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曲った蝶番
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【この小説が収録されている参考書籍】
曲った蝶番の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 1~20 1/2ページ
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外側も中身もきれいな状態で、うれしかったです。 | ||||
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最近、勝手にマイブームで古典ミステリを再読しています。この「曲がった蝶番」は、小学校の図書室にあった「踊る人形の謎」というタイトルで子供向けにアレンジされたものを読んだのが最初でした。そしてこれで一気にカー作品にはまるきっかけになりました。元々、怪奇、ホラー、幻想、ゴシック小説の系統が好きだったので、怪奇趣味とミステリをあわせたカーの作風はまさにツボだったわけです。 情けないことに内容はほとんど忘れていたのですが、再読してみて、なるほど、これは夢中になったはずだと思いました。1930年代の英国、ケント州に広大な地所を持つ準男爵家に「現在の当主は偽者であり、自分こそが本物だ」と名乗る男が弁護士とともに乗り込んできます。彼らはまだ子供だった頃、あのタイタニック号でアメリカへ渡る途中、船が沈没した時に頭を殴られて気を失い、入れ替わられてしまったのだということ。それを証明するために、当時の家庭教師がバミューダ島から呼び寄せられるのですが、彼が持っている指紋が証拠になると言うのです。緊張した空気の中、みんなが待機するうちに、殺人が起きてしまい、殺されたのは・・・という意表を突いたテンポのいい出だしで引き込まれます。 また、悪魔崇拝に凝っていた準男爵家のご先祖や、1600年代に作られたカラクリで動く人間にそっくりの自動人形など不気味な要素もちりばめて、異色のミステリに仕上がっています。 当時のミステリの特徴として、ロマンスやメロドラマ的な要素も強く、今ならルール違反になりそうなトリックもあります。なので日本の現代ミステリに慣れた方や、トリックと推理過程を重視する人には古めかしく感じられるかもしれません。私は、犯人像にフィルポッツ作「赤毛のレドメイン家」と共通したものを感じました。なかなか魅力的な犯人像です。 新訳の方のレビューで、こちらの旧訳の酷評が多いですが、個人的には、古めかしい中にも当時の時代の風情が感じられて良いと思いました。特にむずかしい言い回しや漢字もありませんので、レトロな雰囲気を味わいたい方はこちらもおすすめです。 | ||||
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〝変装〟・・・同じ変装とは言っても何かを着たり付けたり被ったりする〝足し算の変装〟だけでなく、 〝引き算の変装〟というのもあって・・・。 ▼ ▼ この長篇が日本で本になる時にかなりの頻度で表紙画に描かれる、何百年も前の機械仕掛けの自動人形。 悪魔信仰サバトの象徴として「金髪の魔女」と呼ばれる、動く筈の無いこの人形がギデオン・フェル博士めがけて、 火車砲のように突進する・・・。 そして〝曲がった蝶番〟とは何の事なのか? ジョン・ファーンリー准男爵と、タイタニック沈没時に入れ替わられたが自分こそ本物のジョン・ファーンリーであると称して、 相続権を主張して突如やってきたパトリック・ゴアという名の男とのイヤ~な感じの対決。 どちらの言っていることが真実? と聞くと日本人はすぐ『犬神家の一族』の佐清を持ち出したがる。横溝正史は確かに海外ミステリだけでなく、 日本の戦前探偵作家が書いたネタさえも巧妙に自作に利用したが(作品名を長篇の小見出しにパクる場合も)、 正史には本作『曲がった蝶番』よりも前に書いた『鬼火』というものがあるため、 いくらカーを礼賛したといっても正史が本作を一本釣りで『犬神家』のトレースにしたとは言い難い。 日本では江戸川乱歩が『パノラマ島奇談』『猟奇の果』で〝なりすまし〟というテーマを用いた作品を、 1938年発表の本作よりも前に書いていたが、普通ならこの素材だけで長篇一本成立するところなのに、 カーの凄いのは、更にその上フリーキッシュで複雑な殺害トリックをもぶちこんでくる貪欲さ。 極上のステーキだけでも腹いっぱいなのにトリュフまで添えてあるみたいな。 本作の殺人は一応〝衆人環視〟のクローズド状況ではあるが、視力の悪い目撃者がいるのはまあいいとしても、 夜の闇でハッキリしないから明快な〝密室〟状態というには少し苦しい。それと本作を読んでいつも思うのだが、 たとえ簡素でもジョン・ファーンリーがバッタリ倒れこむ池を囲む屋敷の図があったほうが読者に対してフェアな気がする。 ▽ ▽ 犯人の現実離れした手口には「特撮じゃあるまいし、そんなこと可能なのか」と言う人もいそうだし、 「この結末で終わっていいの?」と言う人もいるだろう。私は私で、今回の新訳によるラスト第四部で、 ある人物の「××ね」「××ですよね」と変に馴れ馴れしい口調の訳に違和感があったけれど、 カーがただのトリック・メーカーでは終わらない〝物語の名手〟であるのを証明する面白さだ。 | ||||
