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悪人



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪人
悪人(上) (朝日文庫)
悪人(下) (朝日文庫)

悪人の評価: 4.01/5点 レビュー 407件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.01pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全407件 61~80 4/21ページ
No.347:
(5pt)

ぐいぐい引き込まれる

三瀬峠女性殺害事件、それに過疎の町で出会いを求める若者が重なり合って、時間を行き来し主人公たちが立体的に描かれています。個人的には桐野夏生や宮部みゆきの初期の作品群に匹敵するほどの面白さを持っていると思います。

とにかく、読みやすい。連載ものであることを考慮しても、方言もあるし登場人物も増えてくる中でこれだけ読者を引き込むのはさすがと思う。
作品は、登場人物の心情と情景を説明する「作者」と、登場人物たちの証言によって成り立っています。この証言が物語を読み解き、事件の横顔を形作る重要な要素になります。

この作品はレミゼラブルの序文を思い起こさせます。「法律と風習とによって、人為的に地獄を文明の最中にこしらえ..... 貧困よる男の失墜、飢餓による女の堕落.....」法律などによって救われない悲惨な状況がここにもあると。

他方で「人間の本質は善と悪」がテーマだとすれば、ワーキングプアの祐一、男漁りの佳乃、地方大学で王子様気取りの増尾、出会いのない光代。誰しも多少の善悪は含んでいる。これらの登場人物が法律や社会的な側面から端的に分けられる善悪の基準と、読者が感じるであろう登場人物に対する善悪の基準は少し違いがあると思う。「あんなことをするような人じゃ」「本当はやさしい人なんです。」どれも嘘ではないのに。このギャップが実は非常に不快で、かつ読みどころなんだと思います。

最後に光代の証言で出てくる疑問文の数々「...おらんですよね?」「ですもんね?」。僕には彼女の涙の符号に見えて仕方ない。そう思うと、物語の中で望んだ、善の形に光があたるということになる。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.346:
(4pt)

かかちゃん

元来読書も(国語も)苦手なのですが、ある日突然活字に飢え始め、ちょうどこのDVDを観て何だかレンタルだけでは物足りない気がして、挙げ句の果てに付録付きのDVDを購入して、それでも何かが足りない気がして本を購入しました。吉田修一が映画の脚本にまで一緒に参加して拘った感が解るような気がしました。また映画には登場しない人物が登場したりして、より祐一の不器用な優しさが感じられると思います。ちょうど又吉の『火花』も同時に読んでたのですが、『悪人』は読むスピードが全然違うくらい一気に読み進める事が出来ました。それくらいしなやか文体だし、最初に画像を観ていたせいもあるのかキャストも想像しないで済みました。星が4つだったのは、国語苦手の私が評価出来る程の者では無いのと、九州弁に慣れない人にはもしかしたらきついかもと思っただけです。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.345:
(4pt)

ミステリー・サスペンス・ラブストーリー

吉田修一の代表作といってもいい、かもしれない作品。ほかの作品レビューを見ていると、『悪人』と比較している人が目立つ。

本書では、登場人物がみんな“悪人”だ。章題も「彼女は誰に会いたかったのか?」「彼は誰に会いたかったのか?」「彼女は誰にあったのか?」と“彼女”とは?“彼”とは?と悩みながらストーリーを追うだろう。
湊かなえの『Nのために』のような、読者は読みながら「本当の悪人は誰だろう」と考える。本書は、サスペンスなのかミステリーなのかラブストーリーなのか、まぜこぜな気持ちで下巻に進むことになる。

映画から、小説に入った人も多い作品。それだけ映画の出来が良かったんだろう。いつか妻夫木君主演の映画も観てみたいです。

著者:吉田修一(本書で第34回大佛次郎賞を受賞)
発行:2009.11.30 – 2010.10.25 第13刷
読了:2015年/56冊(5月/7冊)★3.5
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.344:
(4pt)

泣ける。

ストーリー自体に共感するっていうのは無いのですが、心理描写が上手くて、ところどころ切なくなりました。 最後まで一気に読めます。 映画も見てみようかな。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.343:
(2pt)

天賦の才がある

吉田修一は凄い小説家だと思う。 いいフィクションを作る。 女同士が互いをどう見ているか、上手く書いたな。 上下巻一気読みだった。 ☆☆なのは『パレード』での既視感があるから。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.342:
(5pt)

