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悪人
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悪人の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全407件 341~360 18/21ページ
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| かなりボリュームのある内容だったほか、後半は面白過ぎてゆっくり読み進めたため、完読までに4日間も費やした。出会い系サイトで知り合った男女間の恋愛もので、殺人犯と逃避行を行うといったとても考えられないものであったが、何故か殺人を犯した犯人を憎むことができなかった。特に後半部分は、犯人と彼女と絆、被害者家族と苦しみ等々深夜になっても本を閉じることができない程の目が離せない内容であった。娘を持つ私としては被害者の父親の気持ちは察して余りあるものがあったが、出会い系で手っ取り早く男と出会うような娘にならないように教育する必要があろう、などと色々なことを考えさせられた。強くお薦めできます。 | ||||
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| 出来ばえのいい本である。ただ殺された佳乃に気持ちが傾かない。後半ファンタジーのように三瀬峠の殺害現場で父親の前に姿を現すが、彼女はやはりただのセックスの好きな売女としか受け止められない。レビューでよく「読み終えた時点で、誰かとこの本について語り合いたい」という旨の文言を目にする度に、読者に明確なメッセージを伝えるだけの哲学があればと、この著者の決定的な才能の不足を気の毒に思う。最後の息子、パークライフ、パレード、そしてこの本然り。まあ、消費生活の好きなこの作家が、多少仕事について触れられるようになったのは着実な進歩と受け止めたい。これ以上の著作を世に訴えるなら覚悟が必要だ。個人的には房枝の言動に胸を揺さぶられた。 | ||||
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| 吉田修一の小説にはいつもひっそりと幽霊が登場する。時には幽霊ではないような姿で。それは「不吉な気配」とでも言うような漠然とした何かであったり、一般的に想像できる姿であったり。ちなみに今回の「悪人」には比較的はっきりとそれっぽいものが現れる。とはいえ、それは話の行方を左右するような役割を持っているわけではないので、幽霊の登場がなかったとしても話は展開し、過去の作品以上に確固たる結末を迎える。幽霊の気配を忘れてしまうほどに今回描かれる人間模様と、各登場人物に与えられた背景は明確で濃厚だからだ。しかし事件が発生する以前から、そいつはこの物語世界に存在していて、時折姿をチラリと見せてはなにごともなかった用に成り行きの背後に掻き消えてしまう。普通にしていては気にならないが、見える人には見えてしまう。そいつの存在に気づきさえしなければ、ずいぶんと感動的なラブストーリーとも少々説教くさい話とも読めるわけだが、そいつが見えてしまったとたん、時折挿入される些細な描写の一つ一つがひどく不吉な様相を帯びてきて、今読んでいるストーリーが果たしてこの作品の本当の姿なのかどうか疑わしくなってくる。幽霊をひっそりと立たせる作者の手管は一層研ぎ澄まされてきたということなのか。 | ||||
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| 厚さの割に読了までの時間はかかりませんでした。ストーリーのテンポの良さ、よくできた構成によるものでしょう。そういう意味では「よくできた小説」だと思います。が、気になるのは「どこかで読んだ」という感覚を終始持ち続けたことです。例えば、貫井徳郎さんの「愚行録」や角田光代さんの「八日目の蝉」です。この手の内容は、どこかでなにかが重なってしまうのは避けがたいんでしょうが、図らずも加害者となってしまった者のどうしようもない心情であったりとか、自らの行為を省みることなく愚かしさをさらけ出してしまう者の姿であるとか、「あぁ、あの本のあの人に似ているなぁ」と思いながら読んでいました。いっそのこと、それぞれの人物をもっと赤裸々に、グロテスクに描いた方が確固とした個性を描けたのではないかと思います。 | ||||
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| 一度読んだら止められない力作であったのは確か。人物造型や内面描写も手足れたもの。(文章のタッチは、宮部みゆきに似ている。)しかし、個人的には、(不遜ながら)大佛次郎賞と毎日出版文化賞をW受賞するほどの作品だろうかという気もする。また、風俗小説的観点からは、日本人(特に地方道徳)の劣化又は退嬰的文化を物語る作品として読んだ。 | ||||