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若い頃読んだ時は途中までは傑作と思ったが最後の謎解きに論理性が無いためにがっかりした記憶があった。今回再読して基本的には同様な評価だった。全体的な完成度は高いがミステリとしては異色作と思う。 前半はジョン・ファーンリ卿の真贋を巡って二人の人物が対決しその判定役として幼少期の家庭教師が現れる。またジョンを幼少期から知っている二人の女性(妻モーリと美女マデライン)も登場し前半は緊迫したサスペンスでグイグイ引き込まれた。 後半は残念ながら関係者の議論が中心でやや中だるみする。検死審問はなかなか読み応えがあり特に最後にマデラインが語るジョンの真情が印象的であるが、事件としては序盤のもの以外はほとんど進展がない。ロマンスは蛇足であろう。 終盤は自動人形なども登場して読ませてくれるが解決は荒唐無稽で納得感はない。動機の面からもここまでやるかという感じが残る。なお、心理面では現当主のジョンの内面をもっと深く描いて欲しいとも思った。 | ||||
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四十年ほど前、創元推理文庫の旧版(中村 能三さんの訳)で読んで、あんまりパッとしない話だな〜、という印象だったのですが、たまたま古本屋で新訳を見つけ再読。うわぁ冒頭から素晴らしい! これは実は凄い傑作だったの? と思ったら中だるみでちょっとガッカリしたものの、ラストは怒涛の超展開。いや〜JDCらしい怪傑作ですね! で読んでるうちに「中二病」が浮かんだんです。だってタイタニック、自動人形、悪魔信仰ですよ。秘密めかした態度とか、不器用な恋愛描写もまさに思春期男子。ところでノウゾーさんの訳が悪いはずがない、と思って昔の文庫を見たら… 文章やセリフがとてもぎこちないですね。 | ||||
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ファーンリ家の当主の真贋をめぐる不可解な死、やがてそれが絶対不可能犯罪であったらしいことが分かってくる。迷路のような生け垣のある中庭を密室に見立てたトリックは、火刑法廷同様、二重底の解決を持っています。しかも、いずれの解決も、ちゃんと伏線を張り巡らしてミステリーとしてきちんと成立しているもの。自動人形怪談や黒魔術、タイタニック事件など、物語としての出来も素晴らしい。疑いもなくカーの最高傑作の一つだと思います。なお、好事家には、この本と同年にC・ロースンがカーの密室講義につけた注文を確認してみられることをお薦めします。カーはそれに先回りするかのように、本作品で、その手口を鮮やかに披露してくれています。 | ||||
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過去に起きた事件の語りを導入部として、 前提となる謎が提示される。 不穏な空気が漂う中で折良く事件発生。 事件発生後も不可思議な雰囲気作りが為されている等、 物語展開事態が流れるように進んで行く。 ('-`).。oO カーの中では、好きな作品。 | ||||
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確かに、古さは否めませんが、今現在、読んでみても、面白く読めると思います。なにしろ、雰囲気がいいです。わたしは、ゴシック小説やホラー小説が好きなので、そういった雰囲気があれば、多少、話がつまらなくても、読了できてしまいます。他のレビュアーで低評価を下した方が、<無理がある>と書かれてありましたが、最後まで読むと、その<無理>の理由がきちんと書かれています。結構、納得いく理由です。アガサの『スタイルズ荘の怪事件』に似ています。 | ||||
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表紙から不気味なこの話、殺人事件じたいはそんな大きくないですが、犯人の正体やそこまでの経過、動く人形の謎、それらが結末で収束したのに感動。 おもしろかった。 でもあんまりありえない気もする(笑) | ||||
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カー作品を集めたくなり購入。意外なタネあかしで驚きますよ。読んでからのお楽しみ。 | ||||
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何故、蝶番が曲がったのか・・・・ミステリー好きな方は1度読んでご覧あれ♪ | ||||
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カーの全作品を所持しているが、翻訳は新訳が圧倒的に読み易い。これまで、カー作品を読まれて、二度と読みたくないと感じた方もあるだろう。私もその一人であった。しかし、新訳は分かりやすく、過去の翻訳が如何に悪訳であったか分かる。本格好きの方は、是非、一度、手に取って頂きたいものです。 | ||||
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新訳を機に三十年ぶりに再読したが、怪奇的な雰囲気が単なる装飾にとどまらずプロットと有機的に結合している点では カー作品中でもトップクラスであろう。 真の相続人は誰かという趣向は横溝正史も『犬神家の一族』執筆の際インスパイアされたとおぼしい。 殺人トリックの実現性の是非はともかく、真相の意外さ、幕切れの切れ味、大胆な犯人像の鮮やかさ、 どれをとっても代表作の一つという名に恥じない傑作。 | ||||
