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悪人



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪人
悪人(上) (朝日文庫)
悪人(下) (朝日文庫)

悪人の評価: 4.01/5点 レビュー 407件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.01pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全407件 201~220 11/21ページ
No.207:
(5pt)

やるせない

物語に、ぐいっ、ぐいっ、と惹きこまれるこの感じは、久しぶりだった。文庫では、上下巻に分かれているが、量は苦にならない、早く次が知りたくて仕方なかった。驚いたのは、著者は男性なのに、若い保険外交員の女や、しがない地方の衣料品店の女など、ごくふつうの女たちの、微妙な心のひだを、とても丁寧になぞり、よく理解していることだった。女の友情の書き方など、まさにそう、と思わせるもの。距離を置いたところから見る登場人物たちの細かい心理描写や何気ない行動が、まるで映像を見るみたいに、ありありと情景が浮かび、女性には共感し、男性登場人物、主に祐一には、とても男性的魅力をおぼえた。現実世界では、きっとこのような男女がいたところで、決して目立つことはない。表舞台には決して立たない人たちであろう。けれど、主人公にしては少々地味すぎる者たちが、私には、妙に近しくて、自分に、自分の親族に、と重なった。善良な人間が決して報われるわけではないやるせなさに、田舎の灰色の、さびしい街並みの描写が重なって、それはとてもリアルな感覚だった。決して歯切れのいい、読後のいい物語ではない。でも、現実世界のやるせなさや、人と人とのつながりの儚さに触れたことのある人なら、きっと、面白い。人間心理の描写の妙をきわめた小説だった。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.206:
(4pt)

人の心の闇を見せ付けられる

吉田修一さんの10年間を総括する一冊。人の犠牲になってでも 愛を貫き通す強さを持ちながら人を殺めてしまった男。 その彼を取り囲むのは、ねたみ、嫉妬、猜疑心、卑屈な心 など暗黒な心を押し隠し、巧みに人当たりが良い人間を演じる 心弱き人間たち。 他には比べ物にならないほどの深い愛情をもちながらも、犯罪をおかしてしまう人間と、邪悪な心をもちながら、かろうじて犯罪をおかしてはいない人間の心の葛藤。 全編、ドロドロとした人間の暗い面をみせつけられます。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.205:
(4pt)

共感

もてる友達への劣等感を持つ沙里。お母さんには好きな人のことを電話でうれしそうに話す佳乃。衝動的に突き進んで行動する光代。負けちゃならん、負けちゃならんと歯を食いしばるおばあちゃん。この小説に出てくる女性には、必ずどこか、共感できるところがあった。映画のCMで出てくるあの決まりゼリフはどこででてくるんだろう?と思いつつ読み進めていたが、ここで出てくるとは・・・。読み終えたあとは、自分のそばにいてくれる家族が、よりいとおしく思えた。祐一を捨てる時のシーンで、お母さんがハンカチで祐一の鼻の汗をぬぐってくれた、という描写が、なんか、ぐっときた。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.204:
(3pt)

普通

誰が本当の悪人なのか?って日常的に何かと目線を変えれば悪人が善に善人が悪になるものです。なにやら深いお話かと思ったけどそうでもなかった。難しく深く考えようとするといくらでも考えられるけど、さらりと流してしまう事もできる。祐一と光代はさみしさ繋がりの男女。でもそんな恋愛ってゴロゴロしているんだろうと思う。二人の心の描写には涙するけど・・悪人ってタイトルにもっとアクの強い作品だと思っていたのでちょっと拍子抜けしました。でも映画のキャスト妻夫木さん深津さん樹木さん榎本さんそれぞれ好きな俳優さんなのでちょっとおまけの★3つです。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.203:
(4pt)

真実とは何であるのか?

長編にもかかわらず、その情景が浮かび上がり、次々と読めていく。終始一貫して主人公以外の人物からの心理描写により、殺人事件と純愛が流れていく。結果的に、祐一と光代による純愛からの逃亡生活が、悪人となった祐一の裏切りにより幕を閉じる。 「かたる」という言葉には、一般的な「語る」と騙すという感じを用いた「騙る」という表現がある。本人がかたっていることであっても、それが語りなのか騙りなのかは本人にしか分からない。本人にさえ分からないこともあるかも知れない。その中でマスコミによって報道される悪人像は、真実と言えるだろうか。 殺人容疑にかけられたことをネタとして笑う、かたり。 娘を殺された憎しみを、信じていた娘に裏切られたような気持ちを吐き出す、かたり。 真実の愛であった事実を過去として思い出す、かたり。 悪人になるためなのか、本当に悪人であったのか。 語りだったのか、騙りだったのか。  真実とは何か、それを考えさせられる一冊である。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.202:
(3pt)

登場人物のあまりの浅はかさに気持ちが入らない

決してつまらない小説ではない。清水、光代、増尾、佳乃などの登場人物の心情をよく書き出されていると思うが、正直なところ、どの感情にもあまり共感ができない。あまりに短絡的、浅薄すぎないだろうか。ドラスティックな展開にしようとするがゆえに、軽薄になってしまっているような印象がある。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.201:
(5pt)

