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フランス白粉の謎
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【この小説が収録されている参考書籍】
フランス白粉の謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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ラスト五十頁。有罪を証明する証拠を丹念に組み上げ、消去法で犯人を絞り込んでいくエラリーの推理が素晴らしかったなあ。まるで、将棋の〈王様〉が詰まされる様を見ているかのよう。ぞくぞくしました。 本書を読もう思ったんは、飯城勇三(いいき ゆうさん)『エラリー・クイーン完全ガイド』(星海社新書)のなか、本作品に影響を受けた作品として、青崎有吾『水族館の殺人』の名前が挙がっていたから。 青崎有吾作品がとても面白かったのと、クイーンの〝国名シリーズ〟の次の作品『オランダ靴の謎』が読みごたえあったんで、本書にも手を伸ばした次第。期待以上の出来栄えに大満足っすね。手にとって良かったです。 それと、巻末の芦辺 拓氏の解説文のなか、次のくだりには「ほんま、そのとおりやね!」と思いました。感謝しつつ、引かせていだきます。 《読者におかれては、どうかこの解説ページの直前をチラ見したりされませんように。できれば、終盤六十ページほどはパラパラめくるのも禁止です。そして、全編の一割以上を占める解決編をたんのうするためにも、それまでのときに退屈と思えるかもしれない問題編を熟読されることをおすすめしておきます。》p.473 | ||||
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ローマ帽子に比べてほんとうに登場人物(特に脇役の刑事達や地方検事)がすっきりした。登場はしているが、誰も彼も個性と出番を無駄に主張していない。収まるところに相応しく収まった感じ。数段読みやすくなっている。かわいいジューナがロマ族の孤児だったという事実も新登場。段々肉付けがされて出演者がイキイキとしてきた。 そして数々の謎解きがスキルアップしてるー! 色の違う口紅ケースと塗りかけの口紅。剃刀の刃。アパートメントの鍵。縞瑪瑙のブックエンド。出血量。 もう、いちいちうなずきながらなるほどなるほどと読み進んだ。 警視クイーンは必要以上に年寄りに描かれているように違和感があるが、今の時代だと50代なんて全然御老体ではないが、90年前でアメリカ人だったら確かに50代半ばすぎれば疲れ切ってるかもしれない。 相変わらず舞台がノスタルジックで良い。昔NYのメーシーズに何度か行ったが、あのようなクラッシックなデパートとショーウインドウを思い浮かべながら読んだ。 オランダ靴も楽しみだ。 | ||||
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『ローマ帽子の謎』に続く「国名シリーズ」。たった一つの殺人事件とそれに付随する(と思われる)失踪事件を巡る物語であり、夥しい証拠や証言、そして手掛かりが示されていく過程が紙幅の大半を占める。にもかかわらず最後の最後まで真犯人が判然とせず、そして結末における論証の進め方も見事という他はない。その上書名そのものが実は最大のヒントになっているという大胆さである。邦題を考えた人は相当に悩んだと思われる。作中には「白粉」は出てこないので厳密に言えば誤訳なのだが、これをストレートに翻訳するとネタバレしかねないギリギリのラインを責めたという意味で名訳と言えるだろう。 | ||||
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欲しい物を見つけるのも簡単、すぐ到着。 | ||||
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国名シリーズ第一作と同様、この作品も余計な要素を排除し、推理の論理性のみで勝負した潔さが光る「ザ・本格ミステリ」。ショッキングな死体発見で始まるが、その後は決してドラマチックな展開ではなく、クイーン父子が捜査の過程でわかって来た事、その時点で推理した内容などが逐一明かされる親切設計。そして「読者への挑戦状」を挟み、関係者を一同に集めて謎解き、と言う本格ミステリのひな形を確立したような作品だと思った。犯人の意外性はなく、犯行に特別なトリックが使われたわけでもないが、多くの容疑者の中から真犯人を論理的に推理する過程に、素晴らしく読み応えがあった。 クイーン警視が語ったように、論理的に推理した犯人を追い詰める物証はなく、ハッタリによって自殺に追い込むのは減点かも知れない。が、最後に犯人が判明したところで即座に終わるなど、余計な要素を極力排除し、本格ミステリのひな形を確立した事に敬意を表して満点評価としたい。 | ||||
