】
フランス白粉の謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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『クイーン・パーフェクト・ガイド』を古書店で手に入れたのですが、それを見ていたら、無性にクイーンを読みたくなって、未読の名作ということで、本書を読みました。 大人になってから読むクイーンは、思いのほか、「大人の小説」でした。 一つには都市風俗の資料としても読めます。自分のようにニューヨークや30年代の海外都市が好きな人間には、詳細な描写だけでも「そそられ」ます。 本作は、NYの百貨店やそのショーウインドウなどが出てきます。そうした調度や室内描写を追うのも興味深いですすし、当時の百貨店の社内構成員、役員たちの様子などの描写も楽しく、クイーンがいかに同時代のウォッチャーであったかがわかります。 ラストの「ブツ切り感」に圧倒されました。狙ってやっているとはいえ、見事ですね。 | ||||
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「ローマ帽子の謎」に続く作者第2作。 巨大デパートのショーウィンドウで、新型ベッドの上に銃弾を撃ちこまれた女の死体が横たわっていた、というのが本書のオープニングで、殺されたのはそのデパートの社長夫人。入り乱れる人間関係の中から麻薬密売組織の存在が次第に明らかになっていく。 派手なオープニングは読者をひきつけるためだけではなく、前作でシルクハットが盗まれた理由や劇場で犯行が行われた理由に意味があったように、本書においても死体の発見場所にはそれなりの意味があり、事件解決に至るまでの論理展開は国名シリーズの中でもベスト3に位置すると思う。唯一、共犯者を否定する論拠は薄弱であったように思うが。それと、後のシリーズ作品に比べると全体的に地味な分、損をしている作品だと思う。 本書では、前作とうって変わってエラリーの描写が充実しており、主人公らしさが明確に著されている。そういう点から、本書において国名シリーズのスタイルが確立されたものと思う。 | ||||
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「ローマ帽子の謎」に続く作者第2作。 巨大デパートのショーウィンドウで、新型ベッドの上に銃弾を撃ちこまれた女の死体が横たわっていた、というのが本書のオープニングで、殺されたのはそのデパートの社長夫人。入り乱れる人間関係の中から麻薬密売組織の存在が次第に明らかになっていく。 派手なオープニングは読者をひきつけるためだけではなく、前作でシルクハットが盗まれた理由や劇場で犯行が行われた理由に意味があったように、本書においても死体の発見場所にはそれなりの意味があり、事件解決に至るまでの論理展開は国名シリーズの中でもベスト3に位置すると思う。唯一、共犯者を否定する論拠は薄弱であったように思うが。それと、後のシリーズ作品に比べると全体的に地味な分、損をしている作品だと思う。 本書では、前作とうって変わってエラリーの描写が充実しており、主人公らしさが明確に著されている。そういう点から、本書において国名シリーズのスタイルが確立されたものと思う。 | ||||
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大百貨店“フレンチス”の展示室の収納ベッドから、社長の妻の死体が転がり出た。 死体の傷に出血の跡はなく、唇には半分しか口紅が塗られていない。そして、 なぜか娘のスカーフと口紅棒を持っており、そこからは白い粉が発見された。 一方、社長のアパートの机の上に並べられた奇妙な取りあわせの 五冊の書物は、事件の背後でうごめく麻薬組織の影を示唆しており……。 クイーンには『Zの悲劇』『中途の家』といった《消去法推理》 の傑作がありますが、 本作はいわば、 そのプロトタイプ。 最初に容疑者が限定されたのち、多彩な手がかりから論理操作によって 犯人の条件を導き出し、犯人を除くすべての容疑者を次々と消去していく という《消去法推理》が、本作においてはじめて導入されています。 推理の根拠となる手がかりは、どれも印象深いものばかりで、上に挙げたもの以外にも、 不自然な靴と帽子のしまい方や煙草の吸い殻、 社長のアパートにあったカードゲームの 痕跡とブックエンドのフェルト、 そして逆に、そこから消えた剃刀……など、どれも緻密な 計算のもと、絶妙に配置されています。 個人的には、閉めると自動的に施錠されるスプリング・ドアと、それを 開錠する鍵の関係性から導かれるロジックに、うならされました。 本作では、最終的に犯人のみを指し示す手がかりが導入されており、 《消去法推理》の洗練や構築度では、『Zの悲劇』には及びません。 しかし、論証が進むにつれ、容疑者が順々に消去され、絞られていく サスペンスの醸成では、あるいは本作のほうが上かもしれません。 何といっても、本作で犯人の正体が明かされるのは「最後の一行」においてなのですから。 | ||||
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クイーンの「国名シリーズ」ではほとんど全作に読者への挑戦が挿入されています。 当然犯人を当ててやるぞーと躍起になって読むわけですが、本書は国名シリーズでも一番推理を立てるのが難しいですね。 たとえば「ローマ帽子」では「無くなった帽子」という手がかりがあり、それを大きな手がかりにして推理を立てることが出来た。「エジプト十字架」ではあるものが如実に犯人の正体を示していますし、「スペイン岬」なら裸の男。 しかし本作ではそういった「大きな手がかり」が無く、小さい手がかりを総合して検討しなければなりません。どこを糸口にして推理を立てればいいのか?まずその部分からして難しいので、犯人当てでは苦戦すること間違いなしです。だからこそ「論理的」で、面白いのですけどね。 個人的には国名シリーズ、ベストの作品だと思います。 | ||||
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クイーンの国名シリーズに共通するのは、読者に対してフェアであることを第一義としている点。その象徴が、解決編の前に付される「読者への挑戦状」。 この「読者への挑戦状」の前までに読者はすべての手がかりやデータを与えられ、それらを正しく解釈すれば、名探偵エラリー・クイーンと同様の結末に辿り着くことができる。 国名シリーズ……いや、今まで出会った推理小説の中で、一番のお気に入りがこの作品。素晴らしすぎる論理的構成美と、最後の1行まで犯人を明かさないという所にゾッコンです。 | ||||
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