■スポンサードリンク
曲った蝶番
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
曲った蝶番の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作はカーを代表するバカミスとしては素晴らしい。 ただし、あくまでバカミスとしてであって、普通のミステリとしては到底合格点は与えられないであろう。 もちろん、本作のトリック自体は素晴らしいと思うが、一番の問題点はこのトリックに直結する「〇〇〇である犯人が、〇〇〇と誰にも気づかれないように振る舞うことは(おそらく現代の科学技術をもってしたとしても)絶対にありえない」点にある。 むしろ、殺人トリックよりも、〇〇〇と気づかれないために、どのようなトリックが施されてあったか、その点が非常に重要であるにも関わらず、そこは完全にスルー、また〇〇〇であることについて、読者から見た手がかりもごく軽微な書き方で1か所はあるが、それ以外は皆無、というのもあんまりである。 実は書きようによってはその点である程度不自然さを免れる方法もなくはない。カーもどちらかというとトリックの物理的な成立要件とか細かいところに気が回る作家であるだけに、余計に本作では作者の手抜き(というか、矛盾に無理に目を背けたような無関心、のほうが適切か)が惜しまれる。 ただ、最初に述べたようにバカミスとしては一級品であり、少なくともミステリファンにとっては一読の価値はあるに違いないだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いかにも無理があるの書いていたレビューがあったが、全く同感。25年前にあったきりだとしてもどちらが本物か、わからないはずがない。ここの部分の前提が納得できずに読んだせいか、星5つ評価の人が言うほど楽しめなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
多くの人が、カーの傑作として推す作品である。それは、カー独特のオカルティズムがトリックやプロットと有機的に融合している、という評価だと思うが、個人的な好みでいえば、うーん、ちょっと途中でダレちゃったかなあ…というのが正直なところ。 出だしは魅力的だと思う。ある貴族の館に「自分こそが当主だ」と名乗る男が現れて、現当主の真偽が問われる。いよいよ指紋判定の段に及んで、現当主が謎の死を遂げる。と、ここまではいい。しかしそこから先が、僕にはふわふわと話が広がり過ぎてしまったように思われた。 タイタニック号の沈没時に入れ替わりが行われたのではないか、という設定は面白い。それを横糸に、殺人事件を縦糸に、あくまで2人の当主を巡るドラマを織り成してほしかったが、悪魔崇拝とかグランギニョール的な夾雑物がワラワラと出てきたために、興味が散ってしまって「結局、何が問題なの?」と思うことがしばしばあった。 「そこがいいんじゃない」という意見も分かる。このようなごった煮感も含めてカーの持ち味なのだ、ということを認めることはやぶさかではない。少し前に読んだ『白い僧院の殺人』が面白かっただけに、もしかしたら比較するような読み方をしてしまったのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世の評価は高めだが、駄作は駄作としてきちんと評価してやらねばなるまい。 タイタニック沈没時の人物入れ替わりに端を発する相続人争い、衆人環視下の不可能殺人、思わせぶりに絡む一年前の殺人事件、館の屋根裏に潜む不気味な自動人形、背景に見え隠れする悪魔崇拝の集会。 まあなんともカーらしさ満載の仕掛けや小道具が、複雑怪奇に絡み合って事件は展開する。が、これらがきちんと集約されて解決篇で焦点を結ぶ、とはひいき目にも言い難い。 広げた大風呂敷からビー玉のように転がり出た幾多のガジェットを回収できないまま終わってしまった、という感じ。 カー自身ももはや収拾がつかなくなったと見え、ラス前でフェル博士にダミーのトリック(荒唐無稽なバカ・トリック)解明をさせたあと、犯人の手記のかたちで「実はこうでした」とまとめるしかなかった。この犯人が告白する殺害方法も、あまりの脱力系。 しかも、不可能状況やトリックの成立が目撃者の**に支えられている、というのはいかにもお粗末のうえアンフェアーだ。 バカミス大いに結構というカー・マニア(私もその一人かも)にとっては宝石箱のような珠玉の逸品だが、一般読者が読んだら「えっ何?結局なんだったの?」で終わる公算が高いので、決してお勧めしない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人によっては最高傑作のひとつに数える人もいるほど。けれど自分は余り感心しなかった(個人的には「爬虫類館の殺人」より下かも)。つまりカーの作品群の中でもかなりアクが強い。 ただ話としては面白く読める要素がてんこ盛りなのは事実。 相変わらず当たらない犯人。でもJ・D・カーで犯人が当たらなくても恥じゃありません。 犯人の特殊性に、息が詰まることは必至。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カーの不可能犯罪物の代表作とされる作品。私は、ミステリに関しては高等遊戯と割り切っているので、バラバラ殺人が起こっても死者が蘇っても構わないと思っている。しかし、本作のトリックはどうであろうか。 不可能犯罪が起こるのだが、ある人物が犯人だと仮定すると、簡単に解けてしまうのである。しかし、いくらカーでもそこまではしないだろうなぁと予想していた。トリックについても、人物像についても書けないのだが、その人物を犯人にする事はカー得意のサービス精神でもなく、意外性のあるトリックでもなく、単に嗜虐である。カーにはもう一段上のアイデアを期待していた。 しかし、結局はその人物が犯人だったのだ。個人的には失敗作としか思えない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カーが他の作家と比較して優れているのは、一つの作品の中に多重の要素を詰め込み破綻させない構成力と、ストーリーテリングの素晴らしさです。この作品も、二人の人物の真贋、魔術、自動人形、殺人、愛など様々な要素を詰め込みながら破綻無く、なおかつフェアに仕上がっています。雰囲気はオドロオドロ系で、全編に妖気が漂っています。ただ、庭での殺人風景をイメージしてしまうと、やりすぎなんじゃないかと思ってしまい、ため息をつき頭を抱えてしまいます。この作品に関しては読者によって評価が分かれるのではないでしょうか。でも、「曲がった蝶番」というタイトルはきわめて暗示的で好きです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!