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カラマーゾフの妹



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【この小説が収録されている参考書籍】
カラマーゾフの妹
カラマーゾフの妹 (講談社文庫)

カラマーゾフの妹の評価: 2.83/5点 レビュー 58件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全58件 1~20 1/3ページ
123>>
No.58:
(3pt)

原典のグロテスクで通俗的なパロディ

ロシア文学の古典『カラマーゾフの兄弟』の、著者死去のために書かれることのなかった続編という体裁で、なおかつ原典中のフョードル殺害事件の矛盾をもとに隠された真相を推理してみる古典文学検証ミステリ?なのであります。
原典の中の出来事を本格ミステリのテキストとして大胆に読み替えてみる試みはなかなか面白かったものの、そこで導き出された結論が原典を超えるインパクトや説得力を持っていたかといえばかなり疑問。
物語は著者ドフトエフスキーの続編の構想(三男アリョーシャが革命に身を投じる)に沿った展開なのですが、原典の事件の真相究明には直接関わらないところで話が進んでいくといった調子でして、一冊の本としてはまとまりが悪いのは難あり。ロケットやコンピュータの挿話は必要だったの? タイトルの「妹」の挿話のように物語の根幹に関わるようなところでオリジナルの「創作」が多いのもちと興ざめ。
確かに原典の事件にはいちおうの辻褄は合わせてみせたものの、この本の中の出来事で説明のないままうやむやに終わったものが多いのはいかがなものでしょう?
次男イワンは多重人格者にされてしまうし、三男アリョーシャはまるでサイコパスだしで、何だか原典のグロテスクで通俗的なパロディといった読後感なのでした。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508
No.57:
(4pt)

二次創作として楽しみました

『カラマーゾフの兄弟』は魂と信仰の物語ですが、本作はエンターテイメントミステリーです。登場人物を借りながら、完全に作者独自の世界が展開されています。
登場人物の会話の端々にドストエフスキーの他の作品の登場人物がチラッと出出てきたり、一部SF的なところもあったり、主人公のイワンは有名な海外ドラマの某変人捜査官を彷彿させる描写があったり。思わずニヤニヤしながら読みました。
よく書けた二次創作だなあと思います。面白かったです。
ドストエフスキーの高尚さは全くないです、念のため。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508
No.56:
(1pt)

第二の小説ではなく、タイムスリップした現代の小説

カラマーゾフの兄弟を読んだ者からすると、違和感がありすぎて別の小説を読んでいるようでした。
また、後半は登場人物たちが13年後ではなく、現代にタイムスリップしたのではないかという錯覚を起こしてしまいました。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508
No.55:
(4pt)
※削除申請(1件)

テーマは興味深いけど

これをドストエフスキー氏が読んだら、いったいどんな評価を下すことだろう。
この作品は単なる推理探偵物に過ぎない気がする。
以前、ハードカバー本で読んだ時にそう感じた。
最近、カラマーゾフの兄弟を読み直してみるとやはりドストエフスキー氏が単なる推理モノを第二部のメインテーマなどにはしていないと確信出来る。
テーマがテーマだけに、非常に「惜しい」作品である。
作者はもっとキリスト教、ひいてはロシア正教やロシアの風土、ロシア人気質の研究を充分に考証した上で、この作品を書くべきだったと思う。
アリョーシャ・カラマーゾフの13年後は「皇帝暗殺団」の組織のリーダーとみるのは正しいかも知れない。
つまりはテロリストの首魁になるわけだ。
しかし、第二部については、やはりドストエフスキー氏がどのような構想を持っていたかは依然として謎である。
いずれにせよ、この作品の登場人物たちはロシア人ではなく、日本人のそれである。日本人がロシア人のマネをしているだけだ。
追記。
俺はもうすでにこの作品を数ページ読んだだけでオチが判っていた。
当然のことながら「あの天使」がこの一連の殺人事件の黒星だ。
「神がいるからこそ、すべてにおいて許されている」
つまりは、どんな理不尽も不条理も、戦争も犯罪もすべてにおいて犯人の正体が「黒」なのは「神」だったのである。
以前から、このテーマはある種の直感めいた閃きで脳裏をよぎることがしばしばあった。
しかしながら、わたしはそれを何度も否定してきた。しかし、この作品を読んで疑惑は確信に変わってしまった。神は悪魔であり、両者は一卵性双生児だったのである。
アリョーシャはさまざまな人間を殺害して、なんら良心の呵責を感じない「快楽殺人者」であるが(彼はあのゾシマ長老さえ、殺害していた!)
これらすべての殺人の遂行及び皇帝暗殺のテロリストになることが、
「より人類の進化の為の崇高なる使命」を帯びた必要不可欠な通過点としてのイニシエーションだとするならば、
アリョーシャを殺人者にしても、なんらかの意味はあったかも知れない。
(はたして正義の殺人などあり得るか?という問題は別にして)
しかしながら、アリョーシャを単なる無邪気な変態的リビドーの持ち主、無邪気な快楽殺人者にしたまま、この作品のオチを片付けてしまう執筆態度はエンターテイメント作品としては、
面白いけど、
カラマーゾフの本格的な「第2部」などにはまったく成り得ない。
むしろ作者は、時間的な余裕が無かったのか?それとも、ロクにカラマーゾフの兄弟・第二部を執筆する構想など持っておらず、
行き当たりバッタリ式に勢いのちからだけでこの作品を書いたキライがある。
もちろん、面白ければそれで良いという意見には、わたしもやはり同意せざるを得ないが・・・
ただしかし、この作品の筆者は少なくとも「カラマーゾフ第二部」への足がかりのひとつ、
いわば、お手本のひとつを提供してくれた(良い意味でも悪い意味でも)
その事自体は称賛に値するし、敬意を払って然るべきゆえに、あえて星の数を増やして4つにした次第である。
いずれにせよ、誰かがいつかはわからないが、
本格的な「カラマーゾフの兄弟・第二部」を書いて欲しいし、
それは日本人によって達成されることを望んでやまないのはわたしだけではないだろう・・・