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| 吉田修一の10年を総括する傑作。九州出身である著者が、初めて自分が知らない九州を描いた作品であることにまず驚いた。その視点がこれだけの話題作にしたといっても過言ではないのではないか。そして、これまでの作品に一貫した性悪説。現在あるエンターテイメントのすべてに蔓延る「救い」を求めた性善説に基づく物語を一刀両断する著者の筆に今回は脱帽。思えば「パレード」のラストもこれで腑に落ちる感じ。次に何をどの視点で描くのか楽しみ。 | ||||
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| 吉田さんの作品は、はじめてだったのですが、前半は、何かを期待させるものでした。社会の理不尽さと個人の孤独感との対比をうまく描写する方向や著者が何を言わんとするかも理解できました。最近のブームにのっかった薄っぺらい作品でないことは評価します。それだけに残念な作品でもあります。後半から失速して、小奇麗にまとめた感じの終わり方。群衆劇にしながら、すべての登場人物の心情が描ききれていない。すべてにおいて、あと一歩足りない。あと一歩踏み込めば、文句なく傑作の予感がする作品でした。 | ||||
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| 初めて吉田修一作品を読んだのですが、人間を見る目の優しさ、鋭さはピカイチですね。そして、伏線を張りまくって、一つ残らずキレイに回収していく巧さがすごい!なので、中盤までは通勤電車の行き帰りにのんびり読んでいたのですが、光代の登場、そして逃亡劇になり物語の加速度が上がってからは、一気に読みました。祐一は殺人という罪を負ってしまったからこそ「加害者の苦しみ」を知ってしまった。愛する人が自分は加害者だと、自分を責め始めた時、祐一は思わぬ行動に出る。このあたりは、自分を捨てた母への、祐一らしからぬ行動が伏線として効いてますね。重い話だけど、辛い過去から立ち直ったり、過ちを正面から見つめたりと、登場人物たちが前向きに生きていくのが判るラストが救いです。長編小説では、宮部みゆきの『火車』を読んで以来、いい意味での読後の「ぽっかり感」が味わえました。 | ||||
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| 暗いお話でマイテイストではないのですが、優れた作品だと思います。石橋佳乃、短大をでて保険の外交員、親元をはなれ博多の会社の寮で生活している。ヴィトンの財布を持ち、同僚には裕福な実家をもつ大学生増尾圭吾と付き合っていると吹聴しているが、実際には携帯の出会い系サイトで会った男とホテルに泊まり金をせびったりしています。清水祐一、長崎の土木作業員、車が唯一の趣味だが出会い系でめぐり合った佳乃と時々会っている。同僚二人と食事をした後増尾を会うといって別れた佳乃が、福岡と佐賀の県境にある三瀬峠で死体で発見されこの物語は始まります。親に金をだしてもらい博多でマンションを借りアウディを乗り回している増尾からすると、見せびらかすようにヴィトンを持って背伸びをしている佳乃など付きまとわれるのもうるさいのですが、一方、祐一には長崎から車をとばしてでも会いにいきたい大事な存在となっていました。また祐一には幼い時、男のもとにはしった母親に捨てられたトラウマがあります。従ってファッションヘルス嬢の美保でも佳乃でも祐一の孤独を癒してくれるかけがえのない存在だったのです。もう一人地方の駅前の洋品店に勤めながら今年も何もないままクリスマスを迎えようとしている光代がいます。この孤独な二人が出会います。しばらく行方不明であった大学生の増尾が警察に連行されるあたりから、この作品は濃密な緊迫感をもって進行します。祐一に容疑がかけられうろたえる母親代わりの祖母房枝や、娘を殺害された理髪店経営の石橋夫婦たちは事件の関係者ということで世間から押し寄せる誹謗中傷に押しつぶされそうになりますが、作者はこれらの人々にも再生への一条の光を終盤に与えています。作者はその後、「でもさ、どっちも被害者にはなれんたい」と語ったことのある祐一を思い出した美保や祐一、光代の独白を掲げ読者にもう一度、悪人は誰だったかを問いかけて終わります。 | ||||
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| 初めて読んだ著者の作品。小説を読んだ、という満足感に浸れる作品だった。文章が素晴らしい。難しい表現もなく簡潔ではあるが文章に対するこだわりが伝わってきた。ストーリーや構成はオーソドックスだが、この作品においてはこのオーソドックスということが重要だ。また、一つの事件を巡る群像劇なので、読み手としても特定の登場人物に感情移入するとか、あるいは自分を映す鏡として読み進めることはできても、個々の登場人物の魅力で読者を惹きつけ読ませるといった種類の小説ではないように思う。ある時点まではミステリー的な要素もあるが、この作品は「事件」を描こうとしている作品ではないので、それはおまけだ。また、最後の最後にどんでん返しがあるかといえば、そうでもない。最後の結末が途中で読めた読者も多いだろう。それでも、読み手(わたし)を惹きつけて止まず、読み終わっても満足感を得ることができたのは、著者の文章に負うところが大きかったような気がした。「誰が悪人なのか」。作品中に答えははっきりと書かれていない。答えは読み手の心の中にある。 | ||||