早くて綺麗

綺麗な商品でした。大満足。又利用させて頂きたく思います♪
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.200:
(1pt)

映画ならいいかも

妻夫木、深津、二大スター共演の作品!さぞかし楽しめると思って読みました。映像になりどのくらい良くなるのか、演出家と監督の力量が試される作品!
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.199:
(4pt)

小説を読んで映画も行きました。

本の表紙からは正直読みたいとは思いませんでしたが、映画の予告編を観て試しに読んでみようと思いました。表紙と題名からは、関心も無かったのですが読んでいるうちにはまってしまいました。上下とも読み終え映画にも行きました。久しぶりに感動しましたね。
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4022645237
No.198:
(4pt)

盛り上がりがイマイチ?

物語の前半部分は女の子を殺したのは誰なのかということを主軸に展開しますが、後半は主人公の"祐一と光代"に焦点が絞られ、祐一の過去、家庭環境が重なり、結末へと向かいます。最後に説明し過ぎなところもあり、少し盛り上がりにかけていたかと思いましたが、情景の描写や場面展開がうまく、次へ次へと読ませますね。吉田修一の作品はパレードしか読んだことがなかったけど、ほかのものも読んでみようと思いました。
悪人(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.197:
(5pt)

読みました。朝日新聞連載時は多忙で読む暇なし。

場所は九州長崎、佐賀、福岡。主人公は 母親に 置き去りにされた。じっと灯台をみつづけて。じっと待ち続けている少年。それから 何年もたった。少年は青年になっている。黙々と働く青年。さらに、車、それも白いスカイラインだ。金髪。いいですね。会うと約束していたのに娘は金持ち軽薄なる学生の車に乗って行ってしまった。やっぱり、怒りますよね。追いかける若者。学生に突き落とされてしまった若い娘。彼女を助けようとして若い娘の怒りの行動に青年は ああ反応せざるとえなかった。納得するのである。それからの ハラハラする 経過。年上女との逃避行。映画の印象が強すぎる。映画の脚本も原作者が監督と一緒に書き上げたのである。つらいつらい作品。しかし 現実にありうる。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.196:
(5pt)

映画のイメージがぴったり

自分の場合は映画の情報先行で、(映画はみていないが)この小説を読んだわけだが、映画の配役はまさにぴったりというイメージであった。特に、深津さんが受賞した理由もよくわかるし、彼女以外は考えられないほどはまり役だったと思う。小説のストーリーは、自分はかなり好きな内容。思いつくところでは、東野氏の「手紙」も同じように、犯罪者と女性の話が軸になっている。ただ、この小説の特徴は、法で定められた犯罪者のみが悪人として追求されるのだろうか?という投げかけなのだが、他人の命さえ奪ってなければ、ひどい恐怖心を与えても、他人の生活をあざ笑っても追求されないというのか ということをもういちど考えさせる内容であった。映画と小説はどれほど違うのかはわからないが、小説の最後のシーンには泣けた。誰かを守ろうとすることこそが、愛ということ。それも強く感じさせられた小説であった。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.195:
(5pt)

映画とは時系列が若干違うが、心情がよくわかるのでおすすめ。

悪人の何がすごいかというと、2009年までの閉塞感のある日本そのものを完璧に書ききっている、ということだ。いったい、清水祐一と僕との間の差はいったいどこにあるのだろうか、そんなもの無いに決まっている。石橋佳男と僕の父親にどれほどの差があるのだろうか?そんなものは無い。映画とは若干時系列が前後するが、日本が直面していた課題、世の流れ、そしてマスコミのあり方、殺人犯の心理、そのステークホルダー達の感情といった、様々なものの側面が多面的に展開されてい、映画だけではわからないそこに至った経緯が積み重なるように理解できる。下巻はこれから読むが、映画のラストの本当の心情がどういったものだったかをひも解きたくって購入したので、わくわくしている。
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4022645237
No.194:
(4pt)

何と切ない

「さよなら、愛しているけど。さよなら、愛しているから。」色んな読みがあろう結末ですが、わたしはそういうストーリーだと読むことに決めました。理由は、同著者による東京湾景 (新潮文庫)の視野です。或いは、愛すことを求める気持ちの切なさが描かれていると言えましょうか。また、被害者の父親や、バスの運転手という市井の人物や、被疑者の友人の立場を借りて訴えられる作者の人間観が、確実に読む者に伝わります。
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4022645245
No.193:
(3pt)

映画から入った

珍しく映画の方が出来が良いと思える作品だった。 映画館を出た後、しばらく何ともどよーんとした重い空気に包まれ…、でも登場人物それぞれの想いに胸がいっぱいになり、友達に映画の評判を聞かれてもうまく説明出来なかった。でも確実に頭の中を占領されたから気になって原作を読んだ。 なんでそこで殺しちゃうのー?って腑に落ちない部分もあったし。 で、原作を読んでみたがちょっと期待はずれ。これは確実に役者陣の演技で原作の何倍も役柄を魅せていると思う。 この小説の吉田修一の文もあまり好きではない。映画を観た後だったので、本の中の様々なシーンで妻夫木さんや樹木希林さんの表情が思い浮かび、まだ楽しめたけど。 同じく映画から入って気になってる人いたら、映画だけでいいと思う。
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4022645237
No.192:
(4pt)