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本作で用いられているトリックは非常に鮮やかである。 その上、最後まで至るまで内容的に密度が濃く、読みごたえがある。 ディクスン・カーの傑作というと一般には『火刑法廷』や『三つの棺』が有名であるが、 評者は個人的には、この『曲がった蝶番』こそ最高傑作と推したい。 本作にこれまであまりスポットが当たらなかったのは、1959年の中村能三訳でしか読むことができず、 訳が古かったせいではないだろうか。 このたび新訳で出たのは、まことに慶賀すべき出来事である。 | ||||
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個人的に一番好きなカーの作品であったので、新訳版の刊行を機会に再読しました。 タイタニック号の遭難時に入れ替わりがあり、現当主を偽物だとして爵位継承権を主張する謎の男の出現。 そしてその真偽が確かめられようとした時に起こる不可能殺人と事件現場の庭に蠢くもの。 これに1年前の殺人事件にまつわる悪魔礼拝の影や奇怪な自動人形の謎といった怪奇趣味も加わり、まさにこの作家の独壇場とでもいうべき物語が展開します。 でも何と言ってもこの作品の一番の魅力は、殺人のトリックです。私はフェル博士の最初の説明を聞いて半分呆れたのですが、最後に真相が語られたときは、意味が分からず、あっけにとられてしまいしました。それでも許せてしまうのは、それが可能となった背景の話が面白いのと、事件の真相の光景の異様さ故でした。 新訳の感想ですが、旧訳に比べて伏線の部分の説明(特に”曲がった蝶番”や自動人形に関する部分)が丁寧に書かれている感じを受けました。また省略されていた箇所や原注も記載されていて好感が持てましたし、読みやすい文体になっていると思います。ただ旧訳を愛読してきた者からすると違和感を感じた点もありましたが、これは個人的な話であり、初読の方にはお薦めできる本だと思います。 (補足)比較している旧訳とは、同じ創元推理文庫の旧版である中村能三訳の「曲った蝶番」です。 | ||||
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カーの著書は、 同名義の物はストーリーの面白さを ディクスン名義の物は、トリックの面白さを狙った物が多いように思われます。 そしてカー名義物の中でもっともスリリングで、物語に吸引力があるのが この『曲った蝶番』でしょう。タイトルからして趣きを感じます。 驚かされるのは、惜しげもなく次々と現れる魅力的な謎の数々。 これだけのエピソードをたった3百数十頁に詰め込み、しかもストーリーが破綻せず、 最後に見事などんでん返しを喰らわせる・・・正に神業! | ||||
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カーの著書は、同名義の物はストーリーの面白さを ディクスン名義の物は、トリックの面白さを狙った物が多いように思われます。 そしてカー名義物の中でもっともスリリングで、物語に吸引力があるのが この『曲った蝶番』でしょう。タイトルからして趣きを感じます。 驚かされるのは、惜しげもなく次々と現れる魅力的な謎の数々。 これだけのエピソードをたった3百数十頁に詰め込み、しかもストーリーが破綻せず、 最後に見事などんでん返しを喰らわせる・・・正に神業! | ||||
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面白さは間違いなく「終盤にあり。」 な本作品であります。 序盤のほうでも 本物と偽者との 争いあいがあったりと 読者を飽きさせはしないんですけどね。 この終盤は 思わぬところに事実が いくつもいくつも出てきます。 これはカーの作品では 珍しいパターン。 犯人が当たったからといって にんまりはよしましょう。 その後で真っ青になります。 ただし、真犯人は たぶん想像がつくかも。 もう人物設定時点で怪しい人は 数人に絞られてしまいますからね。 珍しく残酷描写というか 生々しい争いあいも ほとんどなく、読みやすかったです。 | ||||
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面白さは間違いなく「終盤にあり。」 な本作品であります。 序盤のほうでも 本物と偽者との 争いあいがあったりと 読者を飽きさせはしないんですけどね。 この終盤は 思わぬところに事実が いくつもいくつも出てきます。 これはカーの作品では 珍しいパターン。 犯人が当たったからといって にんまりはよしましょう。 その後で真っ青になります。 ただし、真犯人は たぶん想像がつくかも。 もう人物設定時点で怪しい人は 数人に絞られてしまいますからね。 珍しく残酷描写というか 生々しい争いあいも ほとんどなく、読みやすかったです。 | ||||
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悪魔崇拝に謎の自動人形、タイタニック号遭難に不可能殺人。 並べるだけでもわくわくする内容。 トリックの元ネタはルルーの短編かな? カーの作品では一番好き。 万人受けはしないと思うけど。 | ||||
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