重松清さんの「疾走」と合わせて読むのもオススメ

新聞連載当時を思い出します。配達員のお兄さんのバイクが我が家に近づいてくる音を、午後3時から庭で待っているなんていう、アナログな行動をしたのはいつ以来だったか。お兄さん、毎夕驚かせてごめんなさい(笑)。
夕刊だからこそ、深夜番組的に挑戦できたのか新進気鋭(当時)の作家・吉田氏の衝撃の問題作を、私は連載当初「吉田氏らしからぬダサいタイトルだなぁ、悪人なんて」と斜に構えて読み始めたのです。が、やがてハマりにはまり、最終回は読み終えて紙面を広げたまま、しばらく放心状態でした。そういう意味だったのか、このタイトルはと。浅はかな読者だった自分を恥じたほど。その後単行本が出たのでさっそく家族にも読んでもらいました。夫は「せつねーなー、うまいなー」と唸り、当時思春期の娘は読了後号泣していました。
結局、悪人とは誰なのか。全員そうであり、全員そうでないような。この世に生きている限り、社会のひずみが生み出した細くて深いクレバスの底に転落してしまう危険を誰もが抱えていて、登場人物の不幸も傲慢も決して他人事ではない。深く考えさせられたドラマでした。
作家としてのタイプは全くことなりますが、重松清さんの「疾走」とテーマがどこか重なる気もします。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.341:
(4pt)

早く下巻を読み終えたい

おもしろい。 出会い系というツールから単純な社会風刺を連想したが,そこに留まらない魅力がつまった小説だと思う。 まだ上巻なので作者の意図が半分しかわからないが,登場人物の背負う寂しさ,嘘,欺瞞の形がひとつひとつ違ってそれぞれに奥行きがある感じがある。 犯人も実はわからないのだが,そのあたりも含めてカラマーゾフに少し近いような気もした。
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4022645237
No.340:
(5pt)

愛と不在

母親に置き去りにされた少年、愛した娘を失った哀しむ父、愛する人のいない虚しさを誤魔化し続ける大学生、全てを失ってでも1日でも長く愛する人と居たい女性。愛する人を求めて、不在を怖れる点ではみんな一緒なのかもしれない。

人はどこかで自分の欲望のために悪人になる。

そういう悪人は本当は数多いるのだが、最後には一人の悪人と被害者たちという構造に世間も当事者たちも帰結してしまう。
そうやってわかりやすいストーリーで納得させるところも人間の悪人と言える心の一部なのかもしれない。
でも主人公は、敢えてその悪人となった。それは自分を受入れてくれた光代の存在に救われたからなのだろう。
そこには無償の愛のようなものがあり、彼の成長の証拠なのかも。そう自分は解釈した。

一瞬であっても、不在を補いあえた2人の愛の世界は、閉じられていびつだが
不可能なものを完成させたような、儚い美しさを感じた。
悪人(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.339:
(5pt)

悪人

やはり他の方も書かれているように、悪人とは?について考えさせられるような内容になっている。

罪を犯し、社会的に悪人と扱われる祐一。
人として最低の行動をしていながらも、社会的には無罪の増尾。
自分の名誉や欲求のためなら、簡単に人の心を踏みにじることができる被害者佳乃。
そして社会的に罪を犯した悪人を愛してしまった光代。

多くの読者が祐一や光代に好感を持ち、増尾や佳乃に軽蔑的な気持ちを抱いたのではないかと思う。

法律は絶対守るべきものだが、法に触れなくても人は簡単に悪人になれてしまう。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.338:
(5pt)

祐一に憧れます。

祐一は殺人という大罪を犯してしまいました。もちろんその罪は償わなければなりません。

でも、私は同性ながら祐一にとても憧れています。祐一のようになりたいと思っています。

なんていうか、祐一は「男」なんですよね。

無骨で、不器用で、無口でも、さりげない優しさがあって・・・。

一方、私は祐一とは真逆で、いつもヘラヘラしていて、およそ男気とは程遠い性格。

でも、そんな祐一も、やっぱり人の温もりが欲しかったんでしょうね。

たとえ出会い系サイトでの出会いでも、誰かと寄り添いたかった・・・。

佳乃と関係をもつ前に、もっと早く光代と出会っていたら、祐一と光代の人生はもっと別のものになったのではないか。

もし、あのとき佳乃を追いかけるようなことをしなければ、こんな悲劇はおきなかったのでは。

そう悔やまれてなりません。

ラストは涙が止まりませんでした。

最後まで祐一は不器用な優しさを見せてくれました。

こんなに切ない作品を読んだのは久しぶりです。

レビューを書かずにはいられません。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.337:
(3pt)

日本が嫌になる本。魅力もモラルもない若者、愚かな年寄、寂れて退屈な地方都市、、、

日本が嫌になる本。 魅力もモラルもない若者、愚かな年寄、寂れて退屈な地方都市、そして誰が殺しても、殺されたとしても、仕方がないような、焦ったいストーリーと感動のなさ。 しかし、読まされてしまう。 下を早く読みたい。 新しいストーリーテラーだ。 でも、口直しが必要だ。 学問ノススメでも読もうか。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.336:
(4pt)

下巻になった途端、素晴らしい作品に。

下巻になった途端、素晴らしい作品に。 傷付きながらも、強く生きよう、とにかく一緒に生きて行こうとする登場人物たち。 しかし、やはりとにかく何とも悲しい話。
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4022645245
No.335:
(3pt)