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| 女は、殺されても仕方ない悪人だったのか。男は、冷酷な殺人鬼なのか。いろんな人間がクローズアップされるなかで、全部読み終わったあとも殺された佳乃の部分は、何度も何度も読んでしまう。付き合ってないどころか、ナンパされた日以来会ってもいない人気者の金持ちのボンボンと、同僚に付き合っている風なことをほのめかしたり、同僚で、痩せてる方をライバル視して、太ってる方を見下していたり、憧れの人と偶然あったら、調子にのって「同僚が、わたし達付き合ってると思ってるみたい」と言っちゃったり太った同僚にだけ、出会い系で、複数の男と交際してること自慢(?)したりその愚かな佳乃を太った同僚が語り、人気者の金持ちのボンボンが語り、両親が語り、出会い系で会った男が語る。読んでて、佳乃に対し「バカ!!」「あーもう、みっともない!」と激しくツッコミたくなった後、両親が、普通に娘を大事に思ってることを語られ、「スイマセン」という気分になる。容疑者の男について語られている箇所の方が断然多いのだが、わたしは、この佳乃の背景の方に惹き付けられた。しかし、吉田さん、すごいなぁ。ドラマチックな話ではないけれど、読み終わったあとに、胸に様々なものが、ものすごいスピードで去来して整理できないカンジ。 | ||||
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| 実際にあった事件の供述調書や裁判記録を再構成したかのようなリアリティーに溢れています。人物造形がしっかりしているので登場人物の行動に違和感を感じるようなこともありません。謎は二つ。・被害者を殺したのは誰か・タイトルの意味するところは何かこの謎を推進力に物語はテンポ良く進み途中ダレることもありません。ぐいぐいと物語に引き込まれます。読みごたえある逸品と言えましょう。 | ||||
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| 儚げでありながら、実は一番強かったのは祐一であったのではないかと、最後に感じました。いや光代によって祐一が強くなったんだなあ。映像化されるなら、最後モノクロシーンにオレンジのスカーフだけが鮮やかに風に揺れるのだろうなあと、勝手に想像してしまいました。 | ||||
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| 帯で浅田彰が指摘してるように、作者は「したたかな悪人」である。その分(タイトルに反して)この話には決定的な悪人は出てこない。いいや、出てきとーやん(博多弁、久留米なら"でてきとーばいやん"、長崎なら…)という反論もあるだろうが、僕にはそうは思えない。なぜなら、この話に出てくる人間の言葉をそのまま信じてはいけないからだ。冒頭から登場人物の多くがそれぞれ嘘をつくことで物語は展開していく。そして、その数々の嘘がある時はばりばり見え透いたもんだったり、ある時はそれなりに巧妙だったりするのだが、その中で思いっきり見え透いた嘘をついてるのが誰あろう作者なのだ。いや、ほんと。嘘だと思うなら179頁の8行目と226頁の1行目を並べてみればいい。このことはお約束として真実を語る場所としてのモノローグにさえ嘘が混じってる可能性をほのめかして、犯人が自分のことを語るその言葉さえもが、どこまで真に受けていいもかどうかと読者を悩ますことになる。だから読後しばらくどよーんしたまんま、で、ちっともすっきりしない時間続く。なにいってるんだ。人一人の命が奪われてるんだぞ。そう簡単にすっきりなんかしちゃいけないに決まってるじゃないか、すっきりなんかさせてやるもんか、といった声が聞こえる。ホント吉田修一は人が悪い。 | ||||
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| ひとつの殺人事件の加害者、被害者、そしてそれぞれの家族、友人、恋人など、関わるさまざまな人々の想い。小説は、紋切り型にキャラクターを設定するでもなく、それぞれの登場人物の心情をありのまま、丁寧に綴っていきます。殺人を起こした加害者は果たして悪人だったのか? 人間にとって善悪とは何なのか? 人間に人間は裁けるのか?加害者の男性は、とある女性との逃亡を通して、純真さと純真であるがゆえの狂気を見せていきます。彼が最後にとった行動は、果たしてどんな想いからなのか…。奇をてらった展開はないかもしれませんが、全編を通して、とても静かな、感情が殻を破ることができずに燻った様子は、今という時代を反映しながらも、普遍性を感じさせます。それを小難しくなく、平易な文章で表現しています。おすすめです。 | ||||