追記その2。ドストエフスキーの性的嗜癖について。
ドストエフスキー氏が「象徴主義的手法」を持って、その諸作品中に「少女性愛への衝動」をそれとなく表現していた事は事実であり、多くのドストエフスキー研究者の指摘するところである。
しかし、それを持ってしてドストエフスキー氏を「その種の特殊性愛の持ち主」だったと断定するのは非常に危険な行為である。彼の名誉の為にあえて付け足して置きたい。
清直人著「ドストエフスキーとキリスト教・イエス主義・大地信仰・社会主義」を参考にされたい。
ここで思い出すのは「悪霊」に登場するスタヴローギンのペテルブルクでの少女凌辱のシーンであるが、
あれは、実際にドストエフスキー氏が過去においてあからさまに、赤裸々に自分の体験を作中に挿入したとする研究者がいることは事実かも知れない。
だが早急な結論を出して「アリョーシャ・カラマーゾフ」という特異なキャラクターに異常性愛の持ち主としたがる傾向には、やはり歯止めをかけねばなるまい。
アリョーシャが第二部において「シベリア流刑」になるような、犯罪行為ないし活動に巻き込まれることはおそらく事実であろうが、
それは、おそらくドストエフスキー氏の「シベリア流刑体験」とオーバーラップする内容のはずであり、
その場においてアリョーシャは「ロシアの民衆と信仰」を知り「キリスト教主義的社会主義者」の闘志となる(人格的なさらなる昇華)可能性は高い。
この、キリスト教ひいてはイエス信仰に基づくロシア唯一の「真の社会主義」こそが世界を本当に変革して救済する唯一の方法と生前ドストエフスキー氏は主張していた。
上記の事実をもってしても、カラマーゾフ第二部の構想にイエス信仰に基づく革命及び「皇帝暗殺」がテーマとなる予定であったらしい事は、
90%の確率で非常に高いと思わざるを得ない。
長々と、カラマーゾフ第二部についての予測レビューしてしまったが、これにて愚筆を置くこととしよう。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508
No.54:
(4pt)

結構楽しめた。

カラマーゾフの兄弟を読み終わったところだったので予備知識なく手にとったのですが 当然ドストエフスキーより読みやすく楽しく読了しました。三兄弟の中ではどちらかといえばイワンが気に入っていたので 彼が探偵役という設定も個人的には受け入れやすく読後感もまずまず。けちをつける所は色々あるでしょうが カラマーゾフの兄弟の ドストエフスキーが書けなかった続編などと大層なことは思わず 気軽に楽しんでしまいましょう。
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No.53:
(2pt)

努力は認める

小説としてはまぁまぁ。ただし、「カラマーゾフの兄弟」が好きな人にはお勧めしないし、これが続編だと思えない。
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No.52:
(1pt)

ある意味斬新

こんな馬鹿な話、考えて得意になってる時点でこの作者の今後がわかる。 最初は読んでいて腹が立ちましたけど最後には作者に哀れみを感じました。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508
No.51:
(1pt)