これが作者の代表作ならば別作品に手を伸ばしてみたいとは感じなかった

難しくなくサクサク読めた印象。
読後、こんな悪人等がおりましたチャンチャンって印象。
特に残るものなし。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.334:
(3pt)

祐一と光代の純愛っぷりには付いていけなかった…。

誰もが考えそうなことだろうけれど、結局、「悪人」とは誰だったのか、祐一じゃなくて横尾って意見が大半な気がするけれど…どうだろうか。
佳乃も悪人っちゃ悪人だけど、さすがにちょっと可哀想…かな。
(その佳乃って人物の描写が本書で一番光っていた。「嫌いにはならんれど、うざったい子、おるおる、こいいう子」がリアルに描かれている)

疑問なのが、光代と祐一がなぜここまでにお互いに惹かれたのかが分からない…吉田さんが描写を省いたからなのか、自分が深く読めていないのか、出会ってすぐに訥としたままホテル行って、その後ちょっと連絡取り合っただけで、愛の逃避行するところに感情移入ができなかった。

紙幅がなくなるにつれ、「どう終わるんだろう?」と気になっていたら、終わり方も、斬新というか今まで読んだ本にない感じで、興味深かった。

───「今の世の中、大切な人のおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思いこんで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」(p.245)

…本書で私が読んだ吉田修一作品は5冊目になったけれど、一番面白かったのは断トツで『横道世之介』かな…他は横並び、という感じ。
その他、お勧めの作家さん、著者があれば、遠慮なくお勧めして下さい。

著者:吉田修一(本書で第34回大佛次郎賞を受賞)
発行:2009.11.30  2010.9.30 第10刷
読了:2015/05(060/11)★3.4
悪人(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.333:
(1pt)

この作品も

この著者の作品はなぜか評価がどれも良いので、頑張って読んでみようとするが、
どれも単調なストーリー、稚拙な文章、魅力ない登場人物で、
この作品も例外なく、何が良いのか理解できません。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.332:
(1pt)

合いませんでした

主人公の2人が、悲劇のヒロイン・ヒーロー気取りで、気持ち悪いって事この上ないですね。
ラストの、男の懺悔も自己満以外の何者でもない。

他の方も書いていますが、SNSで知り合ったバカ同士勝手にやってろって感じです。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.331:
(4pt)

シンプル

著者の好きなことろは、(私の想像だが)
読者に伝えたいことがまずあって、そのためのシチュエーションを
あとから考えいるようなところがあり、ストーリーそのものやいわゆる”オチ”的な、
ところからではなく、著者の想いが先にあるような気がして、読んでいて好感が持てる。

本作においてもやはり、シチュエーション自体には、惹きつけるような引力はないのだが、
その”事件”にまつわる人の心の動きで、圧倒的に読者をひきつけるものがある。
語られる登場人物の話に、いちいち考えさせられてしまうというか、簡単に見える話を
さまざまな視点で読者に見せることにより”簡単ではない”と実感させる。

シンプルじゃないんだよ。というシンプルなことを伝えために作られたのかなと
思います。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.330:
(1pt)

なぜ評価が高いのか全く理解できない。

正直な話、よさがわからない。とりあえずテンポはいいので続けて読めますが、後にはなにも残りません。非常に違和感を感じるのが、佳男がおそらく愛情を持って育てただろう娘が軽薄一辺倒で描かれているところ。親の想いは現実としては子に伝わらないものですが、子の性格はある程度家庭環境を反映するものです。とにかく人物描写が軽薄です。親子や親類同士のつながりを感じない。どの登場人物にも感情移入できない。リアルを感じない。あと無駄な話が多い。色々な細かいエピソードが伏線かと身構えていても全く繋がらず、たんに無駄な話になっている。連載って紙面を埋めなければならないので、こんなものなんですね。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.329:
(3pt)

ドストエフスキーが付けそうなタイトルだが(あ、それは悪霊か)

名前負けしている。もう少し哲学のある悪人が出ると思ったのに。

内容は凡庸でクライマックスも特にない(アレをクライマックスとは呼ばない)。どんでん返しもなく、逆に驚いたぐらい。九州が舞台だけに方言会話でつかえて読書ペースが若干乱れた。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.328:
(5pt)

人間らしさ‥

映画を先に観たのですが、とても心に残りました。
小説が原作になっているのは知らなかったのですが、小説の売り込み通り良い内容でした。
ストーリー自体は世の中の理不尽さを感じられずにはいられませんが、人と人との繋がりや心の葛藤を美味く表現できているように思いました。
人を殺めることが悪人なのか、殺められようなことをするのが悪人なのか‥
こんなことを考え始めるとマイケル サンデルを思い出しますが、それはそれとして、人間らしさを思い起こさせる内容に感動しました。
人間の欲望が見え隠れするところをどう捉えるか、そこも面白かったです。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X

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