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死者はよみがえる
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死者はよみがえるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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美食に飽きた金持ちが何か変わったものない?と注文して偏屈なシェフが出してくるような探偵小説、それがJDCの諸作品なんだと思います。結末の前までは本当に素晴らしいのですが、最後に唖然とさせられました。フェル博士のみっともない言い訳(p344)が作者の後ろめたさを物語っています。主人公はJDCの分身で、人生の苦労なんて無意味と主張したり、「彼は前から人間を観察していないといわれてきた男だった」とか作家にあるまじき人物像を暴露されています。名言が一つ: beware of people who make you laugh, because they’re usually up to no good.(p140) 橋本訳ではハドリー(ぼく)とフェル(きみ)の関係が近すぎる感じですが、二人の関係性を思えば、これくらいが本当は妥当なのかも。(最初、HPBの延原訳で読み始めたのですが、不明な点が多く、創元文庫に切り替えました) お気に入り事件は「うつろな男」「ドリスコル殺人」「ヴィクトリア女王号」という興味深い告白あり。 さて恒例の歌のコーナーです。 p121 「進め! 牧童」という新しい歌を披露(introduced the novel note of ‘Ride ‘em, cowboy!’): 同名の西部劇映画(1936)あり。 p122 夢中でバラッドを歌っている…(singing a ballad whose drift I need not repeat.): 口をはばかる内容らしいのですが題名が書かれていません。 p262 ジェニーはぼくにキスをした(Jenny kissed me when we met): a poem by the English essayist Leigh Hunt (1838) JDC作かと思ったら丸ごと実在の詩の引用でした。 銃器関係ではp154、12口径の散弾銃(a twelve-bore shotgun): 口径の前の数字は直径の意味となってしまうので12番・12ゲージと訳すのが正解。boreは英国表現で米国のgauge。 | ||||
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掟破りの真相、この作品を一言でいえば、そうなるのだろう。 無銭旅行後の無銭飲食、その後の死体発見と逃亡、という冒頭のエピソードから読者を作品世界へと引き込み、次々と不可解な謎が提示され、事件に関する捜査と議論が繰り返され、事件を巡る人間関係が明るみになっていく構成は、満点と言えよう。 しかしながら、「え?そんなことが可能なの?」と思わざるをえない真相は、事前の説明が不足で、故意の隠ぺいとしか思えず、本格的視点から見ると零点だろう。 ホテルの事件での犯人の侵入経路に関しても、図は示されているものの、意図的に議論が伏せられている。 また、途中で示された「12個の不可解な謎」の内で、鍵が鍵穴に差し込んであった謎について、十分な説明がなされていない点も不満。 作中で、ニセの手掛かりをばら撒いている可能性があることや、犯人が必ずしも合理的な思考をするとは限らないこと、こういったことを登場人物に語らせている点に興味を引いた。 タイトルの意味、死者とは誰なのか、真相を知るとわかる仕組みになっているのが面白い。 | ||||
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