ミステリー重視にした薄っぺらな小説という感じ(笑)

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の続編を描いた小説。乱歩賞受賞作品。内容は、カラマーゾフ事件から13年後に次男のイワンが特別捜査官として帰ってくる。そしてあの事件の真相を再捜査する。三男アリョーシャは教師としてその地で尊敬される存在となっていた。長男ドミートリーは流刑地ですでに亡くなっている。犯人のスメルジャコフは自殺し、囚人ももういない再捜査に特別捜査官イワンは「名誉のため」という、再び殺人事件が起きる、アリョーシャの失踪、13年前のあの事件の頃に女中が産んだ娘エイダとは?、

「神は存在しすべてのものをお許しになる」に、はあ!?となったのは私だけだろうか。これは、正編とは真逆の主題解釈になるものである。もし、アリョーシャが革命家となるならその転向の起因はイワンの小説「大審問官」にあるはずである。アリョーシャの思想上の転向、これを巧く描かないと説得力が無いだろうし、私の読後感は、ドストエフスキーの構成に著者がそれとは違った真犯人の解釈を当てはめただけの手軽な推理小説になっており、ドストエフスキーの神学及び思想的なものをバッサリ削除し、ミステリー重視にした薄っぺらな小説という感じである。疑問に思ったのは、イワンが特別捜査官になっているのだが、前科や殺人歴のある者は当然、捜査官にはなれないだろうが、殺人犯の家族は捜査官になれるものなのか?

続編を勝手に書くのは自由だが、選評で今野敏が言うように乱歩賞や文学賞に「二次創作的作品」を受賞させるのはどうかと思う。他の候補作との平等性に欠けるだろう。

誤記
P128 情報には出会わなかった→情報には出合わなかった ※人なら出会うだが情報なら出合うだろう。
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4062178508
No.50:
(3pt)

どう読めばいいのだろうか?

こんな作品が書かれていたのですね。ミステリーはもう長い間読むことはなく、久しぶりに手に取りました。着想はいいし、ロシアcosmism(fedrov)などの日本ではなじみのない視角も取り入れられて、だいぶ関心を持って読んだのですが、出来上がった作品はどうもおさまりの悪いものになっているようです。
本来なら深められるべき論点は、あまりにもペダンティックで一般の読者には関心があるものではないので結局深化されることはありません。ミステリーというジャンルを意識し、一般の読者との接点を意識したためでしょうか、19世紀の人物が20世紀の人物と化して作品中で、ロケットの専門用語を操るという奇妙な矛盾に陥ってしまいます。味付けとして、ロシア文学や革命運動のtriviaがあちこちに埋め込まれているのですが、これは座談の中の味付け以上のものではなく、全体の構成の中で有機的に機能することはありません。
さて本書の眼目ともいうべき謎解きなのですが、これは読んだ方に判断してもらうほかはありません。謎解きそれ自体に価値を見出すのか、それとも謎解きは全体の作品の中の一つの構成要素なのか、読者の好みに依拠するところ大ですから。歴史を題材とした作品は、過去の乱歩賞の受賞作品にも多々ありましたが、本作品の出来上がりは残念なものです。
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4062178508
No.49:
(2pt)

試みは

面白いとは思うし意欲的だと思うけど、二重人格だのマインドコントロールだの興ざめしてしまった
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4062178508
No.48:
(5pt)

ミステリーとして読めばおもしろい

『カラマーゾフの兄弟』を読んだことのある人なら、手に取りたくなる小説だと思う。私は三度読んでいる。さて、ハードルを超えられたか。私は超えていると思う。あざとい面もあるが、おもしろかった。確かに、「あの犯人」には異常性を感じていた。ただ『カラマーゾフの兄弟』は総合小説だが、この本はあくまでもそれをモチーフにしたミステリーだ。そこを勘違いしないほうがいいと思う。
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No.47:
(4pt)