上巻よりは小説らしかった

正直、上巻を呼んだ時は、あまりに浮ついた感じがして、ちょっと感情は入らなかったけど、下巻は人間の情緒が細やかに描かれていて、ずっしりとこたえました。これをどう捉えるかは読んだ人任せなんだけど、結局は真実は誰にも分からないんだから、自分で考えて、落ち着くしかないジレンマに秋の夜長悶えましょう(笑)
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No.191:
(4pt)

混沌

人の心は闇だ。他人には解らないし、自分でさえも解らない。その心が生み出す人の行為も、何故そうなるのか、そうなったのか、結局のところ解らない。善と悪、生と死、何がそうであって、何が正しいのかも解らない。真実は見えづらい。しかし、真実はあるはずだ。この小説はそのギリギリのところを描いているように思われる。現代の怖ろしいまでの混沌(カオス)の中で、これが限界だったのだろう。
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4022645245
No.190:
(5pt)

深い

この映画に関する広告で「出会い系サイトで出会った女性を殺害する悪人を演じた妻夫木聡さんは…」と言ったコメントを聞いたが、私にはどうしても祐一が悪人とは思えない。つらいことの多い毎日を乗り切るため、誰もが大切にできる何かを求めている。そんな他人の気持ちを逆手に取って援交を繰り返すOL佳乃、佳乃を殺したと思い込み逃亡、殺してないことが分かりそれを面白おかしく仲間に話す大学生 増尾、本当の悪ってこちら側のはず。たまたま殺人を犯してしまった祐一だけが裁かれるって、本当に救われない。裁判員制度が導入された現在、もし自分が裁判員になって、そこまで見抜くことができるか?もし自分が光代だったとしたら、祐一の愛を信じ抜くことができるか?物事は様々な局面から見なければ分からないが、自分の生活の中でも一局面だけ見て済ませてしまっていることが多いことに気づく。善とは? 悪とは? 愛とは? 愛する人のためにできることとは?人間の根本的な部分についていろいろ考えさせられる、とても深い本。
悪人(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.189:
(4pt)

切ない…

映画から入りました。 もって祐一と光代の心情、細かな部分、その後を知りたくて帰りに購入。 何年ぶりの小説でしょうか。 最近は細かな字を見るだけで頭が痛くなるくらいでしたが(笑)、 一日で読めました! 読みやすく、引きつけるような構成でどんどん進みます。 私はどっちかとゆうと不器用な人間なので、祐一と光代、どちらにも感情移入できました。 人に気持ちを伝えたりするのが特に苦手です。 消極的、陰な人間は共感でき、積極的、陽な人間はイライラすると思います。 まぁ人を殺す心情まではわかりませんが、『誰も自分の言う事は信じてもらえない気がした』…過去のトラウマから、日々の生活での悲しい言葉です。 祐一、光代の孤独、陰鬱な気持ち、同じ毎日、寂れた町…リアルです。 増尾も佳乃も今時って感じで、人間として薄くプライドだけは立派。 佳乃の親は普通なのに、あんなに性根が悪く歪んでるのはなぜか… 自分の娘も知らないところであんな風に育たないとも限らないので怖くなったり。 色々考えさせられる話です。 でもベタな仕上がりでも光代には祐一の最後の行動を信じ続けて欲しかった! 映画ではわからなかった最後に、一筋でも光がないかと小説買ったのが、読んだ後さらに切なさが残ってしまいました…(泣)
悪人(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.188:
(2pt)

ややおしつけがましく、むしろ映画に期待したい

2年前に読んでそのままほったらかしに。登場人物のキャラクターがあまりにも既製品的な気がしました。見栄っ張り女子やチャラ男子学生はどこまでもチャラく、田舎のおばあちゃんと土木作業員はどこまでも垢抜けなく、下々の一般人はどこまでも下々でしか発言できず・・・事態は正直者がバカをみる、ではないですが、狡猾なやつが得をしているみたいな方向へ進みそれが筆者の筆で、怒りを持って書き進められていきます。「悪」という積み木を積み重ねたやつは逃げ切り、その最後の1個をたまたま積み上げただけの青年が、積み木の山をガラガラを崩壊させてしまい、「法律的」には「悪人」となった、というような。こういう不幸な結末だけに、これだけ登場人物が自己完結されていると、何も光が見えないし、奥行きもないし、ただため息と持って行きようのないフラストレーションが残るような気がするのです。そうなると、「ああ、不幸だね」と突き放すしかなくなる。人の気持ちに無関心でフットワークだけは軽い若者を憂う、ということもあるのでしょう。でもそれにしては、救いようがない話なのです。人間は変わると思うのです。より悪くなることも改善することも。どっかの誰かが変わってもよかったんじゃないでしょうか。実際は未完結な人間の集まりです、社会なんて。特に犯罪の周りには。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X

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