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ご存知、エラリークイーンの「国名シリーズ」の第2弾です ネタバレしない程度にレビューすると、デパート社長夫人が、ショーウィンドーの中から、死体で発見されるという衝撃的なシーンから始まります 一体、どうやって、「ショーウィンドーで殺人が行われたのか」 おなじみのクイーン親子を中心に、多彩な登場人物を交え、少しずつ、「犯人に繋がるヒント」を見つけながら、最後は、このシリーズの特徴である「読者への挑戦状」をクイーンから叩きつけられます ただ、推理小説の人気ランキングを取っても、上位に来ることが少ないように、「国名シリーズ」の中では、 ・確かに、「犯人にたどりつく論理性」はあったものの、 ・「犯人と被害者の関係」が希薄なこと、 ・その結果、殺害の動機がいまいちはっきりわからないこと 等 から、星は4つかなあと思いました 「国名シリーズ」を全巻読まないと気が済まないという方以外は、パスされても良い作品かと思いました | ||||
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読者にヒントを与えながら展開されているので,考えながらじっくり読めました。 出てくる道具が,時代と裕福さを感じさせるものばかりで,それも面白かったです。 | ||||
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解決するのに必要な情報が出揃いそれらを論理的に組み合わせ推理するのは読者への挑戦状がある物でなくては得られない快感だと思います 大体の所(本立てのフェルトが替えられた理由、犯人の侵入、逃走経路等)はエラリー親子が勝手に解いてくれる親切設計です 解説の方ではフランス白粉の小ネタや出版社毎の翻訳が載っており翻訳者によって文の印象が違い驚きました 解答編に入る前に何度も読み直し推理し、事件の背景と犯人の思考行動はほぼ完璧に解きましたが、犯人は間違えました。ラヴリーが犯人だと思っていました 納得いかない点を下記します タバコの銘柄やバンクを遊ぶのは二人だけという事を知ってる=犯人は一家となじみがあると推理していたのですが、タバコの銘柄、バンクは本人から聞いてタバコは自分で同じのを購入したというのに無理があると思いました。タバコ屋を警察は調べなかったのか あと指紋検出用の粉を使うのが自然で理にかなってる人=犯人というのを最後の決め手にするのもどうかなと。元々殺すつもりだったから準備しておかしくはないし、百貨店なのだからあっても不思議ではない 麻薬組織はこの街だけの組織だと決めつけフランスからきて日が浅いラヴリーを犯人じゃないと決定したり(フランスとアメリカをまたぐ組織ということもあり得る)、6週間以内に入った犯人は本立ての本に絶対気づくということを前提に推理するのも納得いきません | ||||
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タイトルのフランスには何の関係もありませんでしたが、普通に楽しく最後まで読めるミステリーでした。 | ||||
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ライツヴィルものを続けて読むにつれて、国名シリーズなどクイーンの前期の作品も読みたくなってしまった。 そこで、『ローマ帽子の謎』、本作と読んできた。おそらく、30年以上前に読んでいるのだが、『ローマ帽子の謎』は犯人解決のキーとなるものを覚えていたが、本作はすっかり忘れていた。 物証がない問題については、あまり気にならない。そもそも本格推理の醍醐味は「トリック」もしくは「論理」であって、指紋や血液型(DNA)などの科学捜査ではない。物証で犯人を見つけるのなら、「探偵」は不要だ。 読みなおして驚いたことがいくつかある。 まず、クイーンの最初の2作が連続殺人事件でなく、単独の殺人事件であったこと。 また事件当初の操作に全体の半分程度が充てられていることである。要するに、最初の捜査でほとんどの事件の全体像や論理を組み立てるために必要な証拠がほとんどが提示されているということになる。 さらに、本書では、死体発見の翌朝が描かれるのは、ようやく全体の3分の2あたりになって。最終的に事件が解決されるのが、死体が発見されて約48時間後というスピード解決。 探偵のエラリーを見ていると、本作でもファイロ・ヴァンスの影響のようなものが見え隠れする(後期ではほとんど感じない)。また、悲劇的な立場のヒロインも登場するが、その女性との距離感が、後期の作品とは微妙に違っている。 後期から読んできたおかげて、こういった部分に楽しさを感じている。 | ||||
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デパートの展示室から女性の死体が転がり出て・・・というお話。 このレビューを読むような方ならもう既に1回はもとより2,3回は読んでいる人の方が多いと思われますが、私は恥ずかしながら今回の新訳が初読で、年齢にあるまじくわくわくしながらページを繰りました。 読んだ結果としてやはり、処女作と比べても飛躍しているように思うし、面白さも増しているように思いました。特に様々な現場から残された証拠を元に合理的、論理的に犯罪を追及していくところはスリルを感じてページを繰る手が思わず速くなりました。ポー以降の近代合理主義を徹底しているその姿勢にも感銘を受けますし、原著刊行から80年くらい経っても古びた所もなく楽しく読めるところに驚きました。最近の進化した推理小説から読み始めた方は多少、物足りないものがあるかもしれませんが、この小説や他の作家の多くの古典があればこそ、最近の推理小説もあると思うので、小説としての面白さとは別に歴史的価値のある重要な作品であることは論を待たないと思います。 そして、この作品の最大の魅力である部分、興を削ぐかもしれませんが、殆どの方が読む前から知っていると思うので書いてしまいますが、最後の一行まで犯人の名前を伏せて読者に悟らせず、小説を牽引しているところに、この作品の画期性があると思うし、二作目でここまで大胆不敵な構成を構築して、しかも見事に成功しているので驚きます。さすが、ミスター・ミステリ。 今、2010年代の視点で読んでも面白い小説。推理小説好きな人にはやはり必読だと思います。 | ||||