読者を選ぶミステリー

ロシアの文豪ドストエフスキーの遺作となった『カラマーゾフの兄弟』が実は未完であることはあまり知られていない。書かれたのは第一部のみであり、肝心なのは第二部であると冒頭で宣言しておきながら、著者のドフトエフスキーは第一部を書き上げた直後に死んでしまった。長い長い前置きである第一部はそれだけで独立した名作として読み継がれているが、志半ばで力尽きた文豪の悔しさは計り知れない。本書はそんなドストエフスキーの遺志を継ぎ、『カラマーゾフの兄弟』の続篇として書き上げられた江戸川乱歩賞受賞のミステリーである。
 舞台はカラマーゾフ事件から13年後のロシアであり、登場人物も『カラマーゾフの兄弟』で活躍した面々である。この設定からしてすでに、本作がかなりの異色作であることが分かる。ミステリーである以上フィクションであることは当然としても、既存のフィクションをそのまま継承した舞台設定というのは、乱歩賞の長い歴史の中でもほとんどないのではないか。しかも本作の著者は作中でドストエフスキーのことを「我が前任者」などと呼んでいる。ということは彼はドストエフスキーの後継者なのか。空前絶後の文豪に対する冒涜とも受け取られかねないこの大胆さは、ミステリーの世界でなければ到底許容されえないものだったろう。ドストエフスキーの信奉者であれば、著者のこの態度でもう拒絶反応を起こしてしまうかも知れない。しかしこの本は『カラマーゾフの兄弟』を読んだ読者にこそ読んでほしい。というより『カラマーゾフの兄弟』を読んでいなければ、面白さは半減するだろう(読んでいない読者にも配慮した構成にはなっているが)。そういった意味では読者を選ぶ作品ではある。
 なぜこのようなマニアックな作品が、江戸川乱歩賞などという一般大衆を読者とするミステリー賞を受賞したのか。少なくとも受賞作を毎年読んでいる一般読者は、少なからぬ違和感を持って本作を読んだはずである。特に新規なトリックが使われているわけではないし、有体に言えば『カラマーゾフの兄弟』を読んでいなければその面白さはほとんど分からない。しかし『カラマーゾフの兄弟』の読者にとっては、かなり衝撃的な内容を含んでいることは確かである。専門家ではないので分からないが、著者が綿密に調査した末の作品であることはよく分かる。その迫力に、熱意に、圧倒されての授賞だったのではないか。この作品を受賞させずに闇に葬ることに対する抵抗が票を集めたのだろう。
 それにしてもドストエフスキーが本当にこのような続篇を――細部はともかくあのような真犯人を――予定していたのだとしたら、と思うと興味は尽きない。世界中の読者はドストエフスキーのミスディレクションにまんまと引っかかり、しかもドストエフスキーの死によって真相が隠されたまま、百年以上ものあいだだまされ続けていたことになる。このような大どんでん返しを用意していながら、それを書く前に逝ってしまったドストエフスキーの無念さはいかばかりであったろう――等々、この作品のミステリーそのものよりも、本作によって炙り出される過去の名作のミステリーの方が興味深い、そんな一冊である。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
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No.46:
(1pt)

残念。

不可解に思った点
スメルジャコフに兄弟を皆殺しにすると言ったフョードル。スメルジャコフはそのことをアリョーシャに言う。
アリョーシャが兄弟を救うという正義のもとにすぐに信じてフョードルを殺す安易さが我が前任者からの文章には見られないと思う。
我が前任者という言い方が読者に鼻につく印象を与えてしまっていると思う。
イワンの人格の謎を精神分析や自然科学から解き明かしているようだが、面白みを感じなかった。陳腐な説明とは言い過ぎだが、簡単に説明出来るものでもないと思う。
アリョーシャに人格的な魅力を感じなかった。13年間で普通の謎めいたおっさんになった印象。残念。
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No.45:
(3pt)

瑕疵が多い

ネタバレの部分あるので、未読の方は注意してください。
 2012年の江戸川乱歩賞受賞作。 ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」は、
作者自身がその13年後を舞台に続編を書くと明言していながら、果たせずに他界している。
その続編を新たに独自に構築したもの。原典を読んでいなくても、ちゃんと説明があるので
それなりに楽しめる。但し、元となった翻訳版に文体が似せてあるためか、はたまたロシア人
や地名などの固有名詞がたくさん出てくるためか、リーダビリティは高くない。また、もの
すごい意外性やエンタテインメント性があるかというとそれほどでもない。読後に得られる
カタルシスもあまりない。
 中には、ちょっと設定が不自然というところもあった。たとえば、
・クロソートキンが、いかに神童であり、財力のある家の娘と結婚したとはいえ、わずか27歳
で大会社を経営し、ロシア中にその商品を行き渡らせるほど成功を収めているというのは不自然。
・皇帝を暗殺する計画として、なんの実績もないロケットを使うというのが馬鹿げている。実験
も不足しているし、それをまた、目立つクロソートキン社の管理する水道塔から発射するという
のもあり得ない設定。その時代前後に発表されたロケットに関する公式や計算機を登場させたか
ったから(その部分は単調な小説に変化を与えていて面白いのだが)だろうが、これはあまりにも
いただけない。
・最終的に真犯人は三男のアレクセイ(アリョーシャ)ということになるのだが、教会の長老や
実父を殺す際の動機が弱すぎる。
 これら以外にも不自然な点はあるが、ドストエフスキーが果たせなかった続編にチャレンジし、
比較的良くまとまっているという点が評価されたのだろう。が、私のような乱歩賞マニアでなけれ
ば、わざわざ買って読むほどではないと思えた。
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No.44:
(4pt)

