アイオーン
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表紙のイラストに影響されたわけではありませんが、まるで少女漫画のような読後感を抱かせる連作短編集でした。 かつて古代ローマ帝国が栄えた時代には現代より遥かに進んだ科学が存在したという設定を背景にした中世ヨーロッパを舞台とし、その滅び去った知識と信仰の間に、世界の真実を求める人々の生き様を、詩的な言葉で綴っています。 マルコ・ポーロ、アーサー王等の歴史上、伝説上の人物を登場させることにより、虚実入り乱れた不思議な空間を作り出す事に成功しており、読み手は歴史に対する既視感によって物語の中に引き込まれていきます。 連作短編とはいえ、物語は時系列にそって、進行し、より大きな流れの中での起承転結を味わう事が出来ました。 個人的に好みだったのは、アーサー王にまつわる物語であった「太古の王、過去の王にして未来の王」と、結末を語る「トランペットが美しく鳴り響くところ」。 また、エピローグも意外性があり良かったですね。 思わず、真実の歴史がどうだったか確認する為に、仕舞いこんだ教科書を引っ張り出しました。 | ||||
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高野史緒の文章は華麗流麗ではない。その代わりに、容易に慣用的な表現を用いず、堅実に綴られる文章によって、異形かつ魅惑的な世界を描き出し、それを読者の前に一瞬、幻出させる。幻出させた世界が魅力的なのは、作者のセンスの良さである。「アイオーン」で描き出された世界も、有り得なさと迫真性の狭間をたゆたっていて、見事である。ただ、少し気になったのは、作中での科学の扱われ方である。主人公が到達した科学に対する認識は、それ自体は間違っていない。ただしそれは科学の肝ではない、と個人的には思う。 | ||||
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この本には、足のわるい医者「ファビアン」がでてきます。この物語りは、(宗教を背景にして)ファビアンが旅をして世界の真実を得る、という話です。 途中で巨人が出てきますが、これは決して適当に出したのではなくて、ちゃんとした歴史上の伝説をもとにしてあります。 アルフォンスもちゃんと物語りの鍵を握っていますし・・・。とにかく、この「アイオーン」は決して根拠のないものばかりを集めてできたものではない、ということは言い切れます。なので、おすすめもできます! | ||||
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連作短編ということもあり、正直序盤は取っつきづらいというか、作品世界を了解するまでに結構時間がかかったり。「SFマガジン」はここ数年購読してないんで、先行して発表された幾つかの作品についても未読の状態で、作品についての予備知識がまったくない状態で読み始めたのは、果たしていい方向に作用したのか、悪い方向に作用したのか。舞台となる13世紀前後のヨーロッパについての知識もほとんどないし、「歴史変革物」といってもいったいどこがどう変革してあるやら?、といった態で、最初のエピソードでファビアンが信仰と科学(というか、自分の中の好奇心)の狭間で葛藤するくだりあたりで、ようやくノリが掴めた感じです。 その後は、まあ、すいすい。 特に後半は、アーサー王伝説やらマルコポーロやら徐福やらが年代を無視して登場して、いきなり沸いて出てきた「巨人」とかと世界存亡を賭けて戦うという有様で、やや思弁的な前半部分に比較すると、よくいえばエンタメの方向に、悪く云えばチープなB級テイストがかなり混入する。この辺は、読む人によってかなり好みの別れるところでしょうけど、わたし的には後半のドライブ感は、かなり好きです。 惜しいな、と、思うのは、ファビアンと同等かそれ以上の比重を持って描かれてもいいはずのアルフォンスが、いつのまにやら「背景」のほうにいっちゃって、あまり詳しく書かれなかった点。このアルフォンスの性格と設定なら、いっそのこと主役にして、この世界を舞台にしたもうひとつ物語、「アルフォンスの年代記」ともいうべき物語が書かれてもいいと思う。このまま終わるのは非常にもったいないキャラだと思います。 | ||||
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