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| 少なくとも一冊の本として上梓され、しかもいくつかの有力な賞を受賞している以上、それなりの感興を得ることを期待するのは当然じゃないか。どこか間違っているんだろうか?でも違った。最後まで読むのが辛かった。いつかぐっとくるのではないかと思っていたのに。なんでだろう?こんなとこがあった。主人公の自転車に雪が積もって消える場面。とてもいいとこだ。でも「その直後だった」という言葉が雪が積もり消える場面の前に配置されている。確かに事実は「その直後」なんだろう。でも語感がいけない。「チョクゴ」ってぐちゃっとした音感の後に、雪がすっと消えていく感覚はどうしても生まれてこない。無理だ。勿論誤解のないように付け加えたいんだけど、ぐっとくる場面もあった。台所で、魚の頭がにゅっと浮き出るとこだ。とてもシュールでいい。これがあるから芥川賞なんだろうと思った。でも、これくらいだ。最後にやたら「?」がでる。確かにそうだ。「?」。 | ||||
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| 一人の被害者の周りに沢山の人々が現れ、交差していく。それぞれが生々しい。地方の町に現実に存在しているような。現在の格差社会を象徴するような、言わば彼らは下流の存在。その生活臭を生臭いほど発散している。一見して分かりやすい、魅力的な人物は一人もいない。全ての人が、それぞれの歪みや弱さ、凡庸さに浸っていて、それを克服するような意思も無い。しかし読み進むうちに、そこに自らを見つけてしまう。ヒリヒリするような切実さが浮かび上がる。いつの間にか、ストーリーへ埋没し、共感していってしまう。遠い町の他人事ではない気がしてくる。これが作者の筆力だと思う。感傷的なしゃれた会話のやり取りも、一切無い。情景と心理の描写がメインの文体である。だがそのおかげで、歯の浮きそうな無駄なせりふで興ざめすることも無い。この文体が、物語とドライな情感をグイグイドライブさせていく。そして最終章。静かな結末。ゆっくり熱い気持ちがこみ上げた。作者は、彼らに愛情を注いだと思う。少し距離を置きながら。しかし同じ目線の高さで。その情の距離感が、抜群であったと思う。普通の人々、いやむしろ、卑しく弱い人々。照らされることの無い、その内面と生活に、一瞬の光を与え、描ききったと思う。 | ||||
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| 主人公の描き方がとてもうまいと思う。「陰気で不気味な男」というとっつきが悪い印象と、「実は繊細で傷つきやすい男」という同情や共感を呼ぶ面が両方同じ位描かれている。それによって読者は、この人はどうも信用出来ない、いや、そうでもなさそうだ、と彼への評価がそのつど揺れる。そして読者の最終的な彼への印象が、逃避行の最後に行った彼の行為をどう解釈するかにつながっていくと思う。私個人としては、最後の彼の行為は、良くも悪くも『納得』した。このままただの純愛物語で終わるのだろうか、彼は一体どういう人なのだろうかと思いながら読み進んだ末のラストであった。 | ||||
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| ’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第8位、「このミステリーがすごい!」国内編第17位にランクインした芥川賞作家・吉田修一の問題作。2002年1月6日、長崎市郊外に住む若い土木作業員の清水祐一が、福岡市内に暮らす短大卒21才の保険外交員の石橋佳乃を絞殺し、その死体を遺棄した容疑で長崎県警に逮捕された。この記述からこの小説は始まる。いったいふたりの間に何があったのか、何が問題だったのか。物語は時間をさかのぼり、鳥瞰的な視点で始まる。被害者と加害者、それぞれの家族や友人、会社の同僚や出会い系サイトとで知り合った男たちや風俗店の女と、さまざまな人物に次々とズームインし、彼らの口を借りてドキュメンタリーのように、重層的に事件の背景が語られ、全体像を立体的に見せてゆく。不器用で己れの感情すらうまく人に伝えられない男がなぜ殺人を犯す<悪人>になったのか。嘘で糊塗することで己れを繕ってきた女はなぜ殺されなければならなかったのか。さまざまな登場人物の肉声の中に、その答えがあるのだろうか。私は物語の後半で祐一と一緒に逃避行する馬込光代の姿に素直に感動した。<幸せ>とは何か。<悪人>とは何か。本書は、吉田修一が抜群のストーリーテラーぶりを発揮した、読むものの魂を揺さぶる会心作である。 | ||||
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| ページをめくるごとに、登場人物たちの悲鳴にも似た叫びが聞こえてくるようで、苦しかったです。 | ||||
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