ミステリ+歴史改変SF

カラマーゾフの兄弟は「ミステリとしても読める」と長らく言われてきたが、それを真面目にやった人はいなかった。何しろ長大な作品だし、ドストエフスキーの文章はいい加減なところも多いので、細部の瑕疵は見過ごされてきたのだ。
しかし、実際に「そういう目」で読んでみると、確かに怪しいところはある。

・後ろから殴られたはずなのに仰向けに倒れていたフョードル
・スメルジャコフの発言中にしか存在しない「フョードルの3千ルーブル」
・いつの間にか開いていた扉

いずれも現代のミステリであれば決定的な描写だ。それを踏まえて本当にミステリ仕立てで続編を書いてしまったのが本作。
もうそれだけでも面白いのだが、階差機関やロケットが登場してカオスな歴史改変SFの趣があったり、亀山郁夫の「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」が反映されていたりと、マニアックな仕掛けで楽しませてくれる。
もちろん不満点もある。本作では精神分析や犯罪心理学の用語が多用されるのだが、これによってキャラクターが類型化されてしまい、薄っぺらい印象を受ける。また、ドストエフスキー作品の最大の魅力である哲学的・宗教的なあれこれが捨象されており、続編と銘打ちながら文体も全く似ていないので、パスティーシュ作品としては未熟である。
とはいえそのキッチュさを楽しむことができれば、非常に良くできた作品である。
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No.43:
(2pt)

カラマーゾフの妹

ドストエフスキー(原卓也)を読んだことがあるので、
この作品はちょっと変な気がしました。
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No.42:
(1pt)

内容が薄い。

ミステリーのあるある、多重人格、異常な性癖、マインドコントロール等々、浅く広く取ってきて、くっ付けただけの内容に感じた。
妹アンナの役割もこじつけで成り立っているようにしか思えない。乱歩賞受賞作ってこんなものなのか?
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4062178508
No.41:
(5pt)

原作を損なうことなく、ミステリーとして昇華させた力作

果敢にもドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に挑戦し、独自の答えを描いてみせた第58回江戸川乱歩賞受賞の力作。

原作を損なうことなく、ミステリーとして続編を描くという面白いアイデアと力量には驚かされた。どのような着想からこの作品を描くに至ったのか非常に興味深かったが、巻末の高野史緒と亀山郁夫、沼野充義の鼎談を読み、納得した。
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4062178508
No.40:
(1pt)

妹の存在はタイトルのためのみ

「妹」の存在があまりにとってつけたふうで、結局、最初のタイトル「カラマーゾフの兄妹」をつけたいためだけだったようです。はじめにタイトル=広告効果ありき。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508
No.39:
(2pt)

単純に面白くない

カラマーゾフの兄弟は3回ほど読みました。
伏線を張っていたのに続編を読むことができないのは残念なことです。
しかし、未完の作品として完結している作品なのだとおもいます。

この本の作者は勝手な自己満足のためにこのような作品を世に出してしまいました。
たしかによく考えられて構成されています。よく読みこんで考察を重ねたのでしょう。
し、か、し。単純につまらない。ドストエフスキーの世界観も完全に壊している。
他の方も書かれていますが、読み進めるのが非常に困難。
面白い本ならばどんどん読み進めてしまうのだが、読みにくさとつまらなさが相俟ってなかなか次のページへと進む気にならない。

読書嫌いを増やし、江戸川乱歩賞の権威を失墜させる作品。
いまや本屋大賞のほうがよっぽどマトモな気がする。西村賢太氏は『本屋大賞ふざけるな』発言をしてますが。彼の言い分ももっともですが、普段本を読まない人間が読むのにはとても良い本が本屋大賞受賞してますよね。話は逸れましたが・・・

内容で星一つ、作者の努力に星一つ。計星二つ。批判も覚悟の上で書いたでしょうからね。
カラマーゾフの妹Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの妹より
4062178508

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