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この角川文庫新訳版、「ローマ帽子の秘密」があまりに楽しめたので、続けて国名シリーズ第2弾の本書、「フランス白粉の秘密」を読んでみました。 その結果ですが、大いに楽しむことができました。 前作同様、中学生以来の再読で、細部を忘れていたことが逆に幸いしてか、500ページ程度の大著であるにも関わらず、ほとんど一気読みに近い感じで読んでしまいました。 本格ミステリ(あるいは、パズラー)で、一気読みなんて考えてもいませんでした。 今回の新訳、角川文庫は、本気度がかなり高いと思われます。 海外ミステリ(特に古典)を多く読む人間は、文庫版なら、早川文庫か、創元推理文庫のどちらかからチョイスしがちです。 だから、角川文庫は、どうしても不利な印象があります。 実際、「ローマ帽子〜」も、本書も、表紙が現代風なイラストでエラリー・クイーンが描かれており、これはちょっとした冒険といえましょう。 私などは、訳文まで、「ラノベ化」しているのではないか、と一瞬感じてしまったくらいです。 しかし、それは全くの杞憂でした。 むしろ、翻訳者が、ミステリ評論家とコラボをして、「世界一フェアなミステリシリーズ」の完全翻訳を目指していることが、実感できます。 これは、巻末解説を読むとよく分かるのですが、本書も、前作同様、「これまでの翻訳の不十分さの指摘」を始め、長らくミステリを読んでいる私も、「なるほど」と納得させられる内容がぎっしり詰まっており、「エラリー・クイーンの著作」をよく研究しているな、と感じさせられました。 原文で著作に接することのできない人間にとっては、嬉しい新訳版です。 第3作以降も大いに期待しています。 | ||||
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ギリシャ棺とオランダ靴だけ評価するのもなんなので、こちらも。 内容が悪くても(この作品は悪くないけど)訳の素晴らしさと原書の初版の再現に力を入れる姿勢に、惚れ惚れしますよ。訳だけで星4は軽くあげれます。 こいつは角川の者なのか?って思われるかもしれないですけど、本当に素晴らしいと思います。 口紅の謎だったり、全くジャンルが合わない本達の謎だったりなど、ローマ帽子より興味がそそられます。 ページが多いけど、初めて読んだ人は飽きはしないと思います。 | ||||
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アッと驚く真犯人が、ここでも最後の一行に集約されているので、最後まで、くれぐれもご用心、ご用心・・・・ この国名シリーズ第二作目で、本格的に「読者への挑戦状」が出てきたといってよい。それにしても、またしてもエラリーにしてやられた。 当然、全部読み終わってから読むことをお勧めする「解説」だが、今回もなかなか面白い。なんで、越前訳によるエラリーの口調がこうも軽いのか、個人的に少しばかり違和感があったけど、そのあたり、翻訳者が直々にコメントしている・・・・・ | ||||
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第二作にして早や本領発揮の傑作。 不可能犯罪趣味やケレンとは無縁の論理的ミステリの極北。 このいわばロジックに淫した世界をエンターテインメントたらしめているのは若き合作者たちの鬼気迫る新しいミステリを開拓せんとする情熱に他ならない。 終盤の謎解き部分の迫力、最後の一行で犯人を明かすこだわり、素晴らしき第二長編。 | ||||
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国名シリーズの第二作。百貨店のショーウィンドウから飛び出す死体という着想が面白いし、クライマックスで魅せつけるエラリーの 怒涛の推理が凄まじい。登場人物の誰もが犯人に思えてくる本当にややこしい構成。逆に言えば、それだけ読者を欺こうとする情熱を 感じることができる作品ですね。何重にもコラージュ加工された複雑な展開を作っておきながら、それを名探偵エラリーの手を使って、 一枚また一枚と剥いでいく。。作りながら同時に壊すカタルシスが強烈に発揮されている。 そもそも、国名シリーズの代表作に感じられるクイーンのプロットは本当に不思議。アイデア有りきの論理的肉付けでもなしに、論理を 追求した延長線上に出てきたアイデアとも思えない。まるで着想と構築が同時に存在していたみたいなのだ。大げさだが芸術的。 | ||||
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国名シリーズの第二作。百貨店のショーウィンドウから飛び出す死体という着想が面白いし、クライマックスで魅せつけるエラリーの 怒涛の推理が凄まじい。登場人物の誰もが犯人に思えてくる本当にややこしい構成。逆に言えば、それだけ読者を欺こうとする情熱を 感じることができる作品ですね。何重にもコラージュ加工された複雑な展開を作っておきながら、それを名探偵エラリーの手を使って、 一枚また一枚と剥いでいく。。作りながら同時に壊すカタルシスが強烈に発揮されている。 そもそも、国名シリーズの代表作に感じられるクイーンのプロットは本当に不思議。アイデア有りきの論理的肉付けでもなしに、論理を 追求した延長線上に出てきたアイデアとも思えない。まるで着想と構築が同時に存在していたみたいなのだ。大げさだが芸術的。 | ||||
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作者作品は本書に続く『オランダ靴』『ギリシア棺』『エジプト十字架』やレーン4部作(とくに『X』『Y』)の評価が高く、本書はこれらの作品の陰に隠れてしまっているが、エラリーの唯一絶対にこの人物しかありえないとの推理とその論理的整合性はほぼ完璧で、国名シリーズでも1、2を争う傑作であることは間違いなく、作者作品中でもベスト3に挙げられるべき作品だと思う。 ただし、犯人が飾り窓に死体を移動させた理由を「正午までに死体が発見されるのを防ぐためだ」と最初から言い切っており、犯人が何らかの理由で正午すぎに死体が発見されるように望み飾り窓のベッドに死体を仕組んだのかも知れないということをまったく考慮していない点が、唯一ひっかかったが。 なお、本書では童謡の歌詞どおりに殺人が起きるわけではないが、『靴に棲む老婆』や『ダブル・ダブル』に先駆けて、「第一の挿話」各章の表題のうち1〜5章までマザー・グースが用いられており、そのうち1〜3章までの表題に用いられている童謡は、クリスティーが『ポケットにライ麦を』や短編の『六ペンスの唄』および『二十四羽の黒ツグミ』に用いている「六ペンスの唄」である。 それと、「中口上と挑戦」の前の章の表題<時は来た>について、ルイス・キャロルの民謡集にある「せいうちと船大工」の中の文句との訳註があるが、この「せいうちと船大工」はそっくりそのまま『鏡の国のアリス』に用いられており、『アリス』好きの作者のことだから『鏡の国のアリス』から引用したというのが本当だろう。 | ||||
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作者作品は本書に続く『オランダ靴』『ギリシア棺』『エジプト十字架』やレーン4部作(とくに『X』『Y』)の評価が高く、本書はこれらの作品の陰に隠れてしまっているが、エラリーの唯一絶対にこの人物しかありえないとの推理とその論理的整合性はほぼ完璧で、国名シリーズでも1、2を争う傑作であることは間違いなく、作者作品中でもベスト3に挙げられるべき作品だと思う。 ただし、犯人が飾り窓に死体を移動させた理由を「正午までに死体が発見されるのを防ぐためだ」と最初から言い切っており、犯人が何らかの理由で正午すぎに死体が発見されるように望み飾り窓のベッドに死体を仕組んだのかも知れないということをまったく考慮していない点が、唯一ひっかかったが。 なお、本書では童謡の歌詞どおりに殺人が起きるわけではないが、『靴に棲む老婆』や『ダブル・ダブル』に先駆けて、「第一の挿話」各章の表題のうち1〜5章までマザー・グースが用いられており、そのうち1〜3章までの表題に用いられている童謡は、クリスティーが『ポケットにライ麦を』や短編の『六ペンスの唄』および『二十四羽の黒ツグミ』に用いている「六ペンスの唄」である。 それと、「中口上と挑戦」の前の章の表題<時は来た>について、ルイス・キャロルの民謡集にある「せいうちと船大工」の中の文句との訳註があるが、この「せいうちと船大工」はそっくりそのまま『鏡の国のアリス』に用いられており、『アリス』好きの作者のことだから『鏡の国のアリス』から引用したというのが本当だろう。 | ||||
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『クイーン・パーフェクト・ガイド』を古書店で手に入れたのですが、それを見ていたら、無性にクイーンを読みたくなって、未読の名作ということで、本書を読みました。 大人になってから読むクイーンは、思いのほか、「大人の小説」でした。 一つには都市風俗の資料としても読めます。自分のようにニューヨークや30年代の海外都市が好きな人間には、詳細な描写だけでも「そそられ」ます。 本作は、NYの百貨店やそのショーウインドウなどが出てきます。そうした調度や室内描写を追うのも興味深いですすし、当時の百貨店の社内構成員、役員たちの様子などの描写も楽しく、クイーンがいかに同時代のウォッチャーであったかがわかります。 ラストの「ブツ切り感」に圧倒されました。狙ってやっているとはいえ、見事ですね。 